教育イノベーションとコレクティブ・インパクト
JAIST 東京サテライト
2016 年 10 月 7 日(金) 18 : 00-20 : 30
創造思考とデザイン思考の統合と
その社会イノベーションへの適用
國藤 進
JAIST 名誉教授・客員教授
日本創造学会評議員長
國藤の略歴と講義
• 富士通国際研 18 年間
11 年間は五世代プロジェクト担当
• JAIST 25 年間奉職
6 年間 情報科学研究科教授、情報科学センター長
17 年間 知識科学研究科教授、知識科学センター長
知識科学研究科長、副学長、特任教授
2 年間 名誉教授 ( 客員教授 )
• 知識創造論、イノベーションデザイン方法論
(ミニ移動大学改め)地域創生論を主担当
• 上記講義の本質はアクティブ・ラーニングにあり
アクティブ・ラーニング
• 教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒
になって切磋琢磨し、学生が主体的に問
題を発見し解を見出していく能動的学修
( 中教審答申)
• 発見学習、問題解決学習、体験学習、調
査学習が含まれるが、グループ・ディス
カッション、ディベート、グループワー
クも有効(菱村幸彦)
コレクティブ・インパクト
田中弥生
• 「ゆりかごから就職まで」をキャッチフレーズに包
括的教育課題に取り組む
• 多様なメンバーによる緩やかなネットワーク
• ビジョンを共有する
• そのビジョンを実現するために行動指針を共有する
• それに基づき実行プランを作成
• 可視化されたデータに基づく進捗管理とコミュニケ
ーション
• 効果のスケールアップ
フィンランド起業家育成教育
• 保育園より大学院まで起業家教育あり
• 内的起業家精神と外的起業家精神の教育
• チャレンジ精神
• リスクを負う勇気とリスクに対する警戒心
• 新しいものを生み出す創造性
• 情報を収集し分析するリサーチ力
• 発想力
• アイデアを形にする企画力
• チームワーク力
• 投資家に対するプレゼンテーション能力
• コミュニケーション力
• 判断力
• 実行力
• マネジメント力
人生を変えた大学教育
• 総合講義:宮城音弥、穐山貞登、坂元 昂
自由課題選択、プレゼン、ディベート
• 移動大学:川喜田二郎とその仲間達
2 週間テント生活でフィールドワーク
課題発見、グループワーク、発想法
• 創造工学演習:森 政弘
超難問解決、モノづくり、“玉虫”
tamamushi.mpg
移動大学:日本列島を教科書
に
• 1969黒姫移動大学 参加 B ユニットに参加
• 1970伊良湖移動大学 RG として参画
• 1970川喜田・牧島編著「問題解決学 KJ 法
ワークブック」執筆協力 23 版& KJ 法研修トレ
ーナー 修士卒時に 200 万円の貯金残
• 1998鳥海山移動大学 オブザーバとして参
加
• 1999月山まで全 25 回開催
• 2000以降移動大学は休眠状態
パースの問題解決・推論図式
パースの問題解決・推論図式
• アブダクション・演繹・帰納で創造的問題解決プロ
セスのワンサイクル成立
• アブダクションの本質は仮説(知識、概念)の創造
• 演繹の本質は論理的に正しい(説明可能な)推論
• 帰納の本質は仮説の検証 , 統計学につながる
• 検証の方法は学問分野ごとに異なる
• 「アブダクション・演繹・帰納」は知識スパイラル
を構成し , 常にスパイラルアップしなければいけない
2015/4/27 2015 年度知識科学概論 9
アブダクションと仮説推論
アブダクションと仮説推論
発見科学と発明科学
発見科学と発明科学
2014/5/8 2014 年度知識科学概論 11
ある驚くべき「観測事実」や「実験事実」から出発するのが
ある驚くべき人工物(SW含む)の「仕様」を実現するには 発見科学
どのように既存のパーツを組み立てていくかが発明科学
前者は科学的(解析的)アプローチであり、発見科学に連な
後者は工学的(設計的)アプローチであり、発明科学に連な る。
る。
ある驚くべき事実を説明するファクトやルールを発見するこ
とが発見。
ある驚く仕様を実現する人工物を創発することが発明。仕様
の検証プロセスの知から、制約を満足する組み合わせを発明
驚き
検証
慶應大学前野教授いわく
(日本創造学会研究大会 2014 )
• Stanford U d -school の先生に「日本で
はデザイン思考が今ブームですよ」
• 何をバカなこと、言っているの . 君たち
日本人はデザイン思考を学ぶ必要はな
いよ .
• デザイン思考は我々が日本人から学ん
だグループ思考の方式なんだよ!
デザイン思考は日本から学ん
だ
• 「日本人の君たちがわざわざ明示的に( explicit に)”デザイン・シンキング”を教育する必要はあ るのだろうか?
• 私は以前マツダのデザイナーやエンジニア達が、頭を寄せ合って、実際に肩がくっつく程の至近距 離で開発中の自動車の車輌に取り付いて、議論しながらデザインや開発を行っている様子を見たこ とがある。君たちはそれ程までに個人と個人の距離が近いと言える。
• 我々米国人は”個人主義”化が進みすぎていると言えて、あえて明示的に
collaboration だとか interdisciplinarity だとか empathy だとかを打ち出し、教育する必要があるので は
ないかと考えている。(2013年2月)」
•
• Professor Barry M. Katz
• Consulting Professor
• Department of Mechanical Engineering
• Design Group
•
• IDEO fellow
(慶応大学 SDM 石橋金徳 特任助教 提供)
WCPS ⇒ IDEO→d-school
有馬.pdf
• 課題提起、現状把握、本質追及、構想
計画、具体策、手順の計画、実施、検
証、結論 (WCPS)
• 課題理解、観察、視覚化&評価とブラ
ッシュアップ、実現&検証( IDEO)
• 共感&定義、創造 ( 発散、収束、評価
)、試作、検証( SU d-school )
創造思考+デザイン思考
• 移動大学活動で創造思考の基本作法を学
んだ。
• 創造工学演習でデザイン思考の原型を学
んだ。
• 総合講義でアクティブ・ラーニングの原
始型の特訓を一年間受けた。
• 全ての道はアクティブ・ラーニングに!
1998から知識創造論
知識科学研究科スタート
• モットー: 知識創造と文理融合
• 文系、理系の両者に役立つ究極のリベラルアー
ツ教育は何か
• 問題解決のみならず問題発見も教える
• W 型問題解決方法論を教えること
• 知識創造論の講義が始まる
• フィールドワーク・現場観察の重要性
• 現在, KJ 法・ W 型問題解決学普及の世界展開
知識創造論の講義
• 知識科学研究科創設 1998 に開始
• 文系・理系の双方に役立つリベラルアーツ
• 創造的問題解決学の知識とスキルを体得
• W 型問題解決学の方法論を学修
• “ グループ+個人” BS , BW , KJ 法の特
訓
• 全員参画で BS ,プレゼン KJ 法 A 型,デイ
ベート,レポート KJ 法 B 型
W 型問題解決学
• R1 :問題提起ラウンド
• R2: 現状把握ラウンド
• R3 :本質追求ラウンド
• R3.5: ネガポジ反転本質追及ラウンド
• R4: 構想計画ラウンド
• R5: 具体策ラウンド
• R6: 手順の計画ラウンド
W 型問題解決学による
教育研究法
• 個々人のライフワーク発見のための
R1,R2,R3
• 徹底的なサーベイで独創的な研究テーマ
と検証すべき仮説を発見させる
• ミニ移動大学(実績多数あり)では教員
の役割はあくまでファシリテーター
• 仮説発見型研究のみならず構成型研究に
も適用可能なことを理論化
文部科学省
知的クラスター創成事業
• グループホームの介護支援システム
• アウェアネスに注目,センサー利用
• ヘルパーの負担軽減課題の抽出 R1 ,ステ
ークホルダー全員のあいまいな要求の獲得
R2 ,その後専門家の知見を入れての仕様
獲得 R3
• 忘れ物発見システム nhk_sample.mpg
• RFID 内臓スリッパ・システム(商品化)
デザイン思考実施例
・2004年、21世紀カーのデザイン
某シンクタンク依頼、教員・院生 5 人
組担当
BS + KJ 法+アイデアスケッチ
Design of
the 21th cars.ppt
ミニ移動大学 9 年間トライ
• 町内会 コミュ二ティ活性化
• 町内会 NPO えんがわ
• 院生 コミュ二ティ活性化
• 院生 起業ハタブネコンサルティング
• JAIST グッズ 第一弾 純米吟醸「先端」
• JAIST グッズ 第二弾 創作カステラ
• 10 年目は自宅のある鶴来17町会のお宝発見
ツアー
地域創生成功の秘訣
• 事前に行政トップ、地域振興室にコンタクト
• 困っている町内会に挨拶、教員+学生
• 3 泊 4 日のフィールドワーク、地域活性化ア
イデアの提示、課題の重要度やロードマップ
の作製は住民判断
• 事後に作品、報告書を町内会にフィードバッ
クし、フォローアップに付き合う
• 場合によっては複数回開催する
イノベーションデザイン論
• 大学院に相応しいリベラルアーツとして、ど
のような領域にも適用できる創造的問題解決
の方法論を教える。
• 課題発見力、アイデア生成力、デザイン力、
プロトタイピング力、チームワーク力、プレ
ゼンテーション力、質疑応答力を養う。
• 正解が分らず複数の解がありえる問題を知的
に解決する能力を学ぶ。
イノベーションデザイン方法
論
• アイデア創出のみならずプロトタイプ作成
の喜びを体験させたい
• 手法としては“アイスブレーキングと共感
によるチーム作り+チーム SS +アイデア・
スケッチ+衆目評価1+スケッチ KJ 法+衆
目評価2+プロトタイピングの繰り返し”
• イノベーションマインド醸成のための講義
とグループデザイン思考の特訓を併行
3 D プリンター試作品
• アリの行動観察キット
• JAIST-Crystal
• JAIST Paperweight
• スマート・ペン penA4.pdf 置き ( 原田 祥)
• 立体迷路
• 製氷皿 Lego
• 立体名刺
• JAI 君
• 3 D 醤油皿
W 型問題解決学教育が
社会イノベータを生み出す
• W 型問題解決学の理論モデルが仮説推論
• 仮説推論のスキーマは分析型問題のみな
らず構成型問題を説明する
• 「ゆりかごから就職まで」に必要な能力
はミニ移動大学といったフィールドの現
実問題解決の経験を通じて醸成される
• 「プレイズファーストでフロー体験」が
イノベータ養成の要点である
結語
• W型問題解決学を基本とし、コレクティブ・インパクトを高めるための知識創造論,イノベ ーションデザイン論や地域創生論(ミニ移動大学)の講義& WS を行っている.
• 知識創造論で創造思考、イノベーションデザイン論でデザイン思考とプロトタイピング、ミ ニ移動大学でフィールド指向の科学技術を教えている.
• ワークショップおよび講義の実施場所は以下のとうり:
JAIST講義& WS, 小松製練新商品開発,小松高校 SSH 課題発見授業,宮城学院女子大 学,釧路公立大学,名工大,情報コミュニケーション学会 ,SIIT, 九州工大 (2014 年度 ) JAIST講義& WS ,名工大講義& WS ,情報教育セミナー , 山梨英和大学,認知科学会
大会 , 北星学園大学,創造学会研究大会 ,KICSS2015, 慶応大学 SFC ,千葉工大 , 滋賀大学 , 青 森社会教育センター ,Ogis 総研 , 久留米大学 , 九州工大 , 中央大学 , 東海大学( 2015 年度) JAIST講義& WS ,人間中心設計機構関西支部,日本創造学会西日本支部研究発表会,
名工大講義& WS ,長岡技術科学大学 WS ,新潟国際情報大学講義& WS, 多重知能理論の展 開と深化 , 金沢大学,広島市立大学講義 &WS ,小松高校ふるさとに学ぶクリエーティブ人 材育成授業 , イノベーションデザイン・セミナー,金沢工業大学オープンセミナー,日本 創造学会研究大会,慶応大学 SFC ,研究イノベーション学会,奈良女子大学講義&
WS( 2016 年度)