音読・朗読の指導の実践と考察:―小学校第2学年『スーホの白い馬』の学習を手がかりとして―
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(2) かりに,文学的文章表現の基本的事項等を浮き彫り. した。(仮説). ・音読・朗読を行う上で朗読譜を作成することの意. にし,より深みのある鑑賞と呼ぶにふさわしい読解. 義について触れ,意図的に音声化を行うことの意. 活動を行っていくための大きな指標となることが予. 義を明らかにした。. 想される。また,今後筆者が教員として物語文の音. ・仮説として作成した項目・分類を元に音声化の工. 読・朗読と読解の指導をする際の指標ともなろう。. 夫に関する実態調査を行い,その結果を元に音. 本研究の目的とするところがどちらかというと朗. 読・朗読を行う上で重要になってくる音声化の工. 読の性格を強く持つことから,対象学年が音声化を. 夫の項目・分類を完成させた。. 理解領域とする第2学年であると,本研究の目的を 達成できないのではないかという懸念があった。し. V章では,1V章で作成した音声化の工夫の項目・. かし予想に反して,第2学年であっても『自分なり. 分類を用いた実践を行った。. の読み』を音声化に生かし,表現領域である朗読の. ・第2学年の物語文『スーホの白い馬』の学習を行. 性格をもつ読みにまで至れるということを確認する. うにあたり,発達段階を考慮して使用する音声化. ことができた。. の工夫を選定し,それを読解活動の中心に据えた. 以上のことからも,今回第2学年において物語文 『スーホの白い馬』を音声化の工夫を考えながら読. 授業づくりを行った。. ・実践の成果として第2学年であっても『自分なり. 解活動を行うという実践を試みたことは,文学的文. の読み』を音声化に生かし,表現領域である朗読. 章表現の基本的事項等を浮き彫りにし,より深みの. の性格をもつ読みにまで至れるということを確認. ある鑑賞と呼ぶにふさわしい読解活動へとつなげて. できた。. いくことが可能であることを実証したのではないか. ・実践の課題として,選定した5つの工夫全てが2. と考えられる。. 年生の発達段階に当てはまらないという結果にな. 3.今後の課題. った。. ・対象学年を限定せず,純粋1と物語文の構造をレト. 今後は実践の課題として挙がった,発達段階に適. リックを元に解析し,音声化の工夫を駆使した朗. 応した音声化の工夫の選定を図った上で,物語文の. 読譜を作成した。. 読解の授業を考えていきたい。これは筆者が指導経 験を積み,モデルケースを蓄積していくことによっ. 本研究の成果としては,物語文の音読・朗読と読. て,より適切な選定ができるようになると思われる。. 解それぞれの活動で学んだことを相互により多く反. 音読・朗読は,読解において内容の解釈を効果的. 映するために,音声化の工夫を考える活動と共に読. に行えるよう促すものである。音読・朗読を行う上. 解活動を行うこと。そして考えた音声化の工夫を記. で重要になってくる音声化の工夫の項目から適宜発. 号として朗読譜を作成することによって意図的な読. 達段階に合ったものを選定し,児童に音読・朗読す. みが可能になることの2点が,効果的な音読・朗読. ることの楽しさや,読解活動の中で音声化の工夫を. と読解の活動になると結論づけられたことである。. 意図的に考えることの重要性に気づかせていきたい。. また音読・朗読を行う上で重要になってくる音声 化の工夫の項目・分類を整理・把握したことによっ. [註]1)大久保忠耳1」『国語教育本質論』一光社,1973年,p.21。. て,音声化の工夫の全体像を明らかにすることがで きた。これは読解活動において音声化の工夫を手掛. 一163川. 修学指導教員 前芝武史.
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