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Periaortic adipose tissue-specific activation of the renin-angiotensin system contributes to atherosclerosis development in uninephrectomized apoE-/- mice

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 川人 浩之 論 文 題 目

Periaortic adipose tissue-specific activation of the renin-angiotensin system contributes to atherosclerosis development in uninephrectomized apoE-/- mice.

論文内容の要旨 慢性腎臓病は心血管イベントの独立した危険因子であると報告されているが、軽度の腎機能障害による初期の 動脈硬化進展機序は十分に明らかになっていない。近年血管周囲脂肪組織が血管のリモデリングや動脈硬化形成 に重要な役割を担っていることが明らかにされているものの、慢性腎臓病による動脈硬化進展に血管周囲脂肪組 織がどの様に関係するかはわかっていない。腎機能障害に関連する動脈硬化進展のメカニズムを明らかにするた めにわれわれは軽度腎機能障害モデルとして片腎摘出手術を行ったアポ E 欠損マウスの動脈硬化進展機序におけ る血管周囲脂肪組織の役割を検討した。 動脈硬化モデルマウスであるアポリポプロテインE 欠損(apoE-KO)マウスを使用。8 週齢の雄のア ポE 欠損マウスに片腎摘出手術を行い高コレステロール食を 12 週齢より負荷した。(一部 12 週齢時に浸透圧カ プセルにてオルメサルタン投与モデルも作成) 胸部大動脈の動脈硬化病変を 16 週齢、20 週齢に評価した。 16週齢では同等であったものの20週齢時には片腎摘出群でsham群と比較しオイルレッドオー陽生プラーク領 域が54%有意に増悪していた。 続いて片腎摘出によって血管周囲脂肪のアディポサイトカインの遺伝子発現が変化するかを評価した。炎症性 サイトカイン/ケモカインであるTNF-α, MCP-1, IL-6は両群間で差を認めなかったもののアンジオテンシノーゲ ンの遺伝子発現はsham群と比較し片腎摘出群で85%有意に亢進していた。この結果と同調して片腎摘出群の血管 周囲脂肪組織におけるアンジオテンシンII濃度はsham群と比較し有意に上昇していた。精巣上体周囲の白色脂肪 における片腎摘出の影響も評価したものの炎症性サイトカイン、レニンアンジオテンシン系のコンポーネントの 遺伝子発現ともに両群間で差は認めなかった。このことより片腎摘出群におけるレニンアンジオテンシン系の亢 進は血管周囲特異的であることが示唆された。 脂肪組織は脂肪細胞や前駆脂肪細動、内皮細胞、マクロファージ、Tリンパ球などを含む様々な細胞で構成さ れている。 アンジオテンシンIIの主な起源が炎症性白血球なのかどうかを確かめるために、片腎摘出によって血 管周囲脂肪組織に集積する炎症性白血球の変化を16週齢時で確認した。免疫染色によるF4/80陽生細胞数とCD68 の遺伝子発現をリアルタイムPCRにて評価したところ両群間で差は認めなかった。これらのことより血管周囲脂 肪組織特異的なレニンアンジオテンシン系の活性化に本質的に寄与しているのは白血球ではなく脂肪細胞である ことが示唆された。 血管周囲脂肪細胞におけるアンジオテンシノーゲンの遺伝子発現を亢進させうる物質のなかで我々はインスリ ンに着目した。腎機能障害ではインスリン抵抗性のため血漿インスリン濃度が上昇することが数々の動物実験と 臨床研究により報告されている。 空腹時の血漿インスリン濃度は両群間で差はなかったもののHOMA-IR指数は 16週齢時の片腎摘出群において有意に高値であった。 続いて糖負荷後のインスリンレベルを評価するために腹腔 内糖負荷試験を行った。2g/kgの腹腔内糖負荷後、血糖は両群間で同等であったが血漿インスリン、C-ペプチド濃 度は糖負荷60分後の時点で片腎摘出群で有意に高値であった。このことより片腎摘出群のインスリン抵抗性を糖 負荷後の迅速なインスリン分泌増加にて代償していることが示唆された。 血管周囲脂肪細胞を試験管内でインスリン刺激を行いアンジオテンシノーゲンの遺伝子発現の変化を評価した。 インスリン刺激により、脂肪細胞の分化マーカーであるPPARγの発現増加にともなってアンジオテンシノーゲン の遺伝子発現も更に亢進した。 8週間のARB投与により片腎摘出apoE欠損マウスの動脈硬化進展はコントロール群と同程度まで抑制された。 結論としてこの研究では片腎摘出apoE欠損マウスにおける血管周囲脂肪組織特異的なレニンアンジオテンシン 系の活性化がCKDに関連した動脈硬化促進に関わっている可能性を示した。この脂肪組織特異的なレニンアンジ オテンシン系の亢進はアンジオテンシノーゲンの発現亢進に誘発されていると考えられるが、一部はインスリン を介した脂肪細胞の分化刺激によるものと考えられる。これらの発見はCKDに関連した動脈硬化の病態において 組織のレニンアンジオテンシン系の役割に対する洞察を与えるものであり、血管周囲脂肪組織特異的なレニンア ンジオテンシン系の活性化はCKD患者における心血管病予防のための新たな治療戦略になると考えられる。

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