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幼稚園教育実習指導の効果的な方法について : 学生の学びの報告から

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帝塚山大学現代生活 学部子 育て支 援センター紀要 第4号 59 ∼74 (2019)

幼稚園教育実習指導の効果的な方法について

一学生の学びの報告から ー

Study of the e汀ective way of university student's teaching practice on

early childhood education

-From a report of student's

learning-吉 田  雅 昭 * Masaaki Yoshida 宮 田  知 絵 ** Chie Miyata 岡 澤  哲 子 *** Tetsuko Okazawa 本論は、幼稚園教育実習指導の現状分析からその成果と課題を考察するものである。 まず、実習指導の内容を示し実習園と学生の実習後の評価の差につい て、数値化したデ ータから考察した。 次に、実習後の学生の記述から特に音楽・表現分野での課題を考察 し、また、指導案と報告会の内容から、実習で学んだ点や 実習指導の授業成果及び問題 点を述べた。 最後に、総合評価に関しては実習園から一定の評価を得たが、実習におい て必要とされる教材研究や指導案・記録の書き方に対する学生の主体的な学習、実習園 から求められるスキルヘの可能な限りの対応が課題として明らかになったことを述べた。 1。 はじめに 本論は、帝塚山大学現代生活学部こども学科(以下、本学)における幼稚園教育実習指 導の現状を踏まえ、実習園や 学生の自己評価等を考慮しながら、どのような授業内容・ 方法が効果的なのかについて考察するものである。 2018年度からの改訂された幼稚園教 育要領・保育所保育指針等の施行、更に、教職課程の再課程認定の時期とも重なるとい う、まさに幼児教育・保育全体の移行期に当たるのが、現在の状況である。そ うした中 では将来を見越した実習指導がこれまで以上に求められている。一例を挙げると、幼小 接続の観点を基に大学での教育実習指導の検討を行った松永・森川 他(2017)では、幼稚 園教育実習指導の授業に関し、以下の展望を述べている。 特に、①幼小接続の系統性を重視した授業を取り入れること、②アクティブ・ラー ニングを導入した学生同士の対話的な話題を促していくこと、③その中で個々の学 生の学び の筋道を丁寧に捉え、構造的に評価していくことなどが求められると考え られる。(p.150) このように、今後を見据えた実習指導の新しい内容・方法の検討が進められてい る。 幼小接続の系統性を重視した授業、実習に向けて学生が主体的に学べるよ う取り組む授 業等が必要であるとい う問題 意識を念頭に入れっ つ、本学の現状を鑑み、幼稚園におけ る教育実習に関する授業での指導内容や2018 年度の幼稚園実習がどのようなものだった のかについて、実習園の評価票や学生の自己評価シート、実習報告書や実習記録簿のデ ータを基に分析し、現状の振り返りと反省から、今後の方策を検討したいと考える。 吻吻 吻吻吻 こ ど も 学 科 こ ど も 学 科 こ ど も 学 科 講師 准教 授 教授

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2。「 教育実習事前事後指導(幼稚園)」 の概要について 本章では、2018 (平成30) 年度の、本学の教育実習( 幼稚園)に向けた実習指導の概要に ついて検討してみたい。この実習指導の科目は、本学では「 教育実習事前事後指導(幼稚 園)」 とい う名称で開講している。対象は、3年生以上の学生で、年度の前期に開講して いる。 また、本学の幼稚園での教育実習は、9月に行うのが標準モデルとなっている。 まず、表1として、2018 年度のシラバスの主な内容を掲載する。 表 1  「 教 育 実 習 事 前 事 後 指 導( 幼 稚 園 )」 シ ラ バ ス < 授 業 概 要 > 本 講 義 は 、 教 育 実 習 と し て の 幼 稚 園 で の 現 場 実 習 を 、 円 滑 に 実 施 し 学 び を 深 め る た め に 、 事 前 事 後 に 指 導 を 行 う 科 目 で あ る 。 幼 稚 園 教 諭 免 許 に 必 要 で あ り 、 教 育 実 習 ( 幼 稚 園 ) を 受 講 す る た め に も 必 要 な 科 目 で あ る 。 < 到 達 目 標 > 1. 教 育 実 習 ( 幼 稚 園 ) の 意 義 一目 的 一方 法 が 理 解 で き る 。 2. 教 育 実 習 ( 幼 稚 園 ) へ の 動 機 づ け が 高 ま る 。 3. 学 外 実 習 に 対 す る 自 覚 が で き る 。 4. 実 習 記 録 や 指 導 案 が 書 け る よ う に な る 。 < 成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 > ・ 授 業 へ の 積 極 的 態 度 ( 授 業 態 度60 % 、 弾 き 歌 い の 努 力 度 や 事 後 レ ポ ー ト 等 の 提 出 物40 % ) ・ 無 断 欠 席 を し た 場 合 は 、 授 業 態 度 の 評 価 に 反 映 さ せ る 。 < 授 業 計 画 > 第 1 回   オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ 座 席 指 定 グ ル ー プ で 行 う 部 分 保 育 の 説 明 、 実 習 の 概 要 と 流 れ ・ 各 種 書 類 作 成 第 2 回   実 習 の 意 義 一各 種 書 類 作 成 第 3 回   実 習 目 標 を 考 え る ( 保 育 所 実 習 の 反 省 か ら ) 第 4 回   実 習 の 方 法 ・ 心 構 え の 理 解 ・ 実 習 目 標 を 書 く 第 5 回  特 別 講 師 に よ る 講 演 第 6 回  幼 稚 園 教 育 要 領 を 理 解 す る 第 7 回  実 習 記 録 の 書 き 方 1 第 8 回   実 習 記 録 の 書 き 方 2 幼 児 の 発 達 の 特 徴 第 9 回  幼 児 の 発 達 に 関 す る 小 テ ス ト オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ( 事 前 訪 問 ) の 説 明 第10 回  指 導 案 作 成 1 説 明 第11 回  指 導 案 作 成 2 作 成 第12 回  保 育 内 容 教 材 の 研 究 (1 ) 音 楽 系 ( 弾 き 歌 い テ ス ト ) 第13 回  保 育 内 容 教 材 の 研 究 (2 ) 造 形 ・ 身 体 表 現 系 第14 回  保 育 内 容 教 材 の 研 究 (3 ) 言 葉 系 第15 回  直 前 指 導 ・ 事 後 指 導 に つ い て ( 第12 回 −14 回 は 3 つ の グ ル ー プ に 分 か れ て 実 施 す る の で 、 順 番 は グ ル ー プ に よ っ て 異 な る ) また、この授業計画以外に、実習中の実習生同士による中間報告会及び実習後の振り 返り、そして、次年度に幼稚園での実習を行う学生を対象とした実習報告会が行われる ので、前期授業ではあるが、事後指導の一環として後期にも関係する科目である。 大筋では、最初の 4 回が実習そのものの理解を深めるための時間に費やしている。特 別講師には、幼稚園の園長を務めた方に、幼稚園の実態や 実習生として必要な事柄をご

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教 授 い た だ い て い る。そ れ か ら 、7回 目 か ら は 実 習 記 録 の 書 き 方 々 指 導 案 作 成 な ど 実 習 生 が 直 面 す る 課 題 の 指 導 を 行 っ て い る。 こ の 指 導 の 中 で は 、 こ れ ま で の 本 学 の 実 習 生 が 残 し た 記 録 を 受 講 し て い る 学 生 が 閲 覧 で き る 機 会 を 設 け 、 ま た 、 実 習 記 録 の 書 写 や 指 導 案 作 成 に よ り 、 文 書 作 成 の 指 導 と し て い る 。 12 回 目 か ら は グ ル ー プ に 分 か れ て 、 ピ ア ノ や 身 体 表 現 、 会 話 能 力 を 向 上 さ せ る 指 導 の 時 間 に 充 て て い る。 こ れ ら が 、 実 習 指 導 の 授 業 の 大 ま か な 流 れ で あ る 。 授 業 計 画 の 3 回 目 に 「 保 育 所 実 習 の反 省 か ら 」と 記 し て あ る が 、本 学 で は 2 年 次 に 保 育 所 実 習 、3年 次 に 幼 稚 園 か 小 学 校 の ど ち ら か で 教 育 実 習 を 行 う と い う 流 れ が 基 本 的 な コ ー ス と な っ て い る 。 例 外 的 な 場 合 も 存 在 す る が 、 ほ と ん ど の 学 生 は 保 育 所 実 習 を 経 験 し 、 約 1 年 後 に 教 育 実 習 を 行 う の で 、 実 習 そ の も の の 理 解 は あ る 程 度 蓄 積 が あ る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 保 育 所 実 習 と 教 育 実 習 と は 別 の 実 習 で あ り 、 基 礎 か ら 指 導 す る 必 要 か お る。 な お 、 本 学 で は 、 幼 稚 園 実 習 は ひ と ま と ま り の 連 続 し た 期 間 で 行 っ て い る が 、 中 に は 期 間 が 分 か れ る 場 合 も 存 在 す る 。 例 え ば 1 章 で 言 及 し た 松 永 ・ 森 川 他(2017) は 、 桜 花 学 園 大 学 保 育 学 部 の 実 習 指 導 が 研 究 材 料 だ が 、 当 該 大 学 で は 、1年 次 に 教 育 実 習 匚 3年 次 に 教 育 実 習 H ・ m と い う よ うに 、 期 間 を 分 け て 実 習 が 行 わ れ て い ろ と の こ と で あ る。 つ ま り 、 教 育 実 習 指 導 の 時 間 も 多 く な る わ け で 、 そ の 分 2 回 目 の 指 導 と な る 3 年 次 で は 、 幼 稚 園 自 体 の 理 解 に 費 や す 時 間 を 削 減 さ せ 、 別 の 指 導 を 行 う こ と が で き る よ うで あ る 。 実 際 、 松 永 ・ 森 川 他(2017:148) に 、 教 育 実 習 指 導 H の シ ラ バ ス が 記 載 さ れ て い る の だ が 、2∼5 回 目( 計 4 回 )に か け 、「 幼 稚 園・ 小 学 校 に お け る 授 業 や 保 育 の 理 解 」とい う 題 で 幼 小 接 続 を 意 識 し た 指 導 が 行 わ れ て い る こ と が う か が え る 。1 章 で 述 べ た よ う に 、こ う し た 幼 小 接 続 の 視 点 か ら の 指 導 は 、 必 要 と さ れ て い る 内 容 で あ り 、 意 識 し な け れ ば な ら な い の だ が 、 本 学 の 場 合 、 現 状 で は 時 間 的 制 約 も あ り 、 当 面 の 課 題 で あ る 幼 稚 園 の 理 解 に 時 間 を 割 い て い て 、 い ま だ 小 学 校 へ の 接 続 を 意 識 し た 指 導 ま で に は 至 っ て い な い 。 1 年 次 に は 全 員 を 対 象 と し た、 本 学 と 同 一 キ ャ ン パ ス 内 に あ る 帝 塚 山 小 学 校 見 学 の 機 会 か お り 、 幼 稚 園 で 実 習 を す る か ら と 言 っ て 小 学 校 の 理 解 が 足 り な い と い う こ と で は ない の だ が 、 殊 に 実 習 指 導 と い う面 で は 、 課 題 で あ る こ と は 指 摘 し て お か ね ば な ら な い 。 実 習 ま で の 幼 稚 園 と の 関 わ り で は 、小 学 校 と 同 様 、1 年 次 に グ ル ー プ に 分 か れ 、帝 塚 山 幼 稚 園 を 見 学 す る 機 会 か お る。 そ れ 以 外 に 、幼 稚 園 実 習 希 望 者 を 対 象 と し 、2 年 次 の 授 業 に お い て 、帝 塚 山 幼 稚 園 で イ ン タ ー ン シ ッ プ を 行 う 機 会 が 設 け ら れ て い る 。3 年 次 に 実 習 を 行 う こ と を 考 え て も 、 短 期 大 学 の よ うに 短 い 期 間 に 実 習 を 行 う わ け で は な く あ る 程 度 の 時 間 を か け て 実 習 ま で 段 階 を 踏 ん で 学 ぶ 体 制 は 整 っ て い る と もい え る だ ろ う。 幼 稚 園 と 小 学 校 教 諭 免 許 を 共 に 取 得 す る 学 生 が 多 数 で あ る 現 状 か ら し て も 、 教 育 実 習 と い う 大 き な 枠 組 み の 中 で 幼 稚 園 で の 実 習 に 向 け た 指 導 を 行 う こ と を 意 識 し な け れ ば な ら ず 、 現 在 の カ リ キ ュ ラ ムや 指 導 内 容 の 見 直 し も 必 要 に な る と 考 え ら れ る。 勿 論 、 や み く も に 授 業 内 容 を 変 更 す る わ け で は な く 、 第 一 に 、 実 習 生 を 受 け 入 れ る 幼 稚 園 側 か ど の よ う に 実 習 生 を 評 価 し て い る の か 、 そ の 実 態 の 把 握 を し た 上 で 必 要 な 措 置 を 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 そ の こ と を 踏 ま え 、 次 章 で は 、 評 価 に 関 し て 考 察 し て み た い 。 た だ 、 実 習 園 側 だ け で な く 学 生 自 身 が 実 習 を ど の よ う に 評 価 し た か と い う 自 己 評 価 の 結 果 と も 付 け 合 わ せ 、 実 習 当 事 者 で あ る 双 方 が ど の よ う な 評 価 を 行 っ た の か を 、 各 項 目 に 分 け 、 数 値 化 し た デ ー タ か ら 検 討 を 行 う こ と に す る 。

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3。 「実習園からの評価」と「学生の自己評価」について この章では、2018 年度の幼稚園での教育実習における、実習園からの評価と学生によ る自己評価とを比較し、それぞれどのよ うに実習を捉えたのかを考える。 実習終了後、本学指定の評価票により、実習園からの評価が行われる。 また、実習を 終えた学生には、自己評価シート を提出させることにしている。 学生の自己評価の評価 項目は実習園からの評価の項目に対応 させ、ほぼ同じ内容となっている。 評価項目は、大きく「実習態度」「保育にかかわる知識・技能」「観察・記録」の 3 種 類に分けられるもので、以下のように11 種類の内容から構成されている。 以下に挙げるのは、実習園の評価票に記されている評価内容である。 表 2 幼 稚 園 教 育 実 習 の 評 価 内 容( 評 価 項 目 ) 評 価 内 容 実 習 態 度 ①  服 装 ・ 挨 拶 ・ 言 葉 遣 い が 適 切 で あ る ②  積 極 的 か つ 真 面 目 に 実 習 に 取 り 組 む ③  自 ら 課 題 を 見 出 し 、 そ こ か ら 学 ぼ う と す る 姿 勢 か お る ①  教 職 員 と 協 調 し て 行 動 で き る 保 育 に か か わ る 知 識 ・ 技 能 ①  幼 児 と 積 極 的 に 関 わ り 理 解 す る 姿 か お る ②  幼 児 一 人 ひ と り に 応 じ て 関 わ る 姿 か お る ③  安 全 に 対 す る 配 慮 や 環 境 整 備 が で き る ①  幼 児 の 発 達 や 興 味 に 即 し た 計 画 や 準 備 を 行 い 、 保 育 を 展 開 す る 観 察 ・ 記 録 ①  専 門 的 な 知 識 に 基 づ い た 客 観 的 な 観 察 ・ 記 録 を す る ②  適 切 な 表 現 方 法 で 記 録 を ま と め る な お 、 学 生 の 自 己 評 価 で は 、同 じ 項 目 で は あ っ て も 「 適 切 で あ っ た 」「 取 り 組 ん だ 」 な ど 、 述 語 部 分 を 過 去 形 で 記 し 、 終 了 し た 実 習 に つ い て の 振 り 返 り を 行 う形 式 で あ る。 実 習 園 か ら の 評 価 ・ 自 己 評 価 と も に 、 結 果 に つ い て は A B C D の 4 段 階 で 評 価 し て い る 。 そ れ ら を 数 値 化 し 、 各 項 目 の 、 実 習 園 ・ 学 生 そ れ ぞ れ の 平 均 値 を 、 図 1 に グ ラ ス 化 し て 示 し た 。 図 1 の 項 目 は 左 か ら 、 表 2 の 上 の 項 目 か ら 順 番 に 示 し た も の で あ る。 例 え ば 、 表 2 の 「 服 装 ・ 挨 拶 ・ 言 葉 遣 い が 適 切 で あ る 」 は 図 1 で は 「 服 装 等 」 と し て い る。 ま た 、 A ∼ D に つ い て は 、 そ れ ぞ れ 、 次 の よ う な 説 明 が な さ れ て い る。 ・ A → 実 習 園 「 実 習 生 と し て 優 れ て い る 」、 学 生 「 よ く で き た 」 ・ B → 実 習 園 「 実 習 生 と し て 適 切 で あ る 」、 学 生 「 ふ つ う」 ・C → 実 習 園「 実 習 生 と し て 努 力 を 要 す る 」、学 生「 あ ま り で き て い な い の で 努 力 が 必 要 」 ・ D → 実 習 園 「 実 習 生 と し て 不 適 切 で あ る 」、 学 生 「 ま っ た く で き て い な い 」 こ れ を 踏 ま え 、 A =4点 、 B =3 点 、 C =2 点 、 D =レ 皃と 換 算 し 、 数 値 化 し た 。 対 象 者 は 、2018 年 度 に 幼 稚 園 で の 教 育 実 習 を 行 っ た 、本 学 こ ど も 学 科 の 学 生65 名 で あ る 。 実 習 園 ・ 自 己 評 価 と も に 、65 名 全 員 分 を 回 収 し た 。 実 習 園 は 全 て の 項 目 が 記 載 さ れ て い る が 、 自 己 評 価 に 関 し て は 、「 計 画 ・ 準 備 」 の 項 目 の み 、1 名 が 空 欄 で あ っ た 。 そ し て 、 図 1 の 各 項 目 は 、 左 側 に 実 習 園 か ら の 評 価 、 右 側 に 学 生 に よ る 自 己 評 価 の 、 点 数 化 し た 数 値 が 、 そ れ ぞ れ 記 載 さ れ て い る。

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4 3, 5 3 2, 5 2 1, 5 1 0, 5 0 ハ ゾ ノ 口 実 習 園 ■ 学 生 図 1  評 価 項 目 の 平 均 値(n =65)( グ ラ フ の 左 が 実 習 園 、 右 が 学 生 の 値) 図 1 を 見 る と 、「 実 習 園 か ら の 評 価 」 と 「 学 生 の 自 己 評 価 」 に は 、 差 が 見 ら れ る 項 目 も あ る が 、 ほ と ん ど 差 の な い 項 目 も 多 い こ と が 分 か る 。 ま た 、 概 ね 「 学 生 の 自 己 評 価 」 の 数 値 が 高 く 、 全 体 の 平 均 で も 学 生 の 数 値 の 方 が 上 回 っ て い る が 、 そ の 差 は0.06 で あ る 。 ま た 、 中 に は 「 実 習 園 か ら の 評 価 」 の 数 値 の 方 が 高 い 項 目 も あ り 、 は っ き り と し た 傾 向 が 見 ら れ た わ け で は な い こ と が 分 か る。 で は 、 そ の 内 訳 を 検 討 し て み る 。 実 習 園 評 価 と 学 生 評 価 の値 の 差 が 大 き い 項 目 は 、 次 の 3 項 目 で あ る 。「 関 係 性 」( 実 習 圉 評 価3. 26、学 生 評 価3. 57)、「 幼 児 理 解 」( 実 習 園 評 価3. 28、学 生 評 価3. 58)、「 積 極 性 」 ( 実 習 園 評 価3. 37、 学 生 評 価3. 68)で 、 そ の 差 は い ず れ も0. 31 (小 数 点 第 3位 を 四 捨 五 入 し た )た っ た 。 こ れ ら 3項 目 は 、 い ず れ も 学 生 評 価 の 方 が 高い と い う結 果 だ っ た 。 次 に 、 実 習 園 の 評 価 の 数 値 が 自 己 評 価 を 上 回 っ て い た の は 、 次 の 3項 目 で あ る。「協 調 性 」( 実 習 園 評 価3. 43、学 生 評 価3. 31)、「 計 画 」( 実 習 園 評 価3. 12、自 己 評 価3.00 )、「 総 合 評 価 」( 実 習 園 評 価3. 22、自 己 評 価3. 20)と い う 結 果 だ っ た 。特 に 、総 合 評 価 の 数 値 が 、 僅 差 で は あ る が 、 実 習 園 の 方 が 上 回 っ て い る の は 、 意 外 な 結 果 だ と 感 じ ら れ る。 実 習 園 側 か ら の 総 合 評 価 は 、A ・ B 評 価 が 大 半 で 、今 回 実 習 を 行 っ た65 園 の 中 で D 評 価 の 園 は な く 、C 評 価 は 2 園 、A 評 価 は16 園 、残 り47 園 が B 評 価 で 、約 7割 が B 評 価 と な っ た。 総 合 評 価 に 関 し て は 、 実 習 園 か ら 一 定 の 評 価 を 得 て い る と 考 え ら れ る だ ろ う。 本 論 と 同 様 に 、実 習 園 の 評 価 と 学 生 の 自 己 評 価 を 比 較 し て 考 察 し た 研 究 で あ る 、田 中 ・ 坂 喜 他(2018 )で は 、 次 の よ うに 述 べ ら れ て い る 。 図 6( 評 価 に つ い て 数 値 化 し 、 グ ラ フ に し た も の :筆 者 注 )の 全 体 的 傾 向 を 見 る と 、全 項 目 に お い て 学 生 の 自 己 評 価 が 実 習 園 か ら の 評 価 を 上 回 っ て い る 。 た だ し 、 こ の 差 に つ い て は 、 学 生 自 身 の 自 己 意 識 の 高 さ か ら 生 じ る の か 、 も し く は 実 習 園 保 育 者 の 実 習 生 へ の 要 求 の 高 さ か ら 生 じ る の か 等 、 多 く の 分 析 が 求 め ら れ 、 今 後 慎 重 に 検 討 す る 必 要 か お る。(p.131) 田 中 ら の 研 究 は 、 短 期 大 学 にお け る 幼 稚 園 実 習 に つ い て 考 察 を し た も の で あ り 、 本 章 の 考 察 方 法 に 関 し 、 特 に 数 値 化 の 方 法 に お い て は 、 参 考 に し た と こ ろ が 大 き い 。 だ が 、 田 中 ら の デ ー タ で は 学 生 の 自 己 評 価 が 全 て 実 習 園 よ り 上 だ っ た と い う 特 徴 的 な 結 果 が 示

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さ れ て い る が 、 そ れ に 対 し 本 論 の 結 果 と し て は 、11 項 目 中 3 項 目 で は あ る が 、 実 習 園 の 評 価 の 方 が 高 い 項 目 が 存 在 し て い て 、 必 ず し も 、 学 生 が 自 己 評 価 を 高 く ( あ る 意 味 甘 く ) し て い る わ け で は な い こ と が 示 さ れ た と い え る 。 ま た 、 評 価 結 果 の 要 因 に つ い て 、 田 中 ら は 結 論 づ け を 保 留 し て い る 。 評 価 を す る 側 ・ さ れ る 側 、 い ず れ に し て も 最 終 的 に は 個 人 の 判 断 に 負 う と こ ろ と な る 。 実 習 園 側 は 組 織 的 要 因 も 大 き い だ ろ う が 、 そ れ も 各 園 が 独 自 に 行 う も の で あ り 、 や は り 簡 単 に 結 論 を 下 せ る 問 題 で は な い だ ろ う 。 た だ 、 次 の よ う な 点 を 考 え る こ と は で き る 。 短 期 大 学 の 場 合 は1 ∼2 年 生 の 間 で 保 育 実 習 や 幼 稚 園 実 習 を 終 え る 必 要 か お り 、 短 期 間 を 目 ま ぐ る し い 中 で 動 く 学 生 に と っ て は 、 短 い 期 間 で 実 習 を 行 う こ と 自 体 が 、 高 い 評 価 に 値 す る と 捉 え る 傾 向 か お る の で は な い だ ろ う か 。 一 方 、 4 年 制 大 学 で は 短 大 よ り も 時 間 的 余 裕 か お る 。 本 学 の 場 合 は 、 (4 年 生 で 行 う 場 合 も 稀 に あ る が )ほ と ん ど が 3 年 生 時 に 幼 稚 園 の 実 習 を 行 い 、 ま た 、 基 本 的 に は 2 年 生 時 に 保 育 所 実 習 を 済 ま せ て い る 。 ( 短 大 と 比 べ て だ が )よ り 時 間 を か け て 実 習 を 行 っ て い る 分 、 実 習 生 側 も 冷 静 に 自 己 分 析 を 行 え る と は い え る の か も し れ な い 。 以 下 の 図 2 及 び 3 は 、 実 習 園 と 学 生 の 評 価 項 目 に つ い て 、 数 値 の 高 い 順 か ら 示 し た 。 2.7        2.9        3.1        3.3        3.5        3.7 t 召 言周 丿陛 月匯 翠 三等 不責 ギ亟 今生 幻 〕ふ鬯I 里 角翠 「斐lf 系 ↑生 言果 是豆? 笵 見 糸忿 合ii 平イ 面 適 切 な 表 現 言十 祗 針 生 安 全 一I覃 士竟 徊 8 貿・ 莟己 ほ 不責キ亟 十生 月胆 装E 等 堋JXIE!EE里 角刄 関 倡 豺 生 課 題 発 見 柘 託 周 十生 総 合 評 価 適 切 な 表 現 安 全 一環 昌竟 勧 阿 哭 一言ぶ 躁 言十蔗 計 生 3 .5 3 .7 3 .3 3 .1 2 .7 図 2  実 習 園 の 評 価 項 目 の 平 均 値 2 .9 図 3 学 生( 自 己) 評 価 の 評 価 項 目 の 平 均 値

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実 習 園 と 学 生 の 両 方 の 評 価 が 高 い の は 「 服 装 等 」 や 「 積 極 性 」 の 項 目 で あ る が 、 ど ち ら も 学 生 側 の 数 値 の 方 が 高 い 。 評 価 が 低 い 項 目 と し て 実 習 園 は 「 観 察 ・ 記 録 」 を 挙 げ 、 学 生 は 「 観 察・ 記 録 」「 計 画 性 」 を 挙げ て い る。 下 位 項 目 を 見 る と 、 実 習 園 と 学 生 の 双 方 「 観 察 ・ 記 録 」 の 他 「 安 全 ・ 環 境 」「 計 画 性 」 に 低 い 評 価 を 付 け て い る こ と が 分 か る 。 実 習 園 側 ・ 学 生 側 ど ち ら も 低 く 評 価 し て い る 項 目 は 共 通 し て い て 、「 記 録 」「 計 画 性 」 「 安 全 ・ 環 境 」 と い う 分 野 に 集 約 さ れ て い る 。 こ の 中 で 「 記 録 」 は 、 実 習 日誌 に よ る 評 価 の 基 本 と な る 項 目 で あ り 、 実 習 園 側 と し て も 厳 し い 目 で 評 価 す る 項 目 だ と 考 え ら れ る 。 「 計 画 性 」 に つ い て も 指 導 案 に よ る 評 価 が 行 わ れ て い る と す る と 、 学 生 の 「 書 き 物 」に 関 し 、 実 習 圉 側 か 相 対 的 に 厳 し い 評 価 を 下 し 、 ま た 、 学 生 に と っ て も 苦 手 意 識 を 持 つ た ま ま 実 習 を 終 え 、 結 果 と し て 評 価 が 低 い の で は な い だ ろ う か 。「安 全 ・ 環 境 」 は 子 ど も や 圉 全 体 を し っ か り と 把 握 す る こ と が 必 要 だ が 、 限 ら れ た 時 間 の 実 習 で は 、 な か な か 実 習 圉 の保 育 者 のレ ベ ル ま で に は 到 達 す る の が 難 し い 項 目 だ と 考 え ら れ る 。 実 習 園 の 評 価 と し て も 相 対 的 に は 上 の 項 目 だ が 、 学 生 の 方 が よ り 高 く 評 価 し た わ け で あ る 。 学 生 に と っ て は 、 子 ど も 達 の 理 解 に 努 め 、 積 極 的 に 関 わ っ て 一 生 懸 命 に 頑 張 っ た と い う 気 持 ち が あ る と 思 わ れ る。 し か し 評 価 す る 側 は 実 習 生 の 受 け 入 れ に 慣 れ て い る こ と も あ り 、 そ れ ほ ど 高 い 評 価 に な ら ず 、 結 果 的 に 差 が 大 き く な っ た と 思 わ れ る。 全 体 的 に は 、 人 と の 接 し 方 々 精 神 面 よ り も 、 実 際 に 職 員 と し て 働 く 上 で の よ り 実 務 的 な 問 題 に つ い て 、 課 題 が 見 ら れ る よ う で あ る 。 し か し 、 こ れ ら は や は り 実 際 に 働 か な け れ ば 身 に 付 か な い ス キ ル で も あ り 、 実 習 生 に 実 習 圉 の 求 め る よ う な レ ベ ル へ の 到 達 を 求 め る の は 、 完 全 に は 難 し い 面 か お る だ ろ う。 そ れ を 踏 ま え た 上 で 、 社 会 人 と し て の ス キ ル と は 何 か を 考 え た り 学 ん だ り す る 時 間 が 必 要 だ と い え る の で は な い だ ろ う か。 実 習 圉 の 期 待 に 応 え る た め に 、 実 習 生 側 か 実 習 前 に 保 育 者 に も 業 務 ・ 事 務 的 ス キ ル も 必 要 で あ る こ と を 今 ま で 以 上 に 自 覚 し 、 可 能 な 限 り 準 備 を し て か ら 実 習 に 臨 む こ と が 望 ま し い と 感 じ ら れ る 。 た だ 限 ら れ た 時 間 や 環 境 の 中 で そ れ ら の 指 導 ま で 行 う の は 難 し く ど の よ うな 方 策 が 効 果 的 な の か 、 長 期 的 視 野 に 立 っ て 考 え て い か な け れ ば な ら な い 。 指 導 す る 側 の 対 応 と し て 、 当 面 は 、 記 録 の 書 き 方 の 指 導 を 中 心 と し つ つ 、 実 習 を 計 画 的 に 見 通 せ る よ う 、 事 前 に 全 体 的 視 野 に 立 ち な が ら 日 々 の 活 動 に 取 り 組 み 、 個 々 の 指 導 案 を 段 階 的 に 作 成 す る よ う 、 指 導 す る こ と が 求 め ら れ る 。 そ の 上 で 、 現 場 感 覚 に 合 っ た 指 導 方 法 を 絶 え ず 模 索 し 続 け る こ と が 必 要 だ と い え る の で あ る 。 4。 実習報告書の音楽 一表現分野の記述から見えてくるもの 本学では実習終了後に、自由記述の方式で「事後レ ポート(A4う 枚)」を学生が提出 する。その事後レポートを編集して実習報告書を作成している。 下記はその中に記載さ れていたものの中から、特に音楽・表現などの分野についての記述を抽出したものであ る。 ①ピアノを弾き歌うときは、慌てず弾くことを意識し、歌う前にその歌と関連付けるよ うな話などを行い、出来るだけ先歌いをして、子どもたちが歌いやすく次の歌詞がわ かるよう導きながら進めていきました。 ②今回の実習では絵本指導・歌唱指導 一部分実習の時間をとっていただいた。そのとき に活動に入る前の導入とそのあとの振り返りの大切さを改めて学ぶことができた。

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③準備にはおおまかに3点の事に気を付けるべきであると学びました。まず 1 点目は、 活動内容を子どもの発達状況、天候や行事等に合わせて保育できるように「計画の準 備」をする事です。2点目に制作遊びをする時の材料や、普段の遊びの中での玩具の数 等の「 モノの準備」をしておく事です。最後にピアノや絵本の読み聞かせ等の「練習 の準備」をしておく事です。準備を密にしておく事でどんな状況になっても臨機応変 に対応でき、スムーズに活動が出来ます。 ④私はこのクラスでは歌唱指導も行わせていただいた。初めての歌唱指導、指導案通り に進むはずもなく戸惑った。 しかし幼児たちが楽しんで歌ってくれたこと、また歌い たい!と伝えてくれたことがとても嬉しかった。 ⑤私が一番関わってよかったと思ったことは、子ども何人かでのぼり棒をしていたとき の関わりである。始めはのぼりたい子どもが集まって好きなようにのぼって遊んでい た。 しかしその時ちょうど手遊びで歌っていた歌を少し変えて歌うと楽しいと思い、 自分なりにアレンジをして歌ったら、子どももさらに楽しんでのぼって遊ぶようにな った。すると、いつもはのぼり棒には興味を持たずにほかのことをしていた子どもが 興味を示してくれた。 ⑥年長組のメインの鼓笛練習では大太鼓、中太鼓、小太鼓、シンバルなどで音楽と笛の 音に合せて移動する。子どもたちの集中力と吸収力の高さを感じた。 ⑦実習園では、歌や木琴の時間があり、遊びや製作の時間とは異なり、始まりと終わり に挨拶を行い、口調や表情、態度で今がどういう時なのかを子ども達に理解出来るよ う伝えていた。子ども達が真剣に取り組めるように、先生自身も真剣に子ども達と関 わり、時には厳しく指導することもあった。出来ていなかったり、覚えていない部分 があったりすると、出来ていないこと、どうすれば良いのかを伝え、子ども自身が気 付けるように指導していた。また、全体での演奏であるため、1人1人が責任を持って 臨めるように声掛けを行っていた。 ⑧4∼6 歳の子どもたちは何でも周りのことを吸収していく時期なので、子どもが良い心 がけをした時、製作や縄跳び、跳び箱、木琴などが出来たときにたくさん子どもを褒 めて認めてあげることで子どもの自信につながり、子どもがもっと頑張ろうという意 欲がでるということを学びました。 ⑨先生としてテキパキと行動することや、歌を歌うときは子どもたちに負けないくらい の声で歌うこと・子どもたちが見えるように教室の端の列に立つことを意識しました。 そうすると、歌っているときも子どもたちは私の顔をみて、負けないぞと対抗してく るように感じ、口を見ながら一生懸命歌ってくれました。担任の先生に、子どもたち が真似していたからとても良かったよと言っていただき、実践することで学ぶことが できました。 ⑩ハーモニカや、文字を書くこと、簡単な計算に触れ合うことが行われていました。小 学生になる前の第1歩になるのではないかと思いました。 ⑥幼稚園の日常生活で、朝の会の場面では、歌を歌うときに子どもたちが楽しく歌える よう、振り付けを加える工夫をしていました。一方で、世間で流行っている曲は子ど もたちの間でも流行っていました。その曲を毎日クラスの中で歌いながら踊っている 子どももいました。先生はその様子を見ておられて、ピアノでその曲を弾くと子ども たちが遊びをやめて、踊りだしました。それだけその曲に興味・関心を持っているん

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だなと感じることができました。 ⑩鼓笛の練習の時に小太鼓のグループを担当することになり、子どもたちの前でお手本 となるよう太鼓をたたくふりをし、子どもたちを誘導するのですが、前でたたく ふり をする際に鏡写しになるよう左右反転させて行ったり、誘導するときにも子どもたち 同士がぶつかったりしないように注意していたり実際前に立ってみないとわからない 保育者の援助にきづくことができました。手の動きや行進を行うタイミング、太鼓を たたくリズムなど子どもたちがある程度できるようになれば徐々に援助を減らしてい かないと実際の運動会では保育者が側にいて援助をすることは出来ないのでこどもた ち自身が自立できるよう促していき、子どもたちの邪魔になる過度な援助をしないこ とも学びました。 ⑩お月見会と誕生会では子どもたちの前でお月見のお話をする先生やピアノを弾く先生 などの役割分担や先生同士の連携を見ることができました。お月見会までに各クラス でお月見制作をし、お月見についての話をしておくことで子どもたちがお月見に興味 を持てるよう工夫もされていました。 ⑨ピアノを使った関わりで、活動を移り変わるときに、声掛けでの関わりの他にピアノ を使う保育者の姿が多く見られました。保育者がピアノを弾き始めると、騒がしかっ た部屋がだんだん静かになっていきました。また保育者が何も言わなくても、子ども たちは活動が変わることに自ら気付いて片付けを始めたり、準備を始める姿が見られ ました。子どもたちが興奮しているところに声を掛けても興奮を抑えることが難しか ったり、保育者の声がなかなか伝わりきらないことがあります。 しかし、ピアノの音 を聞くことで自然と心を落ち着かせて次の活動にスムーズに移る姿が見られました。 ピアノが子どもの心を落ち着かせるものであり、さらに次の活動へのワクワク感を掻 き立てる材料の1つになっているのではないかと考えました。 ⑩秋の季節になると「 赤とんぼ」を歌うことや、「朝のうた」を歌う前に必ず敬老の日に 歌ううたを歌うようにすることがクラスずつであるとわかった。一つずつの決まりや 流れを知り、毎日同じことを集団で行うことはとても子どもの成長に大切であり、毎 日することでできなかったことができるようになってくると考える。 これらの記述から、学生は実習先 の圉の保育方針に添って多彩な実習に取り組んだこ とが伺える。 音楽に関する記述では、学生自身 の音楽技能のレベルに応じた受け止め方 が生じ、そこに差異が出るだろ うことに、教員側は斟酌しておく必要かおるだろう。 ピ アノを弾き、歌う、この技能を身 に付けることは短時間で出来るものではないし、近道 かおる筈もない。ましてそれを保育の現場で他者の前で展開するためには、学生は指導 を受けて、たゆまぬ努力と継続した練習を取り組む、とい う道を歩むことが必要である。 歌は、誰でも歌えるので簡単ではないか、と大きな誤解をしてい る人もいるが、保育の 現場でも教員養成の場でも、その指導ほどむずかしい場面はない。気恥ずかしさ、照れ、 消極性、ためらい、などのマイナス要因の壁は人々の想像を超えて高く厚い。それらの 学生が大学では教師のリードで歌わせてもらう立場であるが、実習の現場では、歌うこ とを誘い導く逆の立場に変わる。

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そ こ で は 、か つ て 経 験 し た こ と の 無 い テ ク ニ カ ル の 一 例 と し て「 先 歌い の 必 要 性 」( ① ) に 直 面 す る 。「 出 来 る だ け 先 歌い を し て 、子 ど も たら が 歌い や す く 次 の 歌 詞 が わ か る よ う 導 き な が ら 進 め て い き ま し た 」 と の 記 載 は 、 そ の 成 果 を 感 じ た 手 応 え で あ ろ う。「 幼 皃 た ち が 楽 し ん で 歌 っ て く れ た こ と 、 ま た 歌 い た い ! と 伝 え て く れ た こ と が と て も 嬉 し かっ た 」( ① ) と い う文 言 に 見 る よ うに 、保 育 者 も 幼 児 と と も に 成 長 し 、感 動 す る こ と は 良い 保 育 の 原 動 力 と な る 。 さ ら に 取 り 組 ん だ 成 果 を 実 感 で き た の は 、 今 後 の 大 学 で の 学 び に 熱 心 さ と し て 良 い 影 響 を も た ら す も の と 考 え ら れ る 。 音 楽 分 野 で は 、 練 習 の 必 要 性 も 常 に 授 業 で 語 り か け る が 、 実 習 準 備 に お い て 、 お お ま か に 重 要 な 3 点 を 考 え た 学 生 は 、 そ の 一 つ と し て 、 音 楽 実 技 の 「 練 習 の 準 備 」( ③ )を 書 き と め て い る 。 さ ら に そ の 内 容 に つ い て も 学 生 の 心 に 残 っ た 場 面 と し て 、 た だ 歌 っ た り 、 弾 い た り 、 の 表 面 で は な く 、 そ の 質 に つ い て 記 し た レ ポ ー ト も あ っ た 。「 歌 を 歌 う と き は 子 ど も た ち に 腦 け な い く ら い の 声 で 歌 う … 子 ど も た ら は 私 の 顔 を み て 、 囗を 見 な が ら 一 生 懸 命 歌 っ て く れ ま し た 。 担 任 の先 生 に 、 子 ど も たら が 真 似 し て い た か ら と て も 良 か っ た よ と 言 っ て い た だ い た 」( ⑨ ) と の 記 述 は 、 子 ど も に と っ て 教 師 は す べ て の 模 範 と な る こ と の 再 認 識 と い え よ う。 素 直 で ク セ が 無 く 、 好 感 の も て る 心 の こ も っ た ピ ア ノ の 演 奏 と 歌 を う た う 技 能 を 身 に つ け た い と い う 強 い 意 志 を 自 身 の 心 に 育 て ら れ る よ う、 地 道 に 取 り 組 む よ う 指 導 を し て い き た い 。 ま た 、現 場 で の 音 楽 の 活 躍 と 有 用 性 は 、 単 な る 音 楽 保 育 の 場 面 だ け で は な く 、「 活 動 を 移 り 変 わ る と き に ピ ア ノ を 使 う保 育 者 の 姿 が多 く 見 ら れ た 」、子 ど も の「 心 を 落 ち 着 か せ 、 さ ら に 次 の 活 動 へ の フ ク フ ク 感 を 掻 き 立 て る 」( ⑩ ) と の 記 述 や 「 の ぼ り 棒 を し て い た と き の 関 わ り 」( ⑤ ) の 記 述 に も 示 さ れ た よ うに 、あ ら ゆ る 保 育 の 場 面 で 、 音 楽 が 異 な っ た 波 及 効 果 を 持 っ て い る こ と へ の 認 識 も 大 切 な 視 線 で あ ろ う。 幼 稚 園 で は 他 に 、 各 種 の 楽 器 、大 太 鼓 、中 太 鼓 、小 太 鼓 、シ ン バ ル な ど を 用 い て い る 様 子 も 記 さ れ て い る( ⑥ )( ⑩ )。 そ れ ら の 楽 器 に 対 す る 経 験 や 愛 着 、 ま た 保 育 教 具 と し て の 有 効 性 へ の 信 頼 を 学 生 自 身 が 持 つ こ と も 、 大 切 な こ と と 思 わ れ る。「 赤 と ん ぼ 」( ⑩ ) な ど 、 本 来 は 保 育 の 歌 唱 曲 で は な く 、 小 学 校 で 主 に 取 り 扱 わ れ る 曲 な ど も 用 い て い る 園 も あ る の で 、 幼 小 連 携 の た め に も 小 学 校 の 教 材 も あ る 程 度 学 習 し て お く 必 要 か お る 。 あ る 実 習 生 は 、 指 導 案 通 り に 進 ま ず 戸 惑っ た 様 子 を 「 歌 唱 指 導 も 行 わ せ て い た だ い た 。 初 め て の 歌 唱 指 導 、 指 導 案 通 り に 進 む は ず も な く 戸 惑 っ た 」( ① ) と 報 告 し て い る。 こ の 点 け 実 習 園 評 価 と 学 生 評 価 が 両 方 と も 低 い 項 目 と し て も 前 述 し て 挙 げ ら れ た 「 計 画 性 」 に つ い て の 部 分 で あ る 。 一 つ の 曲 を 保 育 テ ー マ と し て 設 定 す る と 、 ど う し て も そ の 曲を 歌 う、 そ の た め に 弾 く と い う作 業 に 集 中 し て し ま い 、 こ ど も の 全 体 像 や そ の 時 間 の 「 語 り か け 」 が 隕 ら れ た 内 容 に な っ て し ま う こ と が 多 く 、 自 由 な 展 開 や 即 興 的 な バ イ パ ス 的 指 導 案 に 移 り に く い の も 音 楽 分 野 とい え る 。 そ こ で 教 材 と し た 曲 に つ い て 、 幅 広 い 関 連 事 項 へ の 興 味 、 ま た 知 識 、 探 究 へ の 取 り 組 み を 、 音 楽 実 技 の 分 野 で も ア ク テ ィ ブ ・ ラ ー ニ ン グ を さ ら に 取 り 入 れ て い き た い 。 教 育 実 習 事 前 事 後 指 導 の 隕 ら れ た 時 間 の 中 で 、 学 生 の 知 技 の 向 上 に ど うす れ ば 効 果 を も た ら す か 、 現 行 の シ ラ バ ス を さ ら に 吟 味 し 、 よ り 良 い 実 習 準 備 の 学 び と な る よ う 精 選 し て い き た い 。 5。 実習記録簿の「指導案」の分析から 本章では、学生個々の実習記録簿に挿入されてい る部分指導の「指導案」の記述内容

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を分析し、指導案に関する教育実習事前事後指導(幼稚園)の授業の成果と今後の課題 を考察する。 授業における部分実習の指導では、3歳・4歳・5歳の発達の違いに関する小テストを することによってそれ以前の学習内容を振り返り、再確認した、また、各年齢に合うね らい と内容を一つずつ考えることも課題とした。 そして、それらのうち一つの年齢を選 んで指導案を作成した。子どもの姿は、3歳。4 歳。5 歳の9月時(実際の実習時期)の一 般的な姿の資料を配布して説明した。 各項目の書き方は、先輩が書い た以前の指導案を 含む 「資料ファイル」を貸出し参考にさせた。以前の実習の指導案の選択は教員が行い 資料ファイルにい れた。 表3は、部分実習の 指 導案 の 中で 良い と 思 われ る部 分 を 取り 出し、「全体的よかっ たこと」「「ねらい 」 で よ か っ た こ と 」 冂援助」でよかったこ と」に分類したもので ある。全体として幼児 の意欲 を 高 める方 法 を とっ てい る と 顕 著 に想 像 でき る 指 導案 が 9点あった。特にと んぼの製作で、実習生 自身 が 作っ て き た 見 本のトンボを「一人ぼ っちのトンボ」と表現 し 「友 達 が欲 しい な あ」と子ども達に話を する部分は、特に幼児 の心を 捉 える で あろ う。実習履修者全員 の 表 3 指 導 案 の 分 析 ( よ か っ た と 思 わ れ る 点 )

分類

取り出した部分

全 体 的 に よか っ たこ と 「トントントン、 お 邪 魔しま す」 と声を 出して 話を す す め た ハ イハ イを 用 い 既 成 の 遊 び を変 化 させ た 4つ の 遊 びをつ な げて 流 れ をつくって い る オ セロ ゲ ー ム を変 化さ せ た 見 本 のトン ボを「 一 人 ぼ っ ち のトン ボ」 と表 現 し「 友 達 が 欲 しい なあ」 とし たと ころ プレ ゼント にしようとしたメ ダ ル を途 中 ま で 作 り最 後 の 工 程 を 一 緒 に 作 って そ れを 子 ども 達 にプレ ゼンし た 子 どもとの 合 作 で あ る 点 が い い 「 ねら い」 で よ かっ たこと 造 形 を 表 現 の 楽しさとして 考 え て いる 造 形 を表 現として とらえ て い る 「 援 助」 で よか っ たこ と ペ ープ サ ートを用 いる パ ネル シアター 使 った とこ ろ 生き 物 の ペ ープサ ートを用 意 環 境 構 成 を 細 かく考 え て いる 活 動 の 順 番 をイメージで きて い る ま ず 作 ったも の で 遊 ぶ 様 子 を 見 せ る 説 明 を する た め の 見 本 や グッズ 実 際 に す すき や 萩、 里 芋 を見 せる 工 程 の 説 明 用 紙 を作 つて み せ る み ん な に 見 え るように も ち 方 を工 夫 する 間 を 取る ことで、 絵 を見 る 時 間 を+ 分 にとる 蛇 腹 折 に する ところ が 良 い 全 部 読 ま ず に 子ども に 伝 わり や す い ように 読 む き のこ によっ て 声 を変 え る 子 ども の 目 を み てうな づく 表 情 へ の 意 識 後 半 で 順 番 を変 え る か と 子 ども達 に 聞くこと み ん な で 貼 ったも の を見 る 時 間 を 作って い る 他 の グ ル ープ の 作 品 に 拍 手 をす ることを取 り入 れ て いる 工 夫した ところを 聞 い てい ること 見 せ る 場 面 が あ る 記 録 簿 の 中 で 、 部 分 実 習 の 「 指 導 案 」 は96 点 て あ っ た 。 そ れ ら の ね らい を 領 域 に 置 き 換 え る と 単 独 ま た は 総 合 も 含 め て140 あ り 、 内 訳 は 造 形 表 現 領 域 が44 、 健 康 領 域 が36 、 言 葉 の 領 域 が21 、 環 境 領 域 が16 、 音 楽 表 現 領 域 が15 、 人 間 関 係 領 域 が 8 で あ っ た 。 部 分 指 導 と し て 造 形 領 域 の 遊 び を 選 択 す る こ と が 最 も 多 か っ た 。 そ の 造 形 領 域 の 指 導 案 の ね ら い の 中 で 、 製 作 の ね ら い で 「 ・ ・ を 作 る こ と を 楽 し む 」 とい う単 純 な 記 述 が 多 く 、 一 方 、 製 作 と い う 造 形 表 現 の 遊 び の ね ら い を 「 表 現 す る こ と の 喜 び を 感 じ て 楽 し む 」 と い う 意 味 で 設 定 し て い る 指 導 案 は 2 点 の み で あ っ た 。 幼 稚 園 教 育 要 領 ( 文 部 科 学 省 、2018) の 「 表 現 」 の ね ら い (2 ) 感 じ た こ と や 考 え た こ と を 自 分 な り に 表 現 し て 楽 し む 、 へ の 理 解 を さ ら に 深 め る 学 習 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 鈴 木(2011:37 )が 述 べ て い る よ う に 、「 感 性 」を 育 む と は 、「 感 受 す る 」力 だ け で な く 、

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「表す」力 を伸ばすところまでの一貫した援助の必要性があるので、実習履修生には子ど も達の感性を高める人的環境となる体験を積み重ねることが重要だと考える。 援助では、様々な方法を工夫して遊びやルールの説明をしたり、絵本の読み聞かせで は、その通り読まずに子どもに伝わりやすい ように読んだりしている。また、子どもの 目を見て頷いたり、自分の表情を意識したりす ることも指導案に入れてい る。また、製作し た物を友達みんなに見せる場面や拍手をもら える場面、また工夫したところを聞く とい う 場面を想定してい ることも評価できる。 一方、指導案 の中で今後の学習に関して考 慮すべき点を示唆する点を示したものが表 4 である。製作物を友達に見せる場面を想定し てい ない指導案もあった。 それは幼児に関 わ るものとして最も基本的な「受容」とい うこ とを考慮に入れていない 指導案である。表 4 の最下部の行に示した通り、「幼児の姿」の項 に何を記述したらよいのかを正確に記述して いない指導案も見られた。 幼稚園教育要領に おける「内容の取扱い」の事項に関する学習 を授業にさらに盛り込む必要かおる。 表5は、ねらいと内容の関連性で考慮する 点てある。ねらい に関し、主語が曖昧であっ たり、内容と同じことが書かれていたりする 指導案が19 点あった。また、ねらいに内容が 含まれたり、内容にねらいが含まれたりする 指導案もあり、ねらいとい う重要な事項につ いての理解を深めるための方法を考える必要 かおる。 表6は部分指導を終えた後の考察部分で実 習履修者 が気づいたことをまとめたものであ 表 4 指 導 案 の 分 析 ( 考 慮 す べ き 点 ) 分 類 取り出した 部 分 受容 的な 部 分 でき た作品を友 達に 発表 できていない 作った 物を友 達に 見せる 場面 がない 作った物を友 達 に見 せる 場面 がな い できた 気持ちをうけとめら れていなかった 援 助 ねらい が「 自由 に」なの に 柄 やマークが 狭い 選 択式 3歳 にして は難しい部 分を 含ん だ遊び ひとりになる場面 でそ の こどもを「鬼」と決 めつけ たこと 時 間を気 にしすぎ ている 内容を進めることに精 いっぱい 子どもが集 中していた の で読 むことが できた 記 述形 式 活 動と援助 が 同じ時 系列 に書 かれ ていない 「 ∼してもらう」というねら い の 表現 「 幼 児の 姿」が 指 導する 時 の想 像 の姿 になってい る 幼児 の 姿の 書き方 が わ からない 表 5指導 案 の分 析 ( ねら い と内 容で 考 慮する 点)

取り出した部 分

ねらいの 主語 があいまい 内容に ねらいも含めて書 かれている ねらいと内 容が 同じ 4歳と3歳 が同じねらい ねらいに内 容も含めて書 かれている 内容 の記述をみても遊 び が何であるかわ からない ねらいが「 感じる」だけに 終わっている 内容 の欄 が製作 の 工程 になっている る。友達同士の人的環境づくり、子どもの主体性を大事にすること、子どもがどの様な 遊び にどの様々反応をするかの予測が不十分だったことを省察してい る。 実習は予測で きなかったことの連続であるともいえ、そのことに気づいてい ることは評価できよう。 表6 部分実習後の気づき 分 類 取 りだした 部 分 全 体 で 気 づい た 事 子ども 同 士 が 関 わりあえ る 環 境を 作っ てい け ば よ か った とい う気 づき 自 由 な 部 分 が あ つて もよか つたと 感じてい る 視 野 の せ まさへ の 気 付 き 子 ども の 姿 を予 測 す ることが 大 事 で あるとい う気 付 き 集 団 遊 び になら な か った 子 ども 達 が 想 像 以 上 に で きることに 驚く 3 歳 の 子 が お ば け を怖 が ることに 気 づく 援 助 で 気 づい た 事 話 を聞 い てい ない 子ども が いる 事 へ の 対 応 が で きな か っ た 説 明 が うまくな い と製 作 が 遅くなりあ そ ぶ 時 間 が 減っ てしまう 全 員 が 聞く姿 勢 に なっ て から 話 す ことが 大 事 と気 付く 次 に 進 むタイミン グ が 難しいことに 気 づく 製 作 の スピ ード の 違 い へ の 気 づき 子 どもの 気 持 ちを 受 け 止 め る 余 裕 が な か った ことに 気 付く 材 料 の 置 き 方 が む ず かしい 安 全 確 保 が でき な か った 声 を大 きくする とい う課 題

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6。 実習生間の報告会発表内容から 本章では、実習後に履修者 間で報告会を行った内容から、教育実習事前事後指導(幼 稚園)の授業での成果があったのか、また今後の課題は何かを考察する。 この報告会では、3つのテーマ「子どもとの関わりで大切にしなければならないこと」 「部分指導」「幼稚園と保育園の違い」から一つを選んで、グループ でKJ 法を用いて、画 用紙上にまとめ発表するとい う方法であった。表 7は、6つあったグループ のうち、「子 どもとの関わりで大切にしなければならないこと」をテーマに選んだ 5 グループの発表 用紙の記述をまとめたものである。 表7 実習成果の報告会からの学び グ ル ープ 分 類 子どもとの 関 わりで 大 切 にし な け れ ぱ な らな いこ と 1 基 本 信頼 関 係 コミュニケ ーション 笑 顔 保 育 者 の 技 術 言葉 掛 け 子ども理 解 2 基 本 環 境構 成 発 達 理 解 具 体 声 掛け 態 度 一心 得 見 守り 3 3 つ の 柱 先 生 は 子ども達 の 見 本で ある 挨 拶を大 切 にする 正しい 生 活 習 慣を身 見 に つける 保 育 者 が 大 切 に し たい こと 子ども達 に 考えさせる 耳を傾 ける 子ども の 変化 に 気づく 約 束を 守る 見 守る保 育 ほめ て伸 ばす 声 掛 け 抑 揚 正しい 言 葉づか い 前 向き 意 欲 的 子どもが 考えられ るよう に タイミング 個 人 の 援 助 個 々 にあ つた 対 応 子ども の 理 想 像 友だちを思 い やる気 持ち 自ら行 動 する あ きらめ ない 子ども の 世 界観 が ある 意 味 を持った 行 動 環 境・ 安 全 環 境 の整 備 安 全 の 配 慮 死 角をつくらな い 4 基 本 ねらい をもって 接する 声 掛 け ひとりひとりへ めりはり 自 分で 考え られるような 行 動を ほめる 名前 を呼 ぶ 表 情・ 態 度 遊び や 話を遮らない 目を見 て 会話 笑 顔 甘え させ てあ げる 人 間 関 係 言い たいことを見 守る 気 持ち の共 有 話をしっかり聞く 安 心 感 信 頼 関係 思いを受 け 止 める 雰 囲 気 一環 境 姿 勢 個 人に 対 応 集 中できる・ メリハリ 意 欲 安 全 見 守り 配 慮 確 認 5 気 持 ち・こころ 子どもの 意 見を聞< 褒めると注 意 の バランス 気 持ち の 伝え 方を教 える ありが とうの 気 持ちを伝 える 認める 気 持ちを引き 出す 一 人 ひ とり 色 々な 関 わり方 を試 す 卞 こ も廴ノノ艮 い 附 き 兄-ノ17  ̄ 7 子ども の 発 想を共 有する 遊 び の 発展 を考え る 目 目 線を合 わ せる 視 覚的 に 見 せる 全 体を見る 切り替 え 声 の 大小 で 表 7 の 分 類 し た カ テ ゴ リ ー は 、5つ の グ ル ープ 間 で 異 な っ て い る が 、同 じ 事 項 で も 異 な る カ テ ゴ リ ー に 羂 し て い る 事 項 か お る 。 例 え ば 、 グ ル ー プ 2 の 「 見 守 り 」、 グ ル ープ 3 の 「 子 ど も 達 に 考 え さ せ る 」「 見 守 る 保 育 」「 耳 を 傾 け る 」「 子 ど も が 考 え ら れ る よ う に 」、グ ル ー プ 4 の 「 自 分 で 考 え ら れ る よ う な 」「 言 い た い こ と を 見 守 る 」「 話 を し っ か り 聞 く 」 「 思 い を 受 け 止 め る 」、 グ ル ープ 5 の 「 子 ど も の 意 見 を 聞 く 」「気 持 ち を 引 き 出 す 」「 子 ど も の 発 想 を 共 有 す る 」 は 、 目 指 す べ き10 の 姿 の 「 自 立 心 」「 協 同 性 」「 思 考 力 の 芽 生 え 」 に つ な が る 同 じ 意 味 を も っ て い る 。 そ れ ら の 事 項 が 子 ど も と の 関 わ り で 大 切 に し な け れ ば な ら な い こ と と し て 話 し 合 え て い る と 思 わ れ る。 ま た 、 グ ル ー プ 1 と 4 の 「 笑 顔 」、 グ ル ープ 3 の 「先 生 は 子 ど も 達 の 見 本 で あ る 」、 グ ル ー プ 4 の 「 姿 勢 」 は 、 保 育 者 自 身 が 人 的 環 境 で あ る こ と の 意 識 を し て い る と 見 て 取 れ る 。 人 的 環 境 と し て の 保 育 者 の 援 助 の 基 本 は「受 容 」で あ る 。直 接 的 に「 受 容 」と い うカ テ ゴ リ ー や 言 葉 を 取 り 上 げ て い ない が 、 実 習 後 の 話 し 合 い の 中 で 「 受 容 」 に 結 び つ く 多 く の 気 付 き を 報 告 で き た こ と は 評 価 で き る 。

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さ ら に 数 は 少 な い が 、「 安 全 」 を カ テ ゴ リ ー に し た グ ル ープ が 2 つ あ っ た。「 安 全 」 に つ い て は 平 成29 年 告 示 の 幼 稚 園 教 育 要 領 の 領 域 「 健 康 」 の 「 内 容 の 取 扱 い 」 に お い て 新 た な 項 が 設 け ら れ て い る 。 こ の 事 項 に つ い て も 授 業 の 中 で 取 り 上 げ て 説 明 を し て い る。 ま た 1 グ ル ープ で は あ る が 、「 子 ど も の 理 想 像 」と い うカ テ ゴ リ ー 内 で 「友 だ ち を 思 い や る 気 持 ち 」「 自 ら 行 動 す る 」「 あ き ら め な い 」「 子 ど も の 世 界 観 か お る 」「 意 味 を 持 っ た 行 動 」 とい う見 方 を し て い る 。 子 ど も 理 解 に つ な が る 重 要 な 発 見 で あ り 、 子 ど も に 対 す る 畏 敬 の 念 を も つ とい う幼 児 教 育 に お い て 重 要 な 事 項 に つ い て 気 づ く こ と が で き て い る と 考 え ら れ る 。 以 上 、 実 習 指 導 の 授 業 の 成 果 と 課 題 を 、 第 5 章 で は 「 指 導 案 」 か ら 、 第 6 章 で は 事 後 の 報 告 会 か ら 考 察 し た 。 そ の 結 果 は 、 次 の 通 り で あ る。 実 習 指 導 の 授 業 の 成 果 は 、 以 下 の 4点 て あ る 。 ① 幼 児 の 意 欲 を 高 め る 方 法 を 工 夫 し て い る 。 ② 実 習 は 予 測 で き な か っ た こ と の 連 続 で あ る と 気 づ く 。 ③ 子 ど も と の 関 わ り で 犬 切 に し な け れ ば な ら な い こ と が 、幼 児 教 育 の 目 指 す べ き10 の 姿 に つ な が る と 意 識 で き て い る 。 ① 子 ど も に 対 す る 畏 敬 の 念 を も つ と い う幼 児 教 育 に お い て 重 要 な 事 項 に つ い て 気 づ い て い る 。 今 後 の 課 題 は 、 以 下 の 2点 て あ る 。 ① 幼 稚 園 教 育 要 領 ( 文 部 科 学 省 、2018) の 「 ね ら い 」「 内 容 」「 内 容 の 取 扱 い 」 の 理 解 を さ ら に 深 め る 学 習 が 必 要 で あ る。 特 に 造 形 表 現 の 領 域 で の 理 解 が 不 十 分 で あ る 。 ② 実 習 履 修 者 が 、 子 ど も 達 の 意 欲 や 感 性 を 高 め ら れ る 人 的 環 境 と な る 体 験 を 積 ん で 実 習 に 臨 め る よ う に す る 。 7。 おわりに 保育土を養成する施設や教職課程を有する大学にとって、実習指導は授業の中でも重 要な位置を占める科目である。各専門分野を有する教員が担当し、授業の中で各校の実 情に沿っ た指導を展開してきたわけである。 しかし、近年は教員 養成の質的向上が叫ば れるようになり、平成29(2017) 年10 月には、教職課程コアカリキュラムが策定されるな ど、今までに増して実習指導の在り方が問われるようになってい る。 中でも本論のテー マである幼稚園教諭の養成課程に目を向けると、これまで設定されていた「教科に関す る科目」が「領域に関する専門的事項」へと変更され、授業内容やカリキュラムの構成 に関し、実際に大きな変更が進んでいるとい う現状かおる。 教育実習(学校体験活動)の、幼稚園教諭に関するコアカリキュラムにおける一般 目標 は次の一文である。「大学で学んだ領域や教職に関する専門的な知識・理論・技術等を、 保育で実践するための基礎を身に付ける。 」この他、到達目標として、適切な指導案の作 成や基礎的技術を実地に即して身に付けること、などが挙げられている。 一般目標として、大学での専門的な学びを保育で実践する、その基礎を身に付けるた めの教育実習だと謳われてい るわけで、大学において保育実践を意識した授業を展開す ることが強く意識されるようになってい る。 当然、実習指導でも実践的内容が必要であ る。2章に本学のシラバスを掲載したが、それらの指導項目を継承しながら、実践力 の育 成のための指導方 法の更なる改良、工夫が求められていると考えられる。

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実習に臨む学生に対する実習指導者の指導の在り方に関し、保育教諭養成課程研 究会 (2017)では、以下のような記述が見られる。 ここで大切なのは、様々な表現の基礎的な知識や技能を学ぶのは養成課程の学生で あり、幼皃にそ うした知識や技能をそのまま指導するのではない、とい うことを授 業担当者が理解していることです。( 中略)幼児教育の実践に裏付けされた学問的基 盤を授業担当者がもっていることがこれからの授業担当者に求められます。(p.36) この記述は、実習指導だけではなく養成に関わる授業 の全体に対して述べたものである が、実習指導の授業担当者もこの記述のように幼児教育の実践に裏付けされた学問的基 盤を有することが求められていることが分かる。ただし、各専門領域があったとしても、 それで実習に必要な事柄全てがカバーできるわけではない。6章では、本学の問題として 造形表現領域を挙げたが、各校により問題となる項目は異なる。 例えば、すでに言及し た田中・坂喜他(2018)には、実習生が特に力を入れた学習項目の一番が「 教材研究(製作 など)」 となっている(p.128)。 そして、この理由を次のように述べる。 また、発達の理解や音楽表現に比べ、教材研究が著しく低位にある。 これは、指導 者側か力を入れて指導したことが学生側の事前学習を促し、結果的に実習後の課題 として教材研究が挙げられることを抑制したと推察できる。(p. 129) 実習後の課題として挙げた項目で教材研 究(製作など)が低かった要因を、実習指導者が 実習前から指導していたためだと述べている。 この指摘は正しい とい えるが、こうした 指導ができるのは実習指導担当者に製作・造形の専門家がいる場合だと考えられる。 本学の幼稚園実習指導では、製作 の専門家は担当していない。そして、このような担 当者 の専門分野の差が実習内容にも響いてく ることが伺えるわけである。 こうした、指 導者側に帰する要因をいかに克服するのかは、喫緊の課題である。 その克服として考えられるのは 4章でも触れたアクティブ・ラーニング的指導であろ う。 教員 が何かを教えるところは各専門の授業が担当し、実習指導では学生が自主的に 活動を考えて取り組む時間を多く設け、教員 は授業の全体的な遂行を担い、自身の専門 領域を超えた活動ができるような授業構想を行うことが必要なのではないだろ うか。 実習指導での学生自身の学びの大切さを述べた、清水(2017) では、実習指導の考察の 中で、学生の活動の重要さを、次のように指摘している。 保育の映像や一斉活動における模擬保育を全員で見合い、学び合 う機会は、学生同 士が触発し合う場作りとなったとともに、一人一人の学生が、他の学生の模擬保育 からも何かを取り入れようという意識も高まっていたと思われる。(p.106) グループ討議や実践を進める中で、他の学生の考えを聞いたり、模擬授業の中で、 他の学生の動きや活動の進め方を見たことにより、多くの学生が、自分自身に足ら ない面々、より視野を広げていく必要性などを感じ、実習に向けての「 自身 の課題」 について、はっきり意識することができたのだと思われる。(p.106) 上記引用では、他の箇所で指導者の助言・指導の大切さについても述べられてい る。 指導者の適切な指導の下、学生同士の活動や発表の場を設け、学生自身が自己の課題に 気づき、意識することが求められっつあり、今後の実習指導では、学生の主体的活動を 促寸取り組みの重要性が、ますます高まっていくと考えられる。 ただ、学生による活動を推し進めたとしても、3章で述べた、実際に現場で一定の期間 働かない と身に付かないスキルも存在するわけで、アクティブ・ ラーニング的活動はそ

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れらの対応としてはそぐわない部分もある。 本学では幼稚園で長年勤務していた方 の特 別講義を1コマ行っているが、それでも不十分だと考えられる。しかし、実務能力とは、 本質的に勤務経験を重ねる中で身 に付く ものである。時間の制約のある実習指導では、 そこを中心に授業を進めるわけにはいかず、指導内容に限界かおることは自覚しなくて はならない。 当面の対応としては、実習生に対し早めに実習園側の評価の観点を伝え、 計画性や安全・環境などの重要さを理解できるよう導くことなどが挙げられる。 実習園が学生に何を望むかとい う個別的観点も重要だし、実習園との関係が実習の基 盤とい う側面も認められる。子どもや社会の将来像を思い抱きながら、実習で直接 関わ る実習園の方々や子どものニ ーズを把握するとい う高度な能力 が実習生には求 められ、 それを指導する側にも相応の指導力 が必要となっているのが現実である。 全ての要求に答えるのは容易ではない としても、対応が不足してい た分野を把握し、 改善することは可能である。そ うした対策を進めると共に、実習指導に関する研究を積 み重ねることで、養成校全体の質的向上が図れると考えられるのである。 文献 清水百合香:幼稚園教諭養成課程の教育実習指導に関する研究一 教育実習事前講義・演 習における一斉指導に着目してー, 創価大学教育学論集69,2017 鈴木裕子:幼児の感性を具体化する試み一幼児期の感性尺度の開発を手がかりとしてー, 保育学研究47-2, p.37,2009 田中公一・坂喜美佳・鈴木純子・飯塚有紀・芳賀哲:効果的な教育実習指導の検討一教 育実習H事後アンケートと自己評価の分析を通してー, 研究紀要青葉9-2,2018 保育教諭養成課程研究会編:幼稚園教諭養成課程をどう構成するかーモデルカリギュラ ムに基づく提案−, 萌文書林, 2017 松永康史・森川拓也・ 田畑智美・上村晶・北島信子・辻岡和代:幼小接続を見据えた教 員養成 の在り方に関する研究一幼稚園教諭及び小学校教諭免許取得を 目指した教育 実習指導の課題と展望−, 桜花学園大学保育学部研究紀要16,2017 宮田知絵 山田真季:幼保小教員養成課程における表現としての“弾き歌い”その指導法 の考察一 新しい 要領のねらい をもとにー,帝塚山大学現代生活学部子育て支援セン ター紀要3, 2018 諸井 サチヨ:保育者養成校での『 弾き歌い』指導に関する一考察∼学生のピア ノ技能に 関する実態調査を中心に∼,淑徳 大学短期大学部研究紀要55,2016 文部科学省:平成29 年告示幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園 教育・保育要領<原本>,チャイルド社, 2017

参照

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