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IRUCAA@TDC : 先進的口腔外科医療における問題解決型学習の重要性

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

先進的口腔外科医療における問題解決型学習の重要性

Author(s)

野川, 茂

Journal

歯科学報, 111(6): 6i-6i

URL

http://hdl.handle.net/10130/2656

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先進的口腔外科医療における問題解決型学習の重要性

野 川

先日教務部長がわざわざ市川総合病院まで足を運ばれ,部長会でお話をされた。最近の歯科医師国家 試験の傾向として医科の問題がますます増加しており,今後医科教員の学生への教育をさらに充実して ほしいとの由であった。確かに最近の問題を見ると,医科の難問が並んでおり,これに対応できる実力 を養う必要がある。歯科医療の現状は厳しく,定員割れの歯科大も出てきており,これからの少子化社 会に向け,合格率をさらに引き上げ,優秀な学生を確保することが至上命令となっている。もちろんこ れまで歯科学生教育にあまり熱心であったとは言い難い医科教員に拍車をかけ,医科教育プログラムを 充実させることは重要であるが,私自身は私立歯科大の中で常に国家試験合格率トップをキープしてき た本学の学生の実力はまんざらではないと信じている。しかし,考えてみれば,ますます高度化・専門 化する歯科学の知識・技能を習得した上に,さらに医師と同じレベルの知識を限られた時間のなかで身 につけることが果たして可能なのかという疑問も湧いてくる。 21世紀の医学・歯学教育の方向性を示した「医学・歯学教育の在り方に関する調査協力者会議のモデ ル・コア・カリキュラム」では,専門化や関連領域の進歩により膨れあがった知識と技術をいかに学ば せるのか,あるいはどうすれば患者中心の医療を実践できる医師・歯科医師を育てられるのかが議論さ れている。そのためには,単なる詰め込みによる知識では役に立たず,常に問題解決型の思考を行い, 実践してゆく訓練が必要とされる。 ところで,本学が誇れる特長のひとつとして,口腔外科,オーラル・メディシンの先進性が挙げられ る。たとえば,市川総合病院には「口腔がんセンター」があり,口腔内のあらゆるがんの患者が全国か ら集まってくる。国立がん研究センター東病院,千葉県がんセンターなどの並居るがん専門病院と伍し て,当院が千葉県「がん診療連携拠点病院」のひとつとして認可された背景には,おそらく全国で唯一 の口腔がんセンターの存在があるからであろう。高齢化社会を迎え,ますます口腔がんが増加するなか で,本学は歯科大として初めて文科省「がんプロフェッショナル育成プラン」に名を連ね,その先進的 な口腔がん診療が行政を含め各方面から注目されている。 しかし,口腔がん患者には様々な医学的な問題がつきまとう。たとえば,口腔は気道や消化管の入り 口であり,その閉塞により即座に呼吸や栄養摂取の経路が絶たれる。また,末期がん患者には,あらゆ る合併症が起こりうる。このような患者を対象とすることは,従来の歯科医像をはるかに超えたもので あり,それなりの覚悟が必要である。先日,ある先生から,末期の口腔がんの患者の意識が急に悪く なったとの連絡を受けた。頭部 CT では脳内に異常はなく,明らかな局所神経症状は認められないが, 確かに意識レベルが低下している。血液データを見て,その原因が骨破壊に伴う高カルシウム血症であ ることはすぐに診断がついた。高カルシウム血症が意識障害の原因のひとつであることは,歯科医師国 家試験を受ける学生も知っているが,意識障害を呈する多くの疾患の中から,目の前の患者の意識障害 の原因が高カルシウム血症であることを診断することは,医師であっても容易ではない。大切なのは, 「何か昨日と違う,何かが起きている」という洞察力であり,すぐに行動を起こす勇気である。そのよ うな場合,依頼された医師は,注意深い観察力に敬意を表し,全力で事に当たるに違いない。 これからの歯科医療を担う学生や研修医には,単に国家試験や専門医試験に合格するための小手先の 知識を身に付けるのではなく,将来自分の血や肉となるような実践的で幅広い視野に立った学習をして もらいたい。先進的治療を行うためには,同時に安全が担保されることが必須であり,市川総合病院に は歯科と医科が十分に連携・協力しあえる理想的な環境がある。 (東京歯科大学内科学講座 教授)

参照

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