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公立中学校生徒からみたスクールカウンセラー活動の有効性

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(1)公立中学校生徒から見た スクールカウンセラー活動の有効性 了徳寺大学. 橋 本 和 幸. 秋田県立大学. 田 中 理 恵. 神奈川県臨床心理士会. 倉 橋 朋 子. 神奈川県立総合教育センター. 上 野 道 子. 横浜国立大学. 高 木 秀 明. School Counselorsʼ Activities from the Public Junior High School Studentsʼ Viewpoint.

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(3) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. 公立中学校生徒から見た スクールカウンセラー活動の有効性 School Counselorsʼ Activities from the Public Junior High School Studentsʼ Viewpoint. 橋本. 和幸 *・田中. 理恵 **・倉橋. 朋子 ***・上野. 道子 ****・高木. 秀明 *****. SC と話をした機会が多い生徒ほど家庭的及び社. 1.問題. 交的イメージを強く持ち、SC へのニーズが高かっ. スクールカウンセラー(以下、SC と略記)は、 心の援助について専門的な教育や訓練を受けた者. た。また、半田(2003)では、中学生を対象に調. が就く対人援助職であり、学校における子どもの. 査した結果、53.2%の生徒が SC と何らかの形で話. 支援のために導入された。現状では、特に公立中. をしたことがあり、46.6%の生徒が 1 回以上相談. 学校への配置が進んでいる(鵜養, 2011) 。このた. 室を訪れたことが明らかになった。さらに、半田. め、SC 活動の効果を探るためには、利用者である. (2005)は、中学生に SC の必要性を尋ね、77%の. 中学生が、どのように SC を評価しているかを調. 生徒から学校に必要であるとの回答を得ている。. 査することが方法の一つであると考えられる。し. 生徒から見た SC についての先行研究は、SC の. かし、このような研究は、SC 活動について SC 自. 必要性やイメージを調査する研究が多く、SC を. 身の実践報告によって行われている研究に比べる. 実際に利用した経験とその評価、来談意欲などに. とまだ数が少ない。. ついては調査が行われていない。調査項目間の関. その中で、横島・小野瀬・大関・難波・大野・. 連を分析する手法もあまり用いられていないよう. 半田・石隈(1996)は中学生と高校生への調査か. である。さらに、先行研究のいくつかは、ある特. ら、SC の必要性について、中学生では 51%、高校. 定の中学校において行われた調査である。このた. 生では 58%が SC を「とても必要」か「少し必要」. め、調査結果に一般性を持たせるためには、複数. との回答を得ている。また、特に SC に相談した. の中学校で調査を行うことが必要である。. い内容は、友人関係、進路、勉強方法であった。 2.目的. 半田・有賀(2002)は、休み時間等に生徒が相談 室を自由に訪れ自由に過ごす活動である「自由来. 以上を踏まえて、本研究は公立中学校生徒を対. 室活動」を行う SC についての中学生による評価. 象に、SC に相談した経験、今後の相談する意欲、. を調査している。因子分析の結果から生徒が持つ. SC の存在の有用性を調査して、SC 活動の有効性. SC のイメージとして、 「家庭的イメージ」 「社交的. を検討することを目的とする。. イメージ」「静的イメージ」の 3 因子が抽出され、. 本研究の調査は X 市で行われたが、本研究の調 査が行われた時期は、X 市が SC 配置を拡大しつ つある時期にあたる。その時期に SC の有効性に. * 了徳寺大学 教養部 ** 秋田県立大学 *** 神奈川県臨床心理士会 **** 神奈川県立総合教育センター ***** 横浜国立大学 教育人間科学部. ついて利用者である中学生がどのように考えてい たかなどを把握することは、 今後全国各地にある、 X 市ほどは SC 配置・派遣が進んでいない他の自 −7−.

(4) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. ⑸. 治体が、SC 制度を維持・拡大していく際に、有益. 調査手続き. 質問紙は、調査対象クラスで担任により調査対. な情報となると考えられる。. 象者に配布し、回答を求めた。そして、学校ごと にまとめて回収した。. 3.方法 ⑴ 調査地域の特徴. ⑹. 本研究では、X 市の全公立中学校の生徒を対象. 調査内容. 質問紙には次の 9 問を記載して回答を求めた。. に調査を行った。. Q1. X 市は、首都圏にある人口が 20 万人台の市であ. スクールカウンセラー(SC)は何をする人. る。祖父母の代からこの土地に住んでいる人々が. だと思いますか。簡単に書いて下さい。 (自由. 暮らす住宅地域、工業が盛んな地域、古くからの. 記述) Q2. 農業地域、新たに転入してきた都心に通勤する 人々が住んでいる新興住宅地域などが混在してお. (はい・いいえ). り、住民の職業や年代に偏りの少ない地域と考え. Q3. SC 室に行ったことがありますか。(はい・い. いえ). られる。. Q4 ⑵. SC は何曜日に来ているか知っていますか。. SC に相談したことがありますか。(はい・い. いえ). SC 配置の状況. Q5. X 市は、1995 年度から 1997 年度にかけて、文部. 相談したことがある人の評価:Q4 で「はい」. 省の「SC 活用調査研究委託事業」で派遣された. と答えた人は次の中からあてはまるものに○を. SC を中学校 2 校と小学校 1 校で受け入れた実践を. つけてください。 (相談にいってよかった。/何. もとに、同事業終了後も市独自の雇用で市立中学. ともいえない。/相談にいっても特に変わらな. 校に順次 SC(以下、市 SC とする)を配置し、2005. かった。) Q6. 年度には市立中学校全 15 校に文部科学省の「SC. 相談したことがない人の気持ち:Q4 で「い. 活用調査研究委託事業」による SC の派遣(以下. いえ」と答えた人は次の中からあてはまるもの. 県 SC とする)を受け入れている。現在は、週 1 日. に○をつけてください。 (今は相談したいこと. 8 時間(県 SC のみ配置)の中学校と週 2 日 16 時間. がないが、したくなったら行こうと思う。/相. (県 SC と市 SC を配置)の中学校がある。. 談したいが、行きにくい。/相談したくない。 ) Q7. SC は 学 校 に い た 方 が よ い と 思 い ま す か。. (いたほうがいい・どちらでもいい・いなくても. ⑶ 調査対象者. いい). 首 都 圏 の X 市 の 公 立 中 学 校 全 15 校(各 学 年. Q8. 1〜7 クラス)において、第 3 学年からランダムに. SC がいてよかったことがある人は、もしよ. ければどんなことか教えて下さい。(自由記述). 抽出した 1 つのクラスの生徒を対象に調査を行っ. Q9. た。なお、対象者は 482 名であった。. SC について、なにか意見があれば書いて下. さい。 (自由記述) ⑷. 調査時期 ⑺. 2004 年 11 月。. 調査データの分析 調 査 デ ー タ の 分 析 に お い て は、IBM SPSS. −8−.

(5) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. く”ことに重きがおかれ、さらに、「悩みとか聞い. Statistics 20.0 を用いた。. てくれたり、心がリラックスできるところ」など 4.結果. 心を軽くしてくれるという意味合いも含まれてい. ⑴. ると考えられる。. 各質問項目の結果について. ⅲ「アドバイス」について. 1)中学生は SC が何をする人と考えているか. このカテゴリを挙げた生徒は、全体の 8.0%で. ①回答の分析 Q1 に対する回答をカードに転記した結果、有. あった。このカテゴリの記述内容は、「相談を聞. 効回答の 460 名の回答から 463 枚のカードが作成. いてアドバイスする」 「人の悩みを聞いて解決す. された。このカードを SC 経験がある臨床心理士. る人」などであり、先の 2 つに比べると、具体的な. 4 名で議論して、KJ 法(川喜田, 1967)に基づいて. 解決に導いてくれる人と認知しているように考え. 分類・整理を行った。この過程で「わからない」. られる。. と回答したものと、どのカテゴリにも分類出来な. ⅳ「一緒に考える」について. かったものを集めた「その他」を除くと、428 名の. このカテゴリを挙げた生徒は全体の 5.0%と少. 回答から 430 枚のカードが作成された。それぞれ. なかったが、記述内容を見ると、 「悩みや相談を聞. を分類、整理したところ、 「相談相手」 (201 名、43.. いて、解決の糸口を見つける人」や「悩みを聞い. 7%)、 「悩みを聞く人」 (97 名、21.1%)、 「アドバイ. て一緒に解決の手伝いをしてくれる人」など、解. ス」 (37 名、8.0%)、 「一緒に考える」 (23 名、5.0%)、. 決する主体は生徒自身であることを理解した上. 「心のケア」 (16 名、3.5%) 、 「特別な対象や問題に. で、それを支える存在として SC をとらえている. ついての相談をする人」 (16 名、3.5%) 、「カウン. と考えられる。. セリング」(15 名、3.3%) 、 「治療的かかわりをす. ⅴ「心のケア」について. る人」(14 名、3.0%) 、「情緒的サポート」(11 名、. このカテゴリを挙げた生徒は全体の 3.5%で、. 2.4%)という 9 個のカテゴリに分類することがで. 記述内容を見ると、単に「心のケア」という言葉. きた。. だけを挙げるなど、漠然としたイメージの記述が. ②各カテゴリの特徴. ある一方で、 「リラックス」、 「癒し」 、 「和み」など の記述内容もみられ、SC が校内において、緊張を. 得られた 9 個のカテゴリの特徴や回答例は次の 通りであった。. 緩めてくれる存在として認知されているのではな. ⅰ「相談相手」について. いかと考えられる。 ⅵ「特別な対象や問題についての相談をする人」. このカテゴリを挙げた生徒は 43.7%と最も多 かった。SC が相談を受ける存在であるという認. について. 知が、ある程度浸透していると考えられる。しか. このカテゴリを挙げた生徒は全体の 3.5%で、. し、その内容はあまり具体的ではなく漠然とした. 記述内容を見ると、落ちこぼれ、不登校など相談. 印象であると考えられる。. 範囲をはっきり限定した相談をする相手というも. ⅱ「悩みを聞く人」について. のであり、SC に相談することは特別なこととい. このカテゴリを上げた生徒は全体の 21.1%で、. う、相談への敷居の高さや抵抗感につながる見方 と考えられる。. 2 番目に多かった。記述内容を見ると、 「悩んでい ることを親身になって聞いてくれる人」など、“聞 −9−.

(6) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. 3)相談室に行ったことがあるか. ⅶ「カウンセリング」について このカテゴリを挙げた生徒は全体の 3.3%と少. Q3 より、欠損値 2 名を除いた有効回答の 480 名. なかった。記述内容を見ると、カウンセリングと. 中、SC の部屋(相談室)に行ったことがあると答. いう言葉だけが挙げられており、カウンセラーだ. えた生徒は 242 名(50.4%)、行ったことがないと. からカウンセリングをするということで、その内. 答えた生徒は 238 名(49.6%)であり、ほぼ半々に. 容まではよくわからない漠然とした印象が持たれ. 分かれた。. ているように考えられる。 4)SC に相談したことがあるか. ⅷ「治療的かかわりをする人」について このカテゴリを挙げた生徒は全体の 3.0%と少. Q4 より、欠損値 3 名を除いた有効回答の 479 名. なかった。記述内容を見ると、「心の病を治して. 中、SC に相談したことがあると答えた生徒は 46. くれる」 「悩みを解消する」などとあり、SC への. 名(9.6%)と約 1 割であり、相談したことはない. 高い期待に基づいて、難しい心の問題への対処が. と答えた生徒が 433 名(90.4%)であった。. 期待されていると考えられる。 5)SC に相談したことの感想. ⅸ「情緒的サポート」について このカテゴリを挙げた生徒は全体の 2.4%と少. Q5 より、Q4 で SC に相談したことがあると答. なかった。記述内容を見ると、「味方になってく. えた 46 名の生徒にその感想を尋ねたところ、無回. れる」 「励ましてくれる」など、精神的な支えとと. 答の 1 名を除いた 45 名中、「相談にいってよかっ. らえているのではないかと考えられる。. た」と答えた生徒が 30 名(66.7%) )、 「何ともいえ. ③カテゴリの統合. ない」と答えた生徒が 10 名(22.2%) 、 「相談にいっ. 9 個のカテゴリを共通するものでまとめると、. ても特に変わらなかった」と答えた生徒が 5 名(11.. 「相談相手」 「悩みを聞く人」「心のケア」 「カウン. 1%)であり、3 分の 2 の生徒が SC の相談に効果が あったと考えていることが明らかになった。. セリング」は「漠然とした相談の印象」とまとめ ることができ、 「アドバイス」 「一緒に考える」 「特 別な対象や問題についての相談をする人」 「治療. 6)SC への相談経験がない生徒の来談意欲. 的なかかわりをする人」 「情緒的サポート」は「具. Q6 より、Q4 で SC に相談したことがないと答. 体的な相談の印象」とまとめることができるもの. えた生徒に、今後相談をする気持ちがあるかどう. と考えられる。「漠然とした相談の印象」を持っ. かを尋ねたところ、無回答の 44 名を除いた 389 名. ている生徒は 71.6%と多く、 「具体的な相談の印. 中、 「今は相談したいことがないが、したくなった. 象」を持っている生徒は 21.9%と少なかった。. ら行こうと思う」と答えた生徒は 196 名(50.4%) 、 「相談したいが、行きにくい」と答えた生徒が 34 名(8.7%)、 「相談したくない。」と答えた生徒が. 2)SC の勤務曜日を知っているか Q2 より、欠損値 5 名を除いた有効回答の 477 名. 159 名(40.9%)であった。このことから、相談を. 中、SC が来校している曜日を知っていると答え. したくなったらしようと思っている生徒が約半数. た生徒は 184 名(38.6%)、知らないと答えた生徒. と最も多いが、相談をしたくないと思っている生. は 293 名(61.4%)であり、知らない生徒のほうが. 徒の割合も約 4 割と拮抗していることが明らかに. 多かった。. なった。 − 10 −.

(7) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. よかった」 、「楽になった」、 「すっきりした」、 「う. 7)SC が学校にいたほうがよいと思うか Q7 より、欠損値 7 名を除いた有効回答の 475 名. れしかった」 、 「安心できた」、 「笑顔になった」な. 中、SC が学校に「いたほうがいい」と答えた生徒. どのように、SC への相談の結果、情緒的な安定や. は 245 名(51.6%) 、 「どちらでもいい」と答えた生. サポートされた感覚を持つことに言及したものが. 徒が 203 名(42.7%)、 「いなくてもいい」と答えた. 多いように思われる。. 生徒が 27 名(5.7%)であった。このことから、約. ⅱ「友人が相談」について. 半数の生徒が SC は学校にいた方がよいと考えて. このカテゴリは 6 件で多くはないが、自分自身. おり、いなくてもよいと考えている生徒はわずか. ではないが周りに SC を利用した人がいてその結. であることが明らかになった。なお、「いたほう. 果がよかったと、 「相談」と同様に SC を肯定的に. がいい」と答えた生徒の割合を学校別でみると、. とらえている回答であった。. 10%台 1 校、30%台 2 校、40%台 3 校、50%台 6 校、. ⅲ「遊び」について. 60%台 1 校、80%台 2 校であった。つまり、全体の. このカテゴリは 16 件と 2 番目に多かった。記述. 平均は複数校で調査した横島ら(1996)の 51%に. 内容を見ると、具体的に遊びの内容が書かれたも. 近く、1 校で調査した半田(2005)の 77%を超える. のもあるが、なんとなく面白い、楽しいという回. 高評価を受けた中学校も存在した。. 答も見られた。このことから、生徒は具体的な言 語化はしていないが、SC や相談室の雰囲気のよ. 8)学校に SC がいてよかったと思うこと. さを感じ取っているのではないかと考えられた。. ①回答の分析. ⅳ「オアシス」について. Q8 に対する回答をカードに転記し、 「特にない」. このカテゴリは 11 件と 3 番目に多かった。記述. に類する回答を除いた結果、101 枚のカードが作. 内容を見ると、 「心に余裕ができる」、 「和む」 、 「行. 成された。このカードを SC 経験がある臨床心理. かなくても、行く場所があるってわかるから安心」. 士 4 名で議論して、KJ 法(川喜田, 1967)に基づい. などであり、SC や相談室の存在が、生徒に安心感. て分類・整理を行った。この過程で、どのカテゴ. を与え、情緒的サポートにつながっているのでは. リにも分類出来なかったものを集めた「その他」. ないかと考えられた。. を除くと、90 枚のカードが作成された。それぞれ. ⅴ「おしゃべり」について. を分類・整理したところ、 「相談」 (47 件) 、 「友人. このカテゴリは 6 件と少なかったが、記述内容. が相談」 (6 件) 、 「遊び」 (16 件)、 「オアシス」 (11. を見ると、 「ちょっとしたことでもよく聞いてく. 件) 、「おしゃべり」 (6 件) 、「話しかけてくれる」. れる」など、SC とのさりげないふれあいによって. (4 件) 、という 6 個のカテゴリに分類することが. 喜びや安心感を持てたと感じているのではないか. できた。. と思われた。. ②各カテゴリの特徴. ⅵ「話しかけてくれる」について このカテゴリは 4 件と最も少なかった。記述内. 得られた 6 個のカテゴリの特徴や回答例は次の 通りである。. 容を見ると、SC に声をかけてもらったなど、相談. ⅰ「相談」について. ではなくても SC からの何気ない働きかけが嬉し いということではないかと思われた。. このカテゴリは 47 件と最も多かった。記述内 容を見ると、 「自分が実際に相談や話をしてみて − 11 −.

(8) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. ⅲ「要望」について. ③カテゴリの統合 記述内容から、 「相談」 「友人が相談」の 2 カテゴ. 「相談室をオープンにして欲しい」 「親しみやす. リをまとめて「相談の効果」、それ以外の 4 カテゴ. いものにして欲しい」 「SC がいつ来ているかなど. リをまとめて「息抜き・リラックス」とまとめる. もっと広報して欲しい」 「遊びに来る人のせいで. ことができるものと考えられる。「相談の効果」. 相談しにくい」など、SC のアプローチの仕方につ. は 53 件、 「息抜き・リラックス」は延べ 37 件(1 名. いての要望と、 「相談室内の設備を増やす」「開室. の生徒が、このカテゴリに該当する回答を 2 件. 日数を増やす」 「相談室の場所を変える」「女性が. 行った)であった。. いい」など制度に関するものとの 2 種類あった。 ⅳ「行きたくても行けない」について. 9)SC への意見について. 回答者が相談したい気持ちを持っているが、何. ①回答の分析. となく来談に抵抗感があり、まだ相談には行けな. Q9 に 対 す る 回 答 を カ ー ド に 転 記 し た。こ の. いという思いが該当した。. カードを SC 経験がある臨床心理士 4 名で議論し. ⅴ「疑問」について SC がいるのは知っているが、その実態をよく. て、KJ 法(川喜田, 1967)に基づいて分類・整理を 行った。この結果、 「特になし」という回答を除く. 理解できていないという回答であった。. と 96 枚のカードが作成された。それぞれを分類・. ⅵ「否定的評価」について. 整理したところ、 「肯定的評価(16 件) 」 「感謝・励. 「もう少しやさしくして欲しい」や「話は聞いて. まし(22 件) 」 「要望(42 件) 」、 「行きたくても行け. くれるけどアドバイスはいまいち」など、SC の人. ない(3 件) 」「疑問(4 件)」「否定的評価(7 件)」. 柄や相談対応についての否定的な評価であった。. 「その他(2 件) 」の 7 カテゴリに分類出来た。この うち、 どこにも分類できなかった回答を集めた 「そ. ⑵. の他」は、以後の分析から除外した。. 1)SC の勤務曜日を知っていることと相談室来室. ②各カテゴリの特徴. SC の勤務曜日を知っていることとの関連. 経験との関連. 得られた 6 個のカテゴリの特徴や回答例は次の. SC の勤務曜日を知っていることと相談室来室. 通りである。. 経験との関連を探るために   検定を行ったとこ. ⅰ「肯定的評価」について. ろ、 = 114.21, df = 1 (p <.001)であり、ϕ 係数が. このカテゴリの回答は、「先生が学校に来て幸. 489 (p <.001)であった(表 1 参照)。残差分析の. せになれた人がたくさんいると思う」などの SC. 結果から、SC の勤務曜日を知っている方が相談. 個人への肯定的評価と、 「心が休まる場があるの. 室に行ったことがあり、知らないと行かないこと. はすごく良いと思う」などの SC 制度を評価する. が明らかになった。具体的には、SC の勤務曜日. ものの 2 種類があった。. を知っている生徒の 81.0%が相談室に行ったこと. ⅱ「感謝・励まし」について. があったが、知らない生徒では 30.7%しか相談室. このカテゴリの回答は、 「いつもありがとう。 先生のその全部包み込んでしまうような雰囲気が 大好きです。とても感謝しています」などの SC 個人への感謝や励ましに当たるものであった。 − 12 −. に行っていなかった。.

(9) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 相談経験 がある. 相談室来室 経験がある. 知S っ C はい ての い勤 る務 曜 日 いいえ を. 合計. %. はい. いいえ. 合計. 149. 35. 184. 81.0% 19.0%. 調整済み 残差 度数 %. 10.7. -10.7. 90. 203. 30.7% 69.3%. 調整済み -10.7 残差. 10.7. 度数. 238. 239. %. 50.1% 49.9%. 2015 年. 表 2.SC の勤務曜日を知っていることと SC との相談経験との関連. 表 1.SC の勤務曜日を知っていることと相 談室来室との関連. 度数. 第 15 号. はい. いいえ. 38. 145. 度数. 100%. 知 S はい っC ての い勤 る務 曜 日 いいえ を. 293 100%. 477. 合計. 100%.  =114.21, df = 1, p <.001. %. 合計 183. 20.8% 79.2%. 調整済み 残差. 6.7. 度数. 100%. -6.7. 7. 286. 293. %. 2.4%. 97.6%. 100%. 調整済み 残差. -6.7. 6.7. 度数 %. 45. 431. 476. 9.5%. 90.5%. 100%.  =44.44, df = 1, p <.001. 2)SC の勤務曜日を知っていることと SC との相. 3)SC の勤務曜日を知っていることと SC に相談. 談経験との関連. したことがない生徒の来談意欲との関連. SC の勤務曜日を知っていることと SC との相談. SC に相談したことがない生徒について、SC の. 経験との関連を探るために   検定を行ったとこ. 勤務曜日を知っていることと来談意欲との関連を. . ろ、 = 44.44, df = 1(p <.001)であり、ϕ 係数が.. 探るために、  検定を行ったところ、 = 17.44, df. 306(p <.001)であった(表 2 参照) 。残差分析の. =2 (p <.001)、クラメールの V が.222 (p <.001)で. 結果から、SC の勤務曜日を知っている方が知っ. あった(表 3 参照)。残差分析の結果から、SC の. ていないよりも SC に相談に行く(20.8%> 2.4%). 勤務曜日を知っている方が、相談したくなったら. が、SC の勤務曜日を知らない生徒はほとんど相. SC に相談に行こうと思うと答えた生徒が多く. 談に行かない(97.6%)ことが明らかになった。. (62.3%)、勤務曜日を知らない方が、知っている. 表 3.SC の勤務曜日を知っていることと SC に相談したことがない生徒の来談意欲との関連 SC に相談したことがない生徒の来談意欲 今は相談したいこ 相談したいが、行 とがないが、した 相談したくない きにくい くなったら行く 知S っC ての い勤 る務 曜 日 を. 度数 はい. 62.3%. 調整済み残差. 3.5. 度数 いいえ. 合計. 86. %. 合計. 15. 37. 138. 10.9%. 26.8%. 100%. 1.1. -4.2. 109. 19. 121. 249. 43.8%. 7.6%. 48.6%. 100%. 調整済み残差. -3.5. -1.1. 4.2. 度数. 195. 34. 158. 387. 50.4%. 8.8%. 40.8%. 100%. %. %. .  =17.44, df = 2, p <.001 − 13 −.

(10) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. 表 4.SC の勤務曜日を知っていることと SC が学校にいた方がよいと思うかどうかとの関連 SC が学校にいた方がよいと思うかどうか いたほうがいい 知S っC ての い勤 る務 曜 日 を. はい. いいえ. 度数. 132. %. 72.5%. いなくてもいい. 合計. 42. 8. 182. 23.1%. 4.4%. 100%. 調整済み残差. 7.2. -6.8. -1.0. 度数. 112. 159. 19. 290. 38.6%. 54.8%. 6.6%. 100%. -7.2. 6.8. 1.0. % 調整済み残差. 合計. どちらでもいい. 度数 %. 244. 201. 27. 472. 51.7%. 42.6%. 5.7%. 100%.  =52.25, df = 2, p <.001. 表 5.SC の勤務曜日を知っていることと SC が何をする人と思っているかとの関連 SC が何をする人と思っているか 漠然とした相談の印象 知S っC ての い勤 る務 曜 日 を. はい. 度数. 124. %. 74.7%. 調整済み残差. -2.1. 度数 いいえ. 合計. 具体的な相談の印象. 合計. 42. 166. 25.3%. 100%. 2.1. 201. 41. 242. 83.1%. 16.9%. 100%. 調整済み残差. 2.1. -2.1. 度数. 325. 83. 408. 79.7%. 20.3%. 100%. %. %.  =4.25, df = 1, p <.05. よりも相談したくないと答えた生徒が多かった. がいいと答える生徒が多く(72.5%) 、勤務曜日を. (48.6%> 26.8%)。一方、相談したくても行きに. 知らない方が、どちらでもいいと答える生徒が多 かった(54.8%) 。. くいと答えた生徒は、勤務曜日を知っていること とは関連が見られなかった。. 5)SC の勤務曜日を知っていることと SC が何を する人と思っているかとの関連. 4)SC の勤務曜日を知っていることと SC が学校. SC の勤務曜日を知っていることと SC が何をす. にいた方がよいと思うかどうかとの関連 SC の勤務曜日を知っていることと SC が学校に. る人と思っているか( 「漠然とした相談の印象」と. いた方がよいと思うかどうかとの関連を探るため. 「具体的な相談の印象」 )との関連を探るために  . に   検定を行ったところ、  = 52.25, df = 2(p <.. 検定を行ったところ、 = 4.25, df = 1 (p <.05)で. 001)であり、クラメールの V が.333(p <.001)で. あり、ϕ 係数が−.102 (p <.05)であった(表 5 参. あった(表 4 参照) 。残差分析の結果から、SC の. 照) 。残差分析の結果から、SC の勤務曜日を知っ. 勤務曜日を知っている方が、SC が学校にいた方. ている方が、知らないよりも具体的な相談の印象 − 14 −.

(11) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. 表 6.SC の勤務曜日を知っていることと SC がいてよかったと思うこととの関連 SC がいてよかったと思うこと. をS 知C っの て勤 い務 る曜 日. はい. いいえ 合計. 相談の効果. 息抜き・リラックス. 合計. 36. 28. 64. 56.3%. 43.8%. 100%. 15. 7. 22. 68.2%. 31.8%. 100%. 度数 % 度数 % 度数 %. 51. 35. 86. 59.3%. 40.7%. 100%  =0.97, df = 1, p >.05. 表 7.SC に相談したことがない生徒における相談室に行ったことがあるあることと来談意欲との関連 来談意欲 今は相談したいこ 相談したいが、行 とがないが、した 相談したくない きにくい くなったら行く た相 こ談 と室 がに あ行 るっ. はい いいえ 合計. 度数 % 度数 % 度数 %. 合計. 100. 15. 63. 178. 56.2%. 8.4%. 35.4%. 100%. 96. 19. 96. 211. 45.5%. 9.0%. 45.5%. 100%. 196. 34. 159. 389. 50.4%. 8.7%. 40.9%. 100%.  =4.64, df = 2, p >.05. を挙げる生徒が多く(25.3%> 16.9%) 、知らない. ⑶ 相談室来室経験との関連. と漠然とした相談の印象を挙げる生徒が多い(83.. 1)SC に相談したことがない生徒における相談室 来室経験と来談意欲との関連. 1%)ことが明らかになった。. SC に相談したことがない生徒について、相談 室に行ったことがあることと来談意欲との関連を. 6)SC の勤務曜日を知っていることと SC がいて よかったと思うこととの関連. 探るために   検定を行ったところ、 = 4.64, df =. SC の勤務曜日を知っていることと SC がいてよ. (p >.05)であり、クラメールの V が.123 2 (p >.05). かったと思うこと(「相談の効果」と「息抜き・リ. と有意な関連は見られなかった(表 7 参照) 。. . ラックス」 )との関連を探るために、 検定を行っ たところ、 = 0.97, df = 1(p >.05)であり、ϕ 係数. 2)相談室来室経験と SC が学校にいた方がよいと 思うかどうかとの関連. が−.106 (p >.05)で有意な関連は見られなかった. 相談室来室経験と SC が学校にいた方がよいと. (表 6 参照) 。. 思うかどうかとの関連を探るために   検定を 行ったところ、 = 40.71, df = 2 (p <.001)であり、 − 15 −.

(12) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. 表 8.相談室に行ったことがあることと SC が学校にいた方がよいと思うかどうかとの関連 SC が学校にいた方がよいと思うかどうか いたほうがいい 度数. と相 が談 あ室 るに 行 っ た こ. はい. いいえ. いなくてもいい. 合計. 158. 72. 9. 239. 66.1%. 30.1%. 3.8%. 100%. 調整済み残差. 6.4. -5.6. -1.8. 度数. 87. 131. 18. 236. 36.9%. 55.5%. 7.6%. 100%. -6.4. 5.6. 1.8. %. % 調整済み残差 度数. 合計. どちらでもいい. %. 245. 203. 27. 475. 51.6%. 42.7%. 5.7%. 100%.  =40.71, df = 2, p <.001 表 9.相談室に行ったことがあることと SC が何をする人と思っているかとの関連 SC が何をする人と思っているか. こ相 と談 が室 あに る行 っ た. はい. いいえ 合計. 漠然とした相談の印象. 具体的な相談の印象. 合計. 170. 49. 219. 77.6%. 22.4%. 100%. 158. 34. 192. 82.3%. 17.7%. 100%. 度数 % 度数 % 度数 %. 328. 83. 411. 79.8%. 20.2%. 100%  =1.38, df = 1, p >.05. 4)相談室来室経験と SC がいてよかったと思うこ. クラメールの V が.293(p <.001)であった(表 8 参 照) 。残差分析の結果から、相談室に行ったこと. ととの関連. がある生徒の方が、SC が学校にいた方がよいと. 相談室来室経験と SC がいてよかったと思うこ. 考え(66.1%) 、相談室に行ったことがない生徒の. と( 「相談の効果」と「息抜き・リラックス」)と. 方がどちらでもよいと考えていた(55.5%) 。. の関連を探るために、フィッシャーの直接確率法 を行ったところ、p =.044 であり、ϕ 係数が−.237. 3)相談室来室経験と SC が何をする人と思ってい. (p <.05)であった(表 10 参照)。各セルの比率か. るかとの関連. ら、SC がいてよかったこととして「息抜き・リラッ. 相談室来室経験と SC が何をする人と思ってい. クス」を挙げるのは、相談室に行ったことがない. るか(「漠然とした相談の印象」と「具体的な相談. 生徒(9.1%)よりも相談室に行ったことがある生. . の印象」 )との関連を探るために  検定を行った. 徒(44.2%)の方が多く、 「相談の効果」を挙げる. . ところ、 = 1.38, df = 1(p >.05)で、ϕ 係数が−.. のは、相談室に行ったことがある生徒(55.8%)よ. 058(p >.05)と有意な関連は見られなかった(表. りも相談室に行ったことがない生徒(90.9%)の. 9 参照)。. 方が多かった。 − 16 −.

(13) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. 表 10.相談室に行ったことがあることと SC がいてよかったこととの関連 SC がいてよかったと思うこと 相談の効果 度数. はい. % %. 43. 34. 77. 44.2%. 100%. 10. 1. 11. 90.9%. 9.1%. 100%. 度数. 合計. %. 合計. 55.8%. 度数. いいえ. 息抜き・リラックス. 53. 35. 88. 60.2%. 39.8%. 100%. フィッシャーの直接確率法による p =.044 表 11.SC に相談したことがあること SC が学校にいた方がよいと思うかどうかとの関連 SC が学校にいた方がよいと思うかどうか. とS がC あに る相 談 し た こ. 度数 はい. % 調整済み残差 度数. いいえ. 合計. %. いたほうがいい. どちらでもいい. いなくてもいい. 合計. 37. 7. 1. 45. 82.2%. 15.6%. 2.2%. 100%. 4.3. -3.9. -1.1. 207. 196. 26. 429. 48.3%. 45.7%. 6.1%. 100%. 1.1. 調整済み残差. -4.3. 3.9. 度数. 244. 203. 27. 474. 51.5%. 42.8%. 5.7%. 100%. %.  =18.82, df = 2, p <.001. ⑷ SC との相談経験との関連. SC との相談経験と SC が何をする人と思っている. 1)SC との相談経験と SC が学校にいた方がよい. か( 「漠然とした相談の印象」と「具体的な相談の. と思うかどうかとの関連. 印象」 )との関連を探るために、  検定を行った. SC との相談経験と SC が学校にいた方がよいと. ところ、 = 1.75, df = 1 (p >.05)であり、ϕ 係数が. 思うかどうかとの関連を探るために   検定を. −.065 (p >.05)で有意な関連は見られなかった. . 行ったところ、 = 18.82, df = 2(p <.001)であり、. (表 12 参照)。. クラメールの V が.199(p <.001)であった(表 11 参照)。残差分析の結果から、SC に相談したこと. 3)SC との相談経験と SC がいてよかったと思う. がある生徒の方が、SC が学校にいた方がよいと. こととの関連. 答え(82.2%)、相談したことがない生徒の方が相. SC との相談経験と SC がいてよかったと思うこ. 談したことがある生徒よりもどちらでもよいと答. と( 「相談の効果」と「息抜き・リラックス」)と. えた(45.7%> 15.6%)ことが明らかになった。. の関連を探るために、  検定を行ったところ、  = 9.97, df = 1 (p <.01)であり、ϕ=−.338 (p <.01). 2)SC との相談経験と SC が何をする人と思って. であった(表 13 参照)。残差分析の結果から、SC. いるかとの関連. に相談したことがある生徒は「相談の効果」を挙 − 17 −.

(14) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. 表 12.SC に相談したことがあるかと SC が何をする人と思っているかとの関連 SC が何をする人と思っているか. たS こC とに が あ相 る談 し. 度数. はい. いいえ. 具体的な相談の印象. 合計. 31. 12. 43. 27.9%. 100%. %. 72.1%. 度数. 296. 71. 367. 80.7%. 19.3%. 100%. % 度数. 合計. 漠然とした相談の印象. %. 327. 83. 410. 79.8%. 20.2%. 100%  =1.75, df = 1, p >.05. 表 13.SC に相談したことがあるかと SC がいてよかったと思うこととの関連 SC がいてよかったと思うこと 相談の効果 とS がC あに る相 談 し た こ. 度数 はい. 28. 7. 35. 20%. 100%. 調整済み残差. 3.2. -3.2. 度数. 24. 28. 52. 46.2%. 53.8%. 100%. -3.2. 3.2. 52. 35. 59.8%. 40.2%. % 調整済み残差 度数. 合計. 合計. 80%. %. いいえ. 息抜き・リラックス. %. 87 100% .  =9.97, df = 1, p <.01. 表 14.SC との相談経験の感想と SC がいてよかったと思うこととの関連 SC がいてよかったと思うこと. がS あC るに 相 談 し た こ と. よかった. 度数 %. どちらで もない. 度数. 変わらな かった. 度数. 合計. % % 度数 %. 相談の効果. 息抜き・リラックス. 合計. 23. 7. 30. 76.7%. 23.3%. 100%. 5. 5. 10. 50.0%. 50.0%. 100%. 0. 5. 5. 0.0%. 100.0%. 100%. 28. 17. 45. 62.2%. 37.8%. 100%. フィッシャーの直接確率法による p =.002. − 18 −.

(15) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年. げる生徒が多く(80.0%)、SC に相談したことが. につながる可能性を高めるものと考えられる。ま. ないと「息抜き・リラックス」を挙げる生徒が多. た、もともと SC や教育相談への関心が薄いため. かった(53.8%) 。. に、SC の勤務曜日を知らない生徒は、「どちらで もない」と答えた可能性もあると考えられる。. さらに、SC との相談経験がある生徒の相談に ついての感想と SC がいてよかったと思うこと. 相談室来室経験との関連については、SC との. (「相談の効果」と「息抜き・リラックス」)との関. 相談経験がない生徒のうち、相談室来室経験があ. 連を検討するためにフィッシャーの直接確率法を. る生徒は「今は相談したいことがないが、したく. 行ったところ、p =.002 であり、クラメールの V が. なったら行く」が過半数で最も多く、来室経験が. .506(p <.01)であった(表 14 参照)。つまり、SC. ないと 「今は相談したいことがないが、したくなっ. に相談してよかったと思っている生徒の 76.7%. たら行く」と「相談したくない」がともに 4 割台で. が、Q8 でも SC がいてよかったと思うことに相談. 意見が分かれていた。さらに、SC が学校にいた. の効果を挙げていたことが明らかになった。. 方がよいと思うかどうかとの関連では、来室経験 がある生徒は「いたほうがいい」 が 3 分の 2 を占め、 来室経験がない生徒は「どちらでもいい」が過半. 5.考察. 数でそれぞれ最も多かった。これらのことから、. 本研究の結果から、SC に相談したことがある 生徒は、多くがその結果に満足し、SC が学校にい. 生徒が相談室来室の経験がある方が、SC への相. た方がよいと考えるなど、SC を肯定的に評価し. 談につながる可能性が上がるものと考えられる。. ていることが明らかになった。一方で、SC に相. そして、半田(2003)で挙げられた、SC と何らか. 談したことがない生徒は、SC が学校にいた方が. の形で話したり、相談室を訪れたりした経験の具. よいかどうかは、 「いたほうがいい」と「どちらで. 体的な効果が明らかにできたと考える。. もいい」が 4 割台で拮抗していた。つまり、結果. 一方で、SC への相談経験がない生徒は、Q8 の. でも述べた通り、SC が必要との回答が、平均する. SC がいてよかったと思うことについて、過半数. と横島ら(1996)の結果を上回っていた。また、. が「息抜き・リラックス」の効果を挙げていた。. 今後困ったことがあった時に SC に相談するかど. これは、教室に居場所が見つからない生徒にとっ. うかについて、 「今は相談したいことがないが、し. ては、相談室が、SC と話したり遊んだり、相談室. たくなったら行く」が約 5 割と最も多かったが、. 内の設備で他の生徒と遊んだりして、業間休みや. 「相談したくない」も 4 割いて、SC に相談したこ. 昼休みの貴重な避難場所になっているとする橋. とがない生徒の評価はまちまちであった。このこ. 本・高木(2007)や、半田・有賀(2002)で中学. とから、相談したことがある生徒は、基本的に相. 生が挙げた自由来室時間のイメージと同様の結果. 談活動を有効であると考えていると言える。. である。つまり、このような生徒の場合は、SC を. 生徒が必要とする時に SC を利用しやすくなる. 個別の相談相手ではなく、オープンな場所での安. 一助として、生徒が SC の勤務曜日を知っている. 全の基地として利用しているのではないかと考え. ことが役立つと考えられる。本研究の結果から、. ら れ る。こ う し た 生 徒 へ の 対 応 を 橋 本・高 木. SC の勤務曜日を知っている生徒の方が、相談室. (2007)は「開放的対応」としている。SC や学校. 来室経験と相談経験がともに多かった。このこと. は、生徒への対応方法として、1 対 1 の個別の相談. から、勤務曜日を知っていることが SC への相談. 面接だけではなく、このような開放的対応も有用 − 19 −.

(16) 公立中学校生徒から見たスクールカウンセラー活動の有効性. しくして欲しい」や「話は聞いてくれるけどアド. となりうることを考慮する必要がある。 以上より、相談活動以外で SC と話したり、相. バイスはいまいち」などの「否定的評価」につい. 談室を訪れたりすることでも、生徒に影響が与え. ては、特定の数校に限られていた。つまり、特定. られることが明らかになった。. の SC についてその力量が疑問視される事態が存. また、相談未経験の生徒が、困ったことがあっ. 在したことを示している。このような SC がいな. た時に来談するかどうかについては、 「相談した. くなるためには、例えば、研修や雇用の在り方を. くない」と「相談したいが、行きにくい」を合わ. どのようにしたら良いかを考えていく必要があ. せると約半数ある。これについては、教員から. る。. SC を紹介し来談を促す機会を増やすことも必要. また、この件を一部の SC の問題であり、自分. であり、そのために SC 側も日ごろから教員との. には関係ないとは思わずに、SC 全体が、自らの対. 信頼関係を作っておくことが必要であると考えら. 応は校内のあらゆる人から常に見られて評価され. れる。. ていると自覚すべきである、という警鐘としてと らえる必要があると考えられる。. Q9 の SC への意見からは、SC および相談室へ の要望、肯定的な意見、否定的な意見が見られた。. 6.今後の展望と課題. まず、SC および相談室がもっと利用しやすく なるように求める「要望」が最も多いことが明ら. 結果と考察を踏まえて、次のように考える。. かになったと考えられる。この内、広報や開放的. まず、SC の勤務曜日を知らないに対しては、単. 対応のあり方を変えて欲しいという SC 個人のや. に SC の勤務曜日をアナウンスするだけではな. り方に関するものはすぐに対応でき、その対応は. く、教員による心理教育や SC による授業等のア. 「行きたくても行けない」や、SC の実態をよく理. ウトリーチ活動を導入するなどして、SC や相談. 解できていないという「疑問」に該当する意見に. への理解と関心を高める必要もあると考える。. も応えることにつながると考えられる。また、相. 次に、開放的対応を望む意見がある一方で、開. 談対応する部屋の場所や設備の問題は、学校と調. 放的対応を受け入れることは、1 対 1 の面接を望. 整の上で対応可能であり、利用する主体である生. む生徒にとっては、相談を阻害する要因となる可. 徒の考えを汲み取り、応える努力をすることが必. 能性もあった。このため、どのようにして両者の. 要であると考えられる。一方、勤務日数を増やす. ニーズを両立させうるかということについて工夫. ことは SC 個人レベルでは対応が難しいが、SC を. が必要であると考えられる。. 現状より必要とする意見なので、SC 全体で各方. 最後に、本研究では先行研究で触れられていな. 面に要望を伝えるなどの努力が必要と考えられ. かった要因も検討することができたと考えられる. る。. が、調査協力者の都合で限られた質問項目しか用. 次に、 「肯定的評価」と「感謝・励まし」という. いることはできなかった。そこで、今後はさらに. SC に好意的な意見は、合わせて約 4 割あった。ど. 別の観点による質問内容を用いる必要があると考. のような対応が良かったのかを SC 全体で分析し. えられる。例えば、広報活動の実態を確認するた. 共有することが、利用者に役立つ SC の増加につ. めに、SC 自身が配布物を発行しているか、集会な. ながるのではないかと考えられる。. ど学校行事に参加しているかなどを尋ねたり、本 研究の Q8 から得られた SC がいてよかったと思. さらに、少ないながら存在した、 「もう少しやさ − 20 −.

(17) 横浜国立大学大学院. 教育学研究科. うことを質問項目として設定したりすることなど の工夫が考えられる。また、X 市以外の自治体で も調査を行い、結果の一般性を高める必要もある と考えられる。. 文献 半田一郎. 2003. 中学生がもつスクールカウンセ. ラーへのイメージ―学校の日常生活での活動を 重視するスクールカウンセラーに関連して―カ ウンセリング研究,36(2) , 140-148. 半田一郎. 2005. ある公立中学校の 2 年生が持つ. スクールカウンセラーへのニーズ―開かれた相 談室運営である「自由来室活動」と関連し―学 校心理学研究,5(1) , 3-13. 半田一郎・有賀直美. 2002. 自由来室活動を行う. あるスクールカウンセラーに対する中学生の捉 え方. 学校心理学研究,2(1) , 61-69.. 橋本和幸・高木秀明. 2007. スクールカウンセ. ラーの相談活動の現状と可能性. 横浜国立大学. 教育相談・支援総合センター研究論集,7, 11-25. 川喜田二郎 鵜養啓子. 1967 2011. 発想法. 中央公論新社. スクールカウンセラー. 理臨床学会(編) 心理臨床学事典. 日本心. 丸善出版,. pp. 188-189. 横島義昭・小野瀬雅人・大関建道・難波博子・大 野精一・半田一郎・石隈利紀. 1996. 中学生・. 高校生がスクールカウンセラーに求める援助を めぐって―学校心理学に基づく調査結果と生徒 自身による議論から―日本教育心理学会第 38 回総会発表論文集,S76-S77.. − 21 −. 教育相談・支援総合センター. 研究論集. 第 15 号. 2015 年.

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