Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
Title
Development of a functional bio-hybrid implant
utilising bioengineering technology
Author(s)
中島, 啓
Journal
, ():
-URL
http://hdl.handle.net/10130/3394
Right
氏名 中島 啓 学位 博士(歯学) 学位記番号 第2048号(甲 第1282号) 学位授与年月日 平成26年 3月31日 学位授与の要件 学位規則第4条第1項 論文審査委員 主査 矢島 安朝 教 授 副査 井上 孝 教 授 副査 齋藤 淳 教 授 副査 阿部 伸一 教 授
学位論文名 Development of a functional bio-hybrid implant utilising bioengineering technology 学位論文内容の要旨 1.研究目的 歯の喪失に対する口腔インプラント治療は、咀嚼機能の回復に大きく貢献している。次世代機能性イン プラント治療として、歯の生理機能の回復に向けて生物学的再生を利用した歯根膜の付与が期待されてい る。大島らは、胎児性歯小嚢組織を付与したインプラントを移植することにより天然歯と同等な組織構造 と機能を有する歯周組織が形成可能であることを明らかとし、バイオハイブリッドインプラント治療の概 念を示した。歯小嚢組織の応用は、胎児性であることや智歯の発生時期など取得時期の課題があり、成体 より採取可能な材料を用いて機能的な歯周組織を再生することが望まれる。本研究では、インプラント治 療技術と成体由来組織を組み合わせた、機能性バイオハイブリッド型インプラント治療の開発を目指して、 歯喪失部位への移植手技の確立と生着過程の解析、ならびに歯周組織の生理的機能の回復について解析を 行った。 2.研究方法 チタン表面にハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラント体をマウス下顎歯欠損部に埋入 し、オッセオインテグレーションさせた。インプラント体を周囲骨を結合させたまま摘出し、ラット下顎 切歯より採取した歯根膜組織を付与して免疫不全マウスに移植を行い、マイクロ CT および組織解析にて移 植経過と組織構造を評価した。また、顎骨に生着したインプラント周囲の歯周組織が生理的機能を有して いるかを明らかとするため、実験的矯正による歯槽骨リモデリングの解析ならびに神経機能の解析を行っ た。
3.研究成績および考察 ラット歯根膜を付与した骨付着インプラントをマウス顎骨に移植すると、CT 像で骨周囲に歯根膜腔の維 持が観察された。組織解析では、天然に類似した歯周組織構造を認め、インプラント周囲骨組織内に歯根 膜線維の侵入がみられたことから、セメント質の代用として骨組織を応用した新たな歯周組織の構築方法 が示された。また、生着した骨付着インプラントは矯正力による応答を示し、周囲歯根膜には神経線維が 侵入しており、矯正刺激を加えることによって三叉神経脊髄路核に c-Fos 蛋白の発現が認められた。この ことから、機能性インプラントは、矯正力に応答する歯根膜機能、および外部侵害刺激を中枢へ伝達可能 な神経機能が再生され、機能的咬合系を回復可能な治療技術であることが示された。 4.結論 以上の結果より、成体から採取した歯根膜組織と骨付着インプラントという組み合わせにより、天然と 同様な歯周組織の生理的機能を有する機能性バイオハイブリッド型インプラントが開発でき、歯科再生治 療の実現可能性が示された。
最終試験の結果の要旨および担当者
報 告 番 号 甲 第1282号 氏 名 中島 啓 最終試験担当者 主 査 矢島 安朝 教 授 副 査 井上 孝 教 授 齋藤 淳 教 授 阿部 伸一 教 授 最終試験施行日 平成26年 2月25日 試 験 科 目 臨床検査病理学 試 験 方 法 口頭試問 試 験 問 題 主題ならびに関連問題 結 果 の 要 旨 本審査委員会は主題ならびに関連問題について最終試験を行った結果、十分な学識を 有することを認め、合格と判定した。学位論文審査の要旨 口腔インプラント治療は、咀嚼機能の回復に大きく貢献しているものの、再生治療技術の発展に伴い生 理機能を回復可能な「歯科再生治療」の技術開発が期待されている。本論文は、既存のインプラント治療 技術と成体由来組織を組み合わせた、機能性バイオハイブリッド型インプラント治療の開発を目指して、 歯喪失部位への移植手技の確立と生着過程の解析、ならびに歯周組織の生理的機能の回復について解析を 行ったものである。 本審査委員会は、平成26 年 2 月 25 日に行われ、まず中島啓大学院生から論文内容の説明がなされた後 に、各審査委員より 1. 臨床応用に向けての組織および細胞シーズについて、2. 移植した組織への血管お よび神経の再生方法について、3. 生体外で骨組織を付着させたインプラントを作製可能かどうかについて、 4. 研究の最終的な目標とその位置づけについて、5. 生着したインプラント周囲に存在する骨組織と歯根膜 組織はホストとレシピエントのどちらの組織であるかなどについて質疑が行われた。質疑 1 に対して、患 者自身の歯根膜細胞やiPS 細胞を誘導して細胞シートを作製して使用する考えが示された。質疑 2 に対し て、生着した歯根膜内には周囲の血管、神経が併走して侵入することで機能を果たすことが示された。質 疑 3 に対して、インプラントの表面性状の変化や細胞種を選択することによる作製方法が提示された。質 疑 4 に対して、本研究は成体由来の組織を用いての機能性インプラントの実現性を示すものであり、最終 的な目標として臨床応用、そして歯周組織を含めた歯根または歯の再生であることが示された。質疑 5 に 対して、移植40 日の段階ではインプラント周囲の骨組織はホスト由来であり、歯根膜はホストとレシピエ ントの組織が混在している考えが示された。他にも、実験方法の詳細や投与した蛍光物質についての質疑 が行われたが、概ね妥当な回答が得られた。さらに、タイトル、文中における表現および用語の変更、付 図の矢頭矢印の追加と説明の補足など多くの修正すべき点が指摘され、訂正が行われた。 本研究にて得られた結果は、新たな歯科再生治療の実現可能性を示すものであり、今後の歯学の進歩、