少人数学級における協同的な学習を活性化させる授業実践 : 算数科を通して
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(2) 2 協同的な活動を取り入れることで,協同す. まず1つ目は,少人数であるため,教師の目 が行き届きすぎ,協同的な学習を行ったことが. ることに対する「意欲の向上」,そして副次. ないという実態であった。2つ目は,表現力が. 的に「成績の伸び」が見られる。. 3 少人数学級で協同的な活動を行う際には,. 不足していて,思考や発想の多様性・論理性に. 欠けていることであった。最後に3つ胃は,発. 協同的な活動を行ってきた経験について配慮. 言する児童が固定化傾向にあり,それが人間関. し,学習形態の人数は段階的に増やすことが. 係や相互評価の固定化につながっているとい. 望ましい。. うことであった。. そこで,本アクションリサーチでは,少人数. 第2章で述べた成果を踏まえ,第3章では,. 学級で協同的な学習を行うことにより,児童が. 少人数学級における協同的な学習の期待される. 協同する意義を感じ,協同しようとする姿勢を. 効果と,行う際の留意点について,グループ学. 養うことができるような実践を行っていきた. 習とペア学習の2つの学習形態に分け,それぞ. いと考える。. れ考察を行っている。ここで導き出された留意 点を特にペア学習において,下記に示したい。. 皿 論文の欄成 まず,第1章では,協同的な学習とはどうい. 1.ペア活動を行う際の手順を示すこと. ったものであるのか,その定義から研究を開始. 2、ペアリングの組み合わせを考えること. し,その理論と実践について,文献研究を行っ. 3.ペア学習を行う環境を整えること. た。協同的な学習の歴史から,現代行われてい る協同的な学習の教育的・理論的枠組みについ. 4 まとめと今後の課題. て,そして算数科における協同的な学習と少人. 本研究において,少人数学級でも,協同的な. 数学級における協同的な学習について概観し. 活動を取り入れることができる可能性を示すこ. た。. とができた。そして,協同的な学習によって,. 続く第2章では,先行研究を参考に,グルー. 授業満足度が高くなったり,協同することに意. プ学習とペア学習をもとにして,協同的な活動. 欲を見出したりすることができることが分かっ. を取り入れた授業を行い,その実践結果を分析. た。しかしながら,課題も多く,①算数科以外. し改善点を示していった。その際,研究1では. でも効果があるのか,②他の単元においても効. 第5学年で実践を行い,研究2では第4学年で. 果があるのか,③グループサイズによる違いは. 実践を行い,それらの実践をそれぞれ検証して. ないのか,④学年による違いはないのか,など. いる。. 未だ検証していくべきことが残されている。こ. 実践研究の分析においては,①実施した協同的. れらの課題を踏まえ,学校現場において更なる. な学習の内容,②事前アンケートと事後アンケ. 検証を行い,日々改善をしていく必要がある。. ート,③プレテストとポストテストの3つをも. 子どもたちが自然と協同することを目指し,そ. とにすることとした。. のための環境作りにおおいに励んでいきたい思. 実践授業の成果として,以下の3点があげられ. う次第である。. る。. 1 少人数学級でも,学級の構成人数を増やす. 修学指導教員 鈴木 正敏. 指導教員 鈴木正敏. ことなく,協同することができる。. 一159一.
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