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まえがき (PTSDと「記憶」の歴史 ―アラン・ヤング教授を迎えて)

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Academic year: 2021

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まえがき  松原 洋子(立命館大学大学院先端総合学術研究科 教授)  病や、老い、障害など、ままならない身体とともに生きること。  それは、福祉や医療の援助の対象である前に、人々が生きていく過程であ り、生きる知恵や技が創出される現場である。その人々の経験や語りを集め、 社会との関わりを解析し、人々のこれからの生き方を構想し、あるべき社会・ 世界を実現する手立てを示す―「生存学」創成拠点はこれを目標に日々活 動している。2007 年 5 月にはグローバル COE 拠点に採択されたが、その最 初の大きな催しに、生存学の志とひびきあう研究成果をあげてこられたヤン グ氏を迎えられたことは、大きな幸運であった。  本報告書は、2007 年 7 月 21 日に立命館大学衣笠キャンパスで開催された、 「PTSD と『記憶』の歴史―アラン・ヤング教授を迎えて」の全記録である。 内容はヤング氏の講演、大学院生報告を中心とするワークショップ、コメン トと応答の3部構成となっている。  ヤング氏は、1938 年米国に生まれ、ニューヨーク大学などを経て、現在、 カナダのマッギル大学教授を務めておられる著名な医療人類学者である。現 在は進化精神医学や脳の進化など幅広いテーマにわたり、精力的に研究活動 を展開しておられる。日本では『PTSD の医療人類学』で知られる氏である が、本企画でもアメリカ同時多発テロ後の PTSD 研究の諸問題を重層的に とらえ、洞察力に富んだ講演で聴衆を魅了した。  また、登壇した4名の大学院生は立命館大学大学院先端総合学術研究科に 学び、当事者や支援者としての現場に生きつつ、そこから発した問いを研究 として深めつつある人々である。この院生たちからの指定質問、報告の原稿 を準備段階から熱心に読みこみ、真摯に応答してくださった姿に接し、ヤン グ氏の研究者として、また教育者としての情熱と懐の深さに感銘を覚えた。  なお、本企画はヤング氏を日本に招聘した慶應義塾大学グローバル COE プログラム「 論理と感性の先端的教育研究拠点形成」との共催で実現した。 企画の実現にご尽力いただいた慶應義塾大学の宮坂敬造氏と北中淳子氏、ま たコメンテータとして参加してくださった池田光穂氏(大阪大学)にこの場 を借りてお礼申し上げたい。 3

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