pTEX 2012 → 2013
数理D3 北川 弘典 2013/04/26
pTEX
「日本語が利用できるTEX」の中で, 最も代表的なもの.
ε–pTEX, upTEXといった派生版も合わせれば, 日本人の大半が使っているTEXプログラム. TEX Live 2012のpTEXはほぼ1年前のもの
→本小話ではこの1年の変更内容を述べる.
目 次
\hbox 内の数式
delcode bug
その他
終わりに
\hbox 内の数式
和欧文間空白1の挿入では,水平ボックス
\hbox{}で囲まれているかは普通関係ない:
漢4漢
漢 4 漢
漢\hbox{4}漢漢 4 漢
しかし,数式周囲の和欧文間空白は……? 漢$4$漢
漢 4 漢
漢\hbox{$4$}漢
漢 4 漢
←空白なし\hbox 内の数式
欧文と数式は(和欧文間空白に関しては) ほぼ差のない挙動になった:
漢$4$漢
漢 4 漢
漢\hbox{$4$}漢
漢 4 漢
(修正後) 漢\hbox{$4$}漢漢 4 漢
(修正前) 但し,脚注番号の位置に関する副作用あり.delcode bug (ε–pTEX, aleph)
入力
(bm パッケージ下)\[ \bm{ \left( \frac{3}{4} \right)^2 } \]
意図した結果
3
4
2
異常な出力
( 3
4 )
2
括弧が小さいまま
その他
■「内部整数」判定の厳格化
「\count10‘\AA」で発生するはずのエラー
! Improper alphabetic or KANJI constant. が発生しない.
■\meaning\kchardef (upTEX)
「\meaning\kchardef」の出力結果が \kchardef でなく
\toksdefとなってしまう.