1 ノ 零 す / 1 Y i a I t 一 -組 頭 ∴ 転 ■ 耕 ' t -竜 も -態 ダ 担 転 蝣 」 ' 軒 J 1 2 3 4 5 2 3 3 3 3 目 方 1 結 H ( N C O ^ 考 要
鹿児島県民の価値指向性の研究(2.1)
脇 勝 嘉A Study on Value Orientations of the People of Kagoshima Prefecture (2. 1) Katsuka Waki 内 容 調査対象 2. 2 調査票 2. 3 調査年度及び面接者 2.4 資料の整理分析法 莱 項目3の6種の価値対象の順位 項目別選択肢の選好順位の規則性の検討(A.I) 項目別の選択肢の一対比較による順位差の検討(A.2) 価値指向性別の選択肢の順位差の検討(A. 3) 文 献 価値指向性調査票 1 日 的 c o t > o o O i 価値指向性に関しては既にKluckhohn, F. R.らの著書(1)が発行されており,わが国では前者 の調査票の嗣訳改訂版にもとづいて実施したICUの原書美氏(2)の調査結果が発表されている。筆 者は原氏の調査票によって鹿児島県庁職員139人を対象として,その担当地域住民の価値指向性に ついての県庁職員達のイメ-汐を調査し C67年),その結果を日本社会心理学会及び当学部研究紀 要潮に発表した。本調査の目的は鹿児島県民の価値意識及び価値指向性を直接面接調査して,その 現実態を把握することにある。 2 方 汰 2.1調査対象 鹿児島県の島喚部を除いたいわゆる県本土から12市34町村を選定し,更にそれらの市町村から70 投票区を選定して,各投票区からその選挙権者名簿にもとづいて等間隔抽出法によって15人のサン プルを抽出した。総サンプル数は1050人である。有効回答者数は,調査項目によって多少の差はあ るが, 846人(80.696)であった。なお調査項目3の有効回答者数は564人(53.796)であった。 2.2 調 査 票 調査票は内容的に価値意識に関するものと価値指向性に関するものの2つから構成されている。
2 鹿児島県民の価値指向性の研究(2.1) 前者に関しては3つの項目を設定した。 (ただしここではその中の1項目(Q3)の結果だけを報 告する。)後者に関しては,クラックホーンらの調査票によって,自然指向性,時間指向性,活動態 様指向性,人間関係指向性の4つを採りあげた。しかし後述する事情によって設定した項目数は自 然指向性に関するもの1,残りの3指向性のそれぞれに2項目である。 2.3 面接者及び調査年月 面接調査者は鹿児島大学学生70人。本調査は統計数理研究所を中心とする"県民性研究"グル-プ(代表者林知己夫氏)が行ったもののうち鹿児島県における面接調査時に,その調査に追加上乗 せして行ったものである。調査時期は昭和46年1月であり,なお不備な点のあるものについては同 年5月に補充調査を行った。調査方法は前記のとおり面接法である。 2.4 資料の整理分析法について .㌔ 各調査項目は後掲のとおりである。項目3には6種の価値対象(価値意識)をあげてあり,一対 比戦法によってそれらの間の順位を把握しようと試みた。項目4, 5, 6, 9, 10にはすべて3つ の選択肢を設けた。項目7, 8にはそれぞれ2個の選択肢を設けた。被面接者は項目ごとに設けら れている選択肢についてその価値意識にもとづいて順位をつけることを求められた。 I 項目3の回答資料の整理分析法は前述のとおりである。残りの7項目の回答資料の整理分析は Kluckhohb `らの著書に示されている方法に従って行った。すなわち次のとおりである。 A. 群(県)内規則性の分析 A・1項目ごとにその2または3つの選択肢に対する被面接者達の還好順位には規則性がある かどうかを検討する。 A・2 項目ごとにその選択肢の一対比覇による選好順位の差異の有無を検討する。 A・3 価値指向性別にその指向性を測定するすべての項目(本調査では2項目)を結合した場 合の選択肢の還好順位の差異の有無を検討する。 B. 群間差異の検討。回答者をその諸属性に従って類別して,諸群間の差異を検討する。 本報告は全サンプルの回答資料をAォl, 2, 3の方法によって検討した結果に関するものである。 3 結 果 3.1項目3の6つの価値対象の順位 被面接者に次の6つを示して一対比較法によってより大事であると思う方を回答させた。 (ア){衣食住の取得充実, (イ)生命や健康の安全, (ウ)暖かく,なごやかな人間関係, (-) 世間から尊敬されるような地位名声, (オ)知識や能力を十分に発揮できる仕事職場, (カ)世の中 にわけへだてがなく,すべての人々と同じように取り扱かわれること。 564人の回答者のこれら6種の価値対象の選好比率は表1に示すとおりである。表1の資料にも とづいて6種の価値に対する選好の心理学的尺度の作成を試みたのが表2である。すなわち表1の 各通好比率に対応する単位正規分布の時のZを求め,次に列計(∑Z)を求め,その平均値(Z)を - 1 一 1 1 . . Y J t l . 小 J l t 一 m I j u
l # ' 蝣 ****.蝣- -*iけ 皇--王 脇 勝 嘉 〔研究紀要第23巻〕 ト3 表1 6種の価値対象の選好比率 価 値 エ オ ア カ ウ イ エー■′ C .5 00 )* .78 9tt tt .8 2 1 .8 2 1 .9 01 . 9 15 オ . 21 1 ( .5 00 ) .56 6 .6 28 .7 20 .88 7 ア .17 9 .4 34 ( .50 0) .5 5 1 .6 65 .8 33 カ .17 9 .3 7 2 .44 9 (. 50 0) .6 60 .8 19 ウ .09 9 .2 8 0 .3 35 . 34 0 ( .5 00 ) .7 78 イ .08 5 . 11 4 .1 67 . 18 1 . 22 2 ( .5 00 ) ∑ ア 1.2 53 2 .48 9 2 .8 38 3 .0 21 3 .66 8 4 .7 3 2 * カッコ内の数値は,同じものの比較であるから 理論跡こ.5である筈である。 .789はオとエの比較においてオの方がより大事 であると回答したものの比率である。以下同様。 算出した。次に最小平均値(ここでは(-)の -.8833)を基点すなわち0とした場合の各価 値の平均値Z-'を求める。求める尺度値はR-i/2 Z'である。各価値の尺度値は表2のR行 に示してある。表1,表2によってわかるとお り鹿児島県民の価値選好の順位は次のとおりで ある。 1位一生命や健康の安全。 2位一暖か く,なごやかな人間関係。 3位一世の中にわけ へだてがなく,人々と同じように取り扱われる 4位一衣食住の取得充実。 5位一知識や能力を 表2 選好比率のZ変換並びに各価値の尺度値
信 ■
可
エ
オ
ア - カ
ウ , イ
-エ .00 0 .8 0 3 ア - .8 0 3 .0 0 0 .9 19 .9 19 .1 66 .32 7 1 .28 7 . 58 3 1 .3 72 1 .2 11 ア .9 19 - . 16 6 .0 00 .1 28 .4 26 .9 66 カ - .9 19 - . 32 7 - .1 28 .00 0 .4 13 .9 12 ウ - 1 .28 7 イ - 1 .3 72 - .58 3 - 1 .2 11 - .4 26 - .4 13 - .9 6 6 - .9 12 .7 66 .0 00 ● - .7 66 計 y ¥Z - 5.3 0 0 - 1 .4 84 一 .43 5 .0 4 9 1. 94 3 5. 27 7 .00 0 - .8 8 33 一 .2 47 3 一 .07 2 5 . 008 2 . 32 38 0 .8 7 11 .00 0 Z ' .0 0 00 .6 36 .8 108 .8 9 1 5 1 .20 7 1 1 .75 44 4 .7 27 4 R * .0 0 0 .8 99 1 .1 47 1 .26 1 1 .70 7 2 .48 1 7 .4 95 R (-/官Z'}が求める尺度値である。 十分に発揮できる仕事職場。 6 位一世間から尊敬されるような 地位名声。 3.2 項目別選択肢の選好順 位の規則性の検討(A-1) 下記の表3の項目4を例とし てこの規則性の検討の方法をの べると,この項目の選択版数 (n)はィ,ロ,-の3つである。 有効回答者数(∽)は840人で あった。選択肢ィ,ロ, -に対して840人の回答者が与えた順位の和Rjはそれぞれ1886, 1601, 1553である。もし840人の回答者がそろってある遥好肢を優先的に還好して高順位を与え,他の選 択肢にはそろって低い順位を与えることがないとすれば各選択肢の順位和衷は次のとおりとなる筈 である(帰無仮説)。哀-(1+2+3)/3×840-1680。次に項目4の3選択肢に対する840人の回答者 の選好順位の規則性の有無を判断するため次式によって一致係数(ォ0を算出する。等順位がある場 合は式(3)によった。 toS (嘘_
m2(n3-n)/12 777672 8402(33-3)/12 ・m(ji-1)ォ;(-840(3-1)×0.046-77.28) --- - --w'= 1 ∑ Rf一寸m2n(n+lY 1 -^m2(n3-n) -rrf U U-∑(r3-0/12 tは等順位の数。 以上の諸式によって項目別に一致係数(W)及びそのx2の値を算出した結果は表3のとおりであ鹿児島県民の価値指向性の研究(2.1) 表3 項目別一致係数cォo及びそのx2億 一■■-ー \\竃 * , 育 〟 x
-日
向
然
指性
4 帖
害 針
777672 0.046 77.28 蛋
碧
時
間
拷
向
性
5 帖
望 1646
462722
823
0.342
過
去
584.98 現
未
在
来
■
6帖
§ 1676
837 240620 0.171287.0凋
曇
宿
動
P指
向
性
7 回
壬
壬
呂
霊
1266
844
52488
0.147 124.32
8 ■
帖
…
%5
1267
845
13
0.003
0.25 努 力 型
享 受 型
人
間
関
係
指
性
再
2103
1428
1348
針
4193 0.258 去
21.25 血
縁
地
縁
職
場
イ 13 45 1 66 0 血 縁 1 0 ロ 15 96 ハ 15 79 107 2 90 0 .078 1 2 9 .15 地 縁 83 0 自 力 * S-≡(Rj-K)* ** 努力型,享受型はKluckhohn らの"Doing", "Being'の訳語 である。 る。t表3によってわかるように 項目8を除いて,残りの項目4 5, 6, 7, 9, 10のx2の値 はいずれも有意である。従って これら6項目においてはその選 択肢に対する全回答者の与えた 選好順位の和は等しく,その間 に差異はないとする帰無仮説は 棄却される。すなわち被面接者 達は一様にある選択肢を高く, 他の選択肢を低く評定している 換言すれば選択肢の選好順位に は規則性があると断定できる。 項目8のx2の値は有意ではな い。従って帰無仮説を棄却する 必要はない,すなわち被面接者 達がその2選択肢に対して与え た順位には差異がなく,等しい ということができる。 3.3 項目別の選択肢の一対比較による順位差の検討(A-2) 一対の選択肢例えばイとロの対においてイに与えられた順位がロのそれよりも高いものの人数と その逆の人数には差はないという帰無仮説を立て,この仮説を5 %の有意水準で棄却するに必要な 人数を算出する(文献1, p. 131,文献3, p. 108参照)。項目4についていえばその期待人数は392 人と448人である。表4に示してあるとおり, -よりもイを,ロよりもイを高く評定していた実測 人数はそれぞれ309人, 320人であって,いずれも392人より少ない。従っていずれも5%水準で有 意である。ロよりも-を高く評定したものは444人であって,これは前述の392人よりは大, 448人 よりは小であるので5%水準で有意ではない。表4の第4列に記してあるように,項目4の選択肢 ハと戸,項目8のイとロの2対を除いて,他のすべての比較対は5%水準で有意である。 叙上の検定の結果にもとづいて選択肢の間の関係をKluckhohnらの記号表示法を借用して表現 したものが表4の最終の列である。その見方は次のとおりである。例えば項目5ではイ>->ロと 表示されているが,それはイ>へ イ>ロ, ->ロの3つの関係がすべて5%の有意水準で成立す ることを意味する。項目4では, -≧ロ>イと表現されている。それは->ィ,ロ>イの2つの関 係は有意水準5%で成立するが, -とロの比較においてはロよりも-を高く順位づけたものの人数 (444人)がその逆のものの人数(396人)よりも多いが,しかしその差は5%水準で有意でないこ脇 勝 嘉 〔研究紀要第23巻〕 5 9* e> 表4 選択肢の一対比較
習ト対比較ー
人数 有意性匝 号表示
4
イ> ハ
イ> ロ
ハ> ロ
机
ト≧ロ
> イ
憧
畑
4> '、> ロ
6 ^ > 4 4 > n 粧 ■ロ干ハ> イ 71 イ> ロ 260 日 巨 > 4 ? , イ> ロ 424 ns イ≧ロ ハ■> ロ 458 ■■9 ハ> イ 646 ロ> イ 664 S■ s s ハ> ロ> イ1■
庫
…
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表5 指向性次元別交叉 分類による人数閤
元配点2 ー0
5,6廃業壬
紹
7, 8 穿一事 183 ー343 個- 横 331 144 331 107 135 135 9, 10 個ー縦 横- 縦 * 項目(5, 6)において は過去>現在のもの 405人,その逆のもの 26人。以下同様。 表6 価値指向性次元別平均及び標 準偏差 指向性 元 次 . c畠 ) 過 - 琴 l (吉.466.564) 、 過 「 未 (0.呂…0. 召) 間 覗 - 未 (0.517)0.355 記号表示 未≧過> 現 P活 努か 享受 ●(呂‥苧去6) 動 記号表示 一 事> 穿 人 間 関 個人ー横 ー (吉‥芋33塁) I 個人- 縦 ■■(吉‥諾8) 横 - 縦 ー CO.琶岩4)0. 係 記号表示 ■ー■個> 縦> 横 とを示す。 3.4 価値指向性別の選択肢の順位差の検討(A-3) 表3に記したとおり,時間指向性(項目5と6),活動態様指向性(項目アと8),人間関係指向 性(項目9と10)に関してはそれぞれ2項目を用意した。従って2項目を通じて全回答者の選択肢 選好のパターンがどうなっているかを検討する。その手続は次のとおりである(文献1, pp. 132-134,文献3, p. 107参照)。 同一価値指向性に属する2項目の同一選択肢対(例えばイとロ)に対する回答を交叉分類する。 2項目ともにイ>ロのものには2点, 1項目においてのみイ>ロのものには1点, 2項目ともにイ <ロのものには0点を配点した。表5に得点2点のもの及び0点のものの人数を示してある。更に 価値指向性の選択肢対(以下次元と称する)ごとに平均値C/。)と標準偏差を算出して,その結果 にもとづいて3価値指向性における鹿児島県民の選好パターンを記号表示法を借用して表現した。 表6に示したものがそれである。表4にかかげてあるように,この点に関する項目4 (自然に対す る価値指向性)の結果は調和≧征服>服従となっている。 筆者の前記の昭和42年に行った調査の結果は次のとおりであった(文献3, pp. 111-113参照)。 1)自然指向性 征服>調和≧服従2)時間指向性
現在>未来>過去 3)活動態様指向性6 鹿児島県民の価値指向性の研究(2.1) 努力>享受 4)人間関係指向性 個人主義>横>縦 4 考 察 4.1 -対比較法による6種の価値対象の選好順位は 3.1に記したとおり,高い方から安全,人 間関係,平等,衣食住,仕事職場,地位名声であって,生命や健康の安全が最も高く評価され,也 位名声の評価が最低である。前者については筆者達の``鹿児島の県民性''の調査(文献4, 5)に おいても全国調査(文献6)の結果と比較して回答比率が極めて高いこと,特に離島住民において その傾向が顕著であることと合致している。この生命健康の安全の高評価は一つには県民の家計の 低水準から結果する医療-の制約の意識-の反映であり,いま一つは経済の高度成長よりは生命健 康など人間尊重の価値観の反映であろうと考えられる。 次にこのことと関連して考察すべきは Maslow, A. H.の欲求階層体制説である(文献7, pp. 370-396)。彼は人間の基本的諸欲求として5つをあげ,それらが基底層から最上位層まで階層体 制をなしているとして,基底層に生理学的諸欲求があり,それから順次安全性-の諸欲求,愛情に 関する諸欲求,自尊他敬に関する諸欲求,そして最上位層に自我実現-の欲求をおいている。 同時 に欲求の-ネルギ-吸収の原則と欲求出現(emergency)の原則を授唱した。前の原則は欲求の充 足特にその阻止状況においてほ心身のエネルギーの全部少くとも多くが動員され吸収されるという ことである。後の原則は人はより低位の欲求の充足乃至その充足が保障されて初めてより高次の欲 求をもつようになるということである。更に彼は初めの4種の欲求を欠乏の欲求動因と称し,自我 実現-の欲求を成長-の欲求動因と名付けている。そして精神衛生,精神健康におけるこの後者の 欲求動因の機能を高く評価している(文献8)。 本調査で設定した価値対象は6種であり, Maslowのあげているのほ5つであり,また内容も完 全には同一または合致していない。しかし彼の説の立場から若干の考察を加えることができる。 1)衣食住の評価があまり高くないの注,鹿児島県民全体からみれば,その取得充足が現時点におい て満されており,少くともそれ程強い不満状態にはないからであろうと考えられる。 2)生命や健 康の安全が最も高く評価されていることについては最初に述べたところによって理解できる。 3) 人間関係,平等が2位, 3位に還好されていることはMaslowの説ともほぼ合致している。世間 から尊敬されるような地位名声の評価は最低の第6位であるが,この願望はMaslowの自尊他敬 への欲求あるいは筆者の設けた平等-の願望とは別個の階層に属するものであると考えられる。 4)知識や能力を十分に発揮できる仕事職場というのはMaslowの自我実現の欲求に相当するとみ ることができよう。その評価は第5位という低位にあり, Maslowの説とは甚しく異っている。 本調査の結果は, (ア)全サンプルの回答の整理分析であること, (イ)後掲の調査票のように, 質問項目の表現が一対比較法としてほ万全のものではなかったこと, (ウ)そのためか不完全な回答
貢 1 召 ロ 8 1 ざ u I 当 引 き 小 -ミ ト L J l ・ J -・ U ゴ ー L l ト - : n d . ・ W . 一 = 一 一 t l ■V tV 勝 脇 嘉 〔研究紀要第23巻〕 7 が多く,従って有効回答者数が少なく僅かに564人(面接率53.71%)であったことを付記しなけ ればならない。 4.2 価値指向性の選好について。 1)前述のとおり,調査項目数が極めて少ないことが調査結果 の価値を大きく制限することは言うまでもない。 2)また設定した1乃至2つの項目そのものの調 査測定用具としての代表性,妥当性,有効性も問われることも止むを得ない。 3)同一指向性を調 査する2項目を結合して整理分析を試みたが,結合する選択肢の内容的同一性に疑点をもたれるか もしれない。殊に項目9の-と項目10の-の同一視についてはそうである。ただ敢えて結合したの は鹿児島県民の価値指向性別選択肢の選好順位のパターンを概括的に把握したいためである。 4)上 記のパターンは 3.4の終りに記したように,筆者の昭和42年の調査の結果と大分異っている。た だし昭和42年度に使用した調査票は24項目から構成されており,その表現の仕方も詳細であると ともに,何よりも県庁職員のその担当地区の住民についてのイメージ調査であることを指摘しなけ ればならない。 筆者達の県民性調査の結果では鹿児島県民はその生活の諸分野において,大体において新旧の中 間に位置しており,特に子供の教育,男女差別,家族家庭関係では中間型であり,年令層によって は近代型に位置していることがわかった。しかし権威主義尺度においてほ,性別年令の如何にかか わらず,権威主義的傾向が強かった(文献5, pp. 19-22, pp. 27-28)。 本調査における時間指向性及び人間関係指向性の遺好順位のパターンは叙上の所見と照応すると ころがあるように思われる。すなわち時間指向性において未来が,人間関係指向性において個人主 義(individualism)が最優先されていることは前記調査の近代型-の接近傾向と大体において相照 応している。また現在より過去,横の人間関係より縦のそれが優先されていることは鹿児島県民の 権威主義的性格特性と相照応していると見倣すことができよう。県民性調査では自然指向性の回答 パターンは利用>征服≧服従であった。両調査は自然-の調和と自然の利用という表現に差異があ ったこと及び回答の仕方が序列法と択一法であったことを付記しなければならない。 6種のくらし 方の選択に関する県民性調査の回答率は金持(ll. 496-1796*),名声(2.1%-396),好みにあった くらし方(41.2%-32%),のんきにくらす(II.496-2096),清く正しくくらす(28.5%-1796), 社会のためにつくす(4.896-696)となっている。のんきな生活方式を享受型に,金持と名声を努力 型に相当するとすれば,前者の回答パターンは本調査の享受型>努力型とは逆に努力型≧享受型と なる。もしこのみに合った生活方式を享受型にふくめると本調査の選好バク-ンと合致する。なお 一般に北方寒冷地帯と異なって,南方温暖地帯は自然に恵まれ物産が豊かであって,住民はその恵 沢に慣れて遊楽的であるという見方がある。本調査のこの指向性の還好パターンはこの見方と相通 ずると.ころがあるといえよう。 (※カッコ内の後の%ほ文献6のこの項目に関する回答率である。) 5 要 約 調査日的:鹿児島県民の価値意識及び価値指向性の把握。調査対象:離島を除く鹿児島県の12市
8 鹿児島県民の価値指向性の研究(2.1) 34町村の70投票区から各区15人宛等間隔抽出法によって選定した選挙有権者1050人。有効回答者 846人(80.696),項目3では564人(53.6%)。調査方法:調査票にもとづく面接調査法。面接者 及び調査年月:鹿児島大学学生70人,昭和46年1月(同5月に一部補充調査)。調査票:価値意 識に関する項目3,自然指向性に関する項目1,時間,活動態様,人間関係の3指向性のそれぞれ 2項目合計10項目から構成。 (価値意識に関しては1項目の資料のみを採り上げた。)整理分析の方 法:価値意識については一対比較法により,価値指向性に関してはKluckhohnらの方法を踏襲し た。 結 果 1)価値(願望)対象の尺度値は高い方から1億一生命や健康の安全(2.481), 2億一暖かくなご やかな人間関係(1.707), 3位一世の中にわけ-だてがなく,すべての人々と同じように取り扱か われる(1.261), 4億一衣食住の取得充足(1.147), 5位一知識や能力を十分に発揮できる仕事職 場(.899), 6位一世間から尊敬されるような地位名声(0.000)である。 2)価値指向性について。 (ア) 7項目の中の項目8 (活動態様指向性に関する)を除いて,残り の6項目においてほ被面接者達の選択肢の選好順位には統計学的に極めて高い有意水準において規 則性が存している。 (イ)選択肢の選好順位を一対比較した結果を記号表示法によって表現すると次 のとおりである。項目4 (自然指向性):調和≧征服>服従。項目5 (時間):過去>未来>現在。 項目6 (時間):未来>過去>現在。項目7 (活動態様):享受型>努力型。項目8 (活動):努力型 ≧享受型。項目9 (人間関係):職場>地縁>血縁。項目10 (人間関係):血縁>自力>隣近所。 ■■■■■■■■W l--■■ 価 値 指 向 性 ノヾ タ ー ン 時 間 未来≧過去> 現在 碍■働 態 樽 、 享受型> 努力型 人 間 関 係 個人> 縦> 横 文 3)同一価値指向性を測定する2項目の回答 資料を結合した場合の価値指向性ごとの選択肢 の還好順位のパターンは左表に示すとおりで ある。 戟
1. Kluckhohn, F. R. & Strodtbeck. F. L. 1961. Variations in Value Orientations. New York: Row, Petersons & Co.
2.原 喜美1957.日本人の価値指向に関する研究CD, ICU教育研究IV, 12, pp. 163-200. 3.脇 勝嘉1970.鹿児島県民の価値志向性の研究CD,鹿児島大学教育学部研究紀要(人文社会科学編) 21, pp. 101-124. 4.脇 嘉嘉,篠原 優1968.鹿児島の県民性(2 1),鹿児島大学教育学部研究紀要20, p. 97. 5 脇 勝嘉,篠原 優1970.鹿児島の県民性(全体編2),鹿児島大学教育学部研究紀要22, p. 19, 31. 6 統計数理研究所国民性調査委員会1970.第2日本人の国民性.至誠堂. pp. 41-43, 360, 427. 7 Maslow, A. H. 1943. A Theory of Human Motivation. Psychol. Rev., 50, No. 4,pp.
370-396.
8 マスロー,上田吉-(釈) 1970.完全なる人間.誠信書房 (Maslow, A. H. 1962.Toward a
脇 勝 嘉 〔研究紀要 第23巻〕 9
価値指向性調査票
間3 次に一般に人々が大事なも.のとして願望していることを6つあげてあります。その6つを 2つずつ比べて大切な方をあげて下さい。 (ィ,ロ, -の内容をのべて,一対比較して,大切 な方を記入せよ。また表現は適当にいいかえてよい。) (T ) ( イ)( ウ* エ)0 *0 C# )(ア
) 衣
食
住
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) 暖
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人
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よ
う
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地
位
名
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∫
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(オ
) 韻や
能
力
を
十
分
に
発
揮
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き
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仕
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r \∫
入
管
冨
嵩
琶
空
宮
詣盲
蛋
髭,n苦
言
引
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間4 次にあげてある3つの考え方の中で,一番あなたの考えと同じ(または近い)ものから順 番をつけて下さい。 イ 人間には定められた寿命があるので,それ以上長生きすることはできない。 ロ 人間は,その考え出した学問や技術によって,今よりずっと長生きできるようになる。 - おこたらず,また無理をしないで,天然自然の道理に従ってくらす人は,そうでない人 よりも,長生きできる。 間5 次にお祭やお祝いごとについて2つずつを組み合せてあります。その2つの中で,あなた はどちらの方を大切に行っていきたいと思いますか。 (選択された方に○印をつけよ。) 先祖の年忌年祭(イ) -子供の誕生日,七五三のお祝 あなた方の結婚記念日のお祝(ロ) -先祖の年忌年祭 子供の誕生日,七五三のお祝(-) -あなた方の結婚記念日のお祝 間6 次に子供の育て方,しつけ方について3つあげてあります。その3つについてあなたのお 考えと同じ(または近い)ものから順番をつけて下さい。 イ 隣近所や世間で現在一般に行なわれているやり方をとる,そうでないとその子供が仲間 はずれになる心配がある。 ロ 子供はこれからのびていくものであるから,先々のことを考えて新しい方法をとって行 く。 - 前々から行なわれているやり方は長い間の人々の知恵であるから,それを尊重して,そ れによっていく。 間7 次に仕事(職業活動,学習)をするときの心掛けについてのべてあります。あなたはどち らをとりますか。10 イ 自分のすべてを打ちこんで,他の人より立派にやって行く(学習する)。 ロ 力まず,なまけず自分に一番あったやり方で楽しみながら働く(学習する)0 間8 次のような甲,乙2人の雇主がいるとします。あなたがつとめるとしたらどちらの雇主を えらびますか。 イ 甲の考え方は力一杯働くように要求して,いい加減な仕事の仕方は許しません。その代 り世間一般の雇主よりほ幾分高い給料を出します。 ロ 乙の考え方は甲のようには厳しくありませんが,給料は世間一般の雇主と同じ程度出し ます。 間9 これから結婚する人がその相手をえらぶのに次の3人の中で誰がよいと思いますか,順位 をつけて下さい。 3人は年令その他すべての点でちがいはな∨、と思って下さい。 イ 江野さんはあなたの父方または母方と何かつながりのある人です。 ロ 田川さんはあなたと同じ土地の出身者です。 - 高山さんはあなたと同じ職場に長年一緒に勤めている人です。 間10 世の中で生活して行く上で,次にのべる3つのことを強く感ずることがありましたら,お きしつかえない限り,お話し下さい。 (イ)頼りになるのは親,きょうだい,親戚であると感じたこと。 (ロ) ``遠い親戚より近くの他人''と感じたこと。 (-) ``頼りになるのは自分だけである"と感じたこと。 以上の3つのたよりどころの中であなたにとって一番たよりになるのは○で,その次に たよりになるのは○です。