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薬物弁別-その手続きと使用の問題点について

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(1)薬物弁別. その手続きと使用の問題点忙つい子㌣ 罷. Drug. 幸. 田. Discrimination-Its. 男. Procedures Sachio. Problems. and. for- Using. FuKUDA*. SUMAIA. RY. interesting the very aim of this article is to review for it and the problems involved the procedures especially ” The has of dru岳discrimination number of studies. topic. drug. ‥. of. them・ increased. =. 1970's. So And. an. At present. But. no. basic. procedtlre. has. been. in. established. have been. this article, the procedures血at ideal procedure壬1aS been proposed. has o.ne the present time nb 、designed for drug new discriminationH. methods. progressively are. adopted. ideal. an. Some. ”. discrimination. in employi,ng. reviewed but. procedure, of these. are. ”,. Tbe. and some. the. since. criticized.. resear血ers. introduced. and. criti-. cized.. 1.薬物弁別の研究動向 薬物弁別(Drug. discrimination)に関する研究がはじめて発表されて(1951年)から30. 年余が過ぎようとしている。図1はStolermanら(1982)が,その論文数を1950年以降 の主要な雑誌より算出した>ものであ t>u9-discrhholion. る。. 1970年代半ばより,その数が急 速に増加していることが読みとれ るo図1においては1982年以降のデ ータがないが,その増加傾向はひき 続き維持されていると考えられる。. たとえば,代表的な文献情報検索シ ステムの一つであるDIAI+OGを利 用して,. ". drug. discrimination”を. 50 _.. 鼻40 ち. *心理学教富(Dept. of Psychology) 注1) M、EDLINE (File 153), PSYCINFO. さ○. 董:: ○ r950. 傾向が依然として認められる。論文 の進展,あるいは,この研究のもつ. I950・1981. 60. 検索してみると箆1),論文数の増加 数の増加は,薬物弁別に関する研究. Reseorch.. t55. ′60. J65. 0. 5. '80. 'e5. Y●o1. 図1. discriminatiop串閲す,る論文数り推移. RDrug ・(Stolerman. et. (File ll)等を用いる。. al.,. Ⅰ982).

(2) 198. 田. 福. 幸. 男. 重要性が広く認識されてきたことを意味するoと同時に,最近の論文野中で薬物弁別の手 続きあるいは方法論上の問題を取り上げる傾向も認められる。現在最もよく使用されてい る薬物弁別の手続きは, 1960年代後半から1970年代前半にかけて公表されたものであ る。その後,数々の改善をかさねた上で,今日の薬物弁別の手続きが出来上がってきてい る。方法論の確立が論文数の増加に寄与していることは,疑いもない事実であるが,上述 したような最近の傾向は,薬物弁別の研究が転換期にさしかかってきたことを意味してい る.量的な増大から質の向上への転換であり,そのためには,この研究の基礎をなす方法 論的な見直しが求められてきているのである。本論文では,こうした背景のもとに,現時. 点で考えられる薬物弁別の方法論(手続き)上の問窟および新しいアプローチの一端を取 り上げてみることにする。. Table. I. Tasks. (From. in which. drugs. Overton. 1971). Required Task. have. controlled. differential. responding. Responses. State. 1. State. 2. Motivation. T・Maze. Right. Left. Escape. T-Maze. Black. White. Avoid. Shock Shock. Reference Overton. (1964). Bindra. Reichert. and. (1966) T-Maze. Buzzer-Right. Buzzer・Left. No. No. Buzzer・Left. Right. Y-Maze 3-Comparment 3・Alley. Box.. Maze. Jumping. Stand. Escape. &. 3 States Black. Door. (1967). Pbillips. Buzzer-Right Food. Left. Right. Shock. Barry, LtltCh. Le ft. Escape. Shock. Stevart. 3 Responses. EscaLPe. Shock. Overton. White. Food. Door. 良 Shock. Eoepfer,. (1967) Feldman,. Brovn,. Sbutt Bar. Alley. lebox Press. Approach. Avoid. Food. Go. No・Go. Avoid. RigⅠ1t Bar. Left. Press. SD-Light. Bar. Press. FR-50. On. SD-Light DRL・. Shock Shock. Food. Off. 20. Avoid. qonger (1951) Holmgren. Shock. Food. (1964). (1969) ;. and Barry Harris and. Balster. (1970). Ktlbena. ',. Bar. BaI・. &. and. (1968). Moore Telescope. and. (1965) (1962). Bariy、 (1968) Harris. and. Balster. (1968, 1970) Bar. Press. BaI・ Press. No. Response. Approach/Avoid. Kubena. Barry. and. (1969) Bar. Press・Monkeys. Bar. Press. No. Response. Food. Scbuster. Brady. and. (1970) Color Leg. Disc・Monkeys Flexion・Dogs. S十-Color Right. Leg. 1. S+-Color Left. Leg. 2. Food Avoid. Bliss, Sledjeski and Leiman (1970) Shock. Girden?nd. Cutler. (1937) Leg. Flexion・Do宮S. LegFlexionCR. No. Response. Avoid. Shock. Cook, and. Davidson, Kelleher. Davis. (1960).

(3) 199. 薬物弁別-その手続きと使用の問題点について. 2.薬物弁別の基本的な手続き 現在まで,薬物弁Bflの手続きとして様々なパラダイムが提唱され,実施されてきてい る。表1はそれらのパラダイムを課題およびその中で求められる反応を中心にまとめたも. のである(Overton,. 1971)。この中で最もよく使用されているものがスキナ一箱での餌を. 強化子としたBar・press課題であり,ついでT-迷路での電撃逃避課題である。現在では, Bar-press課題を用いている.. 発表論文数の907o以上ほ,. Bar-press課題甘こも,用いる. Barの数により,また強化子,強化スケジュールの違い紅より,いくつものバt)--ショ ンが存在している。しかし,その中で,最も標準的な手続きとされ,多くの研究者が準拠 する手続きはColpaertら(1976)によるものであり,表2に示されるo餌を強化子とす る2・bar I, Rhase. 訓練は2つのbar匠.対する反応を形成する予備訓練(Phase. press課題であるo. NDまた. II)に始まり,薬物(Drug:以下Dと略する)と無薬物(Nodrug: Phase. はSと略す)注2)とのいわゆる薬物弁別(PbaseIII,. IV),そしてテストから構成. されている注3).もちろん,個々の実験に際し細部の変更は生じてくるが,大勝ではこの Colpaertらの手続きが土台となっている。したがって以下の考察においても,この方法へ の論及が主となる。. Table. 2.. Survey. of. the. experimental. Colpaert. (From. ei. al.,. TD:. procedure.. training. drug・,. S:. solvent.. 1976). criterion T;:tneilng !:3iedCittiiO.nn D7LaitSn ;euSi:rsuTf r!qe:froendSe.n o:gCrhcreeedl:nl. Preliminary Pbasel. training. 5. no. 60. lever. eitber. CRF FR2-FRIO. PbaseII. 10. no. 30. 1eft. or. right. lever. ; FRIO. responses. (×1) ≧500. revarded. (×1). responses. alternating Discrimination. ≧200. training S;. PbaseIII. TD. PhaseIV. alternating or S; TD. or. 30 60. 15. DL. 15. alternating or SL; DL. or. SL;. FRIO. ;. TR≧400 FRIO. (×5). FFP≦12. ;. TR≧400. 丘Ⅹed sequence. 丘Ⅹed sequence. FFP≦15. (×10). Test. period ControI. TD. or. S;. 15. not. DL. or. SL;. FRIO. FFP≦. 15. limited 丘Ⅹed sequence. 丘Ⅹed sequence. TR≧. 300. (continuously) Test. (novel). test. 15. not. selected. lever. FRIO. FFP≦. 15. limited. drug. (DL/SL). 注2)生理的食塩水(Saline)を略したもの。. 注3)テストとは般化テスト,. substittltionテストをさす.. (in each. case).

(4) 200. 福. 3.理想的な薬物弁別 ・現在使用されている薬物弁別の手続きについては前述した通りJである.そしてその中で 標準的とされる手続きについても触れたoしかし,研究動向でも述べたように薬物弁別の 手続きおよび方法論上の問題を論じた論文数の増加は,既存の薬物弁別が必ずしも満足す べきものではないことを物語っている。 事実, Overton. (1979)紘,よく用いられる薬物弁別法を取り上抗その長所、準所を 比較している(表3)。またその一方で,理想的な薬物弁別にも触れ,次の五つの基準を満 たすものと規定している。 3. Table. 、simpliaed. (from Task. summary. Overton. of. the. properties. of various. drug. discrimination. tasks. 1979). T・Maze. Three-bar. One-bar. eSshcoac,ke. eSshcoac,ke. %IPScefietAvu?e 門 vAIPSceLietLvu?。 FARPPsecthi:ivuele. 5-30. 30-40. 30-40. 75195%. 95%. High. Medium. Medium. Index. Likelihood. Motivation. STC. Two-bar. Two-bar. Ideal. 30-40. 25-40. 0-10. 75-85%. 95%. 1007o. Medium. Medinm. Medillm. Low. Medium. Medium. Medium. Medium. liigb. Yes. No. No. No. No. Yes. of confounding Sd with other drug e庁ects. Small. Small. Large. Small. Small. Small. Typical. Overton. Sbannon Holtzand. Winter. Kubena. (1973). and. Asymptotic. task. aCCuraCy. Reqtlired. dose. Speci丘city. of after D N training. rats vs. of degr.ee of discrimln・ ability?. report. (1971). man. (1976). Barry. Colpaert et. all. None. (1975). (1969). i) 薬物弁別訓練に要する時間が少ない(学習基準に到達するまでのセッション数: STCが少ない)0 ii. 薬物弁別が100%の正確さをもって成立する.. iii. 訓練用量(training dose)が少ない(薬物-のSenSitivityが高まる)0. iv. D-N訓練後に被験体の訓練薬物への特異性(specificity)が高まり,他の薬物と の混交を生じない。. ・Ⅴ)弁別力(discriminability)の程度に関する指標を持っている.. 現時点で,これらのすべての基準を満たす理萄的な葉物弁別ほ存在していないoたとえ ば, bar-press課題ほi),. iv), Ⅴ)の基準を十分癖たすとは言えず,またT一迷路課題では,.

(5) 薬物弁別-その手続きと使用の問題創こついて. 201. iii),iv)-の基準を満たしえない.代表的な手続きについてすらこの状態であるからして・ 他については推して知るべしであるoしたがって,理想的な薬物弁別の方法を確立するこ とが急務となる。ただ,この問題が早い時期に解決をむかえる目途は立っておらず,試行 錯誤的状況にある.研究を中心に考えると一時も休むことは出来ないことから,しばらく. は,問題があることを東知の上で,現時点で最も標準的な薬物弁別の手続きを採用して行 くのが次善の策と思われる。. 4.薬物弁別-その手続きと使用上の問題点について 理想的な薬物弁別が存在しない現状では既存の手続きを踏襲せざるを得ないが,その際 に以下に述べる要因について,十分な考慮が必要である.それなくしては,せっかく手に. したデータの解釈を誤り,ひい七は薬物弁別そのもの-の不信をつのらせることになる. a.予備訓練(Phase. I, ⅠⅠ)におけるshaping. colpaertら(1976)の標準的な手続きに従うと,予備訓練時のbar押し反応の形成 (shaping)時には,一切薬物を導入せず,薬物弁別に入ってはじめて薬物を与えることに なる。既述の通りColpaertらの方法の短所の一つとして,訓練期間の長さがあげられて (1979)紘,この点を克服する意味で,予備訓練のShapingに工夫をこら いる。 Overton (N忠一Nl)に加え, (N乞-Dl)および(Errorless N2-Nl) したoすなわち,従来のShaping 条件を検許し.たo (N2-Dl)条件とは,. ND下で一方のbarに対する反応を強化したのち. に,訓練薬物を導入し,そのD下で他方のbarに対する反応を強化し,しかる後に薬物 弁別を開始するものであった。 (ErrorlessN2-Nl)条件披,薬物を予備訓練時に導入しな いことでほ,従来の方法とかわらないが,それぞれのbarへの反応を形成する際に不適切 後の薬物弁別の成績に影 なbarを引っ込める条件であった. shapingの方法の違い札 (Errorless N望-Nl) 響し, SCTについてほ(N2-Dl)が最も少なく,次いて(N2-Nl), の順となった。この傾向ほ薬物弁別に移行した最初の段階で特に顕著であった。予備訓練 の早い時期から薬物を使用することが結果として薬物弁別を早く成立させることにつなが (1981)のD-D条件間の薬物弁別でも支持されている○ った。同様のことほScbecbter この様にして, Sbapingの方法により,後の薬物弁別の期間が変化しうることが示唆され ている。. ち.強化スケジュール. i)薬物弁別. 薬物弁別時の強化スケジュールとしては,. bar-press課題については定率. ⅤⅠあるいはDRLなどのスケジュールも見うけ 強化(FR)が主である。しかし中にほ, (1979)は表4で示されるような11種額の強化スケジュールを用い,令 られる. Overton. 々のスケジューノ}下での薬物弁別の成績(SCT)を求めた。結果は以下の2点に要約され る.第1は比率強化スケジュ-ルが間隔強化スケジュールに優ることo第2に比率強化ス ケジュールの中ではFRIO,. FR・30とい・ったこれまで多用されてきたスケジュールがやは.

(6) 202. 福、田. 男. 幸. り優れているという点である。これらから,薬物弁別の訓練時にどのような強化スケジュ. -ルが適当かがうかがい知れるoしかし,その一方で,採用すべき強化スケジュールを弁 別の成績(SCT)のみで規定してよいものかという疑問も生じる。 ii)般化テスト. 強化スケジュールは,その弁別の成績のみならず,その後の般化テス Koek. トの結果をも左右する。. Slangen. and. (1982)は図2で示される3種の強化スケジ. ュールを用い,各々のスケジュール下での弁別完成後に般化テストを行った。使用した薬 (0・01mg/kg)であっキ.すべてのratについて,まずⅤⅠ60′′-VI60′′. 物はfentanyl. Table. 4. EfFects. of. of. schedule. (Overtop,. reinforcement. Asymptotic. Group. whole Interval VI. prolonged. Approacb. 20′′. DRL. VI. VI. test. 20′′. VI20′′ FR. 10. 2.9. 97.8. 7.1. 96.0. 2.1. 99.7. 2.4. FR. 30. 99.0. 2.1. 98.3. 2.0. 98.0. 1.3. FR. 10/FI. trial FR disc. FR. 90′′. 10 10 FI90′'. D!. 96.3. 120. ln. T. I. 50. lO. Di V. S!. L. 4.3. 95.9. 10. Vebicle. fn. 8.7. 96.9. FR. Discreate. 6O. 94.7. schedule. Interlocked. S!. mean. 99.1. 16=. Tandem. 60. Geometric STC. (%). schedules. Approach/avoid. D!. Accuracy session. 20′′. ⅤⅠ 20′′with. Ratio. initial acquisition. on. 1979). 2. 10. ℡ S.・. ユ・・・........_. 12O. l). 1. 7I. (n. B. 3) D;. 40 ℡. S!. 図2. 120. J):. 120. S!. 40. 2. T. 強化スケジュールと般化テストとの関係を求めるパラダイムo Dは薬物,. SはSalineを示すo数値はⅤⅠスケジュールの (Koek and Slangen, 1982). 値, Tはテストを示す.. 3. ∼. (D.

(7) 203. 薬物弁別-その手続きと使用の問鼠点について. -s)の強化スケジュ-ル下で弁別を行ない,完成後に般化テスト(Tl)を行ったoその後 VI120′′-VI40′′. ratを2群に分軌、. (D-S)をその順. (D-S)およびⅤⅠ40′′-VI120′′. T8)にわた. 序についてはカウンタ-バランスし,弁別の完成後に般化テストを2度(T2, 0・00063mg,. 0・00125mg,. 0・005mg,. 0・0025mg,. って行なった。般化テストでの用量は, 0・01mgをのぞき,各強化スケジュール下での般化勾配にバラツキ o.olmgであったが,. が認められた.もちろんED5.も異なった.通常の薬物弁別の実験では,唯一種蕪の強化 スケジュールしか用いない。そして,その下での般化またはsubstitutionテストの結果 を論じるのが常である.も・しここで示したように,用いた強化スケジュールによって結果 が左右されるならば,同一の強化スケジュールを用いた実験間のデ-タのみが比較可能と なる。その意味でもすべての要因について標準化された手続きの確立が待たれるo. e.訓練用量 訓練用量が薬物弁別の成績を左右すること札多くの研究者の指摘する所 Overton(1982)はT-迷路における訓 であり,理論的にも十分に予測されたことであるo i)薬物弁別. 5mg,. 15mg'20mg,. long,. 2・5mg,. pentobarbitalの場合,. 練用量とSCTとの関係を示しているoたとえばsodium. 19, 10, 3・2, 1・3, 1・3となっ. 25mg下でのSCTは>60,. ており,用量の増加に伴ないSCTが減少して行くことがわかる。ただ20mgと25mg Over-. では差が生じないことから,ある程度の巾の中でという注釈は必要である。一方, ton (1979)の指摘にもあるように,訓練用量が低い樫,薬物へのSenSitivityが増すとい ぅ事実を無視することはできない○般化あるいはsubstitutionテストを想定すると,多. 少長い期間に渡っても,薬物へのSenSitivityを高めていった方が好都合であることが多 い。結局の所,訓練用量は,両者を考慮した上で決定されることになるoなお, T-迷路課題で示されたような用量とSCTとの関係を示す報告はない。 課題については, 訓練時の用量が後の般化,. ii)般化テスト がWhite. and. Appel. bar-press. substitutionテストの結果を左右すること. (1982)らによって指摘されている.すでにsenSitivityの問題が. くり返し取り上げられてきたが,一般に訓練用量がより低い程,薬物へのSenSitivityは 高まり,般化テスト等でのED50値は低くなるoたとえばLSDとsalineとのいわゆる 0・08mg, 0・32mgとし,般化テスト LSDの訓練用量を0・02mg, D-N型の薬物弁別で,. 0・01mg, 0・06mgと大きく異なる結果を得る.実 でED5.を求めると,各々0.0025mg, にED与.値で最大24倍のひらきが出てくるo強化スケジュールと同様,訓練用量につい ても通常ほ一種塀のみを用いることの方が多い。. Whiteらの実験結果は,あらためて. ・sensitivity”の問題を浮きぼりにしてくれた.訓練に際し,少なくとも2ないし3種類. の用量を併用することの必要性を示しているようである。また,その中には出来る限り低 ED50をほじめとする真の値を見い出すことは出来ないようで. 用量を盛り込まなければ,. ある。般化テストのみならずsubstitutionテストにおいても訓練用量の影響が認められ. LSD-salineの弁別後, る.前出のWhiteらの一連の研究において, 0・08mg, LSDの訓練用量は0・02mg, stitutionテストが行なわれた。 ある。結果は,. MK-212. (0・5mg/kg). -のSubstitutionは90%・. M臥212へのsub-. 38%,. 0・32mgの3種で 38%であったo.

(8) 204. 福. 田. 幸. 男. この結果は,同じLSDを用いてもME-212にsubstitutionをする,あるいはしないと. いう全く異なる結論をひきだすことがありうることを示している。訓練時の使用用量をど うするかは重要な問題なのである。 d.個体差 動物実験における個体差は,人の実験におけるそれよりははるかに小さいo時には個体 差を無視出来る条件すらあるoその一方で,個体差を無視できないケ-スに遭遇すること. もあるo薬物弁別については個体差を考慮しなければならないケ-スがしばしばある. Scbecbter. (1983)は,薬物弁別に対するratの個体差を,薬物に対する感受性という. 観点から捉えているo. apomorpbine. 準に到達した群(early. learner. SCT. :. O・16mg/kgとsalineの薬物弁別で,よりはやく基 SCT. 22・5±5・24)と遅く基準に到達した群(late. learner. :. 44・2±7・36)との差が,学習能力そのものに帰するのか,はたまた薬への感受性に帰. するのかという実験であるo般化テストでのapomorphineED50値が前者で0・01mg/kg,. 後者で0・07mg/kgであることから,両者の遠いは薬物へのsensitivityの差に帰せられ ることがわかるo同じ薬量の投与でも,個体によりその作用が異なるのである。したがっ. て,本当はsensitivityの違いに基づいて訓練用量を変更する必要がでてくる。ただ被験 体のsensitivityの違いを,事前にどのようにして見い出せばよいのかという問題が残っ ている。. e.時. 間. 被験体が種々の行動においてサ-カディアンリズムを示すことは既によく知られている 所であるo. Scbecbter. を示してい畠o. (1980)紘,・般化テストを行なう時間帯によりその結果が異なること. pentobarbital. (6mg/kg)とamphetamine. (0・8mg/kg)のD-D壁の 02:00-03:00の時間帯でsalineを投与す ると, pentobarbital barへの反応は前者で31・3%,後者で53・3%であった.従来の研. 弁別を行ない・その完成後,. 14:00-15:00,. 究では必ずしも明確ではなか-た水テスト施行時の時間帯の違いにより,全く異なる結 論を引き出しうるのであるo. Scbecbterらは,両者の違いをratが夜行性で,. 02:00-. o3:00間で活発に行動する為としているoその説明の適否は別としても,とかく見落しが ちな時間的要因が問題となりうることを示したことほ心すべきことである?このことは,. 内因性の物質を薬物弁別で使用する際に特鴫意しなければならないことを意味してい る。. 5.新しい試み 現在の標準的な轟物弁別が,理想的な薬物弁別ではないことはすでに指摘した通りであ る。以下では,最近報告されている薬物弁別に関する新しい試みを紹介し,あわせてその 効用の限界を考えてみるこ・とにする. a・. three-choice. drug. discrimirLatiorL.

(9) 薬物弁別-その手続きと使用の問題点について. 薬物弁BTJは通常2種類の薬物間の弁別(D-N, 種類の薬物問の弁別を求める方法がある。. 205. Dl-D2)を基本とする. aIId Swedberg. Jarbe. それに対し,. (1982) は表5で示され. るような8種の薬物弁別の可能性を提唱している。表中でアルファべッ 紘,薬物の種類を,また数字の添 字つきDは,用量を示すもので. Table. 5. T一迷路および3方迷路課額など が想定されているようである。ち Over-. なみ牢3方迷路に関しては, ton. (1971)が既にその可能性を検 White. 討している。また, Holtzman. (1981)紘,. (0.3mg/kg),. and. cyclazocine. (3.0 mg/. morphine. kg), saline間の弁別を報告して. and. Svedberg,. 1982). RI. R2. a) b). N. D. DI. D2. c) d). DA. DB. N. DI. D2. e) f). N. DA. DB. DI. D2. D3. g) 也). DA. DB. Dc. Dl. D2. D王Ⅰ. bar-press課題または. はないが,. トの添字つきD. 薬物弁別の基本的パラダイム (Jarbe. ある。、課題の種類についての言及. 3. R8. Rは求められる反応 NはNo. drug, DはDrugをさす.添字の数値は doesを,アルファベットは種類をさす。. いる.この場合の課題は,壁にセ. ットされた三つのbarの中のい ずれかを選択し,電撃を回避することであったoただ実際には,三つのbarの中からの選 択ではなく,. 3種 salineとdrugのいずれか一方のbarの間の二者択一となっている。 の薬物間の弁別の一つのねらいは,従来の方法では求められにくい,薬物間の類似性およ び微妙な差異の検出である。 morphineとsalineとの弁別後のcyclazocineへのsubsti-. tutionと,. cyclazocineとsalineとの弁別彼のmOrphineへのSubstitutionとでは異なる 特徴が見い出されるという可能性である。実際に10匹のratのうち7匹で薬物弁別の完 成が認められた.ただし,. SCTは146セッションであり,個体差も見られた.. 80%の正. 確さを得るにはおよそ60セッションを要している。般化テストにおいて, 0.03mg,. morphine. 1.Omg以上で適切なbar. cyclazocine. -の選択が認められた。従来の方法では,. 両者間のSubstitutionが認められ,揮似性が強調されていたが,この方法によると異な SCTが140-150セッションと長期 る特性を有していることも認められる。問題点は, D-N型の弁別の30--50セソショソに比較し4-5倍となっている. にわたる点であり,. 弁別完成後の般化, substitutionテストの有効性は増すものの,時間をかけても完成しな い危険,あるいは完成-の見通しが立ちにくい点は否定できない.むしろ,. morphine. と. cyclazocineとのDA-DB塑の弁BIjをむしろ積極的に活用すべきである. b.. or. drug. discriminatiorL. 手続きとしては,. D-N型の従来の方法を基にしてい・るが,薬物を2種類用いる点に特. 徴を有する.たとえばColpaert. and. Janssen. (1982)に例をとると,薬物としてfen・. tanylとcocaineを用い,そのいずれかを投与された時にほ,薬物側のbar saline時にはもちろんsalineのbarを押すことが求められた.. 、を押し, orの意味する所は,. 2.

(10) 206. 田. 福. 幸. 男. 種の薬物のもつ刺激特性の和を薬物barの選択へと結びつけることである。 中10匹でこの薬物弁別は完成し,しかも薬物bar. 13匹のrat. -の反応はすみやかであった。完成. 後,般化およびsubstitutionテストも行なわれた。外受容性の感覚刺激を用いる場合, 何種類かの刺激を組み合わせ,. "stimulus. cocktail”を構成することがある。. discriminationについても同じことが言えるかもしれない。 ① [(drug). の延長として, agonist)トsa】ine. or. ③ [(does). or. (drug. or. drug. Colpaertらは,この考え方. antagonist)トsaline. ② [(agonist) or. (partial. (dose)トsaline等の組み合わせをあげている。いずれ. にしても,その組み合わせの効果によって従来では検出されなかった刺激特性が利用出来 るかもしれないという利点がある。ただ,. D-N型の弁別よりもSCTがやはり大きくな. る(2.3-4.7倍)という問題,組み合わせによる結果の解釈のむずかしさという問額が残 っている。 c.. multiple. 前述のOr. drug. discrimination. drug. discr血inationの拡張とも考えられる。基本的には,ある薬物と他の. 薬物群との弁別であり, Overton. 〔one drug-a. group. of other. drug]と表現される。たとえば,. (1982)はその一例として[phenobarbitaト(amphetamine,. saline)]の弁別を行なっている。. cocaine,. bemegride,. salineを除く後者の薬物群は,すべてpsychomotor. stimulantである。またpbenobarbitaトsalineの弁別後のsubstitutionテストでpheno・ barbitalを選択しない薬物でもある。予想よりも早く弁別は完成した。このような薬物の 組み合わせにより,薬物のspeci丘cityを高めたり,. specificityの程度を調整する可能性. が考えられる。ただb.と同様,組み合わせが複雑化することにより結果の解釈をむずか しくさせる危険はふくらんでくる。 d.薬物弁別なしの般化テスト. 薬物弁別の手続きに対する新しい試みを紹介したが,以下では般化テスト, テストの工夫を紹介するo. Koek. and. Slangen. substitution. (1982)は,薬物弁別の繁雑な手続きを実. 施することなく,しかも結果として般化テスト,substitutionテストで,薬物弁別を実施 したのと同様のデータを得ることが出来ないかと考えたo彼らのアイデアの基本は,すで に実用化されている外受容性刺激(音とか光)下での般化テストにあった。たと′えば1000 Ⅲz純音下でのbar押しに対して強化がなされると,その後の般化テストで他の音に対し ても何がしかのbar押し反応が生じ,いわゆる般化勾配が描かれる.訓練時に,. 1000Hz. 音以外の音に対して,消去の手続きをわざわざ取らなくてもよい。これをnon. discrimト. native. fentanyl. procedureと呼ぶ。実際の実験では,. でのbar押し(tandem. VI60′′. (0.02mg/kg)を用い,その投与下. FRIO′′)を求めた。装置は従前のものと変わらないが,. fentanyl投与下で,もう一つのbarは引つ込めておく。 stitutionテストが開始され,. 同様の般化勾配が得られ,. 8週間後に,般化およびsub1atency等も同時に測定された.結果は従来の薬物弁別と. amphetamine,. cocaine. -のsubstitutionは認められなかっ. た。これらの結果は,薬物弁別という方法を用いなくとも,比較的簡単にその成果と同様.

(11) 207. 薬物弁別-その手続きと使用の問題点について. のものを手にする可能性を示唆する所となった。 e.新しい般化テスト. 般化テストおよびsubstitutionテストの実施も,薬物弁別訓練同様に長い時間を要す るo今までの新しい試みの大部分は,薬物弁別訓練についてであったが,最後に,般化テ ストについての試みを紹介する.一般に,般化テストの実施前には,一定の学習基準を満 たしていなければならない。その為に,般化テストを一度実施すると,その後弁別訓練を. 再びくり返し,学習基準への到達をはかること紅なる。二回目以降の般化テストについて も同様であり,般化テスト,. substitutionテストを数多くくり返すと,それだけで数カ月 2年近くを要 から半年を費やすことになるo極端な場合には,全実験を終了するまでに, することもあり,その間に被験体の死亡それに伴なう実験の中止という事態も起こってく るo Bertalmioら(1982)紘,般化テスト等に要する時間を節約する方法として=cumulative dose. 1回のテストで数種の薬量をテス. metbod〃を提唱している。この方法では,. トする。その際に低用量から徐々に量を増して行き,その累積薬量を,従来の"Single dose. したがって,テストの期間に換算すると数分の一に短縮. method”と対応させるo. dose. されることになる.すべての場合に適用できる訳ではないが,従来のSingle. method. と同様の結果が得られるとの報告があり,さらに追試がまたれる所である。もちろん,こ の方法による幣害も考えられ,結果の分析に際してむま十分な配慮が必要であるo 6.ま. と. め. その他の試みとして,標準的な2-bar型?薬物弁別手続きで,何をどのように改善す (1984)によってな. れば良いかという最適訓練パラメータを求める地道な試みがOverton. されている。いずれにしても今しばらく薬物弁別の方法,および問題点に関する議論が展 開されることが予想されるが,これは薬物弁別という極めて魅力的な研究領域をさらに拡 げるための貯卵期にあたるものとも考えられるo. Referenees. Bertalmio, for. rapid Metbods,. colpaert,. Herling,. A.J.,. of evaluation 1982,7, 289-299.. F.C.,. Nimegeers, on. considerations 177. colpaert,. S., Hampton,. F. C. and. C.∫.E.. drug. Janssen,. dose. ratio and absolute Arch. int. Pharmacodyn., colpaert,. F.C.. and. J. Pbarmacol., colpaert,. F. C. and. Janssen, 1983, Slangen,. the. P. A.. 1982, P.A.. regulating. in. 258, Or. P.A・. learning.. Factors level. the. G.. case. and. Wood,. effects. stimulus. Janssen,. and discrimination. dose. Winger,. R.Y.,. discriminative. of. A. J・H・ drugs.. procedure. J・ Pharmacol・. A theoretical and PsycbopbarI℃aCOlogia,. metbodological 1976, 46, 169-. drug. :. cue. of fentanyl. sensitivity dose-dose. the effects of discrimination.. 283-299.. discrimination:. a. nev. drug. discrimination,. Etlr・. 78, 141-144.. ∫.L. (Eds.) Drug. discrimination. :. Applications. in CNS. pbarma-.

(12) 208. 福、 1982,. cology.. 1) 2). 3). W.. Slangen,. and. saline. Overton,. D. A.. Crofts, Overton,. T-maze. 1979,. drug. D.A. D.. saline Scbecbter,. between. reinforce甲ent differepc?s. behavior. of. drug. by. drugs.. of. 1971,. D.. training. In. states. Ne∇. York,. drug. 343-354. : a. procedure. Tbompson,. T.. and. Appeton-Century. and. 1982, Ⅲoltzman,. cyclazocine. and. a. Bebav.,. of. sensitivity Biochem.. ∫.B.. discriminability. a. per・. Psycbo-. various. drugs using 76, 385-395.. the specificity 166-172. in the 、two-barfiⅩed-ratio 21, 19-28. discrimination. two-drug. 1981,. individual. Behav.,. 1982,. drug. the. of drug. discrimina・. 1984,. Behav.,. Training. of. for increasing method Exp. Tらer., 1982, 221,. parameters. Rapid of acquisition Pharmacol. Biochem.. Apple,. on. of reinforcement schedules A met血odologlCal report.. :. Psさ一Chopharmacology,. as. Biocbem.. Pharrr]acol.. task. of. ∫.Pharmacol.. training. Drug. M.D.. degree. paradigm.. drug. Optimal. and. procedures. discrimination. the. of. Psychopbarmacology,. phine,. of、. 65, 29ト298.. Pharmacol.. state.. ∫.M.. shaping d∫ng. procedure.. A.. mination. White, F.∫. and White,. of dis・. absence. of stimulus properties Shine, P..∫. Drug discriminオtioh. properties. discrimination Multiple. task. M.. of. tvo-bar. Comparison. discrimination. Schechter,. in the. generalization. discriniina-. fentanyl.. and. control. Stimulus. In且uences in the. pbarmacology, Overton, D.A.. tion. drug. 401-448.. (Eds.),. D. A.. 0verton,. of. conceptuali去ation. 87-110.. formance. Overton,. 氏.E.. Discriminative. R.. Pickens,. Effects. J・L・. sessions Ⅰ.P., Baldy,. bibliograpby,. A. stimulus. discriminative. on. Stolerman,. Drug. J.L.. Slangen,. and. M.D.B.. 263-268.. training.. crimination Koek, W・ and. 4). and Swedberg, 327-341.. learning.. Koek,. 男. EIsevier. Jarbe, T.U.C. tion. 幸. .田. doses. as. time. of. degree. deヒermines. rats. 1983,. :. day. effect. upon. 14, 269-271, of. drug. discri-. 19, I-4. a. factor. in. LSD-saline. discrimination,. 76, 20-25. S.G.. Tbree・cboice. saline.. J. Pharmacol.. drug Exp.. discrimination Ther.,. 1981,. in. the. 217ト254-262.. rats:. mor・.

(13)

Table 2. Survey of the experimental procedure. TD: training drug・, S: solvent.
Table 3 、simpliaed summary of the properties of various drug discrimination tasks
Table 4 EfFects of schedule of reinforcement on initial acquisition (Overtop, 1979)

参照

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