Title
劇症肝炎および急性肝炎患者における血漿エンドトキシン
と血清炎症性サイトカイン濃度の臨床的意義に関する検討(
内容の要旨(Summary) )
Author(s)
岩井, 浩子
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1105号
Issue Date
1997-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15162
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
如トー
氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 岩 井 浩 子(岐阜県) 博 士・(医学) 乙第1105 号 平成 9 年 3 月 25 日学位規則第4条第2項該当
劇症肝炎および急性肝炎患者における血祭エンドトキシンと血清炎症性
サイトカイン濃度の臨床的意義に関する検討
(主査)教授 武 藤 泰 敏 (副査)教授 藤 原 久 義 教授 安 田 圭 吾 論 文 内 容 の 要 旨 劇症肝炎において,エンドトキシンや各種サイトカインが重要な役割を果たしていることが知られている。た とえば,劇症肝炎患者の血中にエンドトキシンが高率に検出されることや,正常者や急性肝炎患者と比較して劇 症肝炎患者においてインターロイキン1(IL-1)やインターロイキン6(Ⅰし6).腫瘍壊死因子(TNF)-αが有意 に上昇していることが報告されている。また実験的にもマウスにおいてエンドトキシンやTNF-αを投与するこ とにより,急性肝不全が誘発されることが知られている。これらの事実から肝炎の劇症化に炎症性サイトカイン が深く関わっていることが推察されているが,実際の劇症肝炎および急性肝炎患者や,なかでも劇症肝炎と同じ くプロトロンビン活性が40%以下と高度の肝械能障害を伴った急性肝炎重症型患者との問で,同時にかつ経時 的にこれらの炎症性メディエーターを測定し,その臨床的意義を検討した報告はきわめて少ない。 そこで申請者は,劇症肝炎,急性肝炎重症型および急性肝炎患者における血菜エンドトキシン,血清TNF-α, IL-6.IL-1βを測定し,その相関を検討し,臨床的意義について考察を加えた。 対象および方法 対象は1991年から1993年までに岐阜大学第一内科にて経験した劇症肝炎(FH)患者5例(急性型(FHA)1 例,亜急性型(FHS)4例),急性肝炎重症型(AHS)患者8例,急性肝炎(AH)患者5例であり,入院時にお ける血祭エンドトキシン,血清TNF・α,IL-6,Ⅰし1βを測定した。FHのうち生存例は2例,死亡例は3例であっ た。ÅHSおよびAIlは全例が生存した。エンドトキシンの測定はヘパリン採血にて採取した血液を直ちに水冷し, 3000rpm,40秒間遠JL、分離して得られた上清を速やかに-80℃に凍結保存したものを自然解凍し合成基質法に て測定した。血清TNF-α,Ⅰし6,Ⅰし1βの測定は採血後2時間以内に分離した血清を用い,-80℃に凍結保存 したものを測定直前に自然解凍し,enZyme-1inkedimmunosorbent assay(ELISA)法にて測定した。 結果 l)劇症肝炎(FH),急性肝炎重症型(AHS),急性肝炎(AH)における血菜エンドトキシン,血清TNF-a, 血清IL-6.血清IL-1βの比較 血栄エンドトキシン濃度はFHにおいて,中央値:7.4pg/mi(範囲:3.Opg/mi∼15.9pg/ml)であるのに 対し,AHSにおいては中央値:4.8pg/ml(範囲:1.3pg/ml∼9.6pg/ml),AHでは中央値:5.7pg/ml(範 囲4.9pg/ml∼6.5pg/ml)であった。血清TNF-a濃度はFHにおいて,中央値:35.3pg/ml(範囲:11.5pg /ml∼170.1pg/ml)であった。一方,AHS,AHはすべて測定感度以下であった。血清IL・6濃度はFHにおい て中央値:26.2pg/ml(範囲:15.2pg/ml∼39.Opg/ml)に対し,AHS,AHではすべて測定感度以下であっ た。また,血清IL-1β濃度はFH.AHS,AHともにすべて測定感度以下であった。FHとAHSを比較すると血焚 エンドトキシン濃度はFIlにおいてやや高値であったが有意差を認めなかった。一方,血清TNF-α及びIL-6濃度 は.AHSに比較して.FHにおいて有意に高値であった(ともにP<0.001)。次にFHとAHを比較したところ, 血柴エンドトキシン濃度には有意差を認めなかったが,血清TNF-αと血清IL-6濃度は,FHにおいて有意に高値 を示した(ともにP<0.001)。AHSとAHの比較においては血祭エンドトキシン濃度,血清TNF-a濃度,IL-6濃-129-度に有意差を認めなかった。 2)入院時における炎症性メディエーターの相関の検討 ′ /・