古典への興味・関心を高める教材開発
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(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要第40号(平成20年). Kushiro Ronshu,−JournalofHokkaido University ofEducation at Kushiro−No.40(2008):165−174. 古典への興味・関心を高める教材開発 太 田 諭・比 良 輝 夫. に、「那須与一」「敦盛の最期」はいずれかまたは両 方が取り上げられている。『徒然草』では【序段】 が四社全てに、【第五二段】「公世の二位のせうとに」 が三社に取り上げられている。 3年生では、『おくのほそ道』『万葉集』『古今和 歌集』『新古今和歌集』が共通している。[Fおくのほ そ道』では、「旅立ち」「平泉」が四社全てに取り上 げられている。 また、取り上げられる学年は異なるものの、三年 間を通して見ると、『枕草子』『論語』「漢詩」が共 通して取り上げられていることがわかる。『枕草子』 では【第一段】「春はあけぼの」が、「漢詩」では李 白の「黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る」が四 社共通で取り上げられている。 このように、中学校国語科教科書に共通して所収 されている古典教材は、いずれも歴史的価値のある 有名な作品である。これらは古典の入門期である中 学生に最低限触れさせるべき作品であると言える。 しかし、取り上げられている「作品」は共通して いるものの、取り上げられる「部分」については若 干の違いがあることがわかる。 『竹取物語』においては、かぐや姫の誕生の場面 は共通しているものの、その他に取り上げられてい る部分は全て異なっている。また、『平家物語』に おいては、「那須与−」の取り上げ方に違いがある ことがわかる。さらに、三大和歌集について見ると、 歌人の共通性は認められるものの、取り上げられて いる和歌には違いがあることがわかる。 つまり、扱うべき作品についての共通性はあって も、その作品のどこを取り扱うかが工夫のしどころ であるということがわかるだろう。. 1 はじめに. 古典指導において中学校は「入門期」と位置づけ られている。 「中学校学習指導要領 第3 指導計画の作成と 取扱い」の配慮事項の中に、古典指導についての事 項がある。「(4)イ 古典の指導については、古典 としての古文や漢文を理解する基礎を養い古典に親 しむ態度を育てるとともに、我が国の文化や伝統に ついて関心を深めるようにすること。その教材とし ては、古典に関心をもたせるように書いた文章、易 しい文語文や格言・故事成語、親しみやすい古典の 文章などを生徒の発達段階に即して適宜用いるよう にすること。なお、指導に当たっては、音読などを 通して文章の内容や優れた表現を味わうことができ るようにし、文語における言葉のきまりについては、 細部にわたることなく、教材に即して必要な範囲の 指導にとどめること。」とある。 このことから、中学校国語科では、古典を読むため の「基礎的な知識」を身に付けさせるとともに、「古 典への興味・関心」を高めることが求められている。 しかし、これまでの自身の実践から、高等学校に 進学するまでに、いわゆる「古典嫌い」になってし まう生徒が少なからず存在すると感じている。つま り、「古典への興味・関心」を充分高めることがで きていない現状がある。何とかして「古典嫌い」を 作らないようにしたいという願いが本研究のきっか けである。 2 現状の把握 (1)教科用図書の教材配列 現行の中学校教科用図書では、古典への興味・関 心を高めるため、様々な工夫がなされている(表1 参照)。. 四社の教科用図書を比較したところ、「教材」と して取り上げられる「古典作品」は、かなりの部分 が共通していることがわかる。 1年生で各社共通しているのは、『竹取物語』、「韓 非子」の「矛盾」が取り上げられている点である。 本格的な古典の入門として、幼児期に誰もがあらす じ程度には触れたことのある有名な作品『竹取物語』 を各社が取り上げているのは、ごく自然なことであ ろう。また、漢文では、これも身近な故事成語であ る「矛盾」を学習する。 2年生では、『平家物語』『徒然草』が各社共通し ている。【F平家物語』では「祇園精舎」が四社全て. 一165−.
(3) 太 田 諭・比 良 輝 夫. (表1)教科用図書四社に所収されている古典教材の比較 教育出版. 年. 竹 取 物. 東京書籍 ・かぐや姫の誕生. 光村図書 ・かぐや姫の誕生 ・蓬莱の玉の枝. 三省堂 ・かぐや姫の誕生. ・重臣が翁に身の上を 打ち明ける場面 ・月の使者発場場面 ・天の羽衣を着る場面 ・不死の薬を焼かせ る最終場面 ・「韓非子」矛盾. 漢 文. ・「韓非子」矛盾. そ ・川柳(四句). ・『枕草子』【第一段】 ・いろは歌. ・「韓非子」矛盾. の 他. の飴食ひたる事」 【第二一五段】「月 のいと明きに」. 枕 ・【第一段】. ・【第一段】 「春はあけぼの」. 年 草. ・【第一段】 「春はあけぼの」. 子 「月のいと明きに」 ・【第一四五段】 「うつくしきもの」 徒 然 草. ・【序段】 ・【第三一段】 「雪のおもしろう降 りたりし朝」 ・【第四五段】 「公世の二位のせう とに」 ・【第五二段】. ・【序段】. ・【序段】. ・【第五二段】 ・【第五二段】 「仁和寺にある法師」 「仁和寺にある法師」 ・【第九二段】 「ある人、弓射るこ とを習ふ」に. 平 家 物 語. ・「祇園精舎」 風の前の塵まで ・「那須与一」 扇を射落とすまで ・「敦盛の最期」. 漢 文. ・「祇園精舎」 清盛の例まで. ・「祇園精舎」 風の前の塵まで ・「那須与一」. ・「那須与−」. ・「祇園精舎」 風の前の塵まで. ・「敦感の最期」 ・『論語』より. 「己所不欲勿施於人」 「学而時習之不亦説 乎有朋自遠方来 不亦楽乎人不. −166−.
(4) 古典への興味・関心を高める教材開発. 知而性不亦君子 乎」. 「温故而知新可以為 節夫」 「学而不思則岡思而 不学則殆」 「君子求諸己小人求. ・「黄鶴楼にて孟浩 然の広陵に之くを 送る」. 諸人」. お ・「旅立ち」 年 く ・「平泉」 の. ほ. ・立石寺 道 万 ・春過ぎて夏来たる 菓 らし白たへの衣干 集 したり天の香具山 持統天皇 ・君待つと吾が恋ひ をれば我がやどの すだれ動かし秋の 風吹く 額田王 ・近江の海夕波千鳥. ■「春暁」. ・「旅立ち」. ・「旅立ち」. ・「平泉」 曾良の句含む 金色堂含む. ・「平泉」 曾良の句含む 金色堂含む. ・「春暁」. 送る」 ・「春望」 ・「旅立ち」 ・「平泉」 曾良の句含む 金色堂含む. そ. ・春過ぎて夏来るら ・春過ぎて夏来たる し白樺の衣乾した らし白たへの衣干 り天の香具山 したり天の香具山 持統天皇 持統天皇 ・君待つと吾が恋ひ をれば我が屋戸の すだれ動かし秋の ・東の野にかぎろひ の立つ見えてかへ り見すれば月かた ぶきぬ. 汝が鳴けば心もし 柿本人麻呂 のに古思ほゆ 柿本人麻呂. 額田王 り見すれば月傾き 見えてかへり見す ぬ. 風吹く ・東の野にかぎろひ の立つ見えてかへ ・東の野に炎の立つ. れば月傾きぬ 柿本人麻呂 ・うらうらに照れる 柿本人麻呂 春日にひばり上が ・我が屋戸のいささ り心悲しもひとり ・うらうらに照れる ・新しき年の始めの 群竹吹く風の音の 春日にひばり上が し思へば 初春の今日降る雪 かそけきこの夕べ り心悲しもひとり 大伴家持 のいや重け吉事 かも し思へば 大伴家持 大伴家持 ・信濃道は今の墾り 道刈りばねに足踏 家持 ・多摩川にさらす手 ましなむ沓はけ我 作り さらさらに何 作りさらさらに何 作り さらさらにな が背東歌 そこの児のここだ そこの児のここだ にそこの児のここ 愛しき東歌 愛しき東歌 だかなしき ・韓衣裾に取りつき 泣く子らを置きて 東歌 そ来ぬや母なしに 辛く あれていひし 幸く あれて言ひし ・防人に行くはたが して 防人歌 言葉ぜ忘れかねつ 言葉ぜ忘れかねつ 背と 問ふ人を見る ・瓜食めば子ども思 る 防人歌 る 防人歌 がともし さ物思も ほゆ∼ ・憶良らは今は罷ら ・銀も金も玉も何せ せず 防人歌 山上憶良 む子泣く らむそを むにまされる宝子 ・瓜食めば子ども思 負ふ母も吾を待つ にしかめやも ほゆ∼ らむそ 山上憶良 ・若の浦に潮満ち来 山上憶良 山上憶良 れば潟をなみ葦辺 ・天地の分かれし時. 一167−.
(5) 太 田 諭・比 良 輝 夫. をさして 鶴鳴き渡る 山部赤人. ・天地の分かれし時. ゆ∼. 山部赤人. ゆ∼. 山部赤人 あしひきの山のし づくに妹待つと我 立ち濡れぬ山のし づくに 大津皇子 我を待つと君が濡 れけむあしひきの 山のしづくになら ましものを 石川郎女. 人はいさ心も知ら ずふるさとは花ぞ 昔の香ににほひけ る 紀貫之 秋来ぬと目にはさ やかに見えねども 風の音にぞおどろ かれぬる 藤原敏行. 人はいさ心も知ら ずふるさとは花ぞ 昔の香ににほひけ る 紀貫之 秋きぬと目にはさ やかに見えねども 風のおとにぞおど ろかれぬる 藤原敏行. 思ひつつ寝ればや. うたたねに恋しき 人を見てしより夢 てふ物は頼みそめ てき 小野小町. 人の見えつらむ夢 と知りせば覚めざ らましを 小野小町. ・仮名序 ・人はいさ心も知ら ずふるさとは花ぞ 昔の香ににほひけ る 紀貫之 ・しら露の色はひと つをいかにして秋 の木の葉をちぢに そむらむ 藤原敏行 ・思ひつつ寝ればや 人の見えつらむ夢 と知りせばさめざ らましを. 人はいさ心も知ら ずふるさとは花ぞ 昔の香ににほひけ る 紀貫之 秋きぬと 目にはさ やかに見えねども 風の昔にぞおどろ かれぬる 藤原敏行 花の色は移りにけ りないたづらにわ が身世にふるなが めせしまに 小野小町. 飛鳥川淵は瀬にな る世なり とも思ひ そめてむ人は忘れ じ. よみ人しらず. 道の辺に清水流る る柳陰しばしとて こそ立ちどまりつ れ 西行法師. ・道のべに清水なが. 見わたせば花も紅 葉もなかりけり浦 の苫屋の秋の夕暮 れ 藤原定家. ・駒とめて袖うちは らふかげもなしさ ののわたりの雪の. 玉の緒よ絶えなば 絶えねながらへば. るる柳かげしばし とてこそ立ちとま りつれ 西行法師. 夕暮れ 藤原定家 ・山ふかみ春ともし. −168−. 道の辺に清水流る る柳かげしばしと てこそ立ちどまり つれ 西行法師. ・道の辺に清水流る る柳陰しばしとて こそ立ちどまりつ れ 西行法師. 見わたせば花もも みぢもなかりけり 浦の苫屋の秋の夕 暮 藤原定家. ・駒とめて袖うちは らふ陰もなし佐野 のわたりの雪の夕. 玉の緒よ絶えなば 絶えねながらへば. 暮れ 藤原定家 ・玉の緒よ絶えなば.
(6) 古典への興味・関心を高める教材開発. 忍ぶることの弱り もぞする 式子内親王. らぬ松の戸にたえ だえかかる雪の玉 水 式子内親王. 忍ぶるこ とのよわ りもぞする. 絶えね永らへば忍 ぶることの弱りも ぞする 式子内親王. 花さそふ比良の山 風吹きにけりこぎ 行く船の跡みゆる まで宮内卿. 「黄鶴楼にて孟浩 然の広陵に之くを 送る」 「春望」. 「黄鶴楼にて孟浩 然の広陵に之くを 送る」 「春望」. ・『論語』より 「学而時習之不亦説 乎 有朋自遠方来 不亦楽 乎 人不 知両性不亦君 子乎」 「温故而知新可以為 師実」 「学而不思別間思而 不学 則殆」 「己所不欲勿施於人」. ・『論語』より. 「学而不思則岡思而 不学則殆」 「吾十有五而志学 三十 而立 四十而 不惑 五十而知天命 六 十而 耳順 七十而 従心所欲 不瞼矩」 「過而不改是謂過実」. めない。 原因について考えると、2年生で共通して取り上 げられる『平家物語』において登場人物の身分差を 表す「敬語」が多用されていることや、漢文におい ては訓読文が登場することによって難易度が急激に 上がったと感じる生徒が多いためと考えられる。ま た、『枕草子』【第一段】では、現代の生徒の感覚や 北海道の季節感とのずれがあるためか、共感されに くい部分も多いようである。日本的な季節の美意識 そのものがとらえにくくなっているともいえるだろ う。しかし、一方で『徒然草』【第四五段】「公世の 二位のせうとに」、【第五二段】「仁和寺にある法師」 などについては、現代に通じるユーモアがあり、生 徒に受け入れられやすいと感じている。 3年生では、『おくのほそ道』「万葉・古今・新古 今」「漢詩」を扱うことになるが、生徒の興味・関 心は個人差が大きいと感じる。(本校では、三年生 の修学旅行において、平泉・仙台方面に行くため、 『おくのほそ道』の学習を2年生の最終段階または 3年生初めの段階で行っている。実際に目にする場. (2)生徒の実態. 平成14年度に実施された「高等学校教育課程実 施状況調査」の一環として行われた「質問紙調査」 によると、古文・漢文が好きだということに対する 「そう思わない」「どちらかと言えばそう思わない」. との回答は、70%を超えている。ただし、このこ とからいわゆる古典離れを指摘することは早計だろ う。なぜなら、「好きだと思わない」=「嫌い」で はないはずだからだ。70%.強の中には当然、「好 きでも嫌いでもない」層が多分に含まれているはず である。しかし、古文・漢文を「好きだ」と断言で. きる生徒が20%台であることは寂しい限りである。 これは高等学校での調査であるが、古典に興味・関 心を示さない生徒の原因の一つに、中学校における 指導が関わっていることは否定できないだろう。. 本稿の生徒の実態であるが、これまでの本校での 実践から、中学校1年生の段階においては、いわゆ る「古典嫌い」はそう多くはないと感じている。し かし、2年生の段階からいわゆる「古典嫌い」が増 加する傾向にある。本校で毎年実施しているCRT(目 標基準準拠検査)における「国語への関心・意欲・ 態度」の到達率も、学年が上がるにつれ低下してい く傾向にある。これは古典に限った調査ではないが、 古典の存在が学習の難易度を上昇させている面は否. 所とあって、学習の意識は高い。). これらのことから、1年生ではほとんどいないと 考えられる「古典嫌い」であるが、2年生から増加 傾向に転じ、3年生になると「古典好き」「古典嫌. 一169−.
(7) 太 田 諭・比 良 輝 夫. 都に行く。→鬼退治をする。→姫が打出の′ト槌を振 り一寸法師の背が大きくなる。→姫と結婚する。」 その後、ワークシート①(資料1参照)の音読を し、あらすじをまとめる活動に入った。その際、逐 語訳ではなく、あらすじでよいとすることで、抵抗 感を軽減しようと考えた。 ワークシート①のあらすじを確認した後、ワーク シート②(資料1参照)を拡大したものを黒板に掲 示し、範読した。察しのいい生徒はこの段階でおお よそのあらすじをつかんだ模様である。その後ワー クシート②を生徒全員に配布し、ペアであらすじを 完成させるよう指示した。この内容については絵本 などの一寸法師では割愛されている部分であるため、 生徒にとっては意外な内容となった。そのためか生 徒は内容を読み取るため、意欲的に話し合いを行っ た。最後にあらすじの確認を行ったが、その際生徒 からは、「一寸法師がかわいそう」といった声が上 がった。. い」の二極化が進んでいくというのが実態であると 考える。 3 研究の概要 (1)研究仮説 生徒の古典への興味・関心を高めるため、次の 研究仮説を設定した。 (2)検証の方法. ①生徒に対するアンケート ②生徒の感想 (3)実 践. 仮説における手立てに該当する作品として候補に 挙がったのは、『御伽草子集』から「一寸法師」「浦 島太郎」、『宇治拾遺物語』から「鬼にこぶとらるゝ 事」、であった。 その中で最も適切と判断したのは、「一寸法師」 である。多くの生徒が知っているという点では、3 作品とも遜色なかったが、展開の意外さと、生徒の 予想を覆す部分が絶妙に配置されている点から決定 した。そこで、平成18年度、19年度の3年生を 対象とし、12月に「一寸法師」を教材として導入 し授業を行った(3時間扱い)。. 《2時間目》. ワークシート③(資料2参照)を配布し、音読し た後あらすじをまとめる活動を行う。次に1時間目 と同様に、ワークシート④(資料2参照)拡大版を 黒板に掲示し範読。その後の展開は1時間目と同様 である。ここでは、「一寸法師はひどい」との声が 上がった。. 《1時間目》. まず、一寸法師の諸について知っていることを挙 げさせることから始めた。2分間時間を取り、知っ ていることを書かせたところ、「お椀に乗って川を 下る」「背が小さい」「鬼退治をする」ことなどはほ どんどの生徒が知っていた。しかし、意外なことに、 「打出の小槌」についてはあまり知られていなかっ た。 生徒の知識を結びつけると次のようになった。 「背が一寸の子どもが生まれる。→お椀に乗って. 《3時間目). ここまで学習すると生徒は知的好奇心がはたらき、 最後まで知りたくなった様子である。そこでワーク シート⑤(資料3参照)を配布し、班単位での読み 取りの活動を行った。4人で一文ずつ担当し、原文 を読んだ後に現代語に読み替える活動を行う。わか らない部分は班員で教え合う。全員がわからない部 分については教師が教えるようにした。確認の後、 最後にアンケート及び感想を書かせた。. 古典指導の単元において、生徒に身近でありな がら、生徒の知っている展開とは異なる作品を教 材とし、提示方法の工夫をすれば、生徒の古典へ の興味・関心は高まるであろう。. (4)検 証 ①アンケート結果 2カ年のアンケート結果は次の通りである。. − _. −170−.
(8) 古典への興味・関心を高める教材開発. 古典への興味・関心が高まったと回答する生徒は、 70%前後を推移し、低くなったと回答する生徒は、 2年間ともに2%であった。3時間という短時間で 読み取れるかという不安はあったが、中学校古典の. 学習をほぼ終えた3年生のこの時期に行ったことで、 内容の読み取りが比較的容易にできる段階であった ことが幸いしたようである。. ②感想 主な感想は次の通りである。 自分の知っている一寸法師との違いに驚いた。他の作品も読んでみたいと思った。 一寸法師はヒーローだと思っていたが、ひどい。 一寸牡師のように、ずる賢く立ち回ることも世の中には必要なのだと思った。 今回、御伽草子集の一寸法師を読んで、面白いと思いました。今まで一寸法師を読んだことが なかったので、物語として面白い点もありました。これからも古典を読みたいです。 自分が思っていた一寸法師と全然違う内容でとてもおもしろかった。自分がよく知っていた話 だったので、古文がとても面白く感じられた。 自分の知っていた一寸法師と異なっていて、楽しくこちらの方が現実的で興味深く読むことが できた。 自分が知っていた子ども向けの一寸法師とは、だいぶ違っていたので、一寸法師の性格とかが 面白くて、とても新鮮に感じました。他の作品も一寸法師みたいに違うのなら読んでみたいな あと思いました。 一寸法師を始める前は、古典は好きではなかったですが、古文を現代語にするのがわかるよう になってうれしいです。 代表的な感想を載せたが、興味を持って学習に取. り組んだことが窺える。. 4 成果と課題 誰もが知っている「一寸法師」の学習を通して、 また、あまり知られていなかった部分を学習するこ とによって古典が面白いという意識を高めることが ある程度できたと考える。しかし、「一寸法師」の ストーリーそのものを知らない世代となりつつある ことから、最初に絵本によるストーリーの確認をす べきであったと考える。. 引用・参考文献 ①『中学校学習指導要領(平成10年12月)解説 一国詩編一』 文部科学省. ②『あたらしい国語科指導法 改訂版』 柴田義松 阿部昇 鶴田清司 編著 学文社 ③日本古典文学全集36『御伽草子集』 小学館 ④『新しい国語』 東京書籍 ⑤『国語』 光村図書 ⑥『現代の国語』 三省堂. また、現行の教科用図書に取り上げられている古 典教材を指導する際にどのように興味・関心を高め ていくかという視点も当然重視しなければならない。. ⑦『国語教育研究大辞典』 国語教育研究所編 明治図書 ⑧『国語教育指導用語辞典』田近絢一 井上尚美 編 教育出版. 附記 本稿は太田諭が執筆し、比良輝夫が校閲した ものである。. −171−.
(9) 太 田 諭・比 良 輝 夫. (資料1). 「=耳椙監」P.−nれ−⊥㊤ 謡嬉#吏e晶∩トニ婚1廿盤藍e据付ケリ舟椰ユト碕彗′「○. 車遍置柵≠輔(柳古“出1n、詩罪)e′「1わ悪塩」砥用≦べ担碕彗′nO 各1日吋∈=」刃は恒や烏′ 聖母国策聖e嘲㍊′ 如両刃壁訃○ 小 憩瓦十上塵碓桝≠′ ≠e誕机り刃粗相」碕′ 塑佃㍊灘分′ 輌荘. 巾世上ie塑嬉仙ヾ. 聖賢す㍊′《野党嬉彗£刃夷態」台」卜’瓦十1A鳳す㍊′ 血 F運訃東岸態′ 崩聖掠′ 御託彗訃藁JO 敏稔卜十町刃敵ケ㍊′ ル. 吏揖世心hl慧彗脚れb. ヨ扇R≠抽邦′卜なな訃○池訃運量吋′朝弼£粟吋卜彗訃泄′紬1廿嬉 か虐ぷ短′ 牛後卜′ 中e岬舟1ヤ粟島刃射岬モな付点吏訃○. 裾壁抑l擢コニ仙ヾ #仙叶l叶脚聖=・ト虻ト〕二. ニ∩、ノ・」仙11椛・Jニ. 「l匝班層」[\一打れ−⊥⑳ せ・取濾憎捏円空知⊥′ 空中+1川1上之題時購P紳巨虐£如ゆ′ 紬ゆく誕 吋隼’い∨やv刃申台な仰望′ 吏渠柵㍊卜空将相知克′ 吏渠ど蜜嘩聖 ㍊卜り中世く′ £尾吋’ユ量母吋聡e辟ユ㍊卜’量卑・′「e柵料地′ 塑 恥旬分霊望訃吏沖村敏’嬉池研」他州刃′郎tⅢ料『寧毎訃○†K璧頃 缶忠仲旬小彗′ 嬉elわ盟盤台粗′ ユや長足くゆ餌付短針刃唾台恵仲 山敵中蟄′ 敏量レ′1わ肇監′ H今月」僅訃′ 潔㍊ゆ量車中㍊嘩望吋 沖ゆ’□聖」拙宅灘牒闇′ ユや量吏くゆ史長短叡山申立二_R誕Vトノ望  ̄. 璧長嘩世lゼ長∈句小・抄1ロe 咄巾Ⅱ】lくこ昌咄レ■ 佐世Jl浣∈骨与リ. ユ量量刃唾缶′ 右肘1∩小包㍊舵白票く態′崖分君」更雷㍊恵仲○ケ・. ■甘嶋Jll卜吋巾. 藁悪分′ 凧榔㍊卜蛋荘拠りJ♪∫く′ 諭く可成態針山頃缶」量′ 血芸…女 運>卜彗ユ量集結呼て勅刃卜′ 邦吏′「態艮′「轟碍刃御舟吏て」AJ由一J ′∩な′ 吋鮮聖J〉山鳩成鳥履’羽村重P㍊生計○ 塑陣e糎現暦′ 轟贈 肘熱刃」卜小灯催ふ車′ 韓く射1訃な呼○(露). 愚綿J裾盛. −172−.
(10) 古典への興味・関心を高める教材開発. (資料2). 「l巾蛸島」[\−ぃれ−⊥⑳. 量∨卜′ 血R辞令:鞋㍊頑納札」量態’. 中り・ゆユJl ま. 璧 か′ りけ敏夫」り刃嘩闇雲且几′ 瓦哺桐哺e梓 £隼○殉卜′111哺e掛空曜刃払サ・くeゆ刃心憎座Ⅷほ小ノ「ゆe温風示」. “JIJl♪⊥Jl山e腫上!コ. 1ロe甘地・モ1ie慣庵Jl代h. 刃小台な£態′ 抑圧躍空机り」£J′ 英ゆ」灯机軋刃誕机′ 璧e悪運 く瑠貯君㌢卜′ 遠出ト音如脚′ く脚藁J01廿悪監′ 量〉卜′ く㍊ゆ 恕希薄地点べ刃卜′ 嬉訃∩仲叫竃eト㍊卜′「サPe敵地べ」刃駐車短′ 抑圧碩′ 忙中雌eり刃量藁′ く望咄′正午」卜′ 廃脚」吋机軋㍊卜甘怨. 霊時′ 重P巨頭態争刃粟短」兎J′ 中IJ運頑咄議運長べ刃陣地£な£ 態′些鼠eト州訃′トく稲恕桝㌢霊わ中」刃静ケ01ぐ嘩雌㍊唾缶卜咄虔 態′ T即吟軸㍊レ嬉分会訃○ 鮮度醍露出ゴ卜′「態㍊ゆ塵ゆ」灯机柵. l鰐什‘聾ニP)黒血ニ I電l裾■」中ニ. 運訃」刃卜′ 轟靴ユ運地鳥恵訃○. 「l匝班監」[\−ぃれ−⊥㊥. 量〉車′ 掛取禦仰望如上’1中盤監+・宜⊥日計訃′ 鞭楚ゆ刃e邦邦題 訃○れ仰望知吏′ 聞空硬㍊′ 十l‥㍊藁吋劉霊ヰ慧帖英旦⊇_購す○最長. 吏灯すむ点響く態′1わ粟島′ 製虹舟咄僻訃JJづ訃′ 醇ち血お訃′ ユ 量㍊ゆ主ヒ捕捉台む吋J′ £稔祁l阻㍊封建敏刃頃缶′ 渇仰瞥′ 穂∩机 脚eeた首題訃′ 畔ぎ拓㍊ベ£’悪帖e適」卜・東雲」恵岬㍊′ 彗量訃り 刃強弓ぃれ㊥J′ 慧帖e轟□㍊磨か′ 仙卜′ 糠ぎ拓態長訃旺貯卜憬机超吏 訃○ 掛皆様轟出り卜’轟岬眉嬉訃な虔態′「帥e′ £仰望稔りe彗軋. 朗畠1慎二縮小. ヒ:牽↓米. 摩分球台卜掴机撃ヰヒ凝舟′ 聾唖智慧缶表側原牒吊」刃払劉態′ 抑圧 醍崩聖机㍊崇空吋中豊缶臓’腑eケノ刃>′慧虹e蓮□㍊定机卜鱒竺二_. る量巾開いJe⊥小∩ぜ押. 邦H刃㍊撃訃お付諷′ 柵詩㍊胆机卜区長封べ′ ユ量㍊ゆ顕 ̄有. IK一与1畢h. て」刃卜′lわ粟監㍊巨劉吋な坤仲吋01廿粟島払」な岬望′「£吋建. JJリモ!ヽ′日通Iユノ巾JJPlp. 稔ゆe舟聾′∫智慧缶トコ些ヰ聖如㍊′. ・Rヽ. ′ 上上ナP. 忠昭」AJレ′ ′ヨe岳・㍊麒Jv頃ヰり山笠9運JO. ー】73一. 雲量′β缶些く刃嬉忘ト. 愚掛=、1裾哨■く」目すコ.
(11) 太 田 諭・比 良 輝 夫. (資料3). 「lけ蛸島」[\−nホー⊥⑲. 竪帖悪′ 吏渠帥eりり貯」ト′. 嬉机貞想トト紅ノ.待望」恵沖○. 嶋仙扁!ゴトl塑・そを=、Jトノ. 1わ悪藍′ hJ〉刃VJAノサケ£敵中短′誕く贈〉史∨嘩聖艮卜′ 翰舟弔㌢卜′ 叫㍊世封卜琳荷票ヰ′ 遍′∋e各′ 蟹」嘲吋缶卜り 中世;く′ 据付ユ吏建」争′1サ粟島望′ 慧抽粗悪㍊朝トト矩召 ㌢㍊な訂○ 鮮度躍望′ 嬉霊長′ りeり刃粗刃出鼻空白量JA」東 短」士£如脚′ 豊中eりん闇戌抱′ 仙」卜一刃如台怨霊隼′ 祁睡 吏貯粛正勅儲七度耀抒、○ り刃㍊廃態」兎」卜■′ 量〉トニや長吏くゆ 崇抽′ 婿仙机」勅. 忠>て机#付点勾′ 寂鸞e無く忠卑雉刃レ′ 併存e聖¶訃東 艮催分霊鴫○ 広島′ 嘩購〉J卜・′細く射柵机㍊な吋○ 句ミ. JJ二り令・〈1畠仙⊥J合レ出・Jニ. 嶋仙竹づ」上世エコ亭二 電:aや1密樹£⊃車 上嶋嶋」句小量IJn」・り′∩量. 旬Sト嬉灸か咄£包′ く塑鼻刃ゆ咄ペ弛忘\恵忘ト○ 患駐中艮嘩簡〉. 聾机車′ 長e堰く射膏:机1態な吋 £や成金な£如ゆ′ 烏麦日射さ∨′ 東¶ふ嬉竃や′1中盤藍望’ りり長JIノん頑兎少産態′ ンや∨刃ゆ苺〉′ 喫11く恍忘トト′1 く憩ヒ玉e古畳粗壁虻′ ユ吊1く後払・ト車中想’「仲托卜′ ぅge 祁悔題訃題闇べ」AJ註す○ □¶訃伸兎巡く態′ 皿圧=監1ほト玉笹. 戎祖−1り#品∩レ. ㍊なふ○ 喫磁−ケ争中空′「り£建>封ゆe量運’□舟ヰ仙恕短′. 点り叶→、一IL昼貞P戚到り∩ヰリ. 皿月忌召↑頑」01中盤監彗′ 喫㍊牌根岸卜建′ mけ揖卜召膵り叫牒. 戯1舗旧. 寄琳勅恵克也′ 璽ゆ舶′「叫削如照凋相川サ′ 吏. 渠安曇㍊東Iノ車重打供足長○ 吏渠聖生月」刃巾ヰ研研艮′ 長:喜巳. 別鰹1購ニ. e÷葦′ 建′J・炉〔′ 匡艮糊付邦捏小甘聖トト′ 埋憫膵㌣He応 ̄ Q′ ユ長㍊脚響机怒く′ 敏小車中足型出公爵○ れ亘ノ1ヤ要 覧雲’り£料咄レ′桝や亡君e与ぜ粗野覇 ̄」)′「££££最知側′. ポ凍上ム拝眉」JJ矩′ 山中知立打撃く短′ ぜ運〉紬≠机吏牒葺′ 的卜′ りe望如憮罵㍊e恥穂吏締り刃藁£態’郎や購や海舟ヒ 貯重J′ ユ量㍊ゆ小机れ′∩藁吋蛍′ ュやvAJゆ運v玉戸㍊な5ト○. 陣中憎誕吋」踵空中刃闇葺烏は将○ 中e喪≦′ 胡慧ヒ貯玉J′ 崇帖刃刃ゆ㍊韓く可分′ 河浦嬉更訂. 空言−、1最古禦や 瀬川l帰朝 ニ五十佃りこ五日Jロ. ㍊煙舟刃忘ゝ’十Ⅲ態兵⊆ゝ嬉⊆、忠岬灸′lJeり刃健£誕な£態’. E楯㍊机り」台地扁卜二_出れ1わ悪監舟村仲≠ぷ鳶層○ ヶ、運霊 ′ ′ J′「り刃〉J. 灯 拍En量冊 平間高畑レ吊艮ユ∩机側艮. り尾望攣」名付隼」′ 瑠淫舟唖虚空ヰ○ 粟聖 レ壁吋○ 矩望′ 蜜≡e各霊小刃溢・サくe≠蚕Sト○・くe照巾㍊旬忌・′ 勢至殉 £く刃誕訃莞ヰ○ 野師㍊レ桝小なJ≠誕訃○ ′「態望’堅噌e訊 望刃敵ケくe小母ぷト○ 苛机瞥・『忘、′ 鶉甘㍊東〉£雲台′ 条令・小. 裾退/ベl怯弄. ㍊′㌢桝乳」量吋れぷ庖′ 阻■く陣地長′ 璧≡e手\聖㍊藁」霊場 人ノ中台P吏な産○ 争く中村ゆ営為伸一か智′ 脚卜慮」量」でl机霊ヰ. 民間bJ£†粥溜コ. り刃′ 劉e匪出卜望お量訃なか○. ・W嶋†♪こJl寧ニ1りや巾. 池時空如㍊′ 訊聖躍′. 各芸帥吐㌫封㌢空々○ ′削げ′ 悪日兎州訃′ 旬吋やく㍊すむ虔 空く短′ 轟l仁e拙′ ユ碕ジ〉英態」恵吋○ 抑圧曜机りJ. 愈J’榊笥空白な時01}e潜′ 帥輌111く召㌢常怠訃○ 金町吏∨ 維J民望缶な⊆ゝ○. 軍師e遠別缶㍊′ 湛鑑戒告粘心霊購○ 車】e愈㌢吏机 吏兎J′ り産㍊照れ吏吋り刃建¶ゆ嬉吋〇刃紅蓮−」壁忘卜恵仲○ 朴計脚放′ベレぢ埠⊇鞘脚椰他州」ぺ巾●. ー174−.
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