• 検索結果がありません。

中学校期の心の健康に及ぼす運動の影響と学校の工夫について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中学校期の心の健康に及ぼす運動の影響と学校の工夫について"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)         

(2)  . 川崎医療福祉学会誌   原  著. 中学校期の心の健康に及ぼす運動の影響と学校の工夫について 和氣綾美½  山本浩二¿  藤塚千秋¾  藤原有子¾  橋本昌栄½  米谷正造¾  木村一彦¾. 要    約 本研究では ,中学生を対象に ,心の健康に対する運動実践の影響ついて明らかにし ,心の健康に対 する効果的な運動や対象校における実態と取り組みについて検討することを目的とした..  校の  ・  ・  年生  名を対象に , 年 月と月に質問紙調査を集 合調査法により実施した.有効回答は 月: 名,月: 名であった .運動群は ,高運動群:  週間のうち確実に最低  日以上運動を実践している者,中運動群:  週間のうち不定期に  から 日 協力の得られた中学校. 運動を実践している者,非運動群:全く運動をしていない者,と区分した ..    . . 結果は次の通りである. 心の健康総合得点・自己効力感・不安傾向・心身に関する訴えにおいて高運動群に良い効果が認 められた.また ,自覚症状しらべの結果についても,運動実践の効果が認められた.. 月と月を比較した結果,心の健康総合得点・自己効力感・不安傾向・感覚的疲労で , 月よ 月の方が良い状態であった. 学年間においては ,  年生が全体的に良い状態であった .. りも. 性差については ,男子の方が女子より良い状態を示した. 対象校では ,全国平均に比べ非運動実践者の割合が少ない結果となった .. これらから運動実践によって心身の調子を整えていると考えられ ,中学校期での運動実践の必要性 が確認された.運動頻度の少ない子どもは ,学校行事等による運動量の増加に伴う心の健康への悪影 響がみられた .日頃運動を実践していない子ど もに対して適度な運動実践を奨励していくとともに , 競争等による「自己効力感」や「不安傾向」, 「感覚的疲労」の悪化に対する指導も必要であると考え られた .また ,対象校は運動参加の工夫をしており,その効果が認められたが ,生徒の運動実践を増 すためには生徒への教育および学校全体での取り組みが必要であると考える.. 緒. その対応に文部省(現文部科学省)は,いじめや不. 言. 登校などを生徒の新たな健康問題ととらえ ,平成.  .今日の児童・生徒の心の健康に関する 問題と要因 心の健康とは , 「 健康日本. 年(.  )に学校保健法施行規則を改正し ,保健室. をそれらに対応するための「こころの居場所」とし. 」 の中で「 生き生. て位置づけることを決めた .その上で全国の中学校. きと自分らしく生きるための条件であり,具体的に. へスクールカウンセラーの配置を開始した .スクー. は自分の感情に気づいて表現できること( 情緒的健. ルカウンセラーは養護教諭の精神衛生活動を始め ,. 康),状況に応じて適切に考え ,現実的な問題解決が. 他の教師の教育相談活動などと校内で連携しながら. できること(知的健康),他人や社会と建設的でよい. 対応している   .. 関係を築けること( 社会的健康) 」としている.. 平成. 現在,学校現場ではいじめの深刻化や不登校の増加,.  年(  )の保健体育審議会答申  は「(中. 略)養護教諭のヘルスカウンセリング(健康相談活. あるいは校内暴力など子どもをめぐる心の問題が多様・. 動)が一層重要な役割をもってきている」とし ,養. 複雑化し ,学校での解決に困難な事例が増えてきた.. 護教諭の職務にこの心のケアを明確に取り入れるこ.  川崎医療福祉大学大学院  医療技術研究科  健康体育学専攻   川崎医療福祉大学  医療技術学部  健康体育学科  東京学芸大学教育学部附属世田谷中学校 ( 連絡先)和氣綾美   〒  倉敷市松島  川崎医療福祉大学大学院 

(3)   

(4)   . .

(5)  . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦. とを提言している.さらにここでは他の教師にもカ. れがあるとの報告  もある.反対に ,持続的な. ウンセリングマインド をもって生徒に対応するよう. 運動・運動習慣は一般のストレスへの適応性を高め. 求めており ,学校を挙げてこの問題に取り組むよう. る効果があるといわれている.子どもの身体活動の. 述べられている.. 必要性として ,身体的な成長の刺激に欠かせない要. またこの答申では学校の今日的健康課題としてい じめや不登校,校内暴力だけでなく,薬物乱用,性 の逸脱行動,肥満や生活習慣病の兆候,感染症の新 たな課題等も取り上げている.. . このような課題をもたらす要因について ,平成 年(.  ),国連の「子どもの権利審査委員会」は ,. 素であり,精神的・社会的な成長に繋がることや将 来の疾病予防といった点が挙げられている  . 上地ら  によると ,身体活動の実施がストレ ス 反応を軽減させる機序として ,生理的要因,心理的 要因,社会的要因の.  つが考えられると述べている.. つまり竹中  や上地ら  が述べているように ,身. 日本の子どもが過度のストレス状況の中にあり,余. 体活動を行うことによって ,生理的変化による直接. 暇,運動,休息の時間が少ないことをあげている  .. 的なストレス反応軽減だけでなく,自己概念や自尊. その上で不登校の増加を心配し ,適切な措置をとる. 感情,有能感などの精神的成長や ,友達との交流を. ように日本政府に対して勧告している. またこの要因として人間関係や家庭環境の悪化 ,. 通して自己の感情をコントロールする能力やコミュ ニケーション能力,ルールを守ることなどの社会的. ストレスや不安感の高まり,核家族化・少子化の進. 成長が間接的にストレス反応の軽減に役立っている. 行,遊び環境の減少など 子どもたちを取り巻く状況. 可能性がある.. の変化等を背景に ,自己実現の喜びを実感しにくく,. しかしながら,子ども達の体力は年々低下し二極化. 他者を思いやる温かい気持ちを持つことや ,望まし. も著しくなっているという指摘がなされている   .. い人間関係を築くことが難しくなっていることをあ. このことに関して ,ただ単に身体的パフォーマンス. げる報告もある  .. 等の体力測定の結果に注目するだけではなく,生活. 年(  )に文部. このようなことを受けて平成. 面に着目すること  やすぐ に座りたがる ,疲れや. 科学省は心の健康と生活習慣に関する調査研究協力. すいといった基礎体力の低下に影響し ,結果として. 会議を組織し ,小学 ・. 不定愁訴の増加へと繋がっているのではないか ,と. 高校. いった部分にも着目する必要性があると考える..  ・  年生 ,中学  年生 ,.  年生を対象に心の健康と生活習慣に関する全. 国調査を行っている.その報告書  によると中学・.  .目的. 高校生では心の健康状態が良好でない子どもと生活. 本研究では ,身体的・心理的に不安定な時期にあ. 習慣の乱れに関係があることを指摘している.その. ると考えられる中学生を対象に ,心の健康に対する. 上で ,学校・家庭・地域社会が協力しながらヘルス. 運動の影響について明らかにし ,対象校が実施して. プロモーションの理念に基づいた健康つくりの視点. いる運動参加者を増す取り組みとその効果について. を重視しつつ,子どもたちの心の健康状態を高めて. 検討することを目的とした .. いくべきであり,その実践は急務であると述べてい る   . この調査では ,中学生は.  年生のみを対象として. いるが ,身体的・心理的に不安定な時期にあると考. 方.  .調査対象・期間 協力の得られた東京都内の国立大学法人附属中学.  校の  ,  ,  年生  名(各学年:男子 名,  名)を対象とした.調査時期は, 年 月,. えられる中学生においては各学年の実態を把握する. 校. ことも重要であり,全学年を対象に調査を行う必要. 女子. . 性があると考える.また , 度の調査ではなく,学 校生活の背景による変化を考慮し実態把握をするた めには ,複数回の調査を行う必要性があると考える..  .心身に対する運動の効果 生活習慣の中で健康の.  要素といわれるものの . つに運動が挙げられている  .運動と心の健康につ いても多くの報告がある.例えば青少年の身体活動. 法. 月に実施した. 月は 名(   )から回収し ,有効回答は  名(   )であった.月は 名(    )から 回収し ,有効回答は 名(   )であった .  .対象校の特徴. 調査時期における特徴として , 月は運動に関す る行事や部活動の対外試合など 運動量が多くなる時.  月月にかけては試験や文化的な行. 量の不足が集中力の低下や疲れやすさ,イライラを. 期であり,. 引き起こすとの考え   や ,子ど もの身体活動量の. 事が多く行われる時期である.. 低下は ,生活習慣病やストレスの増大,人間関係の. 運動に対する特徴として ,対象校ではスポーツプ. 形成能力の低下等,健康上大きな悪影響を及ぼす恐. ログ ラム改革に取り組んでいる .その内容とし て.

(6)  . 心の健康に及ぼす運動の影響.   ・  年生合同による球技選択授業で生徒の自発 的活動を教師が支援する形式で実施されている,総 合時間におけるプログラム,   年生を対象に体力 づくり実施やニュースポーツの経験等の体育分野の 授業における選択制プログラム,  部活動における 新しいプログラム,. 貸し出し用具を増やしたり活 動場所を種目や学年で区切るなどの工夫を取り入れ た休み時間のプログラム, 新たなスポーツプログ ラム実施に伴う外部指導者の協力,の. つの取り組. 訴えの. 項目について各  つの設問で構成した .そ     点とし. れぞれの得点は , 段階で回答し , 点. て採点し得点化した .そして ,それぞれの設問得点 を項目ごとに合計し ,その合計得点を平均化したも のとした.また ,心の健康総合得点は心の健康. 項. 目の得点を全て合計し ,その合計得点を平均化した ものとした . (   )自覚症状について 自覚症状は ,日本産業衛生学会における自覚症状. みを行っている.. 調べ(旧) を実施した.身体的疲労・精神的疲労・.  .倫理的配慮. 感覚的疲労についての. 川崎医療福祉大学倫理委員会で許可の得られた藤 塚ら  の方法と同様の手法を用いた .すなわち対 象校において調査の承諾を得,さらに ,対象者に対 しては最初の調査時に書面と口頭にて研究の意図と.  項目をそれぞれ  問ずつ行. い,当てはまるものに回答してもらった..  .分析方法 統計処理には.     を用い,ク. ロス集計, 検定,多重比較の場合には一元配置お. 個人データを公表することはない旨を説明し ,同意. よび 二元配置分散分析( 一般線形モデル:一変量). を得られた者にのみ承諾書へ名前の記入を求め ,回. を用い ,下位検定には. 答してもらった ..  .調査方法と内容.  テストを用い検 定を行った .有意水準は とした. 結. 運動頻度及び心の健康( 自己効力感・不安傾向・ 協調性・心身に関する訴え) ・自覚症状(自覚症状調 べより)に関する質問紙法調査を ,集合調査法によ. 果.  .実施月別,運動群別,性別の学年別人数. . 実施月別,運動群別,性別の学年別人数は表 に 示した通りである.. り実施した ..  .学年別,心の健康および自覚症状について. (   )運動頻度の区分について 運動頻度は ,体育の授業を除く運動部活動・クラ. 実施月ごとにおける学年別,心の健康および自覚. ブへの参加状況や ,その他の運動実践状況について. 症状の平均得点について ,一元配置分散分析を行っ. 調査を行い , 群に分類した.. た.その結果を表 に示した.以下有意な差を認め. .   分以上. ここでいうその他の運動実践とは , 日. の中強度以上の運動で ,例えば ,ジョギング・ダン ス・鬼ごっこなどの外遊び等を指す. 運動区分として ,高運動群は「 に最低.  週間のうち確実.  日以上運動を実践している者」,中運動群  から 日運動を実践している者」,非. は「不定期に. 運動群は「全く運動をしていない者」とした.. . たものについて述べる.. 月 で は「 自 己 効 力 感( (  )  , !   )」, 「協調性( (  )   ,!  ) 」, 「心身に関する訴え( (  )  , !  ) 」, 「身体的疲労( (  )   , !  ) 」, 「感覚 的疲労( (  )  ,!  ) 」の項目におい て有意な主効果が示された .多重比較の結果 , 「自. 心の健康については文部科学省の調査  を参考.  年生は  ・  年生より有意に良い状 態であった . 「 協調性」の  年生は  年生より有意. に ,自己効力感・不安傾向・協調性・心身に関する. に良い状態であった .また「心身に関する訴え」で. (   )心の健康の尺度について. 己効力感」の. 表. 実施月別,運動群別,性別の学年別人数.

(7)  . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦 表. は. 実施月ごとにおける学年別,心の健康および自覚症状の平均得点.  年生は  年生より有意に良い状態であった . 自覚症状の「身体的疲労」と「感覚的疲労」ではと.  年生は  年生より有意に良い状態であった . 月 で は「 自 己 効 力 感( (   )   , !   )」「不安傾向 , ( (   )  ,!   ) 」 , 「協調性( (   )  ,!   ) 」, 「 心身に関す る訴え( (   )  ,!   ) 」, 「身体的疲 労( (   )  ,!   ) 」, 「精神的疲労(  (   )   ,!  ) 」, 「 感覚的疲労( (   )  , !  )」の項目において有意な主効果が 示された.多重比較の結果, 「自己効力感」では  ・  年生は  年生よりも有意に良い状態であり, 「協調 性」と「不安傾向」では  年生は  年生より有意に もに. 良い状態であった .また「心身に関する訴え」では.  ・  年生は  年生より有意に良い状態であった . 自覚症状の「身体的疲労」 ・ 「精神的疲労」 ・ 「感覚. 的疲労」はともに.  年生は  年生より有意に良い状. 態であった .. も有意に心の健康総合得点が高いことが示された.. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が心の健康. 総合得点が 高く ,かつ高運動群で高いことが 示さ れた .     (  )自己効力感について 自己効力感も得点が 高いほど 良い状態を表し て いる.. . .  行った結果,実施月( (   )  ,!   )と 運動群( (   )  ,!   )に有意な主効 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を 行った結果,高運動群は中運動群よりも有意に自己 効力感が高いことが示された.. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が自己効力. 感が高く,かつ高運動群は中運動群よりも高いこと が示された .     (  )不安傾向について 不安傾向は自己効力感と反対に得点が低いほど 良.  .実施月別・運動群別,心の健康および. い状態を表している.. . . の心の健康および自覚症状の平均得点を表 に示し.     )  ,!  )と 運動群( (   )  , !   )に有意な主効. た.以下有意な差を認めたものについて述べる.. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を. 自覚症状について. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 全体および学年ごとにおける実施月別と運動群別. .   . .全体について. 行った結果,実施月( (. 行った結果,高運動群は中運動群よりも有意に不安. 全体における実施月別と運動群別の心の健康およ. . び自覚症状の平均得点を表 の最初に示した.. 傾向が低いことが示された .. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が不安傾向.    . . .心の健康について. が低く,かつ高運動群は中運動群より良い状態であ.     (  )心の健康総合得点. ることが示された.. 心の健康総合得点は得点が高いほど 良い状態を表 している.. . .     )   ,!  )と 運動群( (   )   , !   )に有意な主 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 行った結果,実施月( (.     (  )協調性について 心身に関する訴えは不安傾向と同様,得点が低い ほど 良い状態を表している.. . .  行った結果,運動群( (   )   ,!   ) 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 効果が示された .そこで ,運動群に対して下位検定. においてのみ有意な主効果が示された.そこで ,運. を行った結果,高運動群は中運動群と非運動群より. 動群に対して下位検定を行った結果,高運動群にな.

(8)  . 心の健康に及ぼす運動の影響 るほど 有意に心身に関する訴えが低く良い状態であ ることが示された.     (  )心身に関する訴えについて 心身に関する訴えは不安傾向と同様,得点が低い ほど 良い状態を表している.. . .  行った結果,運動群( (   )   ,!   ) 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. においてのみ有意な主効果が示された.そこで ,運 動群に対して下位検定を行った結果,高運動群にな るほど 有意に心身に関する訴えが低く良い状態であ 図. ることが示された.. 実施月別・運動群の割合.    . . .自覚症状調べについて これからみる精神的疲労,身体的疲労,感覚的疲 労のいずれも得点が低いものほど 良好な状態を表し ている..  .学年ごとにおける実施月別・運動群別, 心の健康および自覚症状について 学年ごとにおける実施月別と運動群別の心の健康.     (  )精神的疲労について. . .  行った結果,運動群( (   )   , !   ) 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. においてのみ有意な主効果が示された.そこで ,運. . および自覚症状の平均得点を表 に示した .以下有 意な差を認めたものについて述べる.   . .  年生について    (  )心身に関する訴えについて. 運動群は非運動群よりも有意に精神的疲労が低く良 い状態であることが示された.. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動.     (  )身体的疲労について. . .  行った結果,運動群( (   )   ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動. . .  行った結果,運動群( (  )  ,!  )に. 動群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群は非運 動群よりも有意に心身に関する訴えが低く良い状態 であることが示された.    (  )身体的疲労について.  行った結果,運動群( (  )   ,!  )に. 状態であることが示された .. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動.     (  )感覚的疲労について. . .  行った結果,運動群( (   )   ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. . . 動群は非運動群よりも有意に身体的疲労が低く良い. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中運. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中運 動群は非運動群よりも有意に身体的疲労が低く良い 状態であることが示された .. おいてのみ有意な主効果が 示された .し かし ,実.   . .  年生について. 施月と運動群間に 有意な交互作用が 示された(.    (  )心の健康総合得点.    )  ,!  ).そこで単純主効果の検定 を行った結果, 月の高運動群と中運動群は非運動. (. .  運動群( )の二元配置分散分析を. 実施月( ). 群より有意に良い状態であった .また , 「非運動群」.    )    , !   ) と運動群( (   )   ,!   )に有意な主. は. 効果が示された.しかし ,実施月と運動群間に有意な. 月よりも月の方が有意に良い状態であった ..   . .実施月別・運動群の割合について. . 実施月別・運動群の割合について図 に示した.. 月の方が 月よりも運動実践者の割合が 高く なっており ( !  ) , 特に 「高運動群」 ( 月  , 月   )と「 非 運 動 群 」( 月   ,月  )に おいて 有意な 差が 示され た( と もに !  ).また ,対象校では全国平均  に比べ運動 を「全く実践していない者」 (  )の割合が少な い結果であった .. 行った結果,実施月( (.    )   , !  ).. 交互作用が示された( (. そこで単純主効果の検定を行った結果, 月の高運 動群は非運動群より有意に良い状態であり,中運動. 月の. 群は非運動群より有意に良い状態であった.. 高運動群は中運動群より有意に良い状態であった . また , 「 非運動群」は. 月よりも月の方が有意に. 良い状態であった .    (  )自己効力感について. . .  行った結果,実施月( (   )   ,!   )と. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を.

(9)  . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦.    )   , !  )に有意な主効. 運動群( (. おいてのみ有意な主効果が 示された .し かし ,実. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を. 施月と運動群間に 有意な交互作用が 示された(. 行ったが有意差は認められなかった .. 以上の結果から, 月よりも. 月の方が自己効力感が. 高いことが示されたが, 運動の効果は示されなかった.    (  )不安傾向について. . .     )   ,!   )と 運動群( (   )    ,!   )に有意な主効 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 行った結果,実施月( (. .   )  ,!   ).そこで単純主効果の検定. 群より有意に良い状態であった.月では有意差は 認められなかった.また, 「非運動群」は 月よりも 月の方が有意に良い状態であった .. (. を行った結果, 月の高運動群と中運動群は非運動.   . .  年生について. . . . 全ての項目において実施月( ) 運動群( )の. 果が示された.しかし ,実施月と運動群間に有意な. 二元配置分散分析を行った結果 , 「 心身に関する訴. 交互作用が示された( (. え」の運動群( (.    )   , !  ). そこで単純主効果の検定を行った結果, 月の高運.    )  , !  )におい. てのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動群に. 動群は中運動群と非運動群より有意に良い状態であ. 対して下位検定を行った結果,高運動群は非運動群. り,中運動群は非運動群より有意に良い状態であっ. よりも有意に心身に関する訴えが低く良い状態であ. た.. ることが示された.. 月の高運動群は中運動群より有意に良い状態 であった .また , 「 非運動群」は 月よりも月の 方が有意に良い状態であった .    (  )協調性について. . .  行った結果,実施月( (   )  ,!  )に おいてのみ有意な主効果が示された .よって , 月 よりも月の方が協調性が高いことが示された. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を.    (  )心身に関する訴えについて. . .  行った結果,運動群( (   )    ,!   ) 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. においてのみ有意な主効果が示された.しかし ,実.    )   ,!  ).そこで単純主効果の検定 を行った結果, 月の高運動群と中運動群は非運動 群より有意に良い状態であった.月では有意差は 認められなかった .また ,非運動群は 月よりも 施月と運動群間に 有意な交互作用が 示された(. (. 月の方が有意に良い状態であった .    (  )精神的疲労について. . .     )  ,!   )と運 動群( (   )   ,!   )に有意な主効果が 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を行. った結果,実施月 ( (.  .性別,心の健康および自覚症状について 実施月ごとにおける性別,心の健康および自覚症 状の平均得点について,一元配置分散分析を行った. その結果を表.

(10)  に示した .以下有意な差を認め. たものについて述べる.. 月では「心身に関する訴え( (   )   , !   )」の項目において有意な主効果が 示され. た .よって男子は女子よりも「 心身に関する訴え」 が有意に低く良い状態であることが示された.. 月 で は「 心 の 総 合 得 点( (  )  , !  )」, 「心身に関する訴え( (  )    , !   )」,「 感 覚 的 疲 労( (  )   , !   )」の 項目に おいて 有意な 主効果が 示され. た.よって ,男子は女子よりも「自己効力感」 ・ 「心 身に関する訴え」 ・ 「感覚的疲労」が有意に良い状態 であることが示された. 以下の分析ではさらに詳細にし ,男女それぞれに ついて実施月別と運動群別について分析を行った .   . .男女における実施月別・運動群別, 心の健康および自覚症状について 男女における実施月別と運動群別の心の健康およ.

(11)  に示した .以下有. 示された.しかし ,実施月と運動群間に有意な交互作. び 自覚症状の平均得点を表. 用が示された( (. 意な差を認めたものについて述べる..    )  ,!   ).そこで単. 運動群は非運動群より有意に良い状態であった .. 純主効果の検定を行った結果, 月の高運動群と中.     (  )心の健康総合得点. 月よりも月の方が有意に良い状態であった .. 身体的疲労については実施月および運動群におい. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を.    (  )身体的疲労について. て有意差は認められなかった .    (  )感覚的疲労について. . .     )  ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を 行った結果,運動群( (. . .  行った結果,実施月( (  )   ,!  )と 運動群( (  )   , !  )に有意な主効. 月では有意差は認められなかった.また, 「 非運動群」 は.    . . .男子について 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 行ったが有意差は認められなかった .. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が心の健康. 総合得点が高いことが示されたが ,運動の効果は示 されなかった ..

(12)  . 心の健康に及ぼす運動の影響 表. 全体および学年ごとにおける実施月別と運動群別,心の健康および自覚症状の平均得点.     (  )自己効力感について. . .    )   ,!  )と 運動群( (  )   , !  )に有意な主効 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 行った結果,実施月( (. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を. 行った結果,高運動群は中運動群よりも有意に自己 効力感が高いことが示された.. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が自己効力. 感が高く,かつ高運動群は中運動群よりも高いこと が示された ..

(13) . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦 表. 実施月ごとにおける性別,心の健康および自覚症状の平均得点.     (  )不安傾向について. . .    )   ,!  )に おいてのみ有意な主効果が示された .よって , 月 よりも月の方が不安傾向が低く良い状態であるこ 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 行った結果,実施月( (. . .     )   ,!   ). 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を 行った結果,運動群( (. においてのみ有意な主効果が示された.そこで ,運 動群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中 運動群は非運動群よりも有意に心身に関する訴えが. とが示された.     (  )心身に関する訴えについて. .     (  )心身に関する訴えについて. .  行った結果,運動群( (  )  ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 低く良い状態であることが示された .     (  )精神的疲労について. . .     )   ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動. 行った結果,運動群( (. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中運. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動. 動群は非運動群よりも有意に心身に関する訴えが低. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群と中運. く良い状態であることが示された.. 動群は非運動群よりも有意に精神的疲労が低く良い.     (  )精神的疲労について. . .  った結果,運動群( (  )  ,!  )にお. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を行. 状態であることが示された .     (  )身体的疲労について. . .     )  ,!  )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. いてのみ有意な主効果が示された.そこで,運動群に対. 行った結果,運動群( (. して下位検定を行ったが,有意差は認められなかった.. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動.    . . .女子について. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群は非運.     (  )心の健康総合得点について. . .  行った結果,運動群( (   )  ,!   )に. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 動群よりも有意に身体的疲労が低く良い状態である ことが示された .     (  )感覚的疲労について. 群に対して下位検定を行った結果,高運動群は中運 動群と非運動群よりも有意に心の健康総合得点が高. いてのみ有意な主効果が示された.そこで,運動群に. く良い状態であることが示された.. 対して下位検定を行ったが,有意差は認められなかった..     (  )自己効力感について. . .  行った結果,実施月( (   )   ,!  )と 運動群( (   )  , !  )に有意な主効. . .  った結果,運動群( (   )  ,!  )にお. おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,運動. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を行.  .実施月別における運動群の割合について. 行った結果,高運動群は中運動群よりも有意に自己.  年 生 」( 高: 月   ,月.   ,低: 月    ,月  )で(図  ), 性別では「女子」 (高: 月  ,月   , 低: 月    ,月   )において(図  ), 月の方が 月よりも運動実践者の割合が高くなっ. 効力感が高いことが示された.. ており,特に「高運動群」と「非運動群」において有. 実施月( ) 運動群( )の二元配置分散分析を. 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を. 感が高く,かつ高運動群は中運動群よりも高いこと.  年生:高・中 !   ,女子: 高 !   ,低 !  ).  ・  年生,男子において. が示された .. 有意差は認められなかった .. 以上の結果から , 月よりも. 月の方が自己効力. 学 年 別で は「. 意な差が示された(.

(14)  . 心の健康に及ぼす運動の影響 表. 男女における実施月別と運動群別,心の健康および自覚症状の平均得点. 月:高   ,中   ,低   )よりも 運動実践者の割合が高く有意な差が示された(男子: 高. !   ,中 !  ,女子:高・中・低 !   ).し. かし ,対象校では全国平均 (非運動実践者:男子.   ,女子   )に比べ,運動を「全く実践し. ていない者」の割合が男女ともに低い結果であった..  年度と平成 年度においてクラブ活 動への参加人数が増加していた( 表 ). クラブ活動所属人数について平成. 年度を比較した結果,平成. 図.  年における実施月別・運動群の割合. 表. クラブ活動所属人数. 考. 察.  .心の健康・自覚症状に対する運動の効果 緒言でも述べたが ,運動実践が心の健康に影響し ていることを確認する意味と文部科学省が行った調 査が中学生では.  年生だけの  回のみであることか. ら ,本調査では他学年及び実施時期の持つ意味を合 図. わせ検討していくことにする. 女子における実施月別・運動群の割合と全国平均と の比較. 図示していないが ,男女で比較した結果では 月・ 月ともに男子( 月:高   ,中   ,低   ,月:高   ,中    ,低  )の 方が女子( 月:高  ,中   ,低    ,. 心の健康・自覚症状調べについて実施月別・運動群 別に検討した結果, 「心の健康総合得点」 ・ 「自己効力 感」 ・ 「不安傾向」 ・ 「心身に関する訴え」において「高 運動群」に良い効果が認められた.また, 「自覚症状 調べ」についても,運動実践の効果が認められた. このことは ,竹中ら  が述べている「適度な運動.

(15)  . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦. は ,ストレス解消,友人とのコミュニケーション確. な差が認められ ,運動実践の「高い者」ほど 良い状. 立など精神的にも良い影響を与える」ことと一致し ,. 態であることが示された.. 中学校期においても同様であることが認められた. 緒言でも述べたが「健康日本. 」の中で心の健康.  年生において自己効力感や不安傾向などの心の. 健康に対する影響が見られなかった背景には中学校. とは「生き生きと自分らし く生きるための条件であ. 入学時の不安やストレスなどが大きく  ,運動実践. り,具体的には自分の感情に気づいて表現できるこ. のみでは解消しきれないものであると考えられ ,入.  年も経っていない  年生特有の結果であっ. と(情緒的健康),状況に応じて適切に考え ,現実的. 学して. な問題解決ができること(知的健康),他人や社会と. たと考えられる.. 建設的でよい関係を築けること(社会的健康) 」とし.  年生においては ,多くの項目で運動実践の「高. ている.このことについて平木場   は心の健康に. い者」ほど 良い状態が示され ,運動実践の効果が強. は自己を自覚し確立していること ,他者との関係を. く影響していた.また , 月に比べ. . 月の方が心の. 良好に維持できることなどが包括されており,単に. 健康および自覚症状に対して悪い状態を示していた. 精神疾患がなければよいといったものではないとい. ことから ,学校行事による運動量が多いことが影響. う理解が必要であると述べている.. していると考えられる.. つまり今回の結果でも運動実践がしっかり実施で.  年生においては ,図  で示したように 月と. きているものほど 自覚症状における精神的疲労が良. 月の運動実践者の割合は大きく変化していた.すな. 好であるだけでなく,自己効力感や不安傾向におい. わち「 高運動群」は. 月で  ,月で  と. 月が多いことが認められた .しかし ,「 心. ても良好であった .これは ,緒言でも述べたように. 有意に. 運動を実践することでストレスを緩和し ,心の健康. 身に関する訴え」においてのみではあるが「高運動. を良くしていることで心身の調子を整えている  . 群」ほど 良い状態が認められていたこと ,そして ,. 年生のみとしていたが ,本研究ではさらに詳細に実.  年生は自己効力感,協調性が  ・  年生より良い結果であり,月でも心 身に関する訴え以外は  年生より有意に良い状態で あった .これは ,  年生は受験があるにもかかわら. 態を知るために ,中学校全学年を対象に調査を行っ. ず ,自己効力感や協調性といった心の健康について. た.その結果,表 で示したように「. は全体的に高揚しており,充実していることを窺わ. と考えられ ,中学校期での運動実践の必要性が確認 された. 文部科学省の調査   では中学生の調査対象を. . .  年生」は「 . . 表 にみたように. 月では. 年生」に比べ「心身に関する訴え」や全体の疲労感. せるものであって ,このような面に関しては運動の. (自覚症状調べ)が強くなり, 月になると特に「精. 効果は認められなかったと考える.しかし ,心身に. . 神的疲労」が強くなっていた.逆に , 「.  年生」は他. の学年に比べ「 自己効力感」や「 協調性」が低く , 「不安傾向」が強いといった特徴も見られた .. . 関する訴えや自覚症状の全てで.  年生より悪くなっ. ていたことや, 「心身に関する訴え」において高運動 群ほど 良好な状態を示していたことなどを考慮する. つまり, 年生は他の学年に比べ心身ともに全学. と ,受験の負担や多忙に伴う運動の減少が自覚症状. 年の中では良い状態にあることが示され ,中学校期. や心身に関する訴えに大きく影響していると考えら. においてこのような身体的・心理的要因に関係する. れるため , 年生の健康管理に注意するとともに ,. 調査を行う場合一学年のみを対象とするのではなく,. 受験生として忙しい時期であっても適度な運動を実. 全学年において調査を行うことが重要であると考え. 践することが必要であるといえる.. られる.さらに. 月と月では方法で触れたように. . 男女ごとにみたが ,男女共に運動実践が「高い者」. 学校行事等の違いがあり,これらのことも考慮され. ほど ,運動を実践することで身体的にも精神的にも. なければ ,ある学校の中で実態把握と改善を試みる. 良好な状態を保っていることがわかる .それでも ,. . 場合誤認識することが考えられるので ,定期的に調. 結果 および結果 に記載したように有意差が示さ. 査する必要がある.. れた全ての項目で「男子」の方が「女子」よりも良. そこで各学年,男女,調査実施月別に検討した.. い状態であり,運動実践者の割合も「男子」の方が. 学年ごとにみた心の健康・自覚症状調べに対する. 「 女子」よりも多い結果であった .また ,男子に比. 運動実践の影響について , 年生では「心身に関す. べ女子は ,非運動実践者よりも運動実践者の方が心. . . る訴え」および身体的疲労において , 年生では心. の健康および自覚症状が良い状態を示した項目が多. の健康・自覚症状調べの多数の項目において運動実. かったことからも,女子については運動による影響. 践の「高い者」ほど 良い状態であることが示された.. が大きいと考えられる..  年生では「心身に関する訴え」においてのみ有意. 女子は男子に比べ身体活動水準が 低いという報.

(16)  . 心の健康に及ぼす運動の影響 告   があるが ,今回の調査でも同様の結果と. 野球・バスケットボール(男女) ・バレーボール(女). なった.上地ら  は ,女子は男子よりも身体活動を. の. つに限定している.一方,個人的な種目である. 行うことの負担を強く感じていると報告している .. テニス・卓球・陸上競技・バド ミントンはそれまで. このように ,男女それぞれに求められる運動実践や. の部活動からサークル活動(同好会)へ移行させて. 効果は異なっており ,特に女子においては運動実践. いる.このサークル活動導入は ,今まで部活動を敬. を促進する際に運動量・強度等を十分に考慮すると. 遠してきた生徒のためにもスポーツを楽し む機会を. 共に精神的な面に気を配りながら円滑な人間関係が. つくることを目的として考えられたものである.活. 形成できる環境づくりを目指すなど 十分な配慮が必. 動周期は. 要であるといえる.. ど 自由度が高く自分に合った種目を選択することが. 実施月については「心の健康総合得点」 ・ 「自己効 力感」 ・ 「不安傾向」 ・ 「感覚的疲労」で. 月の方が .  学期単位とし ,学期ごとに変更できるな. できる.もちろん ,生徒のニーズに合わせ同種目の 継続も可能としている.共著者でもあり,スポ−ツ. 月より悪い状態を示していた .賀川  は ,運動嫌. プログラム改革の立案者でもある山本  は ,現時. いな子どもや運動能力に自信のない者は体育の授業. 点で一つのサークルへの偏りはみられず ,この手法. に対する好意度が低いことや体育での身体的苦痛体. により手軽に多くのスポーツを楽し むことができる. 験が有意に高いこと等を報告しており,体育の授業. ようになった ,と報告している.. における子どもの「こころ」は ,運動技能の習得状. 中澤  は運動部活動への参加率減少の原因とし. 況と ,それらに対する周りの反応によって大きな影. て部活動には強制的な枠組みが強く,代替などで強. 響を受けている,と述べている.また ,方法でも触. 制力が弱まると離脱する傾向にあることや ,競技志. れたように. 向が弱く活動以外の部分を志向するものは継続しな. 月と月では学校行事等の違いがあり. 月は運動量が多くなる時期であるということ等を. いという報告をしている .また ,荒井  は心の健. 考えると ,運動を実践している者は運動を実践して. 康を考える上で自己選択した強度による運動の実施. いない者より学校生活に適応していける心身的強さ. は重要な役割を果たすかもしれないと述べている .. を身に付けていると推察される.これに対し日頃全. 対象校ではこの取り組みを行ってからクラブ活動へ. く運動を「実践していない者」にとっては運動に関. の参加人数が増加している(表. )ことからも ,対. する行事等で全体的に運動量が増えると心身に負担. 象校が独自の方法で実施している運動部活動への取. となってしまう可能性があるということが考えられ. り組みは非常に効果的であるといえる.. る.よって ,日頃運動を実践していない子どもに対 して適度な運動実践を奨励していくとともに ,競争. 生活習慣改善教育プログラムでも.  月に  回の生. 活習慣自己点検と ,ど うすれば生活習慣を改善でき. 等による「自己効力感」や「不安傾向」, 「感覚的疲. るか考えることを行っている.個々の生徒が自ら考. 労」の悪化に対する配慮も必要であると考える.. えることと ,このようなスポーツプログラム改革な.  .対象校の実態と今後の取り組みに対する検討. どを両面から対応することで心の健康に影響を及ぼ. これまで心の健康・自覚症状に対する運動の効果 の実態を見てきたが ,対象校は全国平均  に比べ. していると考える. このように,生徒自らの取り組みおよび学校全体で. 運動を全く実践していない者の割合が低く(図.  ),   の人が運動部活動を行ってい た.また,男女(図  )それぞれにおいても全国平均. の取り組みはとても重要な役割を担っている.目に見. 高運動群では. えない心の健康状態を高めていくのに運動実践を指. よりも非運動実践者の割合が低いという結果であっ. 今後も. 導・促進することは効果的な方法であると考えられ ,.  年生の運動頻度を下げないようにするなど ,. た.これは ,対象校が独自の方法で実施している運. 教育と制度の改善を検討することで心の健康に対す. 動部活動への取り組み  や生活習慣改善教育  に. る維持・増進,予防の一助となることが期待できる.. よる効果ではないかと推察される.. . ま と. 方法で述べた対象校のスポーツプログラム改革. の部活動における新しいプログラムについては生徒. め. 本研究では身体的・心理的に不安定な時期にある. の部活動参加者を増した要因として考えられるので,. と考えられる中学生を対象に ,心の健康に対する運. 特に触れておくことにする.. 動の影響ついて明らかにし ,運動参加者を増す取り. 部活動における新しいプログラムとして ,生徒の 放課後のスポーツライフを部活動とサークル活動の.  種類にわけて実施している.部活動は  年間( 最  年間)継続して取り組む活動とし ,サッカー・. 低. 組みとその効果について検討することを目的とした. 協力の得られた東京都内の国立大学法人附属中学 校.  校の  ・  ・  年生  名を対象に , 年 月に質問紙調査を集合調査法により実施し. 月と.

(17)  . 和氣綾美・山本浩二・藤塚千秋・藤原有子・橋本昌栄・米谷正造・木村一彦. 月: 名,月: 名であった. 運動群の内容として ,高運動群:  週間のうち確実 に最低  日以上運動を実践している者,中運動群:  週間のうち不定期に  から 日運動を実践している た.有効回答は. 者,非運動群:全く運動をしていない者,と区分した.. . 性差については , 「男子」の方が女子より良い 状態を示した . 対象校では ,全国平均に比べ「非運動実践者」 の割合が少ない結果となった .. これらから運動実践によって心身の調子を整えてい ると考えられ,中学校期での運動実践の必要性が確認. 結果は次の通りである.. . . . 心の健康総合得点・自己効力感・不安傾向・. された.運動頻度の少ない子どもは,学校行事等によ. 心身に関する訴えにおいて「高運動群」に良い. る運動量の増加に伴う心の健康への悪影響がみられた.. 効果が認められた.また,自覚症状しらべの結. 日頃運動を実践していない子どもに対して適度な運. 果についても,運動実践の効果が認められた.. 動実践を奨励していくとともに ,競争等による「自. 月と月を比較した結果,心の健康総合得 点・自己効力感・不安傾向・感覚的疲労で, 月よりも月の方が良い状態であった .  学年間においては ,  年生が全体的に良い状 態であった .. 己効力感」や「不安傾向」, 「感覚的疲労」の悪化に対 する指導も必要であると考えられた .また ,対象校 は運動参加の工夫をしており,その効果が認められ たが ,生徒の運動実践を増すためには生徒への教育 および学校全体での取り組みが必要であると考える.. 文      献.  )財団法人  健康・体力づくり事業財団:健康日本ホームページ ,健康日本とは ,各論,休養・こころの健康づくり より:  

(18)   

(19)  

(20) 

(21)    .  )財団法人日本学校保健会:保健室利用状況に関する調査報告書.東京,   , .  )杉浦守邦:健康相談活動.第  版,東山書房,京都,   , .  )植田誠治:新版・養護教諭執務のてびき.第  版,東山書房,京都, , . )文部省( 現・文部科学省)体育局学校健康教育課:心の健康問題にかかわる施策.スポーツと科学, (  ),  , .  . )日本弁護士連合会:国際人権ライブラリー,子どもの権利条約,子ども権利委員会の最終見解より:.      

(22)               )池上彰:みんなの「学校問題!」.講談社,東京, ,. .  )文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課:心の健康と生活習慣に関する指導  

(23) 実践事例集

(24) .    , .. )山縣然太朗:子どもの心の健康と生活習慣.子どもと発育発達, ( ),  , .  )竹中晃二:運動と心のストレス:運動が果たすストレス対処効果.竹宮隆,下光輝一編,運動とストレス科学,杏林書 院,東京, , ..  )竹中晃二:子どもにおける身体活動・運動.現代のエスプリ, ,   , .  )上地広昭,竹中晃二,岡浩一朗:子どもの身体活動とストレス反応の関係.健康心理学研究, (  ),    , .  )西嶋尚彦:子どもの体力の経年的変化.思春期学, (  ), , .  )豊島広之:子どものスポーツ運動実施動態.体育の科学, ( ), , .  )藤塚千秋,山本浩二,木村一彦:中学生における生活習慣の縦断的推移について  

(25) 国立大学法人附属中学校の生徒を 対象とした実態調査からの検討

(26) .児童研究, , , ..  )酒井一博:日本産業衛生学会産業疲労研究会撰「自覚症状しらべ」の改訂作業 .労働の科学, ( ) , , .  )財団法人日本学校保健会:平成 年児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告書.東京,  , .  )竹中晃二:米国における子ども・青少年の身体活動低下と公衆衛生的観点から見た体育の役割:体力増強から健康増進 へ,さらに生涯の健康増進へ.体育学研究, ( ),    , ..  )平木場浩二:現代人のからだと心の健康  

(27) 運動の意義と応用

(28) .杏林書院, , .  )竹宮隆:運動の本質とユウストレス.竹宮隆,下光輝一編,運動とストレス科学,杏林書院,東京,  , .  )山本晴義:積極的休養とストレス緩和.竹宮隆,下光輝一編,運動とストレス科学.杏林書院,東京, . , .  )小泉令三:中学校入学時の子どもの期待・不安と適応.教育心理学研究, (  ),   ,. .  )竹中晃二 ,相澤文 ,後藤愛:現在 ,および 将来に危険を招く身体活動量不足をいかに防ぐ か .学校保健研究 , ,   , ..

(29)  . 心の健康に及ぼす運動の影響.  )上地広昭,竹中晃二,鈴木英樹:子どもにおける身体活動の行動変容段階と意志決定バランスの関係.教育心理学研究,. (  ),  , ..  )賀川昌明:体育の授業とこころ   小学校体育授業における実践を中心として ,体育の科学, ( ) , , .  )山本浩二,山成幸子:中学生の健康・体力づくり  

(30) 指導者の現状と課題

(31) .保健の科学, (  ),    , .  )中澤篤史:中学,高校における競技スポーツを支える組織と制度   運動部活動の抱える課題と今後の方向性 .体育 の科学, ( ),   , ..  )荒井弘和:スポーツによるこころの発達と健康.体育の科学, ( ),  , . (平成年月 日受理).    

(32)       

(33)  

(34)            !"#!   !" $  %& ' #' #( )* ) +, ( !$ - ..&/0&, )12    3 

(35)  4 +5 6 %.7 %0,&+0% &+07 &70 &8&5.%& /5.0.&.

(36) 

(37) & /5/%& 9 0% %0, .75:&% 0& +;&+.& 9 &8&5.%& + 0& &+07 &70 9 +5 6 %.7 %0,&+0%2 +, 0 &8+&% .0+% 0 +.5&%& &8&5.%& /50./0+ +, 0&5 &<&.0%2 =&%0++5& %51& >% .55&, 0 5&70&, 0 0& ?/5&%&+.& 9 &8&5.%& /5.0.& &+07 &70 +, %@&.01& %/0%A +  +, )1&@&5  +  %0,&+0% 4 %0 +, +, 5, &5 %0,&+0% 0 +& +5 6 %.72 & %0,&+0% >&5& ,1,&, +0 05&& 65/% @ &8&5.%& @70 4 6 ,,7& +, 7>2 -3 6, &<&.0 >% 5&.6+(&, + 0& 6 7&1&7 65/ + 0& 6&+&57 %.5&% 9 &+07 &70 9&&7+6% 9 %&79B&<&.01&+&%% +, %0 @70 0>5, +, +, @,2 % 95 0& %@&.01& %/0% 0& &<&.0 9 &8&5.%& /5.0.& + 0& >% ..&/0&,2 -3 % 95 + ,<&5&+.& @&0>&&+ 0&  +, )1&@&5 %51&% 0& 7> 7&1&7 65/ + )1&@&5 %>&,  @&00&5 %00& + 0& 6&+&57 %.5&% 9 &+07 &70 9&&7+6% 9 %&79B&<&.01&+&%%  0&+,&+. 9 +&%+&%% +, 906& 9 0& %&+%&% 0+ 00 + 0&  %51&2 -3 &+ 0& %51& >% .+,.0&, @&0>&&+ %.7 &5% 0& +, &5 >% +  6, %00& 6&+&5772 -3 % 95 ,<&5&+.& @ %&8 @% %>&,  @&00&5 %00& 0+ 657%2 - 3 0 977>&, 00  50 9  ++B&8&5.%& /5.00+&5 0 0& %51&&, %.7 >% 7> >&+ ./5&, >0 0& +0+7 1&56&2 0 >% 060 00 &+07 &70 @ %05&%% 5&780+ 056 &8&5.%& /5.0.& :8&,  6, .+,0+ + 0& +, +, @, +, 00 0& +&.&%%0 9 &8&5.%& /5.0.& + +5 6 %.7% >% .+:5&,2 55&%/+,&+.& 0 4   . %0&5C% D565 + '&70 +, #/50% #.&+.& E5,0& #.7 9 '&70 #.&+.& +, &.+76 >% !+1&5%0 9 &,.7 &795& 5% B  "/+ *B74  !. "# . ->% &,.7 &795& "5+7 F72  )2   3.

(38)

表  実施月ごとにおける学年別,心の健康および自覚症状の平均得点 は  年生は  年生より有意に良い状態であった . 自覚症状の「身体的疲労」と「感覚的疲労」ではと もに  年生は  年生より有意に良い状態であった .  月 で は「 自 己 効 力 感(  (  ) , !    ) 」 「不安傾向, (  (  ) , ! ) 」 , 「協調性(  (  ) , ! ) 」 , 「心身に関す る訴え(  (  ) , !    ) 」, 「身体的疲 労(  (  ) , ! ) 」, 「精神的疲労(
表  全体および学年ごとにおける実施月別と運動群別,心の健康および自覚症状の平均得点     (  )自己効力感について 実施月(  )  運動群(  )の二元配置分散分析を 行った結果,実施月(  (  ) , ! )と 運動群(  (  )    , ! )に有意な主効 果が示された.そこで ,運動群に対して下位検定を 行った結果,高運動群は中運動群よりも有意に自己効力感が高いことが示された.以上の結果から ,月よりも月の方が自己効力感が高く,かつ高運動群は中運動群よりも高いことが示された .
表   実施月ごとにおける性別,心の健康および自覚症状の平均得点     (  )不安傾向について 実施月(  )  運動群(  )の二元配置分散分析を 行った結果,実施月(  (  ) , ! )に おいてのみ有意な主効果が示された .よって ,  月 よりも  月の方が不安傾向が低く良い状態であるこ とが示された.     (  )心身に関する訴えについて 実施月(  )  運動群(  )の二元配置分散分析を 行った結果,運動群(  (  ) , ! )に おいてのみ有意な主効果が示された .そこで ,
表   男女における実施月別と運動群別,心の健康および自覚症状の平均得点 図   年における実施月別・運動群の割合 図  女子における実施月別・運動群の割合と全国平均と の比較 図示していないが ,男女で比較した結果では  月・  月ともに男子(  月:高 ,中 ,低 ,  月:高    ,中    ,低 )の 方が女子(  月:高 ,中    ,低    ,  月:高 ,中 ,低 )よりも 運動実践者の割合が高く有意な差が示された(男子:高!,中!,女子:高・中・低!).しかし ,対象校では全国平均(非運

参照

関連したドキュメント

仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必

作品研究についてであるが、小林の死後の一時期、特に彼が文筆活動の主な拠点としていた雑誌『新

大正デモクラシーの洗礼をうけた青年たち の,1920年代状況への対応を示して」おり,「そ

tiSOneと共にcOrtisODeを検出したことは,恰も 血漿中に少なくともこの場合COTtisOIleの即行

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

夫婦間のこれらの関係の破綻状態とに比例したかたちで分担額

認知症の周辺症状の状況に合わせた臨機応変な活動や個々のご利用者の「でき ること」

 学年進行による差異については「全てに出席」および「出席重視派」は数ポイント以内の変動で