• 検索結果がありません。

花崗岩地帯の土石流の発生歴について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "花崗岩地帯の土石流の発生歴について"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

花崗岩地帯の土石流の発生歴について 鈴木素之(山口大学),楮原京子(山口大学),

松木宏彰(復建調査設計),阪口和之(土木研究センター) Debris flows recurrences in Granite area in Japan

Motoyuki SUZUKI (Yamaguchi University), Kyoko KAGOHARA (Yamaguchi University), Hiroaki MATSUGI (Fukken, Co., Ltd.), Kazuyuki SAKAGUCHI (Public Works Research Center)

これまで土石流のリスクは,地質や地形,降雨量などから評価されてきた.しか し,この評価基準だけでは,全国の要対策箇所は膨大な数におよび,全箇所の 対策には相当の時間を要する.その結果として対策が後手に回りかねない事態 も危惧される.一方で,豪雨災害の被災者からは「昔,ここで災害が起きた話なん て聞いたことがない」「安全な場所だと思っていた」といった声を聴くことがあり,山 際や川沿いに暮らす住民にとって,その土地がどのように形成されたのか,過去 にどのようなことが起こってきたのかを知っておくことは防災上有効である. 演者は,地域に残る災害記録を収集・整理することと並行して,近年に土石流 が発生した渓流やその麓の土石流扇状地,氾濫原を対象に,過去の土石流堆 積物を調査し,その特徴と堆積年代を明らかにしてきた.堆積年代の推定には, 放射性炭素(14C)年代測定法を用い,土石流堆積物やこれらを挟む地層に含ま れる有機物の年代を参考とした.その後,推定された土石流堆積物の堆積年代 と史料との照合を行い,土石流が発生した時期を絞り込み,図1に示す土石流発 生年表を各地で作成してきた. 研究対象地域は,平成21(2009)年中国・九州北部豪雨の防府市を皮切りに, 平成26(2014)年広島豪雨の広島市,平成29(2017)年九州北部豪雨の朝倉市, 平成30(2018)年西日本豪雨の広島・呉市におよぶ.これらの多くは花崗岩が広 く分布する地域である.2009年の被災地である防府市における調査によって,大 規模な土石流の発生に周期性があることが分かり,その特性は,その後に調査を 始めた広島市の渓流でも認められた.広島市では,この約2000年の間に少なくと も7回の同時多発土石流が発生していたことが判明した.その発生間隔は約150-400年である.そして, 各地の調査結果を まとめると,花崗岩・ マサ土地帯では数 100年間に1度の頻 度で大規模な土石 流が発生していたこ とが明らかになった. このような周期的な 土 石 流 発 生 に は , 次のようなモデルが 図1 広島市における土石流発生年表(松木ほか,2018) 考えられる. (1) 土石流の源となる土石が渓流に徐々に溜まり,土石流発生のポテンシャルが 増加する. (2) 土石流発生のポテンシャルが低いうちは,大雨が降っても土石流は発生しな い. (3) 土石流の潜在的可能性が十分に高まるのに150-400年かかり,その状態で 大雨が降ると,同時多発的な土石流の発生に結び付く可能性がある. つまり,長い期間のうちに渓流に土砂が堆積して,次の土石流が発生する条件 となり,切迫度が高まったところに,豪雨がきっかけとなって土石流が発生してき たと考えられる.このことは,裏を返せば土石流の発生履歴を調査し,直近の大 規模土石流以降,長らく静穏である渓流ほど土石流発生が切迫していることを示 す.そのため,対策を優先的に行う地域の選定に際して,土石流の発生履歴から 見積もられる切迫度を評価指標に加えることで,効率的かつ有効な減災対策に つながると期待される. 引用文献:松木宏彰, 鈴木素之, 楮原京子, 阪口和之, 小笠原 洋, 片岡 知: 広島市安佐南区と安佐北区周辺地域の土石流堆積物の状況と土石流の発生頻 度, 地盤工学ジャーナル, Vol.13, No.4, pp.403-421, 2018.

参照

関連したドキュメント

デスクトップまたはスタートボタンの“プログラム”に 標準宅地鑑定評価システム 2023 のショートカ

ことで商店の経営は何とか維持されていた。つ まり、飯塚地区の中心商店街に本格的な冬の時 代が訪れるのは、石炭六法が失効し、大店法が

・また、熱波や干ばつ、降雨量の増加といった地球規模の気候変動の影響が極めて深刻なものであること を明確にし、今後 20 年から

電気の流れ 水の流れ 水の流れ(高圧) 蒸気の流れ P ポンプ 弁(開) 弁(閉).

3000㎡以上(現に有害物 質特定施設が設置されてい る工場等の敷地にあっては 900㎡以上)の土地の形質 の変更をしようとする時..

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

自分ではおかしいと思って も、「自分の体は汚れてい るのではないか」「ひどい ことを周りの人にしたので

土壌は、私たちが暮らしている土地(地盤)を形づくっているもので、私たちが