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IT好き放題:古いがポンコツじゃない -Old, but not obsolete-

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Academic year: 2021

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(1)人. ィング大学院「実体情報学プログラム」の教員に採用さ 口動態の減少局面に突入した日本において,. れた.同プログラムの目標である「次世代リーダの育. 近年科学技術でのプレゼンスが縮小している.豊田. 成」に向けた第一歩を踏み出し,修士・博士研究に対. 氏の国大 協 報告書. によると,世界 各国の論文数. して「勝てるストーリー」作りの助言をしている.学んだ. が 2000 年以降右肩上がりなのに対して,日本だけ. 技術が生き残るものは数多くないが,勝てるストーリー. が 2005 年前後をピークとして微減か現状維持,特に,. の構築力は一生役に立つ.このような力を次世代を担. 工学系は逓減している.ここ数年国際会議に参加して,. う若者に伝授することが,筆者の generativity 活動の. 日本からの発表者や参加者が少なくなっているという. 1 つである.. 実感が,特定分野ではなく,国全体の傾向と分かる.  もう 1 つは,聖徳太子のように聞き分ける技術の展. と将来が案じられる.. 開である.1993 年頃に始めた研究は,21 世紀には,.  日本の研究人口が主に大学にあるので,現状打破. ロボット聴覚ソフトウェア HARK として実を結び,そ. には,大学のアクティビティを高めるのが焦眉の急であ. の普及に努めている.現在,筆者らは内閣府 ImPACT. 1). 3). る.研究室の学生の研究力,論文執筆力,発表力の. I T. 3 年間しか在籍しないので, 「論文投稿という野心は持 たず,ひたすら実験をしてデータを出してくれればよい」 という旧式の指導では,じり貧脱却は難しいのではな いか.修士課程までにジャーナル論文を投稿したとい う知的経験が,社会に出ても勝負をしていくための地 頭力を鍛えることになると考える.. [シ ニ ア コ ラ ム]. 好き放題. Messag. 躍」体制が期待される.多くの学生は B4 からたかだか. 基 応 専 般. on Favorite es. IT. 鍛錬を通じて,知的生産性の向上を図り, 「一億総活. [No.64]. 古いがポンコツじゃない ―Old, but not obsolete―. 「タフ・ロボティクス・チャレンジ」に参加し,極限音響.  それでは,シニアは若者に席を譲ればよいのか.幸. 下でのロボット聴覚として,瓦礫下を行く索状ロボット. いなことに,学問の分野では,年齢に関係なく活躍の. による音の聞き分けや,ドローンによる上空からの音. 場が与えられている.居場所がどこであろうと,活躍. の取得と音源定位や音の聞き分けに展開している. . の場が用意されている.もちろん,最先端の研究開.  自然環境では,2 年前に多数報道されたカエルの. 発に従事できる機会は現役時代よりは大幅に減少す. 合唱の解明や,鳥の鳴き声の聞き分けにも展開してい. る.しかし,昔とった杵柄は何かに役に立つはずであ. る. 「聞き耳頭巾」の第一歩である鳥の鳴き声の聞き分. る.シュワルツネッガーが演じる映画「ターミネーター」. けは,たまたま,HARK 講習会に参加された鈴木麗. の T800 のように, Old, but not obsolete と言って,. 璽氏(名大)が開発されたものを原型として,現在は,. 次の世代と一緒に活躍するのはいかがであろう.Old. 東工大,UCLA とで共同研究を進めている.若手研. から学べるものもあるのではないか?. 究者が Human Robot Interaction だけでなく,未開拓.  人はある程度の年齢になると,自己の成熟だけでな. であった分野に HARK を展開している.次は,セン. く,次世代の育成にも心を配り始める.E. H. Erikson. サネットワークとしてカエルや鳥の鳴き声を全世界から. は, a concern for establishing and guiding the next. 収集し,ビッグデータとして,解析を進めることができ. generation を generativity と呼んでいる .筆者は,. れば,未知現象が解明できよう.知的興味は絶えない.. 2). 2014 年に京都大学を早期退職し,早稲田大学リーデ. 奥乃 博 Hiroshi G. OKUNO 早稲田大学 [正会員] [email protected] 東京大学教養学部基礎科学科卒業,博士(工学).NTT,JST,東京理 科大学,京都大学を経て,早稲田大学理工学術院教授(任期付).京都大 学名誉教授.人工知能,ロボット聴覚研究に従事.本会,IEEE,人工知 能学会,日本ロボット学会 各フェロー.. 参考文献 1) 豊田長康:運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に 関する研究∼国際学術論文データベースによる論文数分析を中 心として∼,国立大学協会(2015 年 5 月),http://www.janu.jp/ report/files/2014-seisakukenkyujo-uneihi-all.pdf, 同氏のブログに は多数のデータが掲載. 2) Wikipedia:https://en.wikipedia.org/wiki/Generativity 3) 中臺一博,奥乃 博:ロボット聴覚用オープンソースソフト ウェア HARK の展開,デジタルプラクティス,情報処理学会, Vol.2, No.2, pp.133-140 (2011). (2016 年 2 月 15 日受付). 情報処理 Vol.57 No.5 May 2016. 465.

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