Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
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Title
東京歯科大学短期大学と研究活動
Author(s)
石井, 拓男
Journal
歯科学報, 118(2): 2i-2i
URL
http://hdl.handle.net/10130/4531
Right
Description
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東京歯科大学短期大学と研究活動
石 井 拓 男
近年,歯科衛生士の業務内容が発展拡大するとともに歯科衛生士による研究活動が活発となってき
ました。歯科衛生士の業務する場が,歯科診療所から病院,介護施設へと広がり,医師,歯科医師,
看護師,理学療法士,作業療法士,介護職種等との協働という業務環境が生まれました。このこと
が,歯科衛生士に対し新しい視点で研究活動を行うことを求めてきているようです。
実際,多くの学会で歯科衛生士の研究発表の数が増してきており,その研究内容も医科疾患患者や
要介護者に係わる歯科衛生士業務が目立ってきています。たとえば,「脳死膵腎同時移植後に心肺停
止し,蘇生後に重度嚥下障害が残存した症例への周術期口腔機能管理」,とか「エリブリン療法中に
歯肉壊死および敗血症を生じた転移性乳癌患者に対する長期的口腔衛生管理」,「認知症対応型共同生
活介護グループホームでの口腔機能向上への取り組み」,「地域密着型介護老人福祉施設における常勤
歯科衛生士の取り組み」といった具合です。病院では,多くの職種が勤務しており,看護職員等の研
究活動に触発される歯科衛生士が増加し,それが病院以外の職場に勤務する歯科衛生士にも影響して
いることが推察されます。
日本歯科衛生士会が行なった「歯科衛生士の勤務実態調査」の年次推移においても,調査・研究活
動を行う歯科衛生士が増加しております。研究活動が特殊なごく少数の歯科衛生士だけではなく,一
般の歯科衛生士にとって身近なものとなって来ています。
さらに,歯科衛生士教育を行う大学・短期大学が増加したことも影響しています。1975年に短期大
学設置基準が定められ,教員資格の規程がほぼ大学と同様のものとなりました。短期大学教員に研究
業績が求められるようになったのです。教員として,研究を業務の一つとする歯科衛生士が生まれま
した。専門学校と大きく異なる点です。2004年には,歯科衛生士教育のための4年制大学が創設され
ました。2018年現在,11の大学(国立4,公立3,私立4)と14の短期大学(公立1,私立13)計25校が
設置されています。2003年には大学は無く,短期大学が12校であったのですが,15年間に倍増し今後
も大学・短期大学が増加することが予測されます。
上記の状況から,歯科衛生士教育の中で研究についての素養を修得させることが必要となってきま
した。東京歯科大学短期大学では,研究業績のある歯科衛生士を専任教員とし,教員の研究活動を背
景に短期大学の学生教育にあたっております。短期大学の構成として教学部と並んで研究部を設置
し,教員の研究活動と学生の学修を推進・支援しております。これら研究体制のもとに,歯科衛生士
の業務をとおして生まれてくる諸問題を研究課題に整え,研究対象となる領域を形成し,歯科衛生士
教育において教育課程を常に改善しながら学生に研究の素養を修得させることを実現することを目指
しております。
また,在学中に学問探求と研究に対する素養を身につけることで,さらに上位の学位取得の道や,
新たな進学の道を希望する学生が育つものと思われます。このため,早い段階で専攻科の設置を行う
意向を文部科学省に提出した設置の趣旨に明記し,その実現に向けて今後努力していくこととなりま
す。 (東京歯科大学短期大学 学長)