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順応水準理論に関する研究(VI) : 2週間経過後の係留刺激の残留効果

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Academic year: 2021

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(1)Title. 順応水準理論に関する研究(VI) : 2週間経過後の係留刺激の残留効果. Author(s). 木村, 士郎. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 43(1): 119-133. Issue Date. 1992-07. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5246. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 平成 4年7月. 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第43巻 第1号 I i ionIC) VOI 43 lofHokkaido Universi ty of 取iucat t Jouma on(Sec . . , No. ly Ju ,1992. 順応水準理論に関する研究班. -- 2週間経過後の係留刺激の残留効果 -- Adaptat ion - LeveI Theoly Revi sed. 頃. ing ---- Long 一 Ter ln ResiduaI Effects of Aぬchor st imーul i af ter a f コ はnight conditions---- o. 北海道教育大学教育学部旭川分校. 木. 目. 村. 士. 郎. 的. t- (係留刺激をもちいないで系列 1969 ) はその実験1じ こおいて, 24時間経過後の NApo 木村 ( s 刺激だけ用い単一刺激法で呈示して絶対判 断で反応させるセ ッショ ン) において, それより以前の 267 グラムの係留刺 激を用いて比較判断させるセッ ショ ン) での係留刺激の効果が及ぶ場合 267A( のあることを しめした (TABLE I参照) . この事実について木村は以下のよう な考察をしている. 「この NApos t-に見られる判断分布の変化は, これをすぐさま対比の逆の効果であると断定する t一における判断分布の変 ことは慎重でな ければならない.実験1の結果からだけでは,この NApo s 化は, 単なる実験の繰返しによる効果であるかも知れないのであっ て, 判然としない部分 が残る. 4時間と5分の休憩時間を は これを判明させるためには, 実験1とは別に267Aを設定Lないで, 2 さんで, こ の 前 に NApre- を, こ の 後 に NApost-を 設 け, NApre- と NApost- と の 間 で判 断 分 布 のずれを検討するこ とができるような実験を計画しなければならないであろう」 ‐ TABLE I i but Meandi ionofjud印= t s r Dentsfor7Ssforpre‐no 267A) 2 6 7 r anchor (NApre-) g . anchor ( , and , ter2 4homr t-)condi ‐ s(NApos post-no anchor af ions t ‐. fj Meand i i bu i t t t r s ono ud卯Den s NApre-. 267 A. NApos t-. 18. 30. 13. 2. 18. 29. 13. 3. 21. 30. 20. ) 1 (Lightes t. 4. 21. 24. 23. 5. 23. 7. 28. 6 (Heavies ) t. 19. 0. 23. 119.

(3) . 木 村 士 郎. この考察からもうかがい知ることができるように,24時間と5分間経過後の係留刺激の残留効果を 確認することまでは断定できないが, 断定に至る1つのステッ プを通過したと言い得る. この研究 f f i 1 9 58 ) i 1 961 ) の追試を目的としていて, その追試の理由の1つと はShe r r , She ,M.ら ( ,M‐ら ( して上記の実験1の結果を示しているのである.1セッ ショ ンにつき約30分の時間を要するのであ 24 時 間 と 35 分 経 過 後 の NApos t- を 計 画 す る か, あ る い は NApre-, るから, 統制群を NApre-, 5分経過後の NA, 24時間と5分 経過後の NApo t-を計画するかは, さらに詳細な論議の余地の s f i 1958 61 )は社会的態度を実験 9 あるところであるが, これは今しばらくさておき, She r ,1 ,M.ら( 室場面で把握しようとしたと考えるべきであっ て, このような見地に立つならば,24時間どころか 2週間経過後の NApos tーにおいても係留刺激の残留効果は認められなければならないと推 定し て, この実験1の手続きを少しばかり変更して実験してみることとした. 法. 方. 上記のShe i fらの方法に大体準拠しているので, まず彼らの方法を以下に略記しよう. 彼らは係 r 留刺激を用いる場合にも, またこれを用いない場合にも一様に単一刺激法で, 1 (最も軽い) から l 6 (最も重い) までの評定尺度法の6点尺度 ( 6points ) で判 断をもとめ, 係留刺激としては, ca e 原刺激系列の中で最も重い刺激と同じ重さのものか, あるいはこれよりさらに物理学的には7倍ち かく重いものまで段階的に用いた. 特別な装置を作製して, 被害者に刺激が視覚的に見えないよう にすると同時に, 触覚的にもてがかりがほとんどないようにした. また予備実験を行っ て, ほとん どの被験者が, 係留刺激を挿入しない場合に, 試行数の少くとも50%は正確に系列刺激を弁別する ことができるようにした. 系列刺激の刺激価は, 55 5 09 25 41(以下単位はすべてグラム)の6種類であって, ,1 ,7 , 93 ,1 ,1 「 lusser imu i ) と い っ て いる 係 留 刺 激 の 刺 激 彼らはこれらを総称して 原刺激系列」 ( i i lst es o r na g . 価 は, 141 , 168 , 193 , 219 , 244 , 267 , 288 , 312 , 347 の 9 種 類 で あ る. f i 最初 のセッ ショ ン ( i )で, 実験者は被験者に装置の操縦法を教示した後に, さらに次 rsts s e s on. のように教示した.「判断する刺激は1系列の重りです. 教示の通りにハン ドルを引き上げて, これ らの重りを持ちあげてく ださい. 重りを持ちあげたならば, 1から6までを含めて6点尺度( 6point ‐ l )上に刺激を並べて判断してく ださい. 最初のうちは判断のための適当な基礎をもたないでし e sca うが ょ , 各重りを持ちあげておろすごとに, 判断してく ださい.」 ランダムな順序で系列刺激を1個ずつ呈示し,50回呈示を1区切りとして, 各区切りの間に5 - 10分 間の休憩時間を置いた.. 全試行回数の少くとも50%は原刺激系列を正しく弁別することができる者だけを,係留刺激を用 いる次回以後のセ ッ ショ ンで被験者として用いた. 被験者のうち2名 はこの基準に到達しなかっ た ので, 次回以後の実験には用いなかっ た. 係留刺激を用いるセクショ ンでは次のように教示した. 「こんどは刺 激を1個ずつ出すのではなくて 2個を組にして出します これらの2個の刺激のう , . i ち, 第1に出す刺激は6の刺激です. 第2に出す刺激を前と同じように1-6 po tscale で 判 断 し n てください. 最初のうちは判 断しにくいでしょうが, 第2の刺激をためしたのちに判断してくださ し、一 .. このような教示を, 9個の係留刺激を用いるセッ ショ ン ( anchorsessions) の 実 験 の は じめ に, 被験者に必ず読んで聞かせた. これらの9個の係留刺激を用いるセッ ショ ンでは, 係留刺激をラン ダムな順序に挿入した. 各セッ ショ ンで1個の係留刺激を用い, 1日に1回だけ実験した. 120.

(4) . 順応水準理論に関する研究V I. 被験者は ok l血an na大学の男子の学生6名 で, 彼らは実験の目的を知らず, まだ心理実験の被験 者になっ た経験のないナイー ブな者である. 被験者1人につき1 0セッ ショ ンの実験をし, 1セッ シ き i 0 0回の判断を得たので, 合計3,000回の判断を得たことになる. 以上がShe fらの方 ョ ン につ 3 r fらの方法とは異なっ ている 以下にこれ 法の概略であるが筆者が行っ た実験は, 次 の 諸点 で Sheri . らの相違点をアルフ ァベ ッ ト順に列記する.. fらのような拳錘のための特別な装置を用いない. 2つの厚い木製の衝立で, 被験者の ( ) She i a r 座る椅子の横側双方を遮断する. さらに実験に際しては1つの机をはさんで実験者と被験者とが向 き合っ て座るのであるが, これら両者の間に厚い灰色に塗装した木製の板を置き, 被験者の視野を 遮断した. この灰色の板と机とが直接接する部分に, 被験者の腕がゆとりをもっ てはいる程度に2 つの穴をあげ, 被験者が利手をどちらでも自由に穴の中にいれて拳錘 できるようにした. これらの 穴の部分 には実験者の側から垂れ幕を垂らし, さらに被験者の側を照明で明るくし, 実験者の側を 相対的に暗く して, 被験者が穴から覗き見をしても, 刺激が視覚的に見えないようにした. 机上に は部厚いスポンジ製の板と布とを貼り, 被験者が実験の際, 重りをおろした時に机をたたく音がし ないようにした. 実験の際には, 被験者の利手を灰色の板にあげた穴から実験者の側に出し, 肘を ついて, 直接五指でつかんで刺激を拳錘するの である. (図1参照). 図1. 実験者と被験者 は灰色の板を挟んで向い合 っ て腰掛け, この図には描い. ていないが, 両者の左右を衝立で仕切って被験者からは錘りが直接目に見 えないように工夫 してある‐ 錘りは同型異重の プラスチ ックの容器に重心 が真中にいくように, 鉛や綿を充填 したものを使う‐ 被験者 は錘りを図の よう に鷲 づか みにして利手で肘をつ いて持ち揚げ6件法で判断する.. b ( ) 時隔 (第2刺激である係留刺激を持ちあげておろして, 次の第2の刺激である系列刺激を持 ちあげるまでの時間間隔) を2 秒とし, 係留刺激および系列刺激の刺激呈示時間を2秒とする. ( c ) 各系列刺激1個について20回の判断を資料として得る. すなわち, 1セッ ショ ンにつき1 20 回の判断を得る. ( d ) 267グラムの係留刺激ただ1個だけを用いる. She fら ( i 19 58 ) や木村 ( 19 69 ) のよう r , 1961 に多くの係留刺激を用いない. 121.

(5) . 木 村 士 郎. ( e ) 係留刺激を用いるセッ ショ ン (Aと略す) におけるその効果を検討するために, Aの前に係 e-と略す) を, Aの後にこれも また係留刺激を用いないセ ッ 留刺激を用 いないセ ッ ショ ン (NApr ショ ン (NApo t一と略す) を設ける. s f ) 被験者は単にナイ ーブな者というだけでなく, 実験の目的を知らず, 過去において 心理実験 ( の被 験者になっ た経験の 1度も ない北海道教育 大学教育 学部旭川 分校の学生 である. さ らに, NAp re一で原刺激系列で試行数の少なくとも50%以上の確率で各系列刺激を正確に弁別するこ と ができる者を30名の被験者の中から3名選ぶ. 従っ て他の 27名の者はこのよう な規準に到達しな かっ たという理由で実験には用いなかっ た. ( g ) 直 径 7‐5cm 高 さ 4 mの円筒状の プラスティ ク製の容器 (体温による容器の 温度変化を統 .8c ,. 制するためには, 比較的熱伝導率の小さい プラスティ ッ ク製の容 器が, 金属製またはガラス製の容 器よりすぐれている) の中央に重心がいくように, 鉛, 木片, 布片, 綿花などを充填したものを刺 ) の報告でわかっ たことであるが, この プラスティ ック製の容器には, 製品 1991 激とした. 木村 ( 番号のコー ドが刺激表面から浮き出た型で記されてあり, これが重りの他の余分なてがかりになっ ている場合があっ たようである. 今後改善を加え なければならない. 41の6種類としたが, 係留刺激 25 09 5 ( h i fらと同じく, 5 ) 原刺激系列はSh e r ,1 ,1 , 93 ,1 , 75 は267の1種類に限定した. 267の係留刺激を挿入するセッ ショ ンのことを以下すべてこ i ( ) 各被験者に, NAp re-, 267A( t- の 順 に 3 セ ッ シ ョ ン か ら な る 実 験 を す る. NApre- と 267A と の 間 で は の よ う に 略 す), NApos. 2 67A と NApos t-の間では2週間と5分の 時間間隔をおいた. そして, 5分間の休憩をさせたが, NApre- と2 67A, NApr t-との間でそれぞれ係留 刺激の効果を検討した. e-と NApos ( i ) 教 示 は 次 の 通 り, 係 留 刺 激 を用 い な い で, 単 一 刺 激 法 で 刺 激 を 呈 示 す る セ ッ シ ョ ン t-)では次の通りに教示した. 「(実験の最初のう ちは, 実験者は灰色の板の 被 (NApr s e-, NApo 験者側に立ち, 椅子を灰色の板の前方に寄せながら) どう ぞここに腰をか けてください. あなたの 前に張り巡らしたこの灰色の板は, 板の向う側が見えないようにするためのものですから, これら の穴を覗き込んだり して向う側を見ないようにしてく ださい. 腕をこの穴の中に入れて, この灰色 の板の向う側 から私の出す重りを持ちあげて, 重いか軽いか判断してください. あなたは右利です か, それとも 左利ですか. ああ右 (左) 利ですか. それでは右 (左) の手をこの穴の中に入れてく 右(左) ださい(左(右)側の穴に蓋をする) . できるだ け楽な姿勢で腰掛けてく ださい. 肘をついて, 手の手のひらを下に してください. (ここまで教示したら, 実験者は灰 色の板と衝立の外側を廻り, づ 灰色の板をはさんで被験者と向き合っ て腰を掛ける) . それでは, この重りを5本の 指で上から鷲 かみにつかんでください.(被験者は手さ ぐりで重りをみつけて, 5本の指で刺激に用いた プラステ ィ ック製の容 器を上から鷲づかみにつかむ, この時, 実験者は被験者の5本の指が容器の上にほぼ 等間隔 -- 栂指と人指し指の間をのぞいて -- に並ぶよう 指示する. また最初に拳錘させるこの 09を用いている. この理由は最初に持ちあげた刺激は, その後ひきつづいて持ちあげ 刺激は93か1 る刺激に対 する判断に比較的大きな影響をおよぼすように思われる からであって, ここでは原刺 激 系列のうち中程度の重さをもつ重りを最初に出すように心がけたつもりである.)それでは, この重 りを持ちあげてく ださい. そうそう, そのように肘をついたまま持ちあげるのです. さて どの位置 に重りを置くのがあなたの手にとって一番楽でしょ うかね. あなたの手が一番楽な位置に重りを出 そうと思いますから, こころみにいろ いろ位置を変えて, 一番楽なところに重りをおろしてく ださ 500 の位置が最も 楽なよう 200 一一1 い. (一般的には被験者の上騰骨と前碑骨とのなす角度が1 である. 位置が決まれば机上の その位置に目印をつ ける) . そうそう, そのように重りを持ちあげて 122.

(6) . 順応水準理論に関する研究班. おろすのです. では今度は私が 『はい』 といっ たら手をおろし, 先にやっ たと同じように5本の指 で重りを鷲づかみにつかんで, 約3 0度ぐらい持ち上げ, 2秒したらおろしてください. そして手を こころもち上にして, 次の私の 『はい』 の合図を待ってく ださい (重りを持ちあげる角度を統制す るためと, 次々に重りを繰り出す場合, 被験者の指などに重りが触れないようにするために, この ような教示をした. 必要があれば, 実際に被験者の手をとっ て教えた) . そうです. よくできました. 『 (この間約1 0秒の時間間隔をおく, そして記録した) 3 .(第2回目の重りは, 第1回目に9 . はい』 を用いたときは1 09を, 第1回目に1 09を用いたときには93を刺激として用いた. 理由は前述の通 り で あ る. ひ き つ づ い て 約 10 秒 の 時 間 間 隔 を おく). 『は い』, 『は い』 … … … (第 3, 第 4 と つ づ け. 2試行ないし第1 て, 第1 8試行まで原刺激系列をラン ダムな順序に呈示し, 各刺激が2~3回づつ 持ちあげられるようにする) .今持ちあげた重りの中に重いものや軽いものがいろいろあったことに 気がつきましたか.(筆者の用いた被験者はすべての者が, 重いものと軽いものがあることに気づい ていた) . それでは, 今持ちあげていただいた重りを, 今と同じように, ひきつづいて1個づ つ出し ますから, これらの重りの中で最も重いと思われる重りを6, 最も軽いと思われる重りを1として 6段階の数のカテ ゴリーで判断してく ださい. ですから, どちらかといえば重い方にはいる重りを 4 と して, 4と6との間にあてはまる重りを5としてく ださい また どちらかといえば軽い方に , . はいる重りを3として, 3と1との間にあてはまる重りを2としてください. このようにして, 1, 2, 3, 4, 5, 6の6つの数を用いて6段階 で判 断してく ださい 重りを持ちあげて2秒したら . おろし, す ぐに判断してください. はじめのうちは迷うような気持ちがするでしょうが, それでも. つづけて判断してください. また, 感じた通りを素直に判断してく ださい. それから疲れた時はい つでも休みますから, 『疲れた』といっ てく ださい. 何か判断のしかたにつ いてわからないことがあ りますか. (筆者の実験では, 疲れのために休憩を要した被験者 は1人もいなかっ た. さらに大多数 の者は質問をしなかっ たが, たまに刺激が何種類あるかたずねた者があっ た. このような場合には それを知らさないために, わ ざわ ざ灰色の板で視界を制 限していることを理解させた) . 1度持ちあ げておろしてから判断し, 次の重りを持ちあげた時, 先にく だした判 断があやまり であっ たことに 気づくことがあります. このような時には, 後の重りをおろしてからでもよい ですから す ぐにそ , の場で先の判断を訂正し, ひきつづいて後の重りに対する判断を知らせてく ださい. それでは実験 『 を は じめ ま し ょ う. 『は い』 120 回 の 判 断 を 資 料 と して 得 た 後 に, NApos t一 で は こ , は い』 … …. (. こ で 実 験 を う ち き る が, NApre- で は) そ れ で は, こ こ で 5 分 休 み ま し ょ う」 .. 係留刺激を用いるセッ ショ ンでは次の通り教示した. 「(5分間の休憩後 次のAにはいる) それではまた実験をはじめましょう こん どは方法を変え , . . ます. 2つの重りを組にして出します. といいますのは, 第1の重り, 第2の重りというように, 2つの重りを組にして出すのです. 最初の私の 『はい』 の合図で, 第1の重りを持ちあげ 2秒後 , におろしてく ださい. この第1の重りは, 最も重い重りで6という判 断に相当する重りです その . 後2秒して, 私が 『はい』 といいますから, この合図で第2の重りを持ちあげ, 2秒後におろして く ださい. そして第1の重りではなく, 第2の重りにつ いて判断してくださ い. 判断の方法は, 先 の 実 験 の 時 に し た よ う に, 1, 2, 3, 4, 5, 6 の 6 つ の 数 を 用 い て 6段階で判断してくださ ,. い. すなわり, 第1の重りと同じく らいに, 最も重い重りを6とし, 最も軽い重りを1とします . そして, どちらかといえば重い重りを4として, 4と6との間にあてはまる重りを5としてくださ い. また, どちらかといえば軽い重りを3と して, 3と1との間にあて はまる重りを2としてくだ さい. 判断は第2の重りにつ いて, 重りをおろしてか らすぐにしてください はじめのうちは迷う . ような気持ちがするでしょ うが, それでもつづけて判断してく ださい また感じた通りを素直に判 . 123.

(7) . 木 村 士 郎. 断してください. それから疲れた 時はいつでも休みますから, 『疲れた』といっ てください. 何か判 断のしかたについてわからないことがありますか.(筆者の実験では, 疲れのために休憩を要した被 験者は1人も なかっ た. また大多数の被験者が判 断の方法を理解した が, たまに7というカテ ゴリ ーはないかとたずねる者 がいた. このよう な場合には, もしも7というカテ ゴリーを用いなければ ならないような場合が生じたら, 7のカテ ゴリーを用いてもよいことにした. しかし実際には7の 0秒後に第 カテ ゴリーを用いた者は 1人もいなかっ た) .第2の重りを持ちあ げておろして判断し,1 1の重りを持ちあげておろして, 第2の重りを持ちあ げた時に, 先にく だした判断があやまりであ っ たことに気づくことがあります. このようなときには, 後の第2の 重りをおろしてからでもよい ですから, すぐにその場で判断を訂正し, ひきつづいて後の第2の重りに対する判 断をしらせてく ださい. それでは1度実際にやっ てみましょう. 『はい』 これが第1の重りです(係留刺激267を呈 『 3 第2の重りです. (原刺激系列のなかから, 9 示する) . これは6の重りです. はい』この重りは, 重 か109を呈示する. 理由は前述の NA の場合と同じである. 肘の位置, 重りを持ちあげる角度, 0秒経 りをおろす位置, 『はい』の合図を待つときの手の位置など, 必要があれば諸注意を与えて, 1 『 『 09を, 第1回目 第1回目に93を用いた場合は1 過後) , はい』 はい』 (第2回目の第2の重りは, 『 『 拳錘した時, 重 …… ( はい 前述の通り ) はい 3を用いる. 理由は 09を用いた場合には9 』 に1 』 , りを左右, 上下などに振ったり, 係留刺激を充分に持ちあげなかったり, 第1の重りに6という判 断をしたりなどする場合には, そのようにしないようにそのつ ど諸注意を与え ながら, ひきつづい 20回の判断を資料として 得た後に) それではこれで今日の実験をおわります. ありがとうござ て1 いました. また0月0日○曜日, つまりさ 来週の今日の○ 時○分から実験がありますので, この実 験室に来てく ださい. さようなら.」. 結果と考察 結果は TABLE 2の通りである. 1番左の列の数は判断カテ ゴリーであり, その他の数値は, NApre-, 267 A, NApo t-の3条件で, 原刺激系列の判断に使用した数範時の使用頻度の平均値 s で あ る. 267 A で は, NApre一 に 比 べ れ ば, 1 の カ テ ゴ リ ー で は 19 が 29 に, 2 で は 20 が 28 に, 3. 3が で は 21 が 35 に, 4 で は 23 が 24 になりそれぞれ増加 しているが, 反対に5のカテ ゴリーでは2. 4 に, 6 で は 15 が 0 になりそれぞれ減少している.. TABLE 2 Mean di i but ion ofjudgばnent t sforthree Ssfor r s 267A) 2 6 7 h NA - ) ( l chor ( l n r e ‐ o anc o r gr pre p ‐a , , t-) tni terafor and post-no anchoraf ght(NApos i t ons condi ‐ i i bu t Meand t s onofjudgmen s官i. 124. NApre-. 267 A. NApos t-. ) 1 (Li ghtest. 19. 29. 13. 2. 20. 28. 18. 3. 21. 35. 18. 4. 23. 24. 25. 5. 23. 4. 25. ) 6 (Heavi t es. 15. O. 21.

(8) . 順応水準理論に関する研究班. t一について見れば, これは対比の傾向である. 統制群を設定して確認の必要がある. さらに NApo s ゴ が 2 が 18 に, 3 で は 21 が 2 NA と テ リ ー 1 9 1 3 に は 0 - と 比 較 し て 見 る カ 1 で は で これを pre , , 18 にそれぞれ減少し, 反対に4のカテ ゴリーでは2 5に, 5 で は 23 が 25 に, 6 で は 15 が 21 3が2 にそれぞれ増加している. これは対比の逆の現象すなわち同化の傾向である. これも統制群を設定して確認する必要がある. lmogo いずれにしてもこの結果は被験者数が少なすぎる. Ko tで検定に耐える rov-Smimovt e s ためにはあと2名以上被験者数を増加 しなくてはならない. a )NAp ところで統制群の設定の方法であるが,( re-を行っ てしかる後, 休憩を30分と5分とし b )NApr て, 実験室を出して, 2週間と5分後に NApos t-を行うやり方と,( e-を行っ てしかる後, c ) す ぐに 実 験 室 を 出 して 解 放 さ せ, 2 週 間 と35分 後 に NApo t-を 行う や り 方 と, さ ら に, ( s NAp re-を行ってしかる後5分間経過後に NA を行い, さらに2週間と5分 後 に NApost- を 行 な ) b )の方法は遡及禁止 (逆向抑制) の実験デザイン に類似するし, ( a う方法の3通りが考えられる.( )では順応がマッ キシマムに到っていなかっ た c は実験室に居る効果が作用するかとも思われるし, ( 場合には,その順応のマッ キシマムに到る過程としての弁別学習の効果が出現するかも知れないが, こうした型の実験計画は通常の言己憶や残効の実験では採用していないところの本実験特有の計画で ) b ) a c )の3通り, 2週間と5分間経過後についておな ある. 24時間と5分間経過後について,( ,( ,( じく3通り, 合計6通りについて各6名づつ必要して, 36名 実際に被験者として選ばれた者の確立 80人の者を実験してみなくては明瞭に断定的結論を得ことは出来ないこと は0‐ 2であるから, 約1 が推測される. 以上のべた結果に直接的に関連する考察の他に, 少し高次元の 「今後の問題点」 について, 次下 6項目について記載する. 参考にしていただけたらこれにすぐる幸はない. にA) ~Z) まで2. 今後の問題点 A) 系列刺激の呈示順序を資料として得ることによってモデルを修正していく必要がある. 単に ランダムな順序と云っても種々の水準が考えられるのであっ て, この点を厳密に検討して見る必要 i 4 1 96 ) はこの呈示順序の一種と考えられる現象を Hysteres がある. 野口 ( s 現 象 と 記 載 し た が, 筆 者はこれを日本語にして履歴現象という. このような現象も呈示順序の効果に含まれるものとして 統合的に記述してモデル化する必要がある. 教育における方法の問題が教材や発問の提示順序, 換. 言すれば児童・生徒の経験の順序性を問題にする以上, これは教育心理学の根本の問題である. He im( 1 955 )は知能検査にお ける順序の効果を報告しているが, これは順序の効果が単に精神物理 学の領域におけるのみでなく言語心理学の領域にも関連することを示すのであって, このような領 域に広く適用が可能であるようにモデルを修正拡大する必要がある. B)系列刺激と係留刺激の刺激提示時間, 両刺激の間の時間間隔(時隔) , 各セッ ショ ン間の時間 間隔などを組織的に変化させて, これらの時間の要因を知覚・認知・判断の研究にとり入れて, 数 量的に記述する必要がある. これは心理学に時間のコン ポーネンツを導入することを意味する. 本 来順応とは時間もその独立変数の中に含めて従属変数との間に関数関係を記述するべきもの であ り, このよう な視座からしても順応水準理論の根本的問題であると同時に心理学全体の基本問題で ある. C) A) の項で述べた提示順序と関連するが, 系列刺激を先に出して係留刺激を後に出して, 系 列刺激について判断をもとめる場合と, 係留刺激について判断をもとめる場合とがあり, 反対に係 留刺激を先に出して系列刺激を後に出して, 係留刺激について判断を求める場合と系列刺激につい 125.

(9) . 木 村 士 郎. て判断を求める場合の4通りの方法が考えられ, 本研究では最後の場合について実験しているので あるが, これらはいずれも継 時比較の場合である. これに対して同時比較の場合は系列刺激を一方 の手で持ち, 他方の手で係留刺激を持つこととなるが, これらの継時比較も同時比較も後のN) の 項目において述べることが予定されているところのラテラリティ の問題の理論化と密接にからんで くる. またセッ ショ ンの順序, 例えば係留刺激を用いるセ ッ ショ ンを最初におこない, その後に系 列刺激のみ提示するセッ ショ ンをおこない, 3回目に再 び最初におこなっ たと同じ係留刺激を用い るセッ ショ ンをおこなうというような, いわばセッ ショ ン間の順序の効果についても検討して見る l 1 64 ) は4セ ッ ショ ンまでしかその理論の適用範囲の射程に入れて とおもしろい. He 9 971 son( ,1 いないが, 5セッ ショ ン以上つづけて同じ被験者に対して実験をおこなっ た場合は理論式がどのよ うに変化するであろうか, それらの様相を予測する問題 などは 今後に残されている. D) 本実験では最初に1 20回の練習をしたが, この間に基準はしだいに出来あがるものと考えら れる. この基準が漸次形成する過程を記述し, 時系列的に検討することが必要である. またセッ シ ョ ン間はもちろんのことセッ ショ ン内でも知覚・認知・判断の動揺の過程を実験的に検討してみる 必要がある. このような問題は将来, パー ソナリティ の研究法の問題とも関連し発展するであろう. ) の実験1の結果に対しては, NApr t-と係留刺激を E) 本実験や木村 ( 1 969 s e-, NA, NApo 用いないで系列刺激のみを単一刺激法で呈示するセ ッ ショ ンを3回連続しておこない, これらを統 制群 (対照群) の結果として資料に付加 して考察し結論を導き出す必要がある. このようにして, 同じ方法による実験を3セッ ショ ン一定の時間間隔を置いて連続しておこなうことは, 順応水準理 論に関する研究においては極く普通のありふれた実験計画であるが, 一般の学習実験 では, 順向抑 制 (前進禁止) や逆向抑制 (遡及禁止) の実験統制群の場合のように, 2回の実験の前・後または 中間に休憩を入れるのである. すなわち統制群の実験計画が従来の学習・言己億・残効に関するそれ とは少しく 異なるのである. これは, 精神物理学的手段によっ て学習・記憶・残効に類似する内容 を研究しようとするところから派生した方法論的問題であると考える. 従来無意味綴や有意味綴を 用いてなされた彪大な量の研究が, これらは意味度の定義において問題を残していたのであるが精 神物理学的な手段によっ て再体制化されることを意味しているのであり, 心理学の全体に関わる問 題として重要な意味をもつ. F) 本実験は系列刺激を55gr ‐か ら 141gr .近 傍 で お こ な っ た の で あ る .ま で の 大 略 的 に は 100gr 00gr が, この他に例えばこれらを10 .近傍でおこなっ ても同じような現象が出現するのであろうか. このよう な疑問点を解消するためには刺激を何か比重の重い物体で作製したり, または触刺激は変 化しないで重さのみ重くなるような装置を考案するなどの工夫が必要であるが, このようにして得 i ) は1 0000gr 1971 られた実験の結果は未だ存在しない. Sa r r s( ‐までの精神物理的関数を検討して いるが, 単純な増加関数とはなっ ておらず, また本実験で結論を得ようとしたところの2週間経過 後の係留学刺激の残留効果などは考慮されていないのである. G) 本実験は系列刺激の刺激価の重い方に偏して係留刺 激を挿入したのであるが, 反対に軽い方 に偏して係留刺激を挿入した場合はどうであろうか.このよう な疑問点も検討して見る必要がある. She fら ( i 1 958 961 ) ではこの軽い方に偏して係留刺激を挿入しているが, 24時間経過後の残留 r ,1 までしか配慮しておらず, 2週間経過後の係留刺激の残留などはそこでは考慮されてい ないのであ る.. .. H) 本実験では刺激系列のほどよい上方に係留刺激を挿入した場合に相当すると考えることがで きるが, す ぐ上または非常に遠く 離れて上に挿入した場合はどうであろうか, または係留刺激を1 種類と特定しないで, 2種類以上呈示する場合はどうであるかなど検討課題はつきないのである. 126.

(10) . 順応水準理論に関する研究班. 工) 本実験では26 7g-の係留刺激を 「6とした場合に次に出さ れる系列刺激の重さが1から 6 ま でのうちの どの重さになるか判断してください」 と教示したが, このような教示にともなっ て係留 刺激を呈示する場合と, 教示をともなわず係留刺激のみ呈示する場合では, 両者で効果に差がでる ことが推定される. このような教示の有無や教示の方法についても研究する必要がある. 教示の有 無や方法に関する研究は教育指導において中核的な問題であり, 教育心理学的にも研究しなければ ならない. このような意味から, 教育心理学と精神物理学が関連する領域が順応水準理論において は取り扱われているのであっ て, このような意味において心理学全体に関連する問題である. j)本実験では教示の最終段階 で, 「0月○日○曜日○時0分もう一度実験がありますからこの場 所に来て下さい」 と一種の予告のような教示を含んでいるが, この予告のような教示の有無と方法 について比較検討して見る必要がある‐ このような検討はいわゆる Zeigamik effect が こ の よ う な 方法で得られた精神物理学の領域にも適用することが可能であるかないかを検討することおよびそ の方法論にまで論及されることになろう.もしも精神物理学的手段 でこの Ze i ke f f tが把握で c gami きるならば, 従来の方法で得られていたこの効果は, 理論の体系の中 では応用的結果という位置に 位置づけら れるであろう. K) 最近 「認知」 の問題が広く研究され, 現今の学会における研究の主流をなしつつあるが, こ れらの問題の中の特にイメージと関連して, 本研究はこれを精神物理学的手段によって把握しよう とするものにほかならないのであっ て, 認知心理学の方法論的基礎を提供するのである. 認知心理 学では言語を研究の直接的対象とする場合が多いが, これは単一刺激法や量推定法などといっ た新 しい精神物理学と関連することが示唆される. L) 本実験では判断の結果についての正・誤の知識を被験者に対してフィ ー ドバッ クしていない . もしもこのようなフィ ー ドバックをおこなえば判断の結果は異っ てくることが予想される. このよ うな方面の研究は, 従来S-R理論とかS-○-R理論とか言っ て行動主義心理学が主流となっ て 研究をつづけて現在に至っている問題であり, このような問題が精神物理学と関連して統合的に再 評価され得る糸口を与えてくれるものであると確信する. M)本研究はラテラリティ に関する領域に一種の理論あるいはモデルを適用することを意味する. 人の身体の首から下にある4肢のうち, 右手は左の脳に, 反対に左手は右の脳に直接的に神経回路 が連結していることが生理学的にすでにわかっ ているし, 本実験では視覚的刺激の手がかりは直接 的には関与していないの で, これに関する研究の領域において偉力を発揮するであろうことが推察 される. この場合, ラテラル・ ドミナンスの程度を決定するため の尺度を構成するところから研究 を進めなければならないと思われるが, このような尺度構成にあたっ て, AL理論またはAL’理論 およびこれらの理論から派生して構成されている種々のモデルが役立ならば, この領域に進歩 発 . 展をうながすであろうと考える. N) 典型的な反応時間 (RT) の測定問題において, これは用意- ドン-反応という一種の刺激 -反応のパラダイムを構成する場合が一般的であるがこの用意から ドンまでの時間間隔を組織的に 変化させると, ドンから反応までのいわゆるRTが変化することがわかっ ている. このようなRT に直接的に影響をおよぼす要因を統制して, 判断に要する時間を資料と して得る必要がある この . ようにすることは順応水準理論の修正へと進み得るだけでなく, いわゆるプライミング効果の研究 の方法論の検討する端緒となるのであろう‐ ○) 本実験で用いた系列刺激や係留刺激は プラステッ ク製の容器を利用して自作したものであっ たが, この容器には製造番号のコー ドが器の外面に少しとび出して記載されてあっ た この製造番 . 号が触覚的なて がかりをもたらしていることが木村 ( 1 991 ) の報告書の内観報告の記述からう かが 127.

(11) . 木 村 士 郎. い知ることが出来る. 今後はこのよう な不要な触覚的てがかりがないようにして, 方法的改善がな されなければならない. f i P)本実験ではShe r , M.の有名 なあの自動運に関する実験において, 2週間後においてもその 効果が残るという結果を参考にして, 同じように2週間後の残留 効果をチェッ クしようとしたので ある. したがっ てこの2週間という期間については確固とした生理学的な根拠にもとづいて設定し たものではなかっ た. しかし2週間後の残効があるとするならば, 3, 4, 5週間ではどう であろ うかと考えるのは自然の なりゆきであろう. そして数量化されると同時に生理学的にも物質 がつき とめられるようになるかも知れない. 現在の段階ではホルモンであるか免疫であろうかあるいはカ ルシュ ームを含むその他の物質であるかすら筆者にはわかっ てはいない. しかしいずれにしても教 育において重要なのは本実験で問題として取りあげたよう な長期間に渡っ て残留するものなのであ る. このよう な意味で今後は 心理学が生化学と関連しながら, 本格的に研究が進展することを願っ て や ま な い.. Q) 実験結果の整理の方法として, 本実験では判断カ テ ゴリー に対する判断数を測度と して採用 00を乗じる したが, その他の測度, 例えば判 断カテ ゴリーの使用頻度を全体の使用頻度で割っ て1 といっ たいわゆる%を測度としたり, あるいは各系列刺激に対する判断カテ ゴリーの平均や中央値 を測度としたり, その他にも種々の整理の方 法が実際になされているが, このようにすることは 理 論の修正や再構成ある いはこれらから派生するところのモ デルの構成へと進展する可能性を含むの であっ て, 現時点では最も妥当な測度という か結果の整理方法が確立していない領域であるので, 今後の検討する余地のある問題である. R) 「馴れ」 や 「直観像」 の研究においては, カルシュ ームの摂取との関連性が指摘され多くの研 究の結果として記述されて いるが, はたして係留刺激の残留効果にカルシュームの摂取力竣功果的な 影響をおよぼすであろうか. この 点も今後において検討を要する問題である. S) R) の項目においてもちょっ と指摘したように, 視覚のみならず聴覚やその他の感覚モ ダリ ティ における知覚・認知・判 断に関する記述内容において, どのよう な事実が共通していて, また その他のどのよう な事実が共通していないのか, そして 重量知覚に特有な現象とはどの範囲のもの なのかといっ た事柄を各モ ダリティ ごとに比較検討してみる 必要がある‐ そのためには現今の知 覚・認知・判断に関する 研究の記述内容が, 標準刺激と変化刺激 (系列刺激) に対する反応の結果 でPSE (主観的等価点) をもとめるような精神物理学的方法を採用するのではなく, すみやかに これらの 方法から脱却して, 標準刺激を係留刺激の 一種とみなすとか, 標準刺激を係留刺激の特例 とみなすことが出来るよう なより広義の新しい精神物理学的方法をより確実なものとするよう な研 究が今後発展しな ければならない. T) S) の項目で述べたような見解に立脚すれば, 標準刺激と係留刺激, てがかり刺激と附加 刺 激との包含関係を図2のように表してみてはどうであろう か.. 128.

(12) . 順応水準理論に関する研究頃. 標準刺 激. 係留 刺 激. 図2 標準刺激, 係留刺激, てがかり刺激および附加刺激の包含関係を示した園 ここで本実験の場合を 例にして具体的に述べて見るならば, 標準刺激は重さ, 標示回数, 判断の もとになる量, 系列刺激のほぼ中央にある, 教示をともなう, 系列刺激はランダムな順序で呈示す るなどの 主要な特徴を持っているのに対して, 係留刺激は重さ, 提示回数, 判断のもとになる量と しての教示が伴う場合と伴わない場合と比較的自由性が大きく, 系列刺激の中にあっ たり外にあっ たりこれも自由性が比較的に大きい. そいて刺激の呈示順序を問題にする場合がある. そしててが かり刺激の場合は, 重さ, 大きさ, 形, 方向, 位置などの要素を含み, 附加刺激とは本実験で使用 したプラスティ ッ クの用器に少しとび出して記載されていた製造番号のコー ドのよう なもの であ る. 以上は特に拳錘実験事態であるところの本実験に例を限定して具体的に示したのであるが, 大 きさの恒常現象に関する研究にしてもその他の種々の研究につ いても一般的にこの図2を適用する ことができるように思われる. 新しい精神物理学の発展に伴っ てこのように明瞭には図示出来ない 部分も当然今後でて来るであろうが, この図2が一般性を有するか否か今後の検討課題の一つであ る.. U) 一般に確固とした法則を仮定して, その仮定の上に構築されてなおかつ 広汎な事実 (効果や 現象) を統合的に記述している場合には理論といい, 法則を仮定しないで比較的新しい事実に立脚 して統合的に記述している場合をモデルという. したがっ て理論は歴史的背景を持つが, モデルは 比較的に新鮮なものである. そして法則, 理論, モデル, 現象, および効果はいずれも心理学的事 実の統合的に述べるものではあるが, 図3のような包含関係にあると考える. この場合心理学全体 を系 (システム) とみなし統合的に把握し得る法則として適当なものはヴェーバーの法則やコルテ の法則などであり, それらの中でも ヴェーバーの法則は価値的行動の記述にも適用できるので, 教 育心理学や発達心理学や臨床心理学や 道徳に適用するには適当なものである. もしもこの図3が一 19 81 ) やその他の事典はこうした用語の関係が全く 般性と普遍性を持つならば, 新版心理学事典 ( 129.

(13) . 木 村 士 郎. 図3. 法則, 理論, モデル, 現象, 効果についての包含関係を示 した図. 考慮されていないので,辞典でなく事典であるからいたしかたないと言い得る 点もあるにはあるが, 早く 改訂されてより統合された用語の用い方をするものになっ ていただかなければならないと思 つ.. V) 古浦 ( 1 990 ) は発生研究の分野として, 系統発生, 個体発生, 短縮発生, 人種発生, 病理発 生の5つを挙げ, これら5つの領域の組み合わせについて考えることも重要ではあるが, それより さらに重要なことはこれら5つの分野に共通する法則・理論を建設することであることを指摘して いるが, 筆者は順応水準理論に関する研究はこれらの5つの分野のすべてに共通する理論となり得 991 るという洞察を持つものである. なぜならば個体発生的には横断法により筆者 ( 1 ) が報告書に おいて記述したが, これは当然縦断的にも検討されるべきことであることはもちろんであるがこれ はさておき, さらにネズミやその他の動物についてもこの順応水準理論を用いた論文は多数見られ ることが確認出来たので, 系統発生的には適用され得るし, さらに短縮発生では, 系列刺激の刺激 価を時間的に前後して全体的に短時間に急激に変化すればよいのであっ て, こう した場合の判断基 準 (AL) の移動の有様を記述すればよいと考える し, 人種発生では人種を変えて同じ刺激附置の 実験で差を確かめて見ればようであろう し, 病理発生に関してはすでに催眠状態にある被験者や精 76 6 神分裂者の判 断の研究や, 木村 ( 19 8 9 ) の精神薄弱児と健常 児の比較研究などの論文 , 1971 ,1 がある. 日本の社会の高齢化に伴い脳溢血や脳卒中で半球がおかされた老人が増加 しているが, こ のような老人の知覚・認知・判断を調べ, 医学的処見と心理学的特徴とを比較検討して見るような 研究も興味のあることがらである. したがっ て古浦のいう5つの領域について共通する法則・理論 を提供することが出来るという洞察が得られたことになる. 今後はこの洞察を実際に検証するため の実験を組織的におこなう 必要がある. W) 岡本 ( 983 ) は発達のメタ理論と題した論述の中で, 発達研究の位置と役割と題して以下の 1 130.

(14) . 順応水準理論に関する研究W. ような問題提起をしている. これらは以下の3点である. すなわち, まずそれらの中の第一は, 発達研究がいわゆる発達心理学の中においてだけでなく心理学全体の 中において, どうい特色をもち, それがどういう意味をにない得るか. 第二に, 心理学に限らず, 広く科学や学問とよばれるものの中に発達研究をおいてみるとき, そ れら他の諸領域との間にどのような独自性と関連性とを築き得るか. 第三に社会の中にあっ て, 発達研究がどのような機能的役割を果していくのか, またその機能の 健全さとは何か. と自問自答している. これらの問題提起は的を得た妥当なものであると筆者は考 えるので, 以下に遂次これらの提起に関連したコメントを記したい. 第一の点については筆者は次のように考える. 実験心理学と発達心理学とは共通の基盤を持つも のであっ て, 矛盾するものではないと考える‐ 条件反応お恒常現象も錯視も馴れも順応も残効もそ の他すべて の諸現象が発生的に研究されて, 心理学は全体的に統一した科学としてのシステムにま とめあげられなければならないものであると考える‐ 換言すれば, 一般心理学は発生的な内客を基 盤として補強されることによっ て, さらに大きな全体として心理学へと成長発展するべきであると 考える. しかし, そうは言っ て単なる遊びやゲームをしているような気持ちで数理心理学を考えて いるような研究者は私にとっ ては許しがたい. 私は教育と発達を実際的に教育現場の必要にもとづ いて必死になっ て求めつづけて来た結果現在の 水準に到達したのであっ て, その道程は決して平坦 なものではなかっ た. 私は理論家というよりも教育の実践家である. 実践に役立たない理論は空虚 であり, 理論のない実践は実りが乏しい. 現在の教育実践の現場では理論よりも常識が尊重されて いる. しかし常識を深く掘りさげるとそこに理論が見えて来る. そんな理論を創りたいと思ってい るのである. 順応水準理論に関する研究は心理学全体を一つのシステムとして統合的に発展・進化 をもたらす橋渡しをする一つの理論であり, 常識・実践 (教育・臨床) とは矛盾対立するものでは な い の で あ る.. 第二の点については次のようにコメントしたい. 現段階では順応水準理論は発達研究の理論とし てはこれを統合することの出来る パラ ダイ ムを提供し得る一種の理論である. 岡本が述べているよ う に, ピアジェ の 「発生的認識論」 が他の諸科学に対決しようとしての試みであるそうであるが, これとて方法論的には問題をもつところの精神物理学, 例えば恒常法の一種と考えられる全系列法 や極限法などを用いてはいるが, なぜ単一刺激法や量推定法などの新しい精神物理学を方法として 採用しなかっ たか. この点が筆者には理解できない. 科学は目的もさることながら, 方法論を確立 することが大切なのであっ て, このような視座に立脚すればピアジェ 及びピアジェ に代表される- 連の研究成果は中途でとぎれてしまっ たという感じがする. 今後は方法を改善してさらに研究がす すめられなければならないと思う‐ 第三の 点については次のようにコメントしたい. 実験心理学と発達・臨床・実践・常識とが一つ のシステムとなるような理論でなければならない. このよう な視点から眺めると, 順応水準論はこ のような要請に合致するところの 一種の理論であり, 現在の社会の要請にマッチするものである. しかし, 科学はいっの世も統合と分化を繰り返して進歩発展する宿命をもつものであるから, この 順応水準理論などもその例外ではなく, いつの日にか分化し多くのモデルを産出し, さらに高次の 統合を迎える日がやがてくることは必定である. このようなことを繰り返しながら科学も社会も共 に発展しつづけるものであると考える‐ ) はビアジュ 派の研究をジュ ネ ー ブ学派と銘打っ て, ピアジェの理論を 「ピアジェ X) 落合 ( 1 983 は心理学より認識論あるいは発生的認識論に関心があっ た. 彼の認識論へのア プローチの特徴は,. 従来の 思弁的方法に対して, 経験的事実を重視することから方法論的基礎を心理学に求め, 理論的 131.

(15) . 木 村 士 郎. 基礎を生物学に求める点に ある」 と述べている. しかし彼の群性体の概念などは心理学や生 物学と いうよるも論理学に近いと考えられるのであっ て, この落合の論述の妥当性を筆者はうたがうので ある. しかし方法論的基礎を心理学に求めるのであれば, なぜ古典的精神物理学 (フェ ヒナ流の全 系列法や極限法など) に固執して, 新しい精神物理学 (単一刺激法や量推定法など) をその方法の 1 97 4 ) は 「ヘルソンは順応水準理 中に採用しなかっ たか. この点が筆者には理解できない. 木村 ( ITheo i ) という一般的広範な理論を提唱し, 精神物理学的判断や知覚にと 論(Adaptat ry on-Leve どまらず, 学習, 情緒, 動機づけ, 人格, 社会的行動, 知能, 外傷的・精神病的行動などの面にも 適用 して いる. ピア ジ ェ は 同化 と調 節と いう こ と ばを用 いて いる が, ヘ ルソ ン は 同 化と 対 比 ( ) ま た は恒 常性 ( cont constancy) と いう こ と ば を 用 い て い る が, そ の 意 味 内 容 は ほ と ん ど 同 rast. 義である. ただ, ピアジェ の理論が思弁的色彩が濃いのに対して, ヘルソンの理論は量的記述概念 で の べ よ う と し て い る.」 と 述 べ た. こ こ の 記 述 の 中 で 「思弁的色彩が濃いのに対して」 という部分 は,「経験的事実を重視してはいるが未だ現象を量的理論によって記述する段階にまでは到達し ,てい ないのであっ て一 とここで修正したい. いずれにしてもこのようなほぼ同様の現象が新しい精神物 理学的判断の領域に関する研究において得られているのであるから, 詳細につい ては今後の研究に おいて述べるが, 結論的には目的はピアジェ と同一であっ たにせよ, 方法は改善されるべきである ことを主張したい. Y) ×) の項において順応水準理論といわゆるジュネー ブ学派との関係について論じたが, 精神 分析学派, ゲシュタルト学派, 行動主義, ヴィ ゴツキー, ブルーナ, バ ンデュ ーラ, ケーガン, ノ、 ヴィ ガーストなどの主要な理論や学説との関係については後日稿を改めて 論じたい. Z)順応水準理論を発達 心理学へ適用する目的で研究された論文は世界的視野(サイコロジカル・ P 9 8 8年の時点でEdwi n アブストラクトで検索したにすぐないが)に立脚してもその数は少ない. 1 . , い ゾナゾ ーモア性について発達的に研究した結果が博士論文としてまとめられて ( 1 9 7 9 )がナ のユ J . 1 971 97 3 たものが1件発見されただ けにす ぎない. 我国では木村( , 199o , 1976 a, 1976 b, 1981 ,1 ) 心理学研究 ( 日本心理学会の学会誌 の主旨にも a, 199o b, 1 9 91 ) がある. これらの研究は, ,. 教育心理学研究 (日本教育心理学会の学会誌) の主旨にも発達心理学研究 (日本発達心理学会の学 会誌) の主旨にも基礎心理学研究 (日本基礎心理学会の学会誌) の目的にも臨床心理学会や社会心 理学会の機関誌の目的にもすべて関係 し合致するものである. 要. 約 係留刺激の2週間経過後の残留効果を検討する目的で特にこの残留効果が同化効果であるか対比. 1969 ) の方法に準拠しておこなっ たが, 次の3点のみが異 効果であるかを吟味した. 方法は木村 ( )広島大学の学生を用いず, 北海道教育大学教育学部旭川校の学生3名を被験者として選ん なる.( a b だ. ( )そ し て NApre-, 267 A, NApos t- と 3 セ ッ シ ョ ン か ら 成 る 拳 錘 実 験 を し た が, 267 A と. c )教示に次のよう な言葉が267Aの NApo t-との時間間隔を5分ではなく2週間と5分とした.( s 「 時にイず加した. すなわち また0月○日○曜日, つまりさ 来週の今日の○時○分 から, また実験が ありますからこの実験室に来てく ださい」とした. その結果 NAor e-と267Aとの間では対比効果 t-との間では同化効果の傾 向を認めた. しかし統計学的検定に耐え得 の傾向, NApre-と NApos るためには少なくともあと2名の被験者を増加しなければならないし, さらに本研究を実験群とし ‐A t- の 3 セ ッ シ ョ ン を 設 定 す る か さ も な く て, ひ き つ づ き 統制 群 を 設 定 し, N pre-, NA, NApos ず れ か の 方 法 で 実 験 を 附 加 し なく て は な 設 す か い ン を 定 る の ば NApre-, NApos t- の 2 セ ッ シ ョ. らない. さらに系列刺激の下に係留刺 激を挿入した場合にも同様な結果が得られるかどうかといっ 132.

(16) . 順応水準理論に関する研究班. た問題も今後に残っ ているので, 結論を保留した. 今後は上述の3 点の他に刺激呈示順序を資料と して得ることと, 刺激呈示時間及び判断に要する時間などを資料として 得ること, さらに最初に基 準が出来あがるまでの過程を時継列的に記述する必要があることなどを含めて26項目の今後の問 題点を述べた. キーワー ド;順応水準理論, 係留刺激, 係留刺激の残留効果, 対比効果, 同化効果, 精神物理学, 関係系, 弁別学習, 発達心理学, ラテラリティ, 認知, 発生, モデル.. 引用 文献 i ions l under var i lu lus cond t ia t i ldr i Edwi n s mat er l J on to humnor n eds Adaptat ymg s , U十 M -I . , P. ,1979 Ch l f s i 1-9 9 i i Di taton n or l naton euvce s ser . , l l i i t lofd i f f i l t J iontol tyi nte ng He ni im,A.W‐ 1955 Adaptat eve cu gencetes ‐ .PsychoL . Br ,46 , 211一224 96 8 判断におよぼすけい留刺激の同化一対比効果, 広島大学心理学教室編, 現代心理学の諸問題, 福村 木村士郎 1 出 版.. 5 37-1 4 969 判断におよぼす係留刺激の同化一対比効果, 心理学研究, 40 木村士郎 1 ,1 ‐ 97 1 順応水準論に関する研究(判断におよぼす係留刺激の同化‐対比効果)2, 北海道教育大学紀要(第 木村士郎 1 一 部 C) , 21 , 2, 128一144 .. 木村士郎 1973 順応水準理論に関する研究-発達心理学への適用-,北海道教育大学旭川分校50周年誌編集委員会 5-33 0周年記念論文集, 2 編, 北海道教育大学旭川分校5 . 4 学習の心理 重永幸夫 岡村浩志 木村士郎 村田武之著 教育心理学-その理論と実際-, 福村 木村士郎 197 出 版 64一112 .. 976a 順応水準理論に関する研究 (判断におよぼす係留刺激の同化-対比効果) 3, 北海道教育大学紀 木村士郎 1 要 (第 一 部 C) , 27 , 1, 43一55 ‐. 木村士郎 木村士郎 木村士郎 木村士郎 木村士郎. 23-1 2 4 8 976b 順応水準理論に関する研究 教育心理学研究, 2 1 , 2, 1 ‐ 8 8 一 9 1 1 教育心理学研究, 2 9 1 9 81 順応水準理論に関する研究1 1 , , . ltheorylvi 19 9oa Adaptation‐leve sed , 2, 71-74 , 40 ‐ ,北 海 道 教育 大 学紀 要, (1, C) 1 99ob 順応水準理論 〔研究紹介〕 北海道教育大学学報, 4 - 9. c )研究成果報告書 (研究課題番 19 91 順応水準論に関する研究W 平成2年度科学研究費補助金一般研究( 号 63510040 ). 古浦一郎 1 990 心理学的考察 「いきが合う」 北大路書房. lに関する研究の概観, 心理学研究, 3 i 5 6‐1 0 8 野口 薫 1964 Adaptat on-Leve ,9 ‐ 落合正行 1 9 83 ジュネーブ学派 三宅和夫 村井潤一 波多野誼余夫 高橋恵子編 波多野 依田. 児童心理学ノ、. ン ド ブ ッ ク, 18‐52 .. 983 発達のメタ理論 三宅和夫 村井潤一 波多野誼余夫 高橋恵子編 波多野 依田 児童心理学ノ、 岡木夏木 1 ン ド ブ ッ ク, 3 -17 . logi lag fur Pshcho Sai l i 1971 賜物フ e s 〃〆 e γ P卸じ初めゑ災蕗 7 2 7 2〆 び汀鑑Zお役”鱒惣s彰加8菰次彰 Z 切効粥” g“ . , V‐ , , Ver Hogref C G i t t J 6 e ngen ‐ , .. l f i imu ionJudg囲en 1 imi l i t t Sher i f d tef t ngs s at onandCont ras ec sofanchor s a l l ‐ . 1958As ,& Hovl ,C. ,M‐ ,jaub,D. P 0一1 山メ 5 5 1 5 5 5 ヱ臨め s y ー . . , Sher 1 1961Soc Z i i M. α万”dg粥雛Z ven :Y1 v e$. 柿崎祐一監訳, 島久洋, 水島基 eUn ‐ New Ha . . Pr ,& Hovland,C.. 喜訳 社会的判断の法則-コミュニケーションと態度変化-, ミネルヴァ書房‐. (本 学 教 授. 旭川 校). 133.

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