151 (47) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
イケ ダ カズ オ池田和男(昭和
医学博士 乙第1046号 平成元年10月20日学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
心形態形成初期の鶏胚の循環動態に心房性ナトリウム利尿ペプタイドが及ぼ
す影響について (主査)教授 高尾 篤良 (副査)教授 細田 瑳一,野本 照子論 文 内 容 の 要 旨
目的 心臓血管の形態形成に血流が関与している可能性 は,Spitzerの提唱以来,種々の研究により支持されて ぎた.鶏胚においては,環境温度の変化やカテコラミ ン類が形態形成に影響を及ぼすことや,心血管系に対 して催奇形性を持つことが知られている. 著者は,近年新しいホルモンとして,生体の体液量 調節や循環動態に重要な生理的意義をもつことが証明 されている心房性ナトリウム利尿ペプタイド(ANP) が,心形態形成初期の鶏胚の血行動態へ及ぼす影響に ついて調べた. 対象および方法 Hamburger-Hamilton(HH)stage 15および21の鶏 胚の卵黄静脈に,rat Atriopeptin(rANP)10ng,1.O ng,0.1ngを100nlの溶液として注入し,心拍数・卵黄 動脈血圧・背側大動脈血流量(心拍出量)の変化を測 定,記録した. コントロールとして,chick Ringer液を用い,同様 に心拍数・血圧・血流量の変化を記録した. 結果 (1)HH stage 15・21のいずれの鶏胚でも, rANP の静注により血圧・心拍出量は,monotonousに低下し た,10ngのrANP注入終了後3分での血圧・心拍出量 は,いずれのstageでも注入前値の約50%に低下した. この変化の度合いは,rANP量依存性であった. (2)量依存性の傾向は,stage 15では血流量におい て,stage 21では血圧において,より顕著にみられた. (3)一定の環境温度下では,rANP投与による鶏胚 の心拍数への影響はみられなかった。 考察と結論 (1)rANPが, HH stage 15・21の比較的初期鶏胚 において既に循環調節に関与していることが示唆され た, (2)rANPによる卵黄動脈圧・心拍出量の低下の機 序としては,venous returnの減少,末梢血管抵抗の減 弱などへの影響が考えられた. (3)従来,鶏胚に存在すると考えられている内分泌 顯粒とrANPの間には, cross reactionの存在することが,示唆された. (4)stageの相違による, rANPへの反応性の違い に関しては,血管抵抗の異同や心拍出量低下に対する 代償反応の差異などが考えられるが,今後実験実証 データが必要であろう. 一753一
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論 文 審 査 の 要 旨
本研究はHamburger-Hamilton stage 15・21の鶏胚の卵黄静脈にAtriopeptinを投与し心房性ナトリウム 利尿ペプタイドが心形態形成初期既に鶏胚の循環調節に関与していることを初めて観察証明したもので発達 心臓病学に貢献する価値大なるものである. 主論文公表誌 心形態形成初期の鶏胚の循環動態に心房性ナトリウ ム利尿ペプタイドが及ぼす影響について 日本小児科学会雑誌 第93巻 第7号 1480-1489頁(平成元年7月1日発行) 副論文公表誌 1)縦隔腫瘍が疑われた小児肺結核の1例 臨小医 31(2):87-92,1983 2)Caroli病(先天性肝内胆管拡張症)の1例 小児科臨床 36(5):1037-1041,1983 3)心タソポナーデを合併した若年性関節リウマチ (JRA)の1例 臨小児医 31(5):287-292,1983 4)完全房室ブロックによるStokes-Adams発作 をきたしたウイルス性心筋炎と思われる2例 臨小児医 31(6):38㍗395,1983 5)肺動脈弁欠損を伴うファロー四徴症の2例 臨小児医 31(6):355-361,1983 6)小児肝不全におけるアミノ酸代謝について 臨小児医 32(2):109-114,1984