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大学院セミナー報告(9)

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178 松本歯学 37(2)・(3) 2011

大学院セミナ一報告(9)

大学院セ ミナーのタイ トル,演者,講演要旨を報告 します. 第219回松本歯科大学大学院セミナー タイ トル :クリアプラスチ ックアプライアンスによる矯正歯科治療 について 演 者 :中野 善夫 (日本大学歯学部化学教室 ・准教授) 講演要旨 : 矯正歯科 に訪れる患者の多 くは審美的な主訴を持つ.矯正治療中において も出来るだけ審美的な装置 で治療 を行ないたい という要望 も高い. また矯正治療で用いるマルチブラケ ッ ト装置が 目立つ というこ とか ら矯正治療 をため らっている患者 も多 くいる. 上記の問題の解決策 として,透明な可撤式矯正装置 (クリアプラスチ ックアプライアンス) を用いた 矯正治療が1990年前半か ら行われている.現在,様々なクリアプラスチ ックアプライアンスが存在する 中で,1998年,韓国の金 泰元先生が開発 したクリアアライナーを用いた矯正治療は多 くの臨床実績 を 残 している.この装置はすべての症例で用いることは出来ないが, 日々改良が重ね られてお り着実に症 例の幅が広がっている. 今 回のセ ミナーでは,クリアアライナーを始めとする様 々なクリアプラスチ ックアプライアンスとの 違い.クリアアライナーを行 う上での症例選択,製作方法,使用上の注意点などについて述べる. 日 時 :2010

9月1日㈹ 18時00分∼19時00分 場 所 :実習館2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第220回松本歯科大学大学院セミナー タイ トル :膝下運動のバイオメカニクス解明に関する研究 一膝下ロボッ ト,CG,そ してシミュレーシ ョンー 演 者 :道脇 幸博 (武蔵野赤十字病院特殊歯科 ・口腔外科部長) 講演要 旨 : 脳卒中や脳性麻痔,神経難病 な どの中枢神経系疾患,口腔,咽頭,喉頭の疾患 などで

,

「食べ る」機 舵,すなわち摂食 ・瞭下機能の障害が生 じる. また,単なる加齢 によって も嘆下障害が生 じ,摂食 ・嘆 下障害は高齢化社会の益 々の重大な健康問題の一つ となっている. また,食べるとい うことは人間の最 も基本的な生命維持機能であるだけでな く,食文化 としての楽 しみの意味 も大 きく,摂食 ・膝下障害は QOL(生活の質) に大 きく関わるため,この分野の疾患メカニズムの解明や治療法の開発 は急務 と考 えられる. これまで,膝下障害の評価や研究は,嘆下造影検査,ビデオ内視鏡検査,反復唾液膝下テス ト,水飲 みテス ト,フー ドテス トなどが主 として行われている. しか し,これ らの手法では身体内部における障 害 となる原因の十分な評価をすることがで きない. 一方,膝下運動の 目的は,食塊の食道-の移送 と食塊が喉頭や肺 などに入ることを防止する (下気道 の保護)ことである.そ こでは,随意運動 と反射運動が連続 して起 こ り,舌の送 り込み運動は随意運動, 咽頭 と喉頭部分の運動 は反射運動 とされるが,そのメカニズムは不明である.本セ ミナーではバ イオメ

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松本歯学 37(2)・(3) 2011 179 カニ クスの解 明に関す る我 々の取 り組 み の うち,喋下 ロボ ッ ト,CG, シ ミュ レー シ ョンを紹介 し,今 後の研究の糧 に していただければ と念 じてい る. 日 時 :2010年9月24日睡) 17時30分∼18時30分 場 所 :実習館 2階 総合歯科 医学研究所 セ ミナールーム 第221回松本歯科大学大学院 セ ミナー タイ トル :歯科用OCT画像診断機器 を用いた新時代の歯科診断 システム 演 者 :角 保徳 (国立長寿 医療研究 セ ンター病 院先端 医療機 能 回復診療 部歯科 口腔 外科 ・医 長) 講演要 旨 :

生体 に無 害 な近 赤外 光 を用 いた最新 の技 術 で あ る光 干 渉 断層 画像 診 断 法 (OpticalCoherenc eT0-mography:以下OCT)は,非侵襲下 に組織 の精密 断層像 を得 る こ とが で きる最先端 の医療 撮 像技 柿 として,口腔領域 の新 たな診断機器 となる可能性 を有す る.OCTは,エ ックス線,CT,MRI,超 音波 検査 に次 ぐ最先端 の医療画像診断技術 といわれてお り,CT,MRIの数十倍の解像度 を有す る.さらに, 日本人の発癌 の3.2%は医療診 断用放射線 に よる との ラ ンセ ッ ト誌の報告 もあ り,エ ックス線 やCT診 断では不可避 であった被曝の問題 を解消 している点で,画期 的な診断機器である. OCTは臨床分野全般 にわた る診 断技術 としての可能性 を有 してお り,現在,世界 的 な技術 開発競争 が行 われてい る. しか し,口腔領域 でのOCTの臨床研 究 は世界 的に極 めて少 な く, 口腔分野- の応用 の道が開ければパ ノラマエ ックス線装置以来の口腔領域 の新 たな画像診断機器 となる可能性 を秘 めた有 望 な非侵襲診断技術 として期待 されてい る. 国立長寿 医療研 究 セ ンター歯科 口腔外科で は,OCTの非侵襲性,高分解 能,客観性 ,同時性 ,低価 格性 な どの特性 を生か して歯科用OCT画像診断機器の 開発 と歯科 臨床へ の応用 を行 い,(丑歯牙 う蝕診 節,(参完成義歯 ・レジン充填 の非破壊検査,③歯周病診断,④ 口腔軟組織疾患診 断,(9イ ンプ ラ ン ト手 術へ の応用,(参歯科健診等 に有効性があることを確認 した.現在,産官学共 同で歯科用光干渉断層画像 診断装置の開発 を進 め, 日本発,世界初 の製品化 を 目指 し研 究開発 を進めている.本 セ ミナーでは,歯 科用OCT画像診断機器 の開発 とその口腔疾患へ の応用, さ らに歯科用OCT画像診 断機器 の将 来像 に ついて解説 したい. 日 時 :2010年11月11日㈹ 17時00分∼18時45分 場 所 :実習館2階 総合歯科 医学研究所 セ ミナールーム 第222回松本歯科大学大学院 セ ミナー タイ トル :骨髄 の造血幹細胞 ・前駆細胞ニ ッチ とケモ カイ ンCXCL12 演 者 :長浮 丘司 (京都大学再生医科学研究所生体 システム制御学分野 ・教授) 講演要旨 : 骨髄 では,免疫担 当細胞 を含 むすべ ての血液細 胞が造血幹細胞 か ら前駆 細胞 を経 て恒常 的 に産 生 さ れ, 白血病細胞 の多 くは造血幹細胞や未分化 な前駆細胞が変異 してで きる白血病 幹細胞が供給す る と考 え られている.造血幹細胞 ・前駆細胞の維持 ・分化 ・増殖やや 白血病幹細胞 の維持 と増殖 は,それ らの 細胞が局在す るニ ッチ (niche)と呼 ばれ る特 別 な微小環境 に よって調節 されて いる と推定 されて い る がニ ッチの実体 は不 明である.近年 ,造血幹細胞 ニ ッチ を構成す る細胞 につ いて,米 国の研 究 グループ よ り骨辺縁 に局在す る骨 芽細胞 の一種 で

N

-カ ドヘ リンを高発現す る

SNO

細胞 であ る とい う報告 と洞

(3)

180 校本歯学 37(2)・(3) 2011 様毛細血管の内皮細胞 である とい う報告が 出 されているが いず れ も証 明 され る には至 ってい ない.

方,私 た ちは,ケモ カイ ンとい う細胞運動 の制御で知 られ るサ イ トカイ ンフ ァ ミリー に属す る

CXCL

12の受容体

CXCR4

が,造血幹細 胞 の維持 と

B

リンパ球 や形 質細胞株樹状細胞 の産生 に必須 であ る こ とを遺伝子欠損マ ウス を用 いた研 究で明 らか に し,骨髄腔 内 に一様 に分布

LCXCL

12を高発現す る細 網細胞

(

CA

R細胞)が造血幹細胞 や免疫担 当細胞のニ ッチ を構成す るので はないか と考 えている.す べ ての骨髄洞様毛細血管 は

CA

R細胞 に取 り囲 まれてお り

,CA

R細胞 は造 血幹細胞 ・前駆細 胞 と接着 す る長 い突起 を持 ち,細胞突起 に よる幹細胞へ のサ イ トカイ ンの供給 とい う新 しい細 胞 間相互作 用 を 担 ってい る可 能性 が あ る.本 セ ミナーで は,最近明 らか になった

CA

R細 胞 の実体 や

,CA

R細胞 を欠 損 させ ることで明 らか となった造血幹細胞 ・前駆細胞 ニ ッチ としての機能ついて も紹介 したい. 日 時 :2010年10

1日睡) 17時00分∼18時30分 場 所 :実習館2階 総合歯科 医学研究所セ ミナールーム 第223回松本歯科大学大学院セ ミナー 演 者 :松 井 義郎 (香川大学 医学部歯科 口腔外科学講座 ・教授) タイ トル :口腔外科領域 の内視鏡支援下手術-ミニマムイ ンターベ ンシ ョン

(

M

I) を 目指 して一 講演要 旨 : 近年 の歯科界 で は ミニマ ムイ ンターベ ンシ ョン (MI) の概 念が一般化 して きた. しか し口腔外科 領 域 では,対象疾患 のほ とん どが粘膜あ るい は皮膚の表層,あるいは直下 に存在す るため,MIの概念が 十分反映 されて きた とは言いが たい. われわれは最近,低侵襲手術 を 目指 して口腔外科 の様 々な疾患 を内視鏡支援下 に行 っている.内視鏡 支援下 に手術 を行 うと,肉眼では直視す るこ とが困難 な部位 を拡大像 としてみ ることがで きるため,従 来 は困杜であ った手術が可能 になるの に加 え,口内法手術 が容易 になった り,切 開創 を小 さくすること が で きるな ど,MIにそ った治療が可能 となる. 今 回は,私 たちが行 っている大 臼歯歯根端切 除,上顎洞 内異物 除去,下顎骨 関節 突起 骨折 観血 的整 復 ,唾石摘 出,顎下腺摘 出な どについて ご紹介す る とともに,今後克服すべ き課題 についても述べ させ ていただ く予定である. 日 時 :2010年11月2日㈹ 17時00分∼18時30分 場 所 :実習館

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階 総合歯科 医学研 究所セ ミナールーム 第224回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル :材科学か らみたチ タンのOsseointegration 演 者 :吉成 正雄 (東京歯科大学 口腔科学研究セ ンター口腔 イ ンプラン ト学研究部門 ・教揺) 講演要 旨 : イ ンプラン ト治療 の成功 はオ ッセオイ ンテグ レー ショ ン (osseointegration)の獲得か ら始 まる とい われている. このosseointegrationはosseo(骨)integration(結合) の2つの語か ら成 り立 っている が

,

「骨結合」 とは呼 ばない. この こ とがosseointegrationの本質 を物語 ってい る.本講演で は,特 に チ タンのosseointegrationの本態 につ いて概説 し, イ ンプラ ン ト治療 をイ ンプ ラ ン ト学 とす るための 一助 としたい. 現在 ,一般 的 にosseointegrationとは, イ ンプラ ン トが荷 重下 におい て機 能 を維持す るこ と, また 形態的 には骨 とイ ンプラン ト間に光学顕微鏡 レベル (数

L

L

m

以下)で隙間が な く,しか も線維性 (コラー

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松本歯学 37(2)・(3) 2011 181 ゲ ン性)被包でない, ことと理解 されている. ラッ ト頚骨 にチ タンインプラン ト埋人後28日後の光学顕 微鏡写真では新生骨がチ タンに直接結合 しているように見 えるが,電子顕微鏡 によ り強拡大する と, イ ンプラン トと新生骨の境界 には常 に20-50mm の無定形構造物,すなわち リン酸 カルシウム ともコラー ゲンとも異 なる有機質成分 の層が存在す ることが わか る. この層 はproteoglycanな どの タ ンパ ク多糖 複合体か らなることが確かめ られている. 以上 よ りosseointegrationとは,骨 と直接結合す るような骨癒合 (ankylosis)ではな く

,

「チ タンと 骨 とが有機物質を介 した間接的な結合」である といえる.介在物 である有機物質にはコラーゲ ンな ど線 維性物質が存在 していない ことか ら線維性被包ではな く,異物排 除を受けない骨性被包 と呼ぶのがふ さ わ しいであろう. タンパ ク質 を介 した結合 は強 くないので, この構造物 は外力 を緩和す る稜衝物 として 界面 に存在 している と考 え られる. このことが,荷重下 において正常 に機能 している所以で はないか と 想像 される. しか し直接 的な骨接触率がゼ ロとい う事実 は,過重負担や細菌感染 な どの悪条件下では上 皮侵入 を許 し線維性被包 に陥 り,最終的に骨吸収や機能喪失の危険性 を学 んでいる ともいえる.逆 にこ の間接的骨結合 はイ ンプラン トを必要 な時に撤去で きるメ リッ トにもつなが る. それでは,osseointegrationの正否 を決定す る材料表面の因子 は何 なのであろ うか ?チ タン (Ti) は 他の金属材料 と比較Losseointegrationを獲得 し易 い と云 われ ている.その理 由 として,①安 定 な酸 化膜 (不動態)の存在,(参リン酸 カルシウムが析 出 しやすい,③骨性 タンパ ク質が吸若 しやすい,な ど が挙 げ られている.(丑に関 して,同様 な酸化物 であ るアル ミナA

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。(サ フ ァイア)がチ タンよ りos -seointegrationL難い事実か ら,酸化膜の直接 的な可能性 は低い といえる.② に関 して,電解質溶液 に 浸漬 して

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実験 で

Ti

は他 の金属 よ りリン酸 カル シウムが析 出 しやす い こ とが確 か め られ てい る. しか し

,Ti

インプラン ト骨髄中に塩入 した

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実験 ではチ タン上への リン酸 カルシウムの初期 析出は確認 されていない. この ことは Caを介 した結合 の可能性 は低 い ことを示唆 している.(釦 こ関 し て,無定型構造物層 に含 まれる構成成分 を明 らかす るために,免疫電子顕微鏡 を用 いて骨性 タンパ ク質 であるオステオカルシン (Oc) とオステオポ ンチ ン (Op)の同定を試みた結果, これ らの タンパ ク質 の存在が確認 された. このことは,チ タン表面での生体反応 にはタンパ ク質の吸着が深 く関わっている ことを示唆 している.すなわち,チ タン表面には酸化物 のみはな く水酸化物が存在 し,特 に正 に帯電 し ているター ミナル水酸基 (-OH十)は,負 に帯電 している骨性 タンパ ク質 と Ca2十を介 さず とも直接結合 で きる. この吸着 した骨性 タンパ ク質は もう一方では骨芽細胞のインテグ リンと結合 して,チ タンと骨 芽細胞 を結合 させている.チ タンに接 した骨芽細胞 はさらに骨性 タンパ ク質 を分泌 し,チ タンと骨 の界 面にこれ らの タンパ ク質 を含んだ無定型構造物 を形成す ることになる. 以上がチ タンのosseointegrationの本態 と考 えるが, これはosseointegrationが達成 された界面 を 現象論的に捉 えた結果であるに過 ぎない.osseointegration獲得のメカニズム,そ してそれ を決 め るイ ンプラン ト材 の表面因子 は何かが解明 されていない.す なわち,創傷治癒か ら始 まる血液 を介 した初発 のイベ ン トか ら,osseointegrationを決定する因子 とそれに関わる材料表面の影響が解 明 されなければ ならない. 日 時 :2010年11月 1日(用 17時30分∼18時30分 場 所 :実習館2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第225回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル :歯科か ら行 う子 どもの食育支援 演 者 :井上 美津子 (昭和大学歯学部小児成育歯科学教室 ・教授) 講演要 旨 : 平成17年 に食育基本法が制定 され,翌年か ら 5年 間で実施 されてきた食育推進基本計画 も今年で最終

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松本歯学

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年 を迎え,次の計画が練 られていることと思います.「食育基本法」ができた当初は 「食の安全」や 「地 産地消 (食料 自給率の向上)」に主体が置かれていたため,食青 と歯科 との関わ りは少ないと考えられ ていました. しか し,食青が推進 される中で

,

「食べ方」や 「歯 ・口の健康」 との問題が認識 されて き て,歯科領域で も食青に対する関心が徐々に高まってきました. このような流れの中で,平成

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年には 歯科関連 4団体か ら 「食育推進宣言」が出され,歯科か らの食育推進の大 きな柱 として 「食べ方」の支 援が位置づけられました.また平成

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年には厚生労働省に 「歯科保健 と食青の在 り方に関する検討会

が設けられ,最近の食青の流れの中での新たな歯科保健対策などが議論 され,"噛 ミング

3

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"

運動や各 ライフステージにおける食育推進の在 り方などを提言 した報告書 を纏めました.この報告書の中で,小 児期は歯 ・口腔領域の成長 とともに食べ方 (食べる機能)が発達する時期であることか ら 「食べ方を育 てるステージ」 として位置づけられ,母子保健活動や学校保健活動などを主体に食青を推進することが 望 まれています. 乳幼児期は,吸吸か ら阻噂への移行 をは じめとして 「口か ら食べる (噛んで飲み込む

)

」ことを覚 え る大切な時期です.乳歯の生 え方に応 じて前歯でかみ切 り奥歯です りつぶす という 「歯を使った岨噴」 が獲得 されるため,乳歯の生 え方や口の動 きに合わせて離乳食や幼児食を進めてい くことが重要です. また家族で一緒にたべなが らおい しさを共感 しあい,食べる意欲を育てることも,よく噛む習慣をつけ るうえで大切です.学童期には,第一大臼歯の萌出や永久歯への交換 によって岨噴力や岨噛効率が増す ため,噛みごたえのある食事 をしっか り噛んで味わって食べ る習慣 をつけることが重要です.さらに, 思春期にかけては,よく噛んで適量で満足で きる食習慣 を身につけることが,過食や肥満の防止 とな り,成人期の生活習慣病の予防にもつながることを普及啓発する必要があ ります.子 どもたちがよりよ い食べ方を身につけるためのサポー トを歯科か ら行 ってい くことは,歯 ・口の健康ばか りでな く,ここ ろと身体の健康 を図ることにもつながると思います. 日 時 :

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分 場 所 :実習館2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第

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回松本歯科大学大学院セミナー タイ トル :インプラント治療の進歩 と再生医療 との関わ り 演 者 :春 日井 昇平 (東京医科歯科大学インプラン ト・口腔再生医学分野 ・教授 歯学部附局 病院インプラント外来) 講演要旨 :

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によって骨 と結合するチタン製のスクリュータイプのイ ンプラン トの臨床試験 がおこなわれて40年以上が経過 した.インプラント治療は確実な治療法 となってお り,他の補綴法に比 較 して義歯 をしっか りと固定できることと,残存歯に負担を与えないことの2点において優れている. インプラン ト治療に関連する機器や治療技術の近年の進歩は著 しく,極めて高度な機能的かつ審美的な 治療が可能になっている.一方,失ったあるいは機能が低下 した組織 を再生する再生医療が注 目されて いる.現時点において,インプラント治療 を含めて材料 を用いて失った組織を補填 し機能を回復する治 療が歯科の主な治療法であるが,近未来においては再生医療の歯科治療に占める割合の増加が予測 され る.本講演においては,歯科インプラン ト治療の最近の進歩の一部を紹介 し,今後インプラント治療は どのように再生医療 と関わってい くかについての私の予想を述べたい. 日 時 :

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松本歯学 37(2)・(3) 2011 第227回松本歯科大学大学院セミナー 183 タイ トル :頭頚部領域における超音波診断の最前線 演 者 :林 孝文 (新潟大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面再建学講座 ・教授) 講演要 旨 : 頭頚部領域 において,特に歯科診療 に関係 して超音波診断が利用 されて きた解剖構造 としては,大唾 液腺,頚部 リンパ節,阻噴筋,舌 ・頬粘膜などがあ り, さらに顎関節,血管,顎口腔領域の周囲間隙な どが挙げ られる. これまで演者は,頚部 リンパ節転移診断をは じめ として,舌粘膜や顎関節 内障の評 価,上頚神経節や顎動脈 などへの応用 について報告 して きた.特 に最近では,歯科での普及 を念頭に, 携帯型超音波診断装置の リンパ節転移診断精度に関する検討や,根尖病変の診断への応用 を展開 して き ている. 本講演では,以下の事項 を中心 に頭頚部領域 における超音波診断の最前線の状況 を述べるとともに, 歯科における今後の展望について聴衆の方々とディスカッシ ョンしたい と考 えている. 1)短径10mm未満の転移 リンパ節の検出手法 2)口腔内走査による舌癌の探達度評価 3)顎関節 ・根尖病変への応用 超音波診断の特徴のひとつに,撮影 と同時に画像 を解釈 し診断を行 うとい う特性があるが,これには 経験 とスキルが要求 され,それが大 きな壁 となっている.歯科で普及す るためには,さらなる装置の小 型化 ・低廉化 とともに,撮影の簡便 さを含めた画像解釈の容易 さが必須 となると思 われる.道 に言 え ば,歯科臨床に適合 した超音波診断装置の大変革があれば,将来的に潜在需要 を掘 り起 こす ことも不可 能ではない と考 えられる. 日 時 :2010年12月 3日(封 18時00分∼19時00分 場 所 :実習館 2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第228回松本歯科大学大学院セミナー タイ トル :顎矯正治療成績向上のための戦略 :口腔外科 と矯正歯科の共通認識のために 演 者 :浮木 佳弘 (総合病院中津川市民病院診療部長兼歯科 口腔外科部長) 講演要旨 : 医学 ・歯学の臨床研究には,新 しい治療方法の開発や新材料の開発ばか りでな く,これまでの治療法 の再評価や改良なども含 まれてい ます.EBMが 目指す ものは

,

「根拠 のある医療」 とい う意味に加 え て,臨床家が 目の前の患者 さんを治療するにあたって,いかにベス トな結果 に近づけるか とい うことで しょう.この考 えを顎矯正治療 に当てはめてみると

,

「どのように診断 し

「どの ように治療 し

「どの ような結果 となったか」 を客観的に評価 してい く姿勢が大切 と考えます. もちろん,口腔外科医や矯正 歯科医の 「うまさ」とか 「数多 くこなした」ということも重要なことではあ りますが,診断 ・治療計画 ・ 結果評価 を

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してい くことが重要です. 今回の講演では,顎矯正治療のうち上下顎同時移動 を必要 とする症例へのアプローチを中心 に以下の 諸点をお話 しさせていただきます. (1) 矯正歯科 と口腔外科の共通認識の必要性 (2) 手術 を前提 とした分析 とペーパーサージェリーの考え方 (3) 手術 に反映するモデルサージェリーのや り方 (4) 実際の手術はどのようになされるか (手術 ビデオ) (5) オ トガイ形成や上顎分割など補助手法のや り方

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184 松本歯学 37(2)・(3) 2011 特 に顎関節症状 の治療 を行 う中で明 らか となる開岐症や顔面非対称症 な どについては, より慎重なア プローチが必要 とな ります.口腔外科医 と矯正歯科医が共通の認識 を持つ ことで, より高い治療 ゴール への到達で きることを目指 したい と思います. 日 時 :2010年12月 7日㈹ 17時30分∼19時00分 場 所 :実習館 2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第229回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル :新規分子の発見 と機能解明への密閉 演 者 :平 田 雅人 (九州大学大学院歯学研究院口腔常態制御学講座口腔細胞工学 ・教授) 講演要 旨 : 細胞内カルシウムの働 きやその濃度調節機構 の研究か ら新規分子

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を兄いだ した.本分子の細胞 内での,あるいは個体の構成分子 としての機能解 明を目指 して多方面か ら検討 している. 相互作用す る既知分子 を探索 して,その機能 を推定 した り,あるいは当該遺伝子 を欠損するマウスを 作製 して,その表現型か ら機能 を推定 した.それ らの推定が正 しいのか を検証するために,培養細胞 を 用いて種 々の再構成実験 を重ねている. この ように 「分子 ・細胞 ・個体」 と構成階層 を行 った り,戻 っ た りしなが ら努力 している.途半ばではあるが,現時点での到達点 を概説 したい. 日 時 :2011年 2月4日(封 18時30分∼20時00分 場 所 :実習館

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階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第230回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル

:TNF

受容体構造 よ り設計 された

W 9

ペプチ ドの作用-骨吸収抑制か ら骨形成促進へ一 演 者 :青木 和広 (東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科硬組織薬理学 ・准教授) 講演要 旨 :

TNF

受容体

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型細胞外 ドメイン上の リガ ン ド結合部位 か ら設計 された

W 9

ペプチ ドは

,TNFα

作用 に括抗す るだけでな く,RANKLに結合 し,破骨細胞 の分化や機能 を抑制す る. この

W 9

ペ プチ ドの 骨吸収抑制作用 は,様 々な骨吸収動物実験モデルを用いて検証 されて きた.関節炎モデルにおいては, 抗炎症作用 と骨吸収抑制作用 を併せ持つ ことも明 らか となった.最近

,W 9

ペプチ ドの骨形成促進作用 が明 らか となった. この作用 メカニズムは不明だが

,TNFα

欠損マ ウス を用 いた異所性骨石灰化 モデ ルの結果か ら

TNFα

の抑制作用では説明で きない ことが分かって きた.今後 の研究の方向性 に関 して 先生方の貴重 なご意見 を承 りたい. 日 時 :2011年 2月7日(月) 17時00分∼18時30分 場 所 :実習館

2

階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム

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絵本歯学 37(2)・(3) 2011 第231回松本歯科大学大学院セ ミナー 185 タイ トル :骨 における細胞 間シグナル伝達 演 者 :高柳 広 (東京 医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学 ・教授) 講演要 旨 : 骨 には,骨形成 を行 う骨芽細胞,骨吸収を行 う破骨細胞,そ して骨細胞が存在す る.破骨細胞 による 骨吸収 と骨芽細胞 による骨形成 はカップ リング機構 により均衡が とられ,骨細胞 はメカニカルス トレス を感知 して吸収 と形成 を制御す ると考 え られるが, これ ら骨の細胞の間のシグナル伝達 を担 う分子 はほ んのわずか しか明 らかになっていない.われわれは,細胞 間コ ミュニケーシ ョンに関わる分子群か ら特 に注 目すべ き因子 を選 び,その ノックアウ トマウスの解析 を行 うことで,破骨細胞が産生す る骨形成抑 制因子 を同定 した.骨吸収 を活発 に行 う間,骨形成 を抑制することで リモデ リングにおける吸収 フェー ズを推進す る因子であることが示唆 された. また,骨細胞 はSclerostinに よって骨形成 を抑 制す るこ とが知 られるが,破骨細胞 による骨吸収 を制御するメカニズムは不明であった.骨細胞 を高純度で分離 す る方法お よび骨細胞特異的コンデ イシ ョナルノックアウ トマ ウスを確立す ることで明 らか になった分 子機構 を紹介す る. 日 時 :20

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2月25日睡) 15時00分∼17時00分 場 所 :実習館 2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 第232回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル :歯科用貴金属材料の開発 と添加元素の役割 演 者 :安楽 照男 (山本貴金属地金株式会社 常務取締役) 講演要 旨 : 貴金属材料は,口腔 内に装着 されて も腐食 されに くく化学的 に安定であ り, また為害性が ないため生 体 に損傷 を与えない,繰 り返 される岐合力に耐 える大 きな強度 をもち,加工性 に も優 れていることか ら 歯科分野で多用 されて きた. また,セラミックスや レジン材料 に比べ 強靭性 であることか ら,各種 の修 復用 に用い られている. 貴金属材料の開発 は,種類や用途 に応 じて基礎研究 をもとに規格や薬事法 に対応 して行われ ることが 多 く,国内や海外 を含 めて数多 くが実用化 されている.規格で規定 され る主要 な構成元素 (Au,Pt, Pd,Ag)と添加元素 (Cu,In,Sn,Znなど)か ら,多数の組み合わせ の合金が想定 されるが,添加 元素の種類や添加量 によっては特性 も異 なって くる.単 に同 じ種類で もわずかに組成の異 なる合金が存 在 するのは何故だろうか ?また,同 じ元素であれば, どの種類 の合金に添加 して も効果は同 じであろう か ?と言 った疑問 も残 る.同 じ種類の合金で も強度,耐食性,熱膨張,色調,適合性 な ど用途 に応 じて 開発 された もの も多い. これまで演者 は,長年 にわたって貴金属材料の開発 に携 わって多 くの合金 を実 用化 し,それに伴 うデー タを蓄積 して きた.そ して得 られたデー タをまとめて,昨年11月に 「歯科用貴 金属合金の科学」の専 門書 として出版 した. 本講演では,国内の貴金属材料の市場や合金 を構成す る添加元素の役割 を専 門書の中か ら解説 し, 自 ら実践 した開発の経緯や実例 を挙げて紹介する. また,貴金属材料 は今後歯科 に どの ように関わるか予 想 を述べたい. 日 時 :2011年4

19日休)17時00分∼18時30分 場 所 :実習館 2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム

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186 松本歯学 37(2)・(3) 2011 第233回松本歯科大学大学院 セ ミナー

タイ トル :ポ ドソー ム形成 と細 胞 融合 にお けるア ダプ ター分子Tks5の機能解析 (Tks5-depe nd-entformationofcircumferentialpodosomesmediatescell-cellfusion)

演 者 :及川 司 (慶癒義塾大学 医学 部総合 医科学研究 セ ンター講 師) 講演要 旨 :

Multinucleationofosteoclastsduringosteoclastogenesisrequiresdynamicrearrangementofthe plasmamembraneandcytoskeleton,requiringnumerouspreviouslycharacterizedfactors.However

,

themechanism underlyingosteoclastfusionremainsobscure.Here,weshowthattheadaptorpro -teinTks5functionsaspartofthefusionmachinerydownstream ofPIS-kinaseandSrcinosteo

-clasts.Tks5expressionwasinducedduringosteoclastogenes

I

S,andreducingitsexpressionimpaired bothformationofcircumferentialpodosomesandosteoclastfusionwithoutalteringdifferentiation.

T

yrosinephosphorylationofTks5wasreducedinSrcIJ-osteoclasts,likelyaccountingfordefectsin

podosomeorganizationandmultinucleationseeninthesecells.Circumferentialpodosomeformation inB16melanomacellsinthepresenceofRANK

L

,TGFβandTNF(ユalsorequiredTks5phosphoryl a-tion.Co-cultureorB16melanomacellswithosteoclastsinaninnammatorymilieupromotedi n-creasedfbm ationormelanoma-osteoclasthybridcells.Ourresultsrevealedapreviouslyunappreci

-atedregulationofTks5inbothcircumferentialpodosomeform ationandcell-cellfusion. 日 時 :2011年 6月3日幽 17時30分∼19時00分

場 所 :実習館2階 総合歯科 医学研 究所 セ ミナールー ム

第234回松本歯科大学大学院 セ ミナー

タイ トル :Evolution ormetastasis-promotingmammaⅣ Stromalmyofibroblastsin human breastcarcinomas

演 者 :折茂 彰 (Stromal-TumourlnteractionGroup,PatersonInstitutefわrCancerRe -search,TheUniversityofManchester:GroupLeader)

講演要 旨 :

Metastasisassociatesasmuchas90%ofcancer-relatedmotility.Themetastaticcascadeisco m-posedofseriesorprocessesthatindudelocalinvasionintosu汀Oundingtissue,enteringmicrovascu

-1ature(intravasation),survivalandexitfrom thebloodstream (extravasation),andsurvivaland

growth toform macroscopictumourindistanceorgans(colonisation).However,theirunderlyingmol lecularmechanismsremainunclear.Ithaslongbeenconceivedthatepiノgeneticalterationsacc umu-latedinmalignantcarcinomacellsarelargelyresponsibleforabilityofcarcinomacellstometast a-siseintodistantorgans.Recentemerglngevidence,however,Supportsthenotionthatsuchanabil -ityofcarcinomacellstometastasisealsodependsonnon-cellautonomouseffectofnearbystromal cells.Carcinoma-associatedfibroblasts(CAFs),richinmyofibroblasts,areapredominantcelltype presentwithinthetumou.r-associatedstroma.Theexistenceorthesecellsinlargenumbersisasso

-ciatedwithahigh ergrademalignancyandworseprogressioninpatients.CAFsextractedfrom var i-ousdifferenthumancarcinomasacquiretumour-promotingproperty,however,theirroleontumour metastasisremainsobscure.HereweshowthatCAFspromotetumourmetastasisexemplifiedby theincreasedcolonisationordisseminatedhumanbreastcarcinomacellsintothedistanceorganand discussaboutthemolecularmechanismunderlyingtheCAP-inducedtumourmetastasis.

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校本歯学 37(2)・(3) 2011 日 時 :2011年5月19日㈹ 17時00分∼18時00分 場 所 :実習館2階 総合歯科医学研究所セ ミナールーム 187 第235回松本歯科大学大学院 セ ミナー タイ トル :遠 くを見据 えたイ ンプラ ント療法 演 者 :小宮 山 禰太郎 (ブローネマルク ・オ ッセオイ ンテグレイシ ョン ・セ ンター所長) 講演要旨 : 以前 はいわゆる山師がする仕事,胡散臭い もの としていわゆる歯科界のオピニオ ン ・リーダーの先生 方か ら疎んぜ られていたインプラン ト療法 も,歯科治療のひ とつの選択肢 として避 けて通 ることがで き ない時代 になった.その背景 には,従来のインプラン ト法 と大 きく異 な り,医学的に立証 されたオ ッセ オイ ンテグ レイシ ョンに基づ く治療法の存在がある.1965年9月,ス ウェーデ ンの医師Branemark教 授 によ り初めて ヒ トに臨床応用 されてか ら,ち ょうど46年近 くが経過 しようとしている.その後,あた か も雨後の苛の ように幾多のイ ンプラン ト方法が市場 に溢れているが,残念 なことに,科学的な眼で見 るな らば好 ましくない もの も多 く認め られる.適切 に加療 されるな らば,長年月にわた り従前の治療 よ りもはるかに高い予知性 を備 えた結果 を患者に提供す ることがで きる治療法であるにもかかわ らず,イ ンプラン ト療法 は,義歯やブ リッジな どの一般 的な欠損補綴 と変 わ りのない修復法 と捉 える歯科医師 も 多いためか,それに関連 した トラブルが増 えつつある. オ ッセオインテグレイシ ョンは生体 の組織 とはかけ離れた純チ タンと成熟 した骨組織 とが,生体組織 の異物排除機転 のひ とつである肉芽組織 による被包化 を示 さず に,直接,接 す る状態 を呈す る こ とか ら,歯根膜の存在 を前提 とした従前一般的な歯科治療の延長線上 にある もの と考 えるな らば失敗 して も おか しくはない. いかにイ ンプラン トの種類が増 えようとも,生体の仕組みはひとつであ り,決 して手 を抜 ける方法 は ないことを忘れてはな らない.安易 に業者あるいはそれに寄 り添 う講師の口車 に乗 ることは避 けたい. 患者 に対 して最後に責任 を取 らなければな らないのは誰か ? 日 時 :2011年6月10日(封 17時30分∼19時00分 場 所 :講義館202教室 第236回松本歯科大学大学院セ ミナー タイ トル :イ ンプラン トに必要 な基礎知識一口腔外科的な立場か ら一 演 者 :北村 豊 (信州口腔外科イ ンプラン トセ ンター所長) 講演要 旨 : デ ンタルインプラン トは,過去には夢の治療法 として世の歯科医,患者 さんを含 めて受け入 れ られて いたが,当時はこの新 しい治療 の知名度 も低かったこともあ り,本法は多 くの患者 さんの阻噂機能改善 等に貢献 したわけではなかった. しか し,現在 は世界中の多 くの国で一般化 しつつある.それによ り多 くの人々が プラスの恩恵 を受け ている事実がある. しか し他方では,インプラン トをめ ぐる様 々な トラブルがあ り,歯科医師,患者 さ んの両者 に とっで悩みの種 となっている. インプラン トの科学が近年 にな り大 きく発展 し,EBMに基づいたイ ンプラン トの施術等 も可能 な時 代 に入 ったが,時代は移 って もデ ンタルイ ンプラン トを種 (たね) とす るな らその 「種」 を播 くのはい つの時代 も歯科医であることには変化 はない.

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188 松本歯学 37(2)・(3) 2011 「種」そのものは,過去 とは大 きく変化 し,発芽率の高い優良なハイブリッドタイプの品種が歯科医 の人間性や,技術にかかわ りな く容易に入手可能な時代になって しまったことにも大 きな問題を包含 し ていると思われる. 作物の 「種」 も植え付ける土壌の探土,性質,覆土の厚み,メインテナンスなどによって成長度,病 気の発生率,収量にも大 きな差がでて くる. インプラン トが今後多 くの国民に受け入れられ,それにより恩恵を受ける人々が多 くなるためにはハ イリスクハイリターンを避け,その時代に見合 ったスタンダー ドな医療を提供 してい くことが必要であ る.そのためには,卒後に業者主導の研修会で知識を得る以前に,学生時代の刷 り込みがなされていな い白紙の状態の時にスタンダー ドな知識を習得することが大変重要で意義があることと考える. 今回は,主 として口腔外科 にターゲットを絞ってインプラン トを実施するにあたって是非知っておい て頂 きたい基礎的な知識を中心 に講演する予定である. 日 時 :2011年6月24日(封 18時00分∼19時30分 場 所 :創立30周年記念棟大会議室 「常念岳」 第237回松本歯科大学大学院セミナー タイ トル :歯科 Ⅹ線画像処理による多臓器疾患 自動スクリーニ ング 演 者 :浅野 晃 (広島大学大学院工学研究院 ・教授) 講演要旨 : 【歯科パノラマ Ⅹ線画像 と多臓器疾患スクリーニング】 歯科パノラマ Ⅹ線画像 には,歯だけでな く顎骨などのようす も写っているが,未だ多 くの情報が診 断にも用い られてはいない.そこで,講演者 は松本歯科大 ・田口明教授 と協力 して,歯科パ ノラマX 線画像に同時に写っている顎骨 に注 目し,顎骨周縁の皮質骨 を画像処理技術で自動分析することによ り,骨租髭症スクリーニングを行 う研究をすすめて きたl・3・4).高齢者は歯科診療 を受ける機会が多いの で, 自覚症状のない骨租糧症を歯科診療の機会に早期に発見できれば,骨折を未然に防ぎ,寝たきりの 防止,ひいては国民医療費の抑制につなげることができるか らである. さらに,講演者は関西大 システム理工学部 ・株安英治教授の協力 も得て,歯科パ ノラマ Ⅹ線画像 に やは り同時に写っている総頚動脈分岐部の石灰化を,画像処理技術によって自動的に検出し,動脈硬化 を早期にスクリーニングする研究 も進めている2).動脈硬化 も,骨租馨症 と同様に自覚症状がな く,医 科への受診の機会は少ない. しか し,動脈硬化によってひきおこされる血管障害は日本人の死因の第

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位である.そこで,総頚動脈分岐部石灰化 も歯科パノラマ Ⅹ線画像 を利用 して歯科診療の際に自動診 断で きれば,骨粗餐症の場合 と同様にその効果は大 きい. 本講演では,歯科パノラマ Ⅹ線画像 と画像処理技術 を用いたこれ らの自動スクリーニング手法につ いて,これまでの成果を概説する. 【顎骨皮質骨像の分析 による骨租糧症スクリーニング】 顎骨皮質骨の厚みの減少は,骨租糧症の進行 と強い関連をもち,また数値で表せて取 り扱いやすいの で,重要な指標 となっている.そこで,われわれの研究では,皮質骨厚みの測定をコンピュータで自動 的に行 うことで,歯科医が負担を感 じることなく骨租糧症のスクリーニングを行 うことのできるシステ ムの開発 を目指 している. これまでの研究では,下顎皮質骨のうちある

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カ所 (通常 オ トガイ孔の下部)の厚みを測定 してい た.最新の研究では,下顎のある範囲の皮質骨厚みを連続 して測定する手法を採用 している.この方法 では,マセマテイカル ・モルフォロジにもとづ く画像処理 と動的計画法により皮質骨の上下の境界線を 推定 し, さらに多項式近似をもちいて両境界線間の各位置で測定線を求めている.

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松本歯学 37(2ト(3) 2011 189 連続測定 によってある範 囲の厚 み全体 を取得す ることによ り,画像のノイズ な どによって測定エ ラー を生 じて も統計 的手法 に よってそれを補正す ることがで きるので, よ りロバス トな測定が可能である. 本研究では, ヒス トグラムをクラス タリングす る手法 によって,測定エ ラー を除いた厚 みの推定値 を求 めてい る. 【頚動脈石灰化 の分析 に よる動脈硬化 ス クリーニ ング】 近年,総頚動脈分岐部の石灰化 の有無 と動脈硬化 の進行 には関係があることがわか って きている.そ こで,画像処理技術 のひ とつであるフ ァジー濃度強調処理 を用 いて石灰化領域 を抽 出す る. ここでは, 石灰化部位が周 囲 よ り相対 的に輝度が高い とい う性 質 に注 目し,輝度領域 のクラス タリング と近傍領域 の探査 を組み合 わせ るこ とによ り,少 数のパ ラメー タのみ を調整す ることで,画像 の広 い範 囲に対 して 石灰化部位が検 出可能である. 【参考文献

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) M.S.Kavitha,李 亮,FebriliyanSamopa,浅野 晃,田口 明 (2010)骨租軽症診断のための歯科パ ノラマ Ⅹ線画像における皮質骨厚みの連続測定.電子情報通信学会技術報告 (医用画像研究会),IEI CE-MI2010-53 (IEICE-110,IEICE-Mト195):21-6.

2) 泉 佳範,新庄勝之,株安実治,浅野 晃,田口 明 (2010)動脈硬化スクリーニ ングのための歯科パノ ラマX線写真における石灰化領域 自動検出一輝皮勾配に注 目した自動領域検出-.電子情報通信学会技術報 告 (医用画像研究会),IEICE-MI2010-58(IEICE-110,IEICE-M1-195):43-8.

3) 田口 明,中元 崇,浅野 晃 (2007)パノラマ Ⅹ線画像を用いた骨租糧症診断支援装置.特許第3964795

号.

4) A.As ano,A.Taguchi,T.Naknmoto,AgusZainalArifinandK.Tanimoto(2011)"OsteoporosisDiagnosis SupportDevice,"USPatent7,916,921B2.

日 時 :20

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7月13日的 18時00分∼19時00分

参照

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