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ラット骨芽細胞(ROS17/2)におけるインスリン様成長因子(IGF-I)の意義

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Academic year: 2021

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136 (35) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

オオ バ ヨシ ト

大庭義人(昭和2

医学博士 乙第961号 昭和63年10月21日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) ラット骨芽細胞(ROS 17/2)におけるインスリン様成長因子(IGF・1)の意義 (主査)教授 鎮目 和夫 (副査)教授 平田 幸正,教授 笠島 武

論 文 内 容 の 要 旨

目的 インスリン様成長因子(IGF-1)が骨端軟骨に対して ばかりでなく,骨芽細胞の機能にも影響を及ぼし得る ことは以前より示唆されてきた.しかし,その作用機 序については不明の点が多く,骨芽細胞自体にIGF・1 受容体が存在するか否かについても確証は得られてい ない,そこで,成熟骨芽細胞のモデルとして知られる ラット骨芽細胞株(ROS 17/2)を用いてIGF-1の骨芽 細胞に対する直接作用につき,以下の検討を行った. また,最近IGF-1が肝臓以外の臓器でも産生され,そ の局所において作用することが明らかにされつつある が,骨芽細胞においても同様の現象が認め得るかにつ いても検討を加えた. 方法 〔1251〕IGF-1を用いた結合実験にてROS 17/2にお けるIGF-1の特異的結合を確認したのち,標識IGF-1 とクロスリンクした受容体を電気泳動し,そのオート ラジオグラフィーにより,この細胞に存在するIGF・1 受容体の分子量を決定した.ついでIGRIのROS 17/ 2の増殖及び分化機能に対する影響を検討した.IGF・1 の作用の指標としては細胞増殖とサイミジンのDNA への取り込み,また非代謝性の合成アミノ酸であるα アミノイソブチル酸(AIB)の取り込み,及びアルカリ ホスファターゼ活性の誘導を用いた.また,ROS 17/ 2自身の産生するIGF-1様因子を検出する為に, IGF-1 に対するラジオイムノアッセイ(RIA),ラジオレセプ ターアッセイ(RRA),及びヒト線維芽細胞のDNA合 成を指標としたバイオアッセイを用いた.この内因性 IGF-1の物理化学的性状を明らかにするためゲル濾過 と等電点電気泳動をおこない,その分子量と等電点を 求めた.またこの物質の分泌制御機構を明らかにする 為,種々の生理活性物質をROS 17/2に投与し,培養上 清中のIGF-1様免疫活性を測定した. 結果及び考案 ROS 17/2にはIGF-1に特異的な受容体が存在した. その受容体の分子量は130Kであった.その存在に対 応して,IGF・1はこの細胞の増殖とDNA合成を促進 し,また〔3H〕AIBの取り込みを促進した.しかし, 骨芽細胞の分化度の指標のひとつであるアルカリホス ファターゼ活性はIGF-1により誘導されなかった.ま たROS 17/2はそれ自身IGF-1様因子を分泌してお り,RIF, RRA,バイオアッセイのいずれの測定法を もちいても検出可能であった.この内因性IGF-1の分 子量は30,000前後であり,等電点は6。7であった.この 物質の分泌は成長ホルモンやPTHにより影響されな いが,活性型ビタミンDである1,25(OH)2D3により容 量依存性に促進された.以上より,内因性のIGF-1様 因子がROS 17/2の増殖及び分化に関与しており,こ の物質が1,25(OH)2D3の作用のメディエイターのひと つであることが示唆された. 結語 ROS 17/2は内因性のIGF-1様因子により,自身の増 殖と分化を制御している可能性がある.またこの因子 の産生は活性型ビタミンDにより促進される. 一1026一

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論 文 審 査 の 要 旨

本論文は,ラット骨芽細胞株を用いて,骨芽細胞はIGFIに対する受容体を有し,また骨芽細胞自身が内因 性のIGF-1様因子を産生し,自身の増殖と分化を制御している可能性を示し,更にIGF-1様因子の産生は,活 性型ビタミンDにより促進されることを示したもので,医学上価値あるものと認める. 主論文公表誌 ラット骨芽細胞(ROS 17/2)におけるインスリン様 成長因子(IGF-1)の意義 東京女子医科大学雑誌 第58巻 第7号 637~649頁(昭和63年7月25日発行) 副論文公表誌

1) Identi丘cation and initial characterization of transforming growth factor-like mitogen (s)in human anterior pituitary(ヒト下垂

体前葉における形質転換成長因子様活性の存

在とその性質)

Biochem Biophys Res Commun 133(3)

951~957 (1985)

2)Trilodothyronine binding immunoglobulin in aeuthyroid man without apparent thyrold disease; its properties and effects on triiodothyronine metabolism(甲状腺機能正

常者におけるT3結合免疫グロブリンの性質

とそのT3代謝への影響)

Acta Endocrinol 108(3)498~503(1985)

3)Thyroid-stimulating antibody bioassay using porcine thyroid ceUs cultured in follicles(ブ

タ甲状腺濾胞を用いた甲状腺刺激抗体のバイ

オアッセイ)

JCIin Endocrinol Metab 61(6)1105~1111 (1985)

4)Biological activities of human growth hor- mone and its derivatives estimated by

measuring DNA synthesis in Nb2 rat lymphoma cells(Nb2ラットリンパ腫細胞の DNA合成を指標に測定したヒト成長ホルモ

ンとその誘導体の生物活性)

Acta Endocrinol 114 283~291(1987)

5)Interaction of insulin-like growth factor I with porcine thyroid cells cultured in

monolayer(ブタ甲状腺細胞の単層培養系に

対するインスリン様成長因子の効果)

Endocrinology 121(2)749~756(1987)

参照

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