214 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(91) ウエ マツ フミ エ植松文江(昭和2
博士(医学) 山山1437号平成6年2月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
テオフィリン代謝の薬理学的検討第1報 気管支喘息小児における非発作時の薬物動態値について
第ll報 薬物動態値に対する年齢,体重の影響(主査)教授福山 幸夫
(副査)教授 村木 篁,大森 安恵論 文 内 容 の 要 旨
目的 テオフィリンの適正な臨床応用を目的として,日 本人喘息小児の正確なテオフィリン薬物動態値(分 布容量(Vd),β層半減期(BT112),クリアランス (CI):以下動態値と略)を求め,さらに,小児期に おけるテオフィリン代謝に対する年齢と体重の影響 を検討する. 対象および方法 対象:気管支喘息小児200名(1~15歳,平均年 齢;7.2±3.9歳,平均体重;23.8±11.Okg) 方法:(1)16名に対し,非発作時に,既知の影響 要因(肝または腎障害,感染症,他の薬物服用,テ オフィリン含有飲食物等)を除外した条件下で,ア ミノフィリンを静注し,0~360分まで6点の血清濃 度を測定し,one-compartment open modelに従っ て,動態値を求めた. (2)200名を対象とし,発作時,1回静注または点 滴静注中に測定した血清濃度から計算した各動態値 につき,年齢,体重を独立変数として統計解析し, A;階層別した動態値の平均値と分散の有意性,お よびどの階層間に差があるかの検討,B;単回帰分 析,C;重回帰分析, D;各動態値と各変数間の赤池 情報量基準により選択された回帰曲線の検討をし た. 結果 (1)設定条件下で求めた動態値は,Vd=0.443± 0.10(L/k:g),BT1!2=4.91±1.32(hr), Cl=0.067± 0.024(L/kg/hr)であった. (2)動態値に対する年齢,体重の影響.Vdは平均 値,分散とも年齢,体重の何れにも影響されなかっ た.BT1,2およびC1は,両者に影響されたが,体重 の影響がより大であった.年齢,体重の増加に従っ て,BT112は延長, Clは減少したが,10歳と13歳付近,体重では30kgと40kg付近に2つの変化点が存在
し,各変化点の付近でテオフィリン代謝は有意に変 化した. 考察 設定条件下で求めた動態値は,本邦文献値に近似 していたが,最も厳密な測定条件で施行した本研究 の成果は,本邦小児での基準値になるであろう.ま た欧米値に比し代謝速度が遅い傾向がみられ,食餌 成分の相違をその一因と考察した. テオフィリン代謝が年齢より体重により強く影響 されることは興味深いが,その機序は不明である. 体重と肝容量および薬物代謝との関係について少数 の報告があるが見解は一定していない.今後薬物代 謝に関与する諸臓器機能の発達と体重変化との関連 について,より詳細な研究がなされるべきであろう. 結論 日本人喘息小児のより正確な動態値,および1 ~15歳におけるテオフィリン代謝の変化様式と体重 の影響の重要性につき報告した. 一820一215