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行 政 視 察 等 報 告 書
平成29年9月19日
長野市議会議長 小 林 義 直 様
報告者氏名(代表)
経済文教委員会委員長 布 目 裕喜雄 ○印
この度、行政視察をしましたので、その概要について下記のとおり報告いたします。
記
1 視察区分 経済文教委員会行政視察
2 視察者氏名 布目裕喜雄、山本 晴信、田中 清隆、生出 光、高野 正晴、 望月 義寿、北澤 哲也、佐藤久美子
3 随 行 者 書記 五明 順也
4 視察期間 平成29年7月27日(木)
5 視察先及び視察事項
視 察 先 視察日時 視 察 事 項
岐阜県 可児市
7月27日(木) 午後1時
可児市文化創造センターを拠点とした文化創造活動に ついて
2 6 調査概要
月日
視 察 地
(市町村名等)
考 察
(所感、課題、提言等) 7/27
(木)
可児市 【 可 児 市 文 化 創 造 セ ン タ ー を 拠 点 と し た 文 化 創 造 活 動 に つ い て 】
[概要]
可児市文化創造センターにおいて、センターの管理・運営に関 する指導を得て来た。
当日は、衛紀夫館長からの説明を受けた。
衛館長には、当日公務出張より帰った直後の視察対応であった が、丁寧で意欲的な説明を受けた。
なお衛館長は、長野市芸術館の第三者評価委員会委員を務めて いる。
ま た 氏 は 、 平 成 28 年 度 芸 術 選 奨 文 部 科 学 大 臣 賞 ( 芸 術 振 興 部 門)を受賞している。
可児市文化創造センターは、平成14年に完成している。 当センターの特色は、2つの多目的ホールと様々な文化創造空 間・練習施設を持ち、建設・運営に市民参加を取り入れた総合文 化施設であり、長野市芸術館との共通点が多い。
建設費は、128億円が投入されている。
また本施設を管理・運営する公益財団法人可児市文化芸術振興 財団(指定管理者)は、平成12年に設立されている。
財団の決算状況は、指定管理受託料収入があるものの、正味財 産期末 残高は、1億 8,000 万円となって おり収益性は 高くなって いる。
これを裏付けるように、会館の稼働率は82パーセントと高い数 値を示している。
衛館長の話では、クラシックの愛好者は人口のわずか2パーセ ントに過ぎず、ホールで演奏会をやったくらいでは、すぐに市の 文化レベルは上がらないとのこと。継続客を創出するためには、 残り大半の人とどうつながるかが重要であり、会館の社会的ブラ ンド力を創出することが必要との話があった。文化芸術に係る費 用をコストではなく、投資として捉え、文化芸術から一番遠い人 たちへ、どう果実を届けるかが重要であり、社会的ブランド力を 高めることで資金調達も容易になるとのことであった。
また、市民参加の柱としてNPO法人alaクルーズを立ち上 げボランティア団体として認証を受け、市民の文化・芸術創造に 寄与するとしている。
これらの組織により運営されている当センターでの事業は、経 験価値を提供するとし社会貢献型マーケティングへ育てることに より創客経営を実現することであるとしている。
ここにおけるキーワードは、包摂的な社会、戦略的投資、社会 的責任経営等、7項目を提示し事業展開を図っている。
文化芸術の社会的役割は、全員参加の共生社会の創造であり、 これが社会包摂であるとしている。またこのことは、積極的な福 祉行政にも繋がるとしている。
可児市文化創造センターでは、2008年からアーラまち元気プロ ジェクトという名称で社会課題を解決に向かわせる社会包摂型の コミュニティ・プログラムを実施しており、26の事業を年間467 回実施している。この中に、アウトリーチも体系的に位置づけ、 新日本フィルおでかけコンサートや児童・生徒のためのコミュニ ケーション・ワークショップなど、劇場に足を運ぶことが難しい 小・中学生や高齢者、障害者にも積極的に文化芸術を届けてい
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る。また、地元企業等の寄付により、地域の子供たちへ鑑賞機会 の提供を行う、私のあしながおじさんプロジェクトも行ってい る。その他、県立東濃高校での演劇表現ワークショップや劇団文 学座による演劇、朗読ワークショップを通じ、承認欲求を満たし 幸福感につなげる社会貢献活動も行っている。
多様な 芸術を「芸術家の為の芸術」 と解するのでは なく、「芸 術は、広く市民への包摂機能を有するものである」と解すること により社会貢献型マーケティングとすることが大切であるとして いる。
芸術文化は、社会創造の為のツールであり芸術的要素にマネジ メントを導入すべきであり、指標として数値化を導入すべきであ ると強調している。
また、芸術活動(運営)を芸術家のみに任せることによる「芸 術家の芸術に特化した野心に任せることは避けるべきである」と の 言 葉 は 、 長 野 市 芸 術 館 に お い て も 参 考 と す べ き と こ ろ が 大 き い。
当センターでは、センターの役割を創造的福祉社会への新しい 社会モデルを創ることにあり、センターを「芸術の殿堂」ではな く「人間の家」としていくことが大切であるとの考えは、どこの 芸術館にも必要な視点ではないかとしている。
可児市文化創造センターでは、当センターを「人間の家」と定 義付けることにより“生きる意欲の溢れる誇れる町」とするとし ており、この為に文化芸術の「新しい価値」を提供する場にして いくとしている。
[考察]
可児市における文化創造活動に関連して、以下の項目について 視察を行った。
①可児市文化創造センターの運営理念及び運営体制について
②「alaまち元気プロジェクト」の取組及び効果について 当日対応していただいた衛館長は、公務多忙の中での対応とな った。
説明の中で印象に残った言葉は、以下の3つである。
①芸術文化は、社会創造のツールであり芸術に加えて経営(マー ケティング)感覚を持つことが大切。
②社会創造効果を測定するために数値化を行う必要がある。
③文化の創造については、アーティストの野心に任せないことが 大切。
芸術文化の創造は難しく、今まで芸術に触れたことのない多く の人に以下に体験してもらうかが大切であるとしている。
この為に社会的包摂機能を醸成していくことが大切であるとし ている。
すなわち、芸術は、地域社会の課題解決に貢献すべきものであ り、その為には経営(マーケティング)感覚を持つことが大切で あるとしている。
このことにより芸術を通して様々な社会コストの削減に貢献す る必要があるとし、加えて様々な人たちの社会的孤立を防ぐ効果 もあることを主張している。
この為に、芸術による社会貢献度を数値化することにより、客 観的に示すことが大切であるとしている。
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芸術文化を発信する「文化創造センター」は、誰もが集い、誰 もが遊べる(過ごせる)居心地のよい場所であるべきであり、心 の平安を求める場でもあるとしている。
この為に芸術文化政策の推進に当っては、アーティストの野心 に任せない仕組みが大切であり、芸術の為の芸術ではなく市民の 為の芸術であるべきであるとしている。
これらの使命を有しセンターの運営を統括する芸術監督の役割 は、芸術の質を担保しつつ経営感覚を持つべきであり、経営責任 を果たすべきであるとの言があった。
すなわち芸術監督は、経営責任者でもあるとしている。
一方、長野市芸術館の運営に関しては、市役所との一体整備に よ る 機 能 が 生 か さ れ る た め の マ ネ ジ メ ン ト を 行 う べ き で あ る と し、芸術文化の価値観を創造していく意欲のある人材を創りあげ ていくことが大切であるとの指摘があった。
この為には、芸術の一番遠くにいる人(市民)に芸術を届ける ことが大切であり、このことが芸術愛好家(観客)を創ることに も繋がっていくこととなり、ひいては社会的ブランド力を創るこ とにも繋がっていくとの指導を得た。
すなわ ち、「芸術は 人」であるとい う発想が大切で あるとの言 があった。
長野市 芸術館でも、ク ラシック音楽キャラバン出張演奏などのア ウトリーチや演劇ワークショップを行うなど、市民会館時代にはな か っ た 新 た な 事 業 が 取 り 組 み 始 め ら れ て お り 、 評 価 す る も の で あ る 。 一 方 で 、 新 聞 記 事 ( 7 月 27 日 信 毎 ) に も 記 載 さ れ て い る よ う に、観客動員数が50パーセント程度の公演もあり課題が提示されて いる。
芸術文 化を市民に定着 させるためには、芸術館を取り巻く様々な 要素について数値化を図り、それを経営面にも生かすためのマネジ メントを行うべきであると考える。
また、 これを実現する ためには、献身的意欲を持った者の育成が 大切であると感じたところである。
今後、 長野市芸術館が 、芸術の本来の趣旨を踏まえ活動すること により、広く市民に愛され継続的発展が図られることを期待して報 告とする。