164 (66) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
サ ガミ トシ カズ佐上俊和(昭和3
博士(医学) 乙甲1412号平成5年12月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
経ロ的超細径膵管内視鏡検査法の手技的検討とその臨床的応用に関する研究 (主査)教授 羽生富士夫(副査)教授林 直諒,新田澄郎
論 文 内 容 の 要 旨
目的 膵管内の直接観察は,従来の親子式ファイバース コープによる検査法では,十二指腸乳頭切開術後の症 例等に限られていた.著者は,通常の十二指腸乳頭か らの到達を可能にすべく,超細径ファイバースコープ を開発,改良し,本機種を用いた膵管内視鏡検査法(以 下本法)の手技的検討と臨床的応用に関する研究を 行った. 対象および方法 1)対象:1990年1コ口ら92年6月までに内視鏡的 逆行性膵胆管造影(ERCP)を施行した症例のうち,58 例を対象とした.その内訳は,膵疾患45例,胆道疾患 8例,正常5例である. 2)使用機種:超細径スコープは,外径0.75mmイ メージファイバー3,000本,および0.45mm,1,600本の 2種類で,システム本体は,前期(1990年1月~91年 9月)は,M&M社製FVS-1000を,後期(1991年10 月~92年6月)は,リアルタイムに写真撮影ができる ように改良されたFVS-3000を使用した. 3)検査方法=まず十二指腸乳頭を正面幽し,経乳頭 的に膵管内に,造影用カテーテル(ガイドカテーテル) を挿入し,ガイドワイヤーを用いて,目的の部位まで 到達させる.ガイドワイヤーを抜去後,カテーテルに 超細径スコープを挿入して膵管内を観察する. 4)画像の記録:前期ではVTRのみ,後期ではこれ に同時写真撮影を付加した.またVTRから静止画像 を経て得た写真と直接撮影した内視鏡写真の比較検討 も行った. 結果および考察 1)膵管内挿入成績:前期挿入率は81%であったが, 本法の手技の習熟により成績が向上し,後期は91%と なった. 2)観察結果 (1>正常例:平滑で淡いピンク色を呈し,血管透見 の見られる主膵管粘膜が見られた. (2)膵癌:主膵管の狭窄,閉塞,不整隆起,粘膜凹 凸不整,発赤,出血,びらん等が観察された. (3)粘液産生膵腫瘍:いわゆるイクラ状隆起が典型 的な所見であった.しかし膵管高度拡張例では多量の 粘液により視野不良のことが多く,光量が不足し,十 分な観察はできなかった. (4)慢性膵炎:粘膜は白色調を呈し,粘膜の凹凸や 狭窄が見られ,また多くの蛋白栓と思われる浮遊物が 認められた. 3)画像の記録:後期における直接同時撮影では写 真のプレに関して多少の問題があるが,前期のVTR からの静止画像に比し,色調記録において再現性が高 まり,また鮮明度や画質の向上も見られた. 4)本法施行後,重篤な合併症の発生は皆無で,安金 な検査法であるといえる.しかし,手元に先端の角度 調整機構がないことによる視野の確保の点やファイ バースコープそのものの耐久性の点で問題が残されて おり,今後さらに改良が必要であると考えられた. 結論 超細径ファイバースコープを開発改良し,膵管内視 鏡検査を行った.本法は膵管内の観察を比較的容易と し,膵疾患の新しい検査法として発展が期待できる. 一770一165