44 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(9) ニイ ナミ ヒロシ高浪博(昭和37
博士(医学) 誘惑200号平成4年1月17日
学位規則第4条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程終了者)
犬両側広背筋による骨格筋心臓形成術に関する実験的検討 (主査)教授 小柳 仁 (副査)教授 今井 康晴,高桑 雄一論 文 内 容 の 要 旨
目的 近年左側広背筋を心臓に直接被覆し心臓の収縮力の 増強をはかる骨格筋心臓形成術(dynamic cardiomyo- plasty法)が臨床応用されている.この方法の最:良の 適応は拡張型心筋症であろうと示唆されているが,片 側の広背筋だけでは拡張した心臓を適切に被覆するの に十分な大きさではない.そこでこの実験において, 犬の両側広背筋を両心室の周囲に被覆し,心臓と同期 させて収縮するように刺激を行い,血行動態の影響を 評価し検討を行った. 対象および方法 体重20kg前後の雑種成犬8頭を用いて左右広背筋 を神経血管茎を残して剥離し心臓周囲に左側が下にな るようにして被覆した.支配神経と心臓には電極を植 え込み心臓同期型筋肉刺激装置に接続した.広背筋は 心臓の拍動に対し2:1の頻度で刺激し,血行動態を 測定し広背筋による心補助効果を検討した,さらにイ ンデラル(5mg/kg)の静注により急性心不全を誘導 し,血行動態の測定を繰り返した. 結果および考察 広背筋を最初左右両方,次いで片方ずつ刺激したと ころ両側刺激のほうが左側のみの刺激よりも大きな効 果を得た.右側の広背筋のみの刺激は左側のみよりも 血行動態変化は小さかった.両側広背筋を収縮させる ことにより心拍出量は9.9±2.2%(p<0.005),左室圧 は18.7±3.5%(pく0.001),肺動脈圧は72.2±25.4% (p<0.01),一回心拍出量:は13.4±5.7%(p〈0.05)の 増加を示した.左室拡張末期圧,中心静脈圧は刺激に より変化しなかった.また心不全誘導後,心拍出量は 21.6±3.3%(p〈0.005),左室圧は20.8±3.3%(p〈 0.005),肺動脈圧は87.2±39.9%(p<0.05),一回心 拍出量は46.9±22.9%(p<0.05)の増加を示した.左 室拡張末期圧は減少したが有意差を認めなかった.ま た中心静脈圧は変化しなかった.両側広背筋による cardiomyoplasty法は正常心および不全心状態におい て有意に血行動態を変化さぜた.しかしその変化の程 度は心不全状態時の方がより大きかった. 結論 両側骨格筋を用いることは左側のみと比較して,両 脚補助であること,心臓の絞り効果があること,さら に肥厚心筋にも適応できることが挙げられるより良好 な心補助効果を得ることができ,心不全に対する外科 治療の新たな一分野として期待できると思われる. 一648一45