190 (82) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
イワ デ モト ヨ岩出二代(昭和3
博士(医学) 乙第1246号 平成4年1,月17日学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
麻酔中の心筋虚血モニターとしての経食道心エコーの有用性の検討 (主査)教授 藤田 昌雄 (副査)教授 細田 瑳一,小幡 裕論 文 内 要 の 要 旨
目的 冠血行再建術中の心筋虚血モニターとして馬食道心 エコー iTEE)による心筋壁運動異常検出の有用性を 検討した. 方法 対象は冠血行再建術患老21例であった.麻酔は通常 の開心術例に準じた.測定項目は心電図(肢誘導およ びV5),心拍数,動脈圧,心拍出量,肺動脈懊入圧, rate pressure product(RPP)とした. TEEは左室短 軸像乳頭筋レベル,同僧帽弁レベル,四腔像,同左室 流出路レベル,左室長軸像を評価した.測定時期は, 執刀前,執刀後,胸骨切開後,人工心肺離脱5分後, 離脱30分後,閉胸後,皮膚閉鎖後とした.心エコー像 の評価に際しては,左室壁を7区域に分け,壁運動を normal, mild hypokinesis, severe hypokinesis, akinesis, dyskinesisの5段階評価とした, 結果 1)心筋壁運動異常と心電図の虚血性変化 壁運動異常の増悪例は,21例中17例(81%),各測定 時期を1ポイントとすると,総測定ポイント122中54ポ イント(44%)であった.うち心電図の虚血性変化を 伴ったのは19%(23/122),伴わなかったのは23%(28/ 122)であった.壁運動異常がなく心電図変化のみの例 が23%(28/122)にみられた.手術終了時まで持続し た壁運動異常の増悪は8例で,内7例は人工心肺離脱 30分後以降に出現した. 2)心筋壁運動異常と血行動態の変化 心拍数100/min以上, RPP 12,000以上,心拍出量が 30%以上変化した例の,それぞれについて壁運動異常 との関係は,いずれにも相関関係はなかった. 3) 心筋壁運動異常の検出部位 検出部位別にみる壁運動異常出現率は短軸乳頭筋レ ベル44%,短軸僧帽弁レベル45%,四腔像15%,長軸 像35%などであった. 考察および結語 1)冠血行再建術患者を対象にTEEによる心筋壁 運動異常と心電図および血行動態との関係を検討し た. 2)心電図変化は壁運動異常例の約半数で,心電図は 心筋虚血の有効なモニターではないと考えられた. 3)壁運動異常と血行動態には相関がなく,血行動態 の変化から心筋虚血を予想しえないと考えられた. 4)従来単独で用いられてきた短軸乳頭筋レベルに 加え,他の断面を観察評価することが重要と考えられ た. 一794一!91