GMコンピューターによるGM測定の信頼性について
著者
山中 有一, 松野 保久, 中山 博
雑誌名
鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of
Fisheries Kagoshima University
巻
37
ページ
51-56
別言語のタイトル
On the Reliability of GM Obtained by
GM-Computer
Mem・Fac,Fish、KagoshimaUniv., Vol,37,pp、51∼56(1988)
GMコンピューターによるGM測定の信頼‘性について
山 中 有 一 ・ 松 野 保 久 ・ 中 山 博 OntheReliabilityofGMObtainedbyGM-Computer *2 YuichiYamanaka*',YasuhisaMatsuno*',andHiroshiNanayama Keywords:GMComputer,F、F、T,oscillationfrequency,spectrum,windscale Abstract Theoretically,GM-Computercalculatesthevalueofaship,sGMwhichisdeterminedbythe freeoscillationfrequencyobtainedthroughF.F・Tmethod,usingthedatagotbyanusing incliningdetectingelement,andaccordinglynavigator,underway,easilyobtainstherealtime G M However,whenwemadeuseoftheGM−Computer,wecameacrossafewpractical difficulties,becausealotofabnormalvaluesofGMwithlargedispersionwererecognized whenmeasuringswerecarriedoutonboardthetrainingship,KagoshimaMaru,Facultyof Fisheries,KagoshimaUniversity・ Therefore,wediscussedabouttherelationshipbetweentheaccuracyofGMvaluesandthe effectofextemalforces・Intheresult,wefoundthat(1)thereliableGMvalueswereobtained whenwindscaleshowed4grade,(2)therewerenorelationshipbetweentheGMvalueandwave scaleorswellscale・ Andsomeimprovementplanswereexaminedinordertogetthestableandreliablevalueof G M GMコンピューターは船舶のコンディションにより変化するGMを実時間でかつ容易に知ることができる利点を有し,海上保安庁昭洋丸等において良好な結果を得られたとの報告
がある')。しかし本学練習船かごしま丸,敬天丸での実船試験では値が一定でない異常に大 きな表示が多く,実用上問題があった。そこで測定時の外力の影響とセンサー設置位置より, 現在使用しているシステムから得られるデータを利用できる条件を検討した。またシステム 構成からみた問題点,改良点についても若干の検討を行った。 *’鹿児島大学水産学部漁船航海学研究室(LaboratoryofFishingVesselNavigation,Facultyof Fisheries,KagoshimaUniversity,50-20Shimoarata4,Kagoshima,890Japan) *2鹿児島大学水産学部漁船運用学研究室(LaboratoryofFishingVesselSeamanship,Facultyof Fisheries,KagoshimaUniversity,50-20Shimoarata4,Kagoshima,890Japan)52 鹿児島大学水産学部紀要第37巻(1988) 測 定 方 法 測定にはGMコンピューターAGC-800(宇津木計器)を2台用い,かごしま丸のFig. 1に示す2ケ所に設置した。A点は第2実験室床上の船首尾線上,B点はチヤートルーム 机上の船首尾線上で両点の高低差は3mである。Gは重心位置を示している。本器は一方 向可動振子と差動トランスからなる動揺検出器の電圧出力をA/Dコンバーター(8ビッ ト量子化)で取り込み,256ポイントF、F、Tによってスペクトルのマグニチュードピーク 値を求め,その周波数を船体の固有動揺周波数(fbとする)とみなし次式によりGMを計 算する。
G
M
=
4
庵
'
含
K
W
ただしKは平均喫水より求めた環動半径,gは重力加速度である。 測定間隔はサンプリングインターバル1秒で取り込むため約4分30秒となる。計算結果 (GMCとする)は外力の影響に変化がないとみなせる約3時間,42個ごとにグループ化し G1∼G22とした。GMc評価の基準として一日ごとの船のコンディションとかごしま丸復原 性図表からの推定値(GCMとする)を用いた2)。GCMの計算に用いる航海中の平均喫水は 一日ごとに各タンクの使用量から求め,同時に自由水影響表から求めた自由水による重心の 見かけ上の上昇も考慮した。外力としては風力階級,波浪階級,うねりの階級の記録を用い たが方位については信頼度の高いデータは得られなかった。 結果および考察 G1∼G22のA点およびB点のGMc‐GCMの平均値と標準偏差をFig.2に示す。G5∼G9,G12,G13ではA点,B点とも±0.1m以内でバラツキも少ない結果を得た。G14
はA点のみ良好であった。これらのグループではスペクトルのピーク値をとる周波数がfb
にほぼ一致していることを示し,この範囲においてはセンサー設置場所の違いによる影響は
小さい。他のグループでは外力による動揺周波数(fnとする)にピーク値が移ったと推定
され,設置場所による差は増加するが全体の傾向は似通っている。測定時の風力,波浪,うねりの階級をFig.3に示す。Fig.2と対照すると風力階級4の
時に良好な結果が得られる特徴がある。風力5以上ではGMCが異常に大きな値を示しかつ
バラツキも大きかった。風力3以下ではGMCの平均値はGCMに近いがバラツキがやや大
A B 亜 Fig.1Positionofincliningdetectorsinprofile.山中,松野,中山:GMコンピューターの信頼性 53 きかつた。これは船体動揺そのものが小さくなりスペクトルが平坦化してfoの寄与率が減 少し,S/N比が低下するためと考えられる。波浪とうねりについては測定精度との明確な 関連は認められない。 GMc−GoM(、) 4 3 2
A l
0 1 2 5 10 15 2 0 GroupNo. GMc−GoM(、) 4 3 2B ’
0 1 2 5 10 15 2 0 GroUPNo. Fig.2VariationofGMc-GoMclosedcircle:mean value,bar:±SD叫・・'・' 54 WindlScale W a v e s c a l e S w e l l s c a l e
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ビナー〔-)4'、 当局△戸A戸自76543210
m L J … 四 A 公 戸 △ 戸 臥 ハ 再 △ 心 房 △ 鹿児島大学水産学部紀要第37巻(1988) L+・・・│・-1...1.、 3 − 0 ① ⑦ 同 … F 1 … し 』 GroupNo. Fig.3Variationofwindscale,wavescaleandswellscale. 5 10 15 20 G21,G22では風力は4であるが誤差,バラツキともに大きな値になっている。そこで G22と風力4で良好な結果を得られたG8,平均値がもっともGCMと隔たったG18の3グループのA点における全データをFig.4に示した。GCMはG8が1.00m,G18が1.04m,
G22が1.06mである。この図からG8ではfoが,G18ではfnが卓越しており,G22では foとfhの周波数成分が桔抗していることが推定される。Fig.5はG22のA点での測定値を区間0.4mで頻度分布図に示したものである。foに
よるGMCとfnによるGMCの分化が明瞭な二峰分布になる。最多頻度を示すのは0.8mか ら1.2mの区間であり,区間内17個のデータの平均値は0.94mとなってGCMに近い値になる。foによるGMCは狭い区間に集中していて周波数安定度が高いことを示し,fnによる
GMCは反対に安定度が低いことを示している。 以上の結果から測定精度向上のために改良点として次の2点があげられる。 ①fhがスペクトルピーク値をとる場合でもfoのピークは存在するので,適当なフィルターをかけることによりfnを除去し広い範囲でGMを求めることができる。ただしfOとfn
が近い場合には2者の分離は困難でありまたフイルター設定は海況,装備船ごとに個別に 行う必要がある。②fbとfnは周波数安定度に明らかな差があるため,F、F、T処理後の周波数データ全体
を標本集団としてアンサンブル平均をとることにより安定度の低いfnは相殺されfoを抽( 山) 3 Ⅲo T7 ・汐 9. sg ・冠 O・ 乙g ・I FO E 0
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