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昭和33年版学習指導要領における読むことの「系統」の検討

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昭和33年版学習指導要領における読むことの「系統」の検討

中 村 敦 雄

群馬大学教育学部国語教育講座

Critical

examination

to

the

‘strands’

of

reading

in

the

Japanese

National

Curriculum

1958

Atsuo

NAKAMURA

Department of Japanese Education, Faculty of Education, Gunma University

キーワード:昭和33年版学習指導要領、「読むこと」、国語科教育

Keywords:The Japanese National Curriculum 1958, reading, Japanese Education

(2011年10月31日受理) 1 問題の所在  2008(平成20)年、新たな国語科学習指導要領が告 示された。1947(昭和22)年版以来、60年あまりの時 間の経過のなかで、その時代に対応させた変革が企図 されてきた。たとえば、鶴田清司は代々のコンセプト に即して、「経験主義」「教育の現代化・系統学習期」 「言語教育への転換期」「新しい学力論」「伝え合う力・ コミュニケーション能力・発信型」「言語活動の充実と 国語学力」といった特徴づけを行った(1)。この整理は 誰しも得心のいくものであろう。一方で、次の指摘に も注目してみたい。   昭和三三年度 ママ 学習指導要領では、「だいたい−順序 −要点−中心点・構造−主題・意図−目的・内容に 応じる」という技能の重点指導の考え方が出てきた。 これは、その後の昭和四三年の学習指導要領にも昭 和五二年度学習指導要領にも受け継がれている考え 方である(2)  戦後の学習指導要領に貢献したことで知られる輿水 実は、国語科における「系統」、輿水のことばでいえば 「技能の重点指導」について、上記のように述べた。 輿水は1986(昭和61)年にこの世を去ったが、もし、 この続きを書き加えるとしたら、どうなるだろうか。 昭和33年版学習指導要領は、鶴田のいう「教育の現代 化・系統学習期」に相当するが、その後もコンセプト の変化があった一方で、具体的な記述については、現 行の平成20年版まで「受け継がれている」といえるの ではないだろうか。こうした系統は「話すこと・聞く こと」「書くこと」「読むこと」のすべてにわたって記 述内容が相互に連関し合っている。ただし、それも本 来的には「読むこと」の領域に即して整序されたもの であったという。再び、輿水の述懐を聞こう。   聞く・話す・読む・書くのどれもが、「だいたい→ 順序→要点→まとめ→ねらい→判断」という六段階 にならべてある(ただし「だいたいを読む」は二年 の初期になっている)。/ほんとうは聞く・話す・読 む・書くが同時に発達するのではない。それぞれに 段階のちがいがある。話すことは早くはじまってい るが一番むずかしい。表現よりも理解の方が先であ る。そういう立場から、聞く・話す・読む・書くの 一々 の 活動 の 特殊性 に も 多少 の 考慮 が 払 っ て あ る。/この六段階は、何も読むことに限られたもの でなく、精神発達の六段階である。物の、漠然とし

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た、ばらばらなとらえ方、外面的なとらえ方から、 統一のある、まとまった、深いとらえ方へ進むので ある(3)  領域ごとの差異よりも、系統を軸とした国語科とし ての教科構造を整序することが優先された所産であっ た事実がうかがえよう。それも、「精神発達の六段階」 として位置づけることで、その正統性までも担保させ たことが、その後への影響力の根拠の一つでもあった と推測できよう。系統は、教科書教材はもちろん、教 室における授業の進め方をはじめ、国語科の学習指導 のあらゆる場面に影響を及ぼした。  そもそも昭和22年度、26年版の二つの学習指導要領 と、昭和33年版学習指導要領とでは、大きく二つの点 において様相が異なっている。第一に、前者は占領下 の状況のもとで合衆国の専門家の「サジェスション」 を受けて成ったのに対して、後者は合衆国の専門家の 手を離れて自律的に策定して成った点である。第二に、 前者に付されていた「試案」の文字が消え、後者では 代わって「法的拘束性」が付与された点である。「試案」 として提案することで地方教育委員会ごとの独自性を 促進させようとした合衆国側の方針からの脱却をはか り、「法的拘束性」のもとでの告示によって、国家によ る一元的統率を確保したことは、戦後教育における重 大な転機となった。  具体的な内容に関して、教育課程審議会が1958年3 月に行った答申では、「道徳教育の徹底、基礎学力の充 実および科学技術教育の向上を図ること」が打ち出さ れ、とりわけ基礎学力の充実に関して、「小学校におけ る国語科および算数科の内容を充実し、その指導時間 数を増加すること」が強調された。このような昭和33 年版学習指導要領のインパクトについて、近現代日本 教育史研究者の尾崎ムゲンは次のように説明した。   これまで基本的には貫かれていた経験主義的な問 題解決学習の立場が全面的に否定され、新たに客観 主義的な知識の教育に重きを置く、系統主義教授の 立場が学習指導要領編成の原理になったということ である。この時点での学習指導要領改変の原理の転 換は学校観、知識観、さらには教育内容・教育方法 観の転換に連なり、さらにその後の日本の学校・教 育、学問・知識に対する国民的意識の転換のベース になるという意味で、非常に重大である。しかし当 時問題になったのはもっぱら道徳教育の時間であっ て、この原則的な転換の問題はほとんど関心を呼ば なかった(4)  同要領が体現した「原則的転換」は、「日本の学校・ 教育、学問・知識に対する国民的意識」にまで甚大な 影響を及ぼした。占領下から脱した戦後教育にまった く新しい方向づけを行ったといっても過言ではない。 こうした点からも、同要領の意義は少なからぬところ であるが、先行研究の数は現時点では限られている。 とりわけ、その後の国語科に甚大な影響を与えた系統 についての研究は未だしの観が強い。こうした問題意 識にもとづき、本稿では、昭和33年版学習指導要領の 読むことの系統について、昭和22年度学習指導要領以 降からの流れのなかに位置づけて、その争点を解明す る。尾崎のいう「原則的転換」が国語科においては、 いかにして成し遂げられたのか、国語科独自のコンテ クストを踏まえつつ、ミクロの視点から検討する。 2 昭和33年版学習指導要領に求められた「系統」  同要領は、1956(昭和31)年以来行われた教育課程 審議会と教材等調査研究会における審議を経て、1958 年8月に改訂案が発表され、同年10月1日に正式版が 告示された。このように約3年の審議時間を経てまと められた成果である。その間、教育関係者の耳目を集 めたのが、「系統」というキーワードである。そのきっ かけは、1957(昭和32)年5月5日の読売新聞の記事 であった。その日、同紙のみが一面に、次のような内 容の記事を掲載した。大見出しには、「小、中学校の学 習指導要領を変える」「『単元』から『系統』方式へ」 とあり、リードには「単元学習方式(コア・カリキュ ラム)を系統学習方式に切替える」とある。実質的に は、灘尾弘吉文部大臣の意向を報じた記事である。「占 領教育行政の欠陥、最近における科学技術教育の振興 などの立場から戦後続けられてきた新教育の長、短所 を再検討、学力低下、教育の混乱を是正したいとして いるが、とくに小学校教育では生活に関係のあるもの をもとにした単元学習方式を採用しているため算数、 理科を中心とした学力の低下が目立っている。このほ か理科、算数だけでも系統学習方式に切替えたほうが

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よいとの意見が高まってきたほか、このさい地理、歴 史を社会科から分離すべしとの意見も出ている」と述 べられている。系統について、本文には「理科、算数 だけでも」との留保も見られるが、大見出しとリード に見られるように、全教科にわたる統一方針として強 調された。  そもそも系統の問題は理科や数学では昭和20年代 後半から浮上していた争点でもあった。科学教育研究 協議会や数学教育協議会といった民間教育団体による 独自の提案も知られていた。これらの教科にあっては、 経験主義に立脚した単元学習によって学問的系統が副 次的な位置に置かれていたのを、再び中核に位置づけ ようとする動きとしてあらわれた。国語科にあっても 民間教育団体の活動は活発であったが、同時期の争点 としては、人間形成や現実社会との対峙といった点に 関心が集まっていた。その理由を粗く整理すれば、以 下の三点にまとめられよう。第一に、言語の教育では その特質上、発話主体の問題に関心が集まりやすいこ と、第二に数学や理科に見られるような、樹形図のイ メージで把握される学問的系統とは様相を異にしてい ること、第三に人間形成等の大きな争点からすると、 系統等は些末な争点として軽視されがちなことである。 このように、系統に対する問題意識は教科ごとにコン テクストを異にしていたが、それをあらゆる教科に関 わる課題として宣言された点に政策としての強固な意 志が看取できよう。同記事は多くの国語科教育関係者 にとっては寝耳に水であったようで、驚きをもって迎 えられた。その後の主だった動きを挙げておきたい。  1957年6月 日本国語教育学会の常任理事会で、 国語科における系統学習についての 研究と研究物を刊行することが決定 される。     6月 東京都国語教育協議会の協議問題と して「経験学習の系統化」が取り上 げられる。  7月−9月 小学校教育指導者養成講習会で「国 語の系統的指導」が主題として取り 上げられる。     9月 全日本国語教育協議会において「国 語教育における検討とは何か」が討 議される。     12月 日本国語教育学会『国語の系統学習』 刊行。  1958年2月 輿水実『国語科学習の系統化』刊行。  短期間のうちに、系統をめぐる議論や対応が進めら れていったことがうかがえよう。そのあたりの動向に ついて日本国語教育学会が刊行した共著書『国語の系 統学習』から見ていこう。同書冒頭には「国語の系統 学習(オリエンテーション)」として、当時の主要会員 が出席した座談会の記録が掲載されている。はじめに 文部省の木藤才蔵から説明があり、それを受けて、司 会を務めた輿水実が次のように整理している。   1,「国語の系統学習」が選ばれた理由は、戦後の 国語教育の反省の上にたっている。   2,系統学習は経験主義に対立するものでない。   3,能力の系統ということを考えている(5)  2の争点は、文部大臣の意向として新聞が報じたも のとは、いささかの差異が指摘できる。ここにも国語 科独自のコンテクストが読み取れる。おそらくは、3 年前の第7回全日本国語教育協議会における協議「経 験主義か能力主義か」において、両者を対立的に位置 づけて議論する枠組みが作られたことで、結果的に経 験主義否定の方向性を強化する結果となったことへの 反省が踏まえられたものと考えられる。事実、座談会 において、「〔…〕地方への反響は大きいので五月五日 の新聞発表にあったような単元から系統へという考え 方が逆コース的に受けとられないよう十分に注意する 必要があると思う」といった発言があることからも裏 づけられよう。経験主義やその具現としての単元学習 の否定へと向かわないように警戒する点でコンセンサ スがあったことがうかがえる。  その一方で、同書には、会員の足並みが揃っていな い点も見られる。それは、何をもって系統とするかと いう根源的な点である。たとえば、国立国語研究所長 の職にあった西尾実は、明治以降の語学主義的な国語 教育について、「一種の系統教育」であったと説く。す なわち、「教材が文法を基準とした系統教育で〔…〕そ の方法も各科教授法なるものに導かれた編成であっ た(6)」ことをもって根拠としている。西尾がこうした 例を挙げたのは、語学主義的な時期にあっては、「教師

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の教授活動を中心としたつめ込み教育に終る他はな かった」ことを強調し、「われわれの国語教育はかつて の系統的教育に逆転してはならない。あくまで生活を 基礎とした生活教育・経験教育への切り替えを前提と した、生活を耕して文化を築き、実践の中から理論を 自覚し抽象する、新しい系統学習への前進をはかるこ と(7)」を訴えるためであった。  他にも同書においては、さまざまな提案がなされた。 だが、短期間での決着が迫られただけに、結果的には 編者たち自身をして、全国各地での討議を含めて、「こ の会で、最初にオリエンテーションした以上の発展は、 基本的方向に関してはみられなかった(8)」と総括せざ るを得ない結果となった。ちなみに、協議会等での反 応としては、次の三つの種類があったという。  木藤 系統学習に関する各種の会合に集まった人た ちを大別すると、〔…〕その第一は、これまで 生活学習や経験学習の線で学習を進めてき て、その立場に立った上で、学習をより有効 にするために、系統化の必要を感じている人。 その第二は、生活学習の重要さはわかってい るが、まだそれが十分に身についていず、系 統学習などと言うことばがとび出すと、生活 学習以外に何か別種の学習のさせ方がとなえ られているのではないかと、とまどいを感じ ている人、第三に生活学習などということに ほとんど無関心に過ごしてきたために系統学 習を大いに歓迎している人と、だいたいこの 三つに分けることができると思う。〔…〕  輿水 全日本(*国語教育協議会−論者補足)の場 合も、講師にその三つのタイプがあった(9)  ここで語られているように、十分な共通理解が期待 できない状況のなかで、系統への議論が進められたの である。 3 読むことの「系統」はいかに提案されたか  上述のように、1957年は、国語科における系統への 関心の高まりのなかで、いかにして系統を構築するか が火急の課題として共有されるにいたった。ただしこ うした議論が可能になったのも、敗戦後、学習指導要 領をはじめとした諸案が存在しており、それらを手が かりとすることができたからである。本節では、約10 年にわたる期間に提案された系統の概要を整理して、 どのような知見が蓄積されてきたのか、その争点を概 観しておきたい。その方法として、次の文書や先行研 究を取り上げた。いずれも重要な成果であり、それら をまとめたものが、表1である。  ①1947年 昭和22年度学習指導要領  ②1949年 高野柔蔵による案  ③1949年 石森延男による案  ④1949年 『小学校国語学習指導の手びき』  ⑤1950年 輿水実による案(1950a)  ⑥1950年 長野県カリキュラム試案  ⑦1950年 輿水実による案(1950b)  ⑧1951年 昭和26年版学習指導要領  ⑨1954年 輿水実による案(1954)  ⑩1958年 昭和33年版学習指導要領  以下、それぞれの概要を紹介したい。  ①昭和22年度学習指導要領 正式名称は『昭和二十 二年度(試案)学習指導要領国語科編』である。1947 年12月発行。戦後初の学習指導要領であり、「試案」と して世に問われた。領域名は「読みかた」である。小 学校については、「小学校一、二、三学年の国語科学習 指導」と「小学校四、五、六学年の国語科学習指導」 がそれぞれ別の章で解説されている。  小学校一、二、三学年では、「読みかた指導の一般的 目標」として提示されている。目標に続いた記述のう ち最後の「学習指導の要領」では「低学年前期(一年、 二年中期まで)」「低学年後期(二年中期より三年)」に 分けて記述がなされている。一方、小学校四、五、六 学年については、「読みかた学習指導の目標」として提 示されている。続いて「読みかた学習指導の材料」「読 書における身体的障害について」「読みかたの学習指 導」があり、ここでも前期と後期に分けて説明が行わ れている。  中学校については、「一般目標」として提示されてい る。続いて「読む力とは何か」「読む力を規定するもの」 「読みかたに対する特殊の才能」「読む力の弱い者」「音 読と黙読」「読む力の測定」「読む力を改善する方法」 「中学生の読書興味」「各学年の学習指導」があり、「各

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表1  昭和33年版学習指導要領以前の読むことの「系統」一覧表 ①昭和22年版学習指導要領 (1947) ・小学校一、 二、 三学年 「読みか た指導の一般的目標」 ・小学校四、 五、 六学年 「読みか た学習指導の目標」 ・中学校 「一般目標」 ②高野柔蔵 (1949) ③石森延男 (1949) ④国語学習の手びき (1949) ⑤輿水実 (1950a) ⑥長野県カリキュラム 試案 (1950) ⑦輿水実 (1950b) ⑧昭和26年版学習指導要領 (1951) ⑨輿水実 (1954) ⑩昭和33年版学習指導要領 ・「読むこと」 (1958) ・ 小学校 「 国語能力表 」のうちの 「読 むことの能力」 ・小学校 「指導の目あて」 ・中学校 「具体的目標」 小学校 第1学年 (一) ことばの正しいつかいかた になれさせる。児童は入学以前 から多くのことばを知ってお り、また多くのことばをつかう こともできる。しかし、必ずし も正しくつかってはいない。ま た、それは特別の家庭や社会に 行われるものが多く一般化され ていないばあいがある。 それで、 社会的に正しいことばとして使 用されるように導いていかなけ ればならない。 (二) 発声・発音などにも注意し て、 言語意識をはっきりさせる。 (三) 読書に対する興味をもたせ る。 (四) 読書によって経験を広め、 現代の文化を理解させる。 (五) 文章の組みたてを理会し、 その内容と意味を正しく理解で きる能力をつける。 (六) 文章の内容を正しく読みと り、その要点を書いたり、まち がいなく話したりできるように する。 (七) 文字や語いは、現在の社会 生活にさしつかえがない程度に 習得させる。 (八) 文章の読みになれさせ、自 分で一さつの本をおしまいまで 読みとおす力をつける。 (九) 文章の表現や内容について 考えたり、味わったりする態度 と能力をつける。 (十) 読書によっていろいろな人 生経験を与え、感情を豊かにし 求知心を満足させる。 (十 一) ことばについて反 省さ せ、自覚させて、しだいに語法 の理解を与える。 (十二) 音読あるいは黙読によっ て、読む習慣や、その能力およ び態度をしだいに完全なものに する。 (十三) 読書した文章中、おもし ろい部分を選んで、それについ ての感想を述べていく。 (十四) 情感をふかめ、思索を密 にし、経験を豊かにし、個性を 発展させていくことは、国語の 指導の重要な目標である。 1 ことばと文字と事 物を結びつける 2 文字をよむ 3 話のように正しく 読む 4 語い文字の拡充 5 内容をつかむ 6 いろいろな文がよ める 7 読書衛生を守る 8 興味をもつ 1 文字に なれる 2 文字と 経験とを 結びつけ る 一行位の文 を読む ・読む学習準備ができ るようにする ・ことばをまとまりと してよめるようにす る ・本や絵本をよろこん で読むようにする ・童詩・童謡がよめる ようにする ・絵物語・童話・伝説 などが読めるように する ・かんたんな説明・記 録的な文・生活に即 した文がよめるよう にする ・かんたんな便りを読 めるようにする ・かんたんな文の大意 がつかめるようにす る ・よびかけや、かんた んな対話文が読める ようにする ・平仮名が読めるよう にする ・文字板を読む ・自分の名前がわかる ・いろいろな形の文が読める ○読 書に対する興 味が出る ( よむこ とをよろこぶ) ○文字をことばとして読む ◎正しく文字を追って読む ・誤りなく正しく読む ・句読点に注意して読む ◎文のすじが分る ・文の内容と自分とを考えあわせる ◎ひらがなを読む ・指でさして目でよむことができる ◎声を大きくして音 読する (音 読 が できる) ・姿勢を正して読む ◎書物を正しくもって読む ○ページを静かにめくる (めくり方) ○身ぶりや表情で読みを深める ・読むことによって考える態度がで きてくる ○考えながら読む 1 本や絵本を読みたがるようにな る。 2 本の持ち方やページの繰り方に 慣れる。 3 文をどこから読み始めたらよい かがわかる。 4 文をどの方向から読めばよいか がわかる。 5 正しく行をたどって読む読むこ とができる。 6 拾い読みでなく、文として読む ことができる。 7 声を出さないで、目で読むこと ができる。 8 声を出して読むことができる。 9 自分の名まえが読める。 10 自 分 の 経 験 と 文 字 と を結びつ けることができる。 11 短い文章なら、 そのだいたいの 意味がわかる。 12 簡単な入門準備書または、 入門 書的な読み物を娯楽のために読む ことができる。 1 3   初 歩 的な読み物を即 座に読む ことができる。 14 ひらがなが読める。 15 アラビア数字が読める。 16 文 字 の ほ か の 諸 記 号(て ん・ま る・かぎ) がわかる。 17 漢字は、 だいたい三〇字ぐらい 読むことができる。 1 本の持ち方やページの繰り方に 慣れるようにする。 2 正しく行をたどって読むような 習慣をつける。 3 音読も大切であるが、黙読の習 慣をしっかり養っていく。 4 進んで、広く読書する態度に導 く。 5 自分の経験と文の内容とを結び つけて文の大要を理解させる。 6 ひらがなが読めるようにする。 7 漢字はだいたい三十字ぐらい読 むことができるようにする。 8 文字のほかの諸記号を理解させ る。 前期 学習準備 ひらがな習 得 後期 何が書いて あるかわか る ア 音読ができること。 イ 声を出さないで目で読むこと。 ウ 拾い読みでなく、語や文として 読むこと。 エ 何が書いてあるかを考えて読む こと。 小学校 第2学年 1−8 同上 9 味わったり考えた りする 10 感想を話す 3 音読が できる 4 黙読が できる 文字にだんだんなれさ せていく。 ことばの意味をとらえ る力をねる。 声を出して読み、書い てあることがなんであ るか、わかるようにな る。 読むことがだんだんと おもしろくなる。 文字のほかの諸記号が わかる (点とか、 まると か、かぎの類) 。 読みの前に話があり、 話のあとに読みがある ということを知って指 導する。 題目について考えた り、感じたことを話さ せる。 さし絵を活用して、読 みの世界に入り、読み をいっそう深める。 読みの学習では動作や 身ぶりなどが重んぜら れる。これは読みとっ たものの表現であると ともに、読みの中味を 豊かにしていく。 読みぶりが、いわゆる 「学校よみ」 に陥らない ように 「話しことば」 と して導く。 読んだこと の要点をつ かむ ・よびかけ・童詩・童 謡を楽しんで読み、 情景が直観できるよ うにする ・やや長い童話がよめ るようにする ・報告や説明文がよめ るようにする ・童話劇の脚本がよめ るようにする ・片仮名が全部よめる ようにする ・簡単なポスター・掲 示がよめるようにす る ・簡単なたよりが読め るようにする ・読書のよい習慣を身 につけさせる ○長い文を最後まで読みとおすよう になる ・文字をことばとして読む ・句読点に注意して読む ○読みとった内容の発表ができる ○かたかなを読む、漢字とかなの区 別がわかる ・発音、アクセントに注意して読む ○読みの調子に注意し、朗読が進む 考えながら読む 1   読むことにだんだん慣れてく る。 2 考えながら読む態度が、高まっ てくる。 3 黙読するとき、くちびるを動か さないで読むことができる。 4 大ぜいの前でじょうずに読むこ とができる。 5 一年生の初歩読本程度の読み物 を即座に読むことができる。 6 二年生程度の読本を読んで理解 し、練習してなめらかに読むこと ができる。 7 長い文でも、最後まで読み通す ことができる。 8 問に答えるために、黙読するこ とができる。 9 文の荒筋をとらえることができ る。 10 情報や知識をうるために、 本を 読む度数がますます多くなる。 11 読んだ本の内容を、 他人に伝え て喜ぶようになる。 1 2   絵および文の前 後の関 係を手 がかりにして、ことばを理解する ことができる。 13 かたかなのだいたいが読める。 14 文 字のほかの諸 記 号がわかり 、 それに注 意して読むことができ る。 15 漢字は、 だいたい一三〇字ぐら い読むことができる。 1 一年生程度の読み物なら即座に 読めるようになり、二年生程度の 読本なら読んで理解し、 練習して、 なめらかに読むことができるよう にする。 2 読むことにだんだん慣れて、か なりの長文でも最後まで読みとお すことができるようにする。 3 考えながら読む態度がたかまっ てき、また、黙読するとき、くち びるを動かさないで読むことがで きるようにする。 4 問に答えるために黙読すること ができ、また、文の荒筋をとらえ ることができるようにする。 5 文字のほかの諸記号、 。「」 などが わかり、それに注意して読むこと ができるようにする。 6 情報や知識を得るために本を読 む度数がますます多くなり、また 読んだ本の内容を他人に伝えて喜 ぶようにする。 7 絵および文の前後の関係を手が かりにして、ことばが理解できる ようにする。 8 かたかなは、そのだいたいが読 め、漢字は、だいたい一三〇字ぐ らい読むことができるようにす る。 順序をた どって読む ア 書いてあることをだいたい読み 取ること。 イ 語や文として読むことになれる こと。 ウ 文章に即して書いてあるとおり に読み取ること。 エ  順 序をたどって意 味をとるこ と。 オ 好きなところやおもしろいとこ ろを抜き出すこと。 カ 読むために必要な文字や語句を 増すこと。 小学校 第3学年 1 文字語いの拡充 2 音読がよくできる 3 いろいろな文がよ める 4 黙読する 文字をよみ、その中に 書かれてあることが、 わかるようになる。 自分でよむ ・楽しんで童詩が読め るようにする ・童話の大意や順序が つかめるようにする ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ・読 書に対する興 味が出る ( よむこ とをよろこぶ) ・句読点に注意して読む ○簡単な文の組み立てがわかる 1 長い文でも、楽しんで読むこと ができる。 2  ひとりで本を読む習 慣ができ る。 3 音読より早く黙読することがで きる。 1 ひとりで本を読む習慣ができ、 長い文でも、楽しんで読むことが できるようにする。 要点をとら える ア 正しくくぎって適当な速さ読む こと。 イ 長い文章を終りまで読むこと。 ウ 横書きの文章の読みに慣れるこ と。 エ 要点をおさえて読むこと。

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①昭和22年版学習指導要領 (1947) ・小学校一、 二、 三学年 「読みか た指導の一般的目標」 ・小学校四、 五、 六学年 「読みか た学習指導の目標」 ・中学校 「一般目標」 ②高野柔蔵 (1949) ③石森延男 (1949) ④国語学習の手びき (1949) ⑤輿水実 (1950a) ⑥長野県カリキュラム 試案 (1950) ⑦輿水実 (1950b) ⑧昭和26年版学習指導要領 (1951) ⑨輿水実 (1954) ⑩昭和33年版学習指導要領 ・「読むこと」 (1958) ・ 小学校 「 国語能力表 」のうちの 「読 むことの能力」 ・小学校 「指導の目あて」 ・中学校 「具体的目標」 5 文の組立を理解す る 6 文意をとらえる 7 鑑賞する 8 批評する 9 参考書を利用する 5 読むこ とがだん だんすき になる 声を出してよく読める ようになるが、また、 声を出さないで読める ようにもなる。黙読が できる。 読むことが、おもしろ くなる。 読むことによって、知 りたかったものがわか るようになる。 読みながら、想像や連 想のはたらきをねる。 読むことによって、感 受性や思考力をねる。 ・感想・説明・記録的 な文がよめるように する ・童詩や童話の朗読が できるようにする ・手紙文や日記文が理 解できるようにする ・紙芝居や童話劇の脚 本やシナリオがよめ るようにする ・童話や脚本の情景が つかめるようにする ・長い文がよみ通せる ようにする ・かべ新聞がよめるよ うにする ◎文の大要 (内容の要点) がつかめる ・読みとった内容の発表ができる ◎微音読ができる ◎読むことによって考える態度がで きてくる ・ことばに興味と関心をもつ ○文の中にあるわからないことば を、はっきりと見つける 4 いろいろな目的のため、本を読 む能力と意欲がだんだん増してく る。 5 自分の興味をもっていることに ついて、読み物を選択することが できる。 6 内容の要点をじょうずに読みと ることができる。 7 文の好きなところや、おもしろ いところを抜き出すことができ る。 8 文の常体と敬体との区別がわか る。 9 手びきや注釈などを利用して読 むことができる。 10 目 次 を 利 用して読むことがで きる。 11 他人を楽しませるために、 なめ らかに、わかりやすく音読するこ とができる。 12 かたかなが読める。 13 漢字は、 だいたい二八〇字ぐら い読むことができる。 2 自分の興味をもっていることに ついて、読みものを選択すること ができ、また、いろいろな目的の ために、本を読む能力と意欲がだ んだん増してくるようにする。 3 文の好きなところや、おもしろ いところを抜き出すことができ、 また、文の内容をじょうずに読み 取ることができるようにする。 4 目次・手びき・注釈などを利用 して読むことができるようにす る。 5 音読よりも早く黙読することが できるようにする。 6 他人を楽しませるために、なめ らかに、わかりやすく音読するこ とができるようにする。 オ 読み取ったことについて感想を もつこと。 カ わからない文字や語句を見つけ 出すこと。 キ 読み取ったことを他人に伝えて 楽しむこと。  上に示す指導事項のほか、 「学級文 庫の利 用のしかたがわかること 」な どについて指 導することも望まし い。 小学校 第4学年 (一) 読みに対する興味を、さら に高めさせる。 (二) 文を読む技術を身につけさ せる。 (三) 読みかたの学習によって、 聞くこと、 話すこと、 読むこと、 つづることの四種の言語活動を 相関 的に行いうるようにさせ る。 (四) ことばとその意 義とを 、 しっかりと結びつけさせてい く。 (五) 文字および語いを、ますま す拡充させていく。 (六) 文章やことばのだいたいの 構造を理解させていく。 (七) 文章の全体を概括させてい く。 (八) 文章の表現および内容を正 しく理解し、思考し、判断する 力をつける。 (九) 文を正しく読むことによっ て、ふかい知識と、ひろい経験 をえさせる。 (十) 広い読書によって、たくま しい創造力をやしなう。 (十一) 多種多様の文形にふれさ せていく。 (十二) ローマ字の読み書きがで きるようにさせる。 (十三) 辞書や参考書の使用法を 身につけさせる。 (十四) 児童のための新聞や雑誌 を読みこなさせる。 1 同上 2 早く正しくつかむ 3 文型に即した理解 力 4 黙読で大要をつか む 5 ことば、文の構造 を理解する 6 文章をとらえる 7−9 同上 10 辞書利用 11 図書館利用 6 調べる ために読 むように なる 文字がすらすらと読め るようになる。その中 に書かれてあることが つかめる。 黙読が身についてく る。 読む興味が高まる。 自分の調べたいことや 知りたいことが読書に よって解決される。 ローマ字の文を読むこ とができる。 子どもの新聞や雑誌な ども読む。 読めない文 字があれ ば、自分でそれを明ら かにしていく。 音読をねり、人を喜ば せ、たのしませる。 意味をとる速度と正確 さを伸ばす。 大要をつか む 多く読む ・俳句が読めるように する ・長い物語が黙読でき るようにする ・かんたんな思索記録 文の大意や順序が読 みとれるようにする ・日記や年表が読める ようにする ・さまざまな手紙が読 めるようにする ・掲示文が読めるよう にする ・童話劇・童謡劇の脚 本やシナリオが読め るようにする ・物語や放送台本を読 んでその大意や順序 がつかめるようにす る ・学級新聞・こども新 聞が読めるようにす る ・かんたんな文語を理 解させる ・多種多様の文を求めて読む ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ○進んである箇所を読み返すように なる ( 調べるために読み返すこと もできる) ・文の中のことばのはたらきを考え る 前後の意味から、ことばの学び意味 を考えるようになる ・簡単な文の組み立てがわかる ・文のすじが分る ○文の大要 (内容の要点) がつかめる ○読んだことを書きとることができ る 文の内容と自分とを考えあわせる ○ローマ字が読める ◎黙読ができる ・微音読ができる ・朗読の技術を身につける ○初歩の鑑賞、批評ができる 1 物語・実話・ぐう話・時事など の種々の読み物に対する興味がだ んだん増してくる。 2 文の組立がわかる。 3 文の段落がわかり、その要点が つかめる。 4 問題を解決するために読むこと ができる。 5 読書によって得た知識や、思想 をまとめることができる。 6 前後の意味から、わからないこ とばの意味をとらえることができ る。 7 一つのことばのいろいろな意味 について、考えることができる。 8  ことばの構 造とか意 味につい て、 一段と強い興味ができてくる。 9 よい詩を読んで楽しむことがで きる。 10 児 童のための新 聞や雑 誌を楽 しんで読むことができる。 11 漢 字はだいたい 四六〇字 ぐ ら い読むことができる。 12  (ローマ字文が読める。 ) 1 物語・実話・ぐう話・時事など の種々の読み物に対する興味がだ んだん増してくるようにする。 2 文の組みたてや、文の段落がわ かり、その要点をつかめるように する。 3 問題を解決するために読み、読 書によって得た知識や思想をまと めることができるようにする。 4  ことばの構 造とか意 味につい て、一段と強い興味ができてくる ようにする。 5 前後の意味から、わからないこ とばの意 味をとらえることがで き、一つのことばのいろいろな意 味について考えることができるよ うにする。 6 よい詩を楽しんで読み、また、 こどものための新聞や雑誌を楽し んで読むことができるようにす る。 7 漢字は、だいたい四六〇字ぐら い読むことができるようにする。 要約する ア 黙読に慣れること。 イ 文章を段落ごとにまとめて読む こと。 ウ 読み取ったことについて話し合 うこと。 エ 必要なところを細かい点に注意 して読むこと。 オ わからない文字や語句を文脈に そって考えること。 カ 知るため楽しむために本を読む こと。  上に示す指導事項のほか、 「学校図 書 館の利 用のしかたがわかること 」 などについて指導することも望まし い。 小学校 第5学年 1−9 同上 10 黙読で早く読む 11  文 意や内 容を思 考し判断する 1 2   必 要に応じてい ろいろな文を読む ぼんやりと読み終らな いように中 味をつか む。 印象的な、直感的な読 みぶりだけではなく、 論理的に吟味して読む ようにする。 句意、 節意、 文意といっ た構造を考えて読ませ たり、ある 「ことば」 が 文全体に大切な位地を 占めていることを考え させたりする。 文の内容をいくつかに 分類する。 書かれた物語の筋の発 展を順 序 正 しくつか む。 読んだものについての 感想をもつ。 書かれた文 章につい て、その子どもらしい 批評をする。 辞書の使い かた ・さまざまな自由詩が 読めるようにする ・物 語の主 題がつか め、構想や叙述が理 解できるようにする ・思索・記録的な文や 随筆などが読めるよ うにする ・生活劇・放送劇の脚 本や狂言が読めるよ うにする ・文集の読みになれさ せる ・読書のよい習慣をつ けるようにする ・ことばのはたらきを 理解させる ・文語を理解させる ・多種多様の文を求めて読む ・広い読書によって生活内容をひろ げていく ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ・読 書に対する興 味が出る ( よむこ とをよろこぶ) ○辞書の引き方を覚える ・進んである箇所を読み返すように なる ( 調べるために読み返すこと もできる) ・文の中のことばのはたらきを考え る ・前後の意味から、ことばの意味を 考えるようになる ・簡単な文の組み立てがわかる ・文のすじが分る ・文の大要 (内容の要点) がつかめる ○内容を正しく理解して行く ・長文の縮約ができる ○読みとった内容の発表ができる ・読んだことを書きとることができ る ○文の内容と自分とを考えあわせる ・文の内容を社会的に考える 1   良 書に対する興 味が増してく る。 2 文意を読みとることができる。 3 長文でも、その要点を書き抜き しながら、読むことができる。 4 文の内容や表現について、こど もらしい批評ができる。 5  読む速 度がだんだん増してく る。 6 物語などを脚色して、演出する ことができる。 7 参考書や地図・図面などを利用 して調べることができる。 8 辞書のひき方がわかる。 9 辞書をひいて、新出語の読みや 意味をとらえることができる。 10 漢 字はだいたい 六八〇字 ぐ ら い読むことができる。 1 読む速度がだんだん速くなる。 2 良書に対する興味が増してくる ようにする。 3 文意を読み取り、文の内容や表 現について、児童らしい批評がで きるようにする。 4 長文を読みながら、その要点を 書き取ることができるようにす る。 5 物語文などを脚色して演出する ことができるようにする。 6 調べるために、参考書や地図な どを利用できるようにする。 7 目次や、索引や、凡例などを利 用して読むことができるようにす る。 8 辞書のひき方になれ、辞書をひ いて、新出語の読みや意味をとら えることができるようにする。 9 漢字は、だいたい六六〇字ぐら い読むことができるようにする。 作者の意図 をとる ア 味わって読むため、また、他人 に伝えるために、声に出して読む こと。 イ 書き手の意図や文章の主題をと らえること。 ウ 自分の生活や意見と比べながら 読むこと。 エ 調べるために読むこと。 オ  自 分の読 書のしかたを反 省し て、その向上を図ること。  上に示す指導事項のほか、 「国語辞 典などが使えること 」などについて 指導することも望ましい。

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①昭和22年版学習指導要領 (1947) ・小学校一、 二、 三学年 「読みか た指導の一般的目標」 ・小学校四、 五、 六学年 「読みか た学習指導の目標」 ・中学校 「一般目標」 ②高野柔蔵 (1949) ③石森延男 (1949) ④国語学習の手びき (1949) ⑤輿水実 (1950a) ⑥長野県カリキュラム 試案 (1950) ⑦輿水実 (1950b) ⑧昭和26年版学習指導要領 (1951) ⑨輿水実 (1954) ⑩昭和33年版学習指導要領 ・「読むこと」 (1958) ・ 小学校 「 国語能力表 」のうちの 「読 むことの能力」 ・小学校 「指導の目あて」 ・中学校 「具体的目標」 文を読むことによっ て、深い知識と広い経 験をえる。 ローマ字のよみ書きが できる。 児童の雑誌、新聞が読 める。 音読よりはむしろ黙読 を主として、早く読め るようにする。 図書室、図書館で、本 を借りて、自分のすき な本が読める。 辞書の使い方が少しず つわかる。 ・速読ができる ○黙読ができる ・朗読の技術を身につける ・読みの調子に注意し、朗読が進む ・姿勢を正して読む ・書物を正しくもって読む ・ページを静かにめくる (めくり方) ◎物語文の劇化ができる ・考えながら読む ・書かれたことが正しいかどうかを 考える ・初歩の鑑賞、批評ができる ・表現の適否を考える ○新聞、雑誌、参考書などを利用す る 小学校 第6学年 1−12 同上 13  読む早さと理 解 度 黙 読の力を高めてい く。早く、内容をたし かにつかむ。 文の内容について思考 し、判断することので きるようになる。 文の表現について具体 的にしらべていく。た とえば、文の組みたて が正しいかどうか、や さしく書けているかど うかなどについて。 なるべく多種多様の文 を読んでいく。 参考書や辞書のつかい かたになれていく。 日常の子ども新聞や、 雑誌などの読みかたに なれていく。 良書を選択して、読ん でいく。 朗読速度の 改善 ・詩歌の理解を深める ・日 誌・説 明 文・規 約 ・ 条令などさまざまな 文がよめるようにす る ・物語が興味をもって 読め、鑑賞批評がで きるようにする ・長い文をよむ技術と 態度とを身につける ・脚本の内容を理解し 味わえるようにする ・学校新聞のよみにな れさせる ○多種多様の文を求めて読む ・広い読書によって生活内容をひろ げていく ・おもしろい本や、ためになる本を 選択して読むことができる ○辞書の引き方を覚える ・地図、グラフ、百科辞典などを使 用することができる ・誤りなく正しく読む ・文字、語句を明らかにしていく ・文の大要 (内容の要点) がつかめる ○内容を正しく理解して行く ・文の構想がたしかに早くとらえら れるようになる ・文の内容を社会的に考える ・ローマ字が読める ○速読ができる ・黙読ができる ○朗読の技術を身につける ・初歩の鑑賞、批評ができる ・表現の適否を考える ・読んだものについて感想文や批評 文が書けるようになる ・文章表現のおもしろさが味わえる ○新聞、雑誌、参考書などを利用す る ・漢字およそ五〇〇字の読み書きが できる 1 よい文学に対して興味が増して くる。 2 多種多様な文に興味をもつよう になる。 3  本を選 択して読むことができ る。 4 序文を読んで、本を選択するこ とができる。 5 文意を確かに早くとらえること ができる。 6 文の組立を確かに早くとられる ことができる。 7 叙述の正しさを調べることがで きる。 8 案内や注意書きなどを利用して 読むことができる。 9 読む速度がいよいよ早くなる。 10 感想や批評をまとめながら、 読 むことができる。 11 参考資料 ・ 目 次 ・ 索引などを利 用して読む能力が増してくる。 12 新聞 ・ 雑誌などを読む能力が増 してくる。 13 娯 楽のためや知 識をうるため に、黙読する能力が増してくる。 14 他人を楽しませたり、 情報を伝 えたりするために、明確な発音で なめらかに音読する能力が増して くる。 15 漢字は、 だいたい当用漢字別表 を中心とした八八一字程度の文字 が読める。 16  ( ローマ字のつづけ字を読むこ とができる。 ) 1 文の組立や文意を確かに速くと らえることができるようにする。 2 叙述の正確さを調べることがで きるようにする。 3 案内や注意書きによって読み、 また、感想や批評を頭の中でまと めながら読むことができる。 4 読む速度がいよいよ速くなるよ うにする。 5 序文や目次を読んで本を選択し たり、また、本を選択して読むこ とができるようにする。 6 よい文学に対する興味が増し、 また、多種多様の文に興味をもつ ようにする。 7 参考資料・目次・索引などを利 用し、また、新聞・雑誌を読む能 力が増すようにする。 8 娯楽のためや、知識をうるため や、また、他人を楽しませたり、 他人に情報を伝えるために、黙読 したり、明確な発音で、なめらか に音読する能力を増大させる。 9 漢字はだいたい当用漢字別表の 文字が読めるようにする。 批判的に読 む ア 読み物の内容と読む目的に応じ て、それに適した読み方をするこ と。 イ 書かれていることの中の事実と 意見を判断しながら読むこと。 ウ 文章の組立や叙述に即して正確 に読むこと。 エ 文章を味わって読むこと。 オ 要点を抜き出したり全体を要約 したりすること。 カ どんな本がよいかを見分け、よ い本を選ぶこと。 中学校 第1学年 (一) 文を読む技術に習熟する。 この段階では読みとった内容を 自分でまとめ、自分で考え、批 評しうるまでにならなければな らない。 (二) 朗読。 (音読の芸術的形態と して) (三) 文学的趣味の養成。 (古典文 学のだいたいの理 解をもふく む) (四) 正しい言 語 感 覚をやしな い、標準語を身につける。 (五) 新聞・雑誌を読みうる力を つける。 (六) 辞書・参考書の使用、さら に図書館の利用。 (七) 書物の経済的、効果的な活 用。 (八) 健康的な、しかも経済的で 効果的な読書習慣。 (九) 読書の興味と習慣とを身に つける。 7 速く読 めるよう になる 8 長い文 章が読め る 図書館の利 用 抜粋を作る (現代文学) ・詩表現の技術を理解 させる ・物語を通して作者を 理解させる ・さまざまな物語の理 解を深める ・法文に親しみ読める ようにする ・論文や随筆がよめる ようにする ・さまざまな観察記録 文がよめるようにす る ・平易な古典がよめる ようにする ・ことばの重要性や国 語改良の意義を理解 させる ・詩劇の脚本がよめる ようにする ・新聞記事のよみ方を 理解させる ○いろいろな形の文が読める ・多種多様の文を求めて読む ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ・索引によって必要な事柄を知る ・辞書の引き方を覚える ・地図、グラフ、百科辞典などを使 用することができる ・まちがったことばにすぐ気がつく ようになる ・作者の思想を客観的に確実にとら える ・文字、語句を明らかにしていく ○文の構想がたしかに早くとらえら れるようになる ・文の内容と自分とを考えあわせる ・一読して中心思想を見いだす ・速読ができる ・朗読の技術を身につける ・理解の程度に即して自己表現の朗 読ができる ・健康的で経済的な読書習慣を持つ ○文章表現のおもしろさが味わえる 1 掲示や広告などを読んで正しく 内容をつかむ。 2 新聞や雑誌などから話題になる ような部分を読みとる。 3 日記や伝記・記録などを正しく 順を追って読む。 4 読書案内や序文や注意書の使用 に慣れる。 5 国語の辞書や漢字の辞書の使用 に慣れる。 6  受け取った手 紙の正しい扱い 方、読み方に慣れる。 7 物語や小説の筋をつかむ。 8 脚本や台本を興味深く読む。 9 韻文のリズムを味わう。 10 感 想 や 随 筆などを読むことに 興味を持つ。 11 説明的な文の要点をつかむ。 12   効果的 な 文章表現 の 技 術 に 注 意して読む。 1 3   好きな作 品の内 容を詳しく読 む。 14 余 暇を楽しい読 書にも使うよ うな態度や習慣を養う。 ア 文章を読み通す態度を身につけ ること。 イ 辞書、参考書などを利用するこ と。 ウ 文学作品などに親しみ、また、 楽しんで読書しようとする態度を 身につけること。 エ 説明的な文章の要点を正確につ かむこと。 オ  文 章の主 題や要 旨をつかむこ と。 カ   段落相互 の 関 係を読み取るこ と。 キ 文章を読み、ものの見方や考え 方についての問 題をとらえるこ と。 ク 情景や人間の心情が書かれてい る箇所を読み味わうこと。 ケ 語句の意味を文脈の中でとらえ ること。 コ 当用漢字別表の漢字の読みに慣 れ、その他のおもな当用漢字が読 めるように努めること。

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①昭和22年版学習指導要領 (1947) ・小学校一、 二、 三学年 「読みか た指導の一般的目標」 ・小学校四、 五、 六学年 「読みか た学習指導の目標」 ・中学校 「一般目標」 ②高野柔蔵 (1949) ③石森延男 (1949) ④国語学習の手びき (1949) ⑤輿水実 (1950a) ⑥長野県カリキュラム 試案 (1950) ⑦輿水実 (1950b) ⑧昭和26年版学習指導要領 (1951) ⑨輿水実 (1954) ⑩昭和33年版学習指導要領 ・「読むこと」 (1958) ・ 小学校 「 国語能力表 」のうちの 「読 むことの能力」 ・小学校 「指導の目あて」 ・中学校 「具体的目標」 ・新聞、雑誌、参考書などを利用す る ・図書の修理保存の法を知る ・図書館を利用できる 1 5   学 級 文 庫などで喜んで読 書す るような習慣をつける。 16 ローマ字文に慣れる。 中学校 第2学年 9 作者の 思想を知 るととも に自分の 考えをま とめる 10 文章表 現のおも しろさが 味える 良書の選択 参考書の利 用( 中国文 学) ・古典の詩歌が理解で きるようにする ・現代の詩が味わえる ようにする ・漢詩がよめるように する ・古典の物語が理解で きるようにする ・現代の物語が味わえ るようにする ・詩歌や物語が朗読で きるようにする ・説明文や記録文が味 わえるようにする ・手紙文が批評できる ようにする ・論文や随筆が理解で きるようにする ・脚本やシナリオが味 わえるようにする ・新聞がよく読めるよ うにする ・古文や古語を理解さ せる ・ことばや文章につい て理解させる ・図書館について理解 させる ・言語の機関について 理解させる ・いろいろな形の文が読める ・多種多様の文を求めて読む ・広い読書によって生活内容をひろ げていく ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ・読 書に対する興 味が出る ( よむこ とをよろこぶ) ・辞書の引き方を覚える ・地図、グラフ、百科辞典などを使 用することができる ・文字、語句を明らかにしていく ○文の構想がたしかに早くとらえら れるようになる ・速読ができる ・理解の程度に即して自己表現の朗 読ができる ・健康的で経済的な読書習慣を持つ ・読みながら読んでいる内容に対し ての自分の考え、思想をとらえて いく ・読んだものについて感想文や批評 文が書けるようになる ・文章表現のおもしろさが味わえる ・新聞、雑誌、参考書などを利用す る ・調べようとしたことに適した辞書 や参考書が選べる 1 規約や掲示文などを批判的に読 む力を伸ばす。 2 新聞や雑誌などの中の重要な記 事を拾って読む習慣をつける。 3 日記や伝記 ・ 記録などについて、 記事の内容を確かめながら読む。 4 読書案内や序文や注意書 ・ 目 次 ・ 索引などを利用する。 5 各種の辞書や参考書の使いわけ ができる。 6 社交的な手紙を読み、相手の心 持をつかむ。 7 物語や小説の背景などに注意し て読む。 8 脚本・台本・シナリオの読みに 慣れる。 9 韻文の鑑賞に慣れる。 10 感 想 や 随 筆 を 読 ん で 内 容 に つ いて考える。 11 説明的な文を詳しく読む。 12 注 釈 を 利 用したりしてやさし い古典の物語を読む。 13 文 章 の 構 成 や 修 辞 に 注 意 し て 読む。 1 4   文 学 作 品の内 容を深く味わっ て読む。 1 5   楽しみのための読 書の能 力を 伸ばす。 1 6   図 書 館などで良 書を選 択して 読む。 1 7   ローマ字で書かれた書 物を自 由に利用する。 ア 文章の内容をよく吟味しながら 読む態度を身につけること。 イ 辞書、参考書の利用に慣れるこ と。 ウ 自己の向上のために、適当なも のを選んで読む態度を身につける こと。 エ 説明的な文章の内容を正確につ かみ、要約すること。 オ 文章の主題や要旨を確実につか むこと。 カ 文章の中心の部分と付加的な部 分とを注意して読み分けること。 キ 文章から読み取った問題につい て、ものの見方や考え方を深める こと。 ク 文学作品などを、表現に注意し て、味わって読むこと。 ケ 語句のもつ意味の範囲、語感な どをつかむこと。 コ 当用漢字別表以外のおもな当用 漢字が読めるようになること。 中学校 第3学年 11 読むも のによっ て速度を 調整する 余暇の善用 (世界文学) ・さまざまな詩歌が味 わえるようにする ・古典の物語や随筆が 理解できるようにす る ・現代の物語の鑑賞・ 批評ができるように する ・説明文・記録文が味 わえるようにする ・論文や随筆が理解で きるようにする ・脚本やシナリオが鑑 賞・批評できるよう にする ・長い文がよみ通せる ようにする ・さまざまな詩歌・物 語・脚本の朗読がで きるようにする ・謡曲の概要がわかる ようにする ・新聞のよい読み方に なれさせる ・古文や古語が味わえ るようにする ・「新聞」 や「図書館」 に ついての理解を深め る ・「言語」 についての理 解を深める ・「放送」 や「映画」 につ いての理解を深める ・よい読書の仕方を身 につけさせる ・いろいろな形の文が読める ・多種多様の文を求めて読む ・おもしろい本や、ためになる本を 選択して読むことができる ・長い文を最後まで読みとおすよう になる ・辞書の引き方を覚える ・地図、グラフ、百科辞典などを使 用することができる ・作者の思想を客観的に確実にとら える文字、語句を明らかにしてい く ○文の構想がたしかに早くとらえら れるようになる ・速読ができる ・理解の程度に即して自己表現の朗 読ができる ・健康的で経済的な読書習慣を持つ ・或る問題について幾種もの本を読 み、その諸説の異同を知り批判す る ・読みながら、その読んでいるもの の背景を考える ○新聞、雑誌、参考書などを利用す る 1 広告や規約などの内容を読んで 批評する。 2 新聞や雑誌などの効果的な活用 のしかたを知る。政治・経済・文 化などの記事に関心を持つ。 3 日記や伝記 ・ 記録などについて、 その時代や生活を考える。 4 読書案内・序文・目次・索引・ 図表などを自由に活用する。 5 各種の辞書や参考書を使いこな す。 6 実用的な手紙や届書その他書式 を理解し、用件を正しくつかむ。 7 物語や小説に作者の考え方がど う生かされているかを考えて読 む。 8 脚本・台本・シナリオなどの演 出について研究する。 9  日 本の代 表 的な韻 文を鑑 賞す る。 10 感想や随筆を読んで研究する。 11 研 究 や 論 文などの読みに慣れ る。 12 内外の古典に関心を持つ。 13 文法的な構成、 日本語の特性な どに注意して読む。 1 4   現 代 文 学のおもなものを選ん で鑑賞する。 15 生 活を豊かにするにふさわし い読書の態度を身につける。 16 図 書 館などでの読 書や書 物 選 択の態度・習慣を身につける。 ア 文章の内容を読み取って批判す る態度を身につけること。 イ 辞書、 参考書、 新聞、 雑誌など、 いろいろな資料を適切に利用する 態度を身につけること。 ウ すぐれた作品を読み、人生や社 会の問題を考えていく態度を身に つけること。 エ 説明的な文章の内容を速く正確 につかむこと。 オ 文書を読んで、主題や要旨をつ かみ、それについて自分の意見を もつこと。 カ 文章の論理的な構成がわかるこ と。 キ 作者の意図が表現の上にどのよ うに生かされているかを読み取る こと。 ク 文学作品などを読んで、 鑑賞し、 まとまった感想をもつこと。 ケ いろいろな文体の特徴に注意し て読むこと。 コ 当用漢字別表以外のおもな当用 漢字に読み慣れること。また、そ の他の当用漢字も読めるように努 めること。

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学年の学習指導」では、「各学年においてどこに努力の 重点をおくか」が記述されている。  上記のように、小学校の前半、後半、中学校とで記 述方法にちがいがある。複数の組織が別々に作成して 合わせた結果であることが明らかである。本稿では、 それぞれの「目標」を引いた。  ②高野柔蔵による案 1949年7月に刊行された倉 沢栄吉『国語単元学習と評価法』(世界社)に引用され た案である。「各学年の国語指導の目標」として提示さ れた。初出は不明である。倉沢は、「単元学習の現段階 は、この程度のことを必要とすると判断し」たことに もとづいて引用したという。倉沢が引用したのは、「各 学年の国語指導の目標」「学年単元計画例」であり、前 者を本稿に引いた。ちなみに、中学校については、奈 良女子高等師範学校附属中学校の案が引用されたが、 こちらは教科書と学習指導要領の記述とを関連づけた 表として提案されていた。こうした点について、倉沢 は、「多くの案が、教科書を最も中心的な資料として、 いわゆる教科書に即する単元計画となっているが、わ が国の実情からみて、この時期は、相当長く続くので はなかろうかと思われる」と分析している。高野は戦 前から作文教育を中心にした実践研究で知られてお り、昭和26年版学習指導要領の「小学校委員会」の委 員も務めた。  ③石森延男による案 1950年9月に刊行された輿 水実・沖山光『言語教育と言語教材』(金子書房)に引 用された案である。「これは昨年(昭和二十四年)一月、 石森監修官在任当時、学習指導要領、改訂のための手 がかりとして、同氏の手によって作製されたものであ る」と沖山が説明している。石森は昭和22年度学習指 導要領の監修官を務めた。その「改訂」ということか ら、昭和26年版を見すえた提案であることが推測でき よう。石森の提案は、「態度・理解・技能」として四領 域、「内容」として、「文字・発音」「語い」「文法」、「内 容(素材)」として「文の種類(文学)」、「現場」とし て「図書館を利用する」といった学習活動の例が挙げ られている。こうした整理がなされた点は、その後の 輿水の案とも共通している。本稿では、「態度・理解・ 技能」のなかの「読む」を引いた。小学校として1∼6、 中学校として7∼11が挙がっているが、この数字は必 ずしも学年と対応させたものではないようである。  ④『小学校国語学習指導の手びき』 第六期国定教 科書の教師用書として、1949年4月、文部省国語教育 研究会が執筆し、時事通信社から刊行された。教科書 自体は1947年4月に刊行されていたが、学習指導要領 は遅れて同年の12月に刊行された。  この両者の関係について、山形県米沢第一高等学校 の平田与一郎は、「〔…〕相当に角度のちがいをもって いるものなのだ。一言にしていえば、ここには、文学 中心的な傾向から言語活動中心的な傾向へという大き な変貌がとげられている(10)」と指摘した。ちなみに平 田は、第六期国定教科書、昭和22年度学習指導要領、 さらに翌年の1948年6月に「全国で行われた再教育指 導者養成協議会の国語科部会において、単元的方法の 採用をその主題として取り上げたこと」の三つの変革 を「国語科の三段飛」と名づけ、短時間のあいだに急 激な変化が連続したことによって、教育現場が置き去 りにされている現状に対して警鐘を鳴らした。  上述の経緯からも明らかなように、『小学校国語学習 指導の手びき』では、第六期国定教科書と昭和22年度 学習指導要領との間隙を埋めることが目ざされた。加 えて、学習指導要領では三学年を一まとまりにして表 示されていた内容をもとにして各学年ごとに切り分け た記述が行われており、学習指導要領の記述の不足を 補う役割も果たした。同書は、第2学年から第6学年 まで各一冊ずつから成る。同書はシリーズで共通した 体裁を取っており、冒頭から「どこに国語科の目あて をおくか」といった概説が行われている。そのなかに 「第○学年としての国語学習の世界は」と題された章 があり、「話すこと」「聞くこと」「読むこと」「書くこ と」の順番で、当該学年において「国語学習指導上留 意すべき範囲」が箇条書きで記されている。「これは、 一般的なものでありますから、受持の子どもなり、ま た過程における自分の子どもなりの場合を考えあわせ て、適当な導き方を工夫していってほしいと思います」 という注記もなされている。こうした説明に続いて、 教材に即した解説が続いている。本稿では、「国語学習 指導上留意すべき範囲」を引いた。  ③で引いた輿水実・沖山光『言語教育と言語教材』 (金子書房)によると、小学校第一学年については「昭 和二十四年度から、国語学習指導書が、発行されてい

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る」とされ、さらに、中学校教科書については『中等 国語学び方』(日本教科書株式会社)が刊行されたとい う。  ⑤輿水実による案(1950a) 1950年10月に刊行さ れた東京学芸大学附小五校連合国語研究会『単元によ る国語学習の展開 一学年』(教育図書研究会)に引用 された案である。この案に関して、同書で沖山光は次 のように述べた。   「学習指導要領」の改訂委員会も終りに近づいてい ることであるから、やがて、各学年の学習目標も発 表されることであろう。それらの会議に席をつらね るわたくしとしては、ここにそれを発表することは できないが、それをうめあわせる意味で、つぎに本 年一月、東京ワークブック社の執筆計画のために、 輿水先生の作製された参考表を掲げておくことにす る。これは東京ワークブック社のつまずきのために、 世に出る機会を失ったものだけに、せっかくの企画 を惜しいと思いここに掲げるものである(11)  輿水は、昭和26年版学習指導要領については「中・ 高等学校委員会」に所属していただけに、1950年1月 の時点での輿水による小学校段階までを含めた提案を 知るうえで重要な資料となろう。輿水の表は「関心領 域一覧表」「言語能力発達表」「学年単位配当表」の三 葉の表から成る。「関心領域一覧表」は、学習者が関心 を持つであろうトピックを挙げた表で、「言語能力発達 表」は「発音」「文法」「理解語彙」「発表語彙」「書記」 「理解漢字」「発表漢字」について発達させる言語能力 の目安が示された表で、「学年単位配当表」は四領域の 学習活動の「単位」を挙げたものであり、小・中学校 で計50単位を配列した表である。本稿では「学年単位 配当表」を引いた。「言語能力発達表」と「学年単位配 当表」とで、観点がそれぞれ異なっているところが、 その後に出された昭和26年版学習指導要領の「国語能 力表」との大きなちがいである。⑦輿水実(1950b)で の国語能力表批判とも照応している。輿水における早 い時期での発想が読み取れよう。  ⑥長野県カリキュラム試案 1950年4月に刊行さ れた長野県教育委員会『長野県カリキュラム試案1950 国語編』の一部である。同書は「能力表」「文法要素表」 「学年目標一覧表」「単元名一覧表」、小・中学校の「指 導計画書」から成る。本稿で引いたのは、「学年目標一 覧表」のうち、第一学年から第九学年までの「読む」 の欄である。ちなみに、目標としては、「話す・聞く」 「読む」「書く・作る」「編集」「図書利用」「文法」の 六領域に分けている点が独特である。学年目標を一覧 表にしたことについて、「話す・読む・作るなどの段階 をこのように記述することは、目標として抽象的であ り不的確になり勝 ママ なので、時に理解事項や態度などの 重要な点を入れておいた」と説明されている。同要領 は信濃教育会研究所が中心となって進め、国語科の担 当者は、増田三良、平山正秋、小口九郎、宮下慶正で あった。同書の「序」によれば、「昭和二十四年八月信 濃教育会と共同して長野県カリキュラム実験試案を作 製したのであったが、その後これを県下三十四の実験 学校にうつし、その協力のもとに同案を分析評価して 一応の成案を得たのがこの長野県カリキュラム試案改 訂版である(12)」と述べられている。地方の教育委員会 による独自の提案として当時全国的に注目を集めた。  担当者筆頭に名前が挙がっている増田は、同時期に 自著『国語カリキュラムの基本問題』(誠文堂新光社、 1950年3月)を刊行しており、同書には、「要素単元一 覧表」が掲載されている。くわしくは本稿最後の参考 資料をご覧いただきたいが、長野県カリキュラム試案 と『国語カリキュラムの基本問題』の内容からすると、 次の点に異同が指摘できる。まず、共通点としては、 ともに「言語経験要素」という概念を使用して、その 下に具体的な「能力」を布置する考え方を前提として いる点である。これによって、言語活動の標準化と整 序とを行っている。ちなみに「言語経験要素」という 概念は、次のように説明されている。『国語カリキュラ ムの基本問題』から引く。   本書に掲げる単元は、要素単元とも云われるもの で、生活単元とか経験単元とか呼ばれるものとは異 なる。これは経験単元の中へ含みこまれている言語 経験要素におけるまとまりである。〔…〕聞 ・ く ・ 、話 ・ す ・ 、 読 ・ む ・ 、書 ・ く ・ 、作 ・ る ・ という言語活動を通さねば、如何 なる学習も行われまい。このように必然的に要請さ れる言語経験要素を、児童生徒の発達段階に即して まとめたものが、本書の要素単元である。すなわち

参照

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2011

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