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博士学位論文
論 文 要 約
食品中の食物アレルゲン検出技術に関する研究
平成 28 年 5 月 19 日
森 下 直 樹
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論文要約
第 1 章:緒言 食物アレルギー患者は近年増加傾向にあり、食物アレルギーは大きな社会問題の一つ となっている。患者にとっては発症を避けるためには原因食物を摂取しないことが一番 の予防法であり、そのためには加工食品への正確な原材料表示が求められる。そこで世 界各国においてアレルギー表示制度が定められており、日本においても消費者庁の通知 によって加工食品等へのアレルギー表示制度が 2002 年から始まった。日本のアレルギ ー表示制度には濃度基準があり、加工食品中に 10 μg/g 以上のアレルゲンが含まれて いる場合には表示をしなければならない。従って食品企業ではアレルゲン管理を行うた めに、10 μg/g を正確に検査可能な検出技術が必要となる。食品企業が求めるアレル ゲンの検出技術は 2 つに大別される。一つは最終製品におけるアレルゲン含有量を高精 度に定量可能なアレルゲンの定量検査技術であり、もう一つは製造現場のアレルゲン管 理に使用できる簡便迅速なアレルゲン検出技術である。これら 2 つのアレルゲン検出技 術を組み合わせることで、より精度の高いアレルゲン管理を進めることができる。ただ、 以前の研究報告においては、アレルゲン検出技術に関する報告は数多くされていたが、 いずれも日本の食物アレルギー表示制度で運用できるレベルの性能を有していなかっ た。食品企業の日常のアレルゲン検査で使用可能な性能を有したアレルゲン検出技術の 開発が強く望まれていたことから、本研究において性能に優れた実用性の高いアレルゲ ン検出技術に取り組んだ。 そこで本研究では、食品企業が求める 2 つのアレルゲン検出技術に関して研究を行っ た。第 2 章~4 章は、大豆アレルゲンを高感度かつ高精度に検出可能な定量検査法の開 発を行った。第 5 章では、アレルゲンを簡便迅速に検出可能なイムノクロマト法の適用 性検証ならびに開発を行った。3 第 2 章:大豆アレルゲンの定量検査法の開発 第 2 章では、加工食品中の大豆アレルゲンを高感度かつ正確に検出するためにサンド イッチ ELISA 法を開発した。サンドイッチ ELISA 法開発にとって重要なファクターであ る「反応性に優れた抗体」と「抽出率に優れた抽出液」の開発を行った。抗体開発にお いてポイントとなるのは抗体のターゲットとなるタンパク質の選定である。様々な食品 原材料が混在する加工食品において、交差反応を示さず、他の食品マトリクスによる影 響を受けない抗体開発が求められる。また加工によって変性したタンパク質を検出でき る検出能力も求められる。今回、本研究ではターゲット蛋白質として大豆の p34 タンパ ク質を選定した。p34 タンパク質は、大豆の主要アレルゲン(Gly m Bd 30k)として知 られており、加熱処理や酵素処理に対する耐性が高いため、あらゆる大豆加工食品に存 在している。また p34 欠損品種も見つかっていないため、見逃すリスクも少ないため、 マーカータンパク質として期待できる。そこでこの p34 タンパク質を免疫抗原としたポ リクローナル抗体を開発してサンドイッチ ELISA 法を構築した(Figure 1)。また抽出法 には日本の公定法にも採用されている優れた抽出能力を持つ変性剤と還元剤を含む抽 出液をベースとして大豆アレルゲンに適した新たな抽出液を開発した。この抽出液と p34 ポリクローナル抗体で構築したサンドイッチ ELISA 法を組合せることで、大豆アレ ルゲンの定量検査法を構築した。本検出法の検出感度を確認したところ、大豆検出 ELISA 法の検出限界濃度(LOD)は 0.47 ng/mL(食品換算濃度 0.19 μg/g)を示し、日本のア レルギー表示制度の濃度基準である 10μg/g(食品換算濃度)よりも高感度な検出系で あった。また特異性においても、過去の研究において大豆検出法開発の問題とされてい た豆類や穀類への交差反応もなく、その他のあらゆる食品原材料(種実類、香辛料、肉 類、野菜類、果実類、魚介類)に対する交差反応を示さなかったことから、非常に特異 性に優れていることが確認された(Table 1)。さらに真度・精度においては、単一試験 室でのバリデーションを実施した結果、食品検体からの回収率、併行精度、日間精度の いずれも日本の通知法のガイドラインに記されている定量検査法の規格基準を満たし ていた(Table 2)。以上の結果から、本検出法は加工食品中の大豆タンパク質を高感度 かつ高精度で検出可能な定量検査法であった。第 3 章では本検出法について、複数機関 による試験室間バリデーションを実施した。
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Figure 1. Calibration curve of the developed ELISA.
The calibration curve was obtained from the mean value after eight experiments. Concentration of calibration standard solution (calculated soybean soluble protein weight/ food weight) = 0 ng/mL (0 μg/g), 0.78 ng/mL (0.31 μg/g), 1.56 ng/mL (0.62 μg/g), 3.13 ng/mL (1.25 μg/g), 6.25 ng/mL (2.5 μg/g), 12.5 ng/mL (5 μg/g), 25 ng/mL (10 μg/g), and 50 ng/mL (20 μg/g).
0.0
1.4
0.1
1
10
100
Protein Concentration (ng/mL)
A
bs
or
ba
nc
e
at
4
50
nm
5
Table 1. Cross-reactivity of the developed ELISA.
Foods Mean (μg/g) Foods Mean (μg/g)
Egg <0.19 Cashew nut <0.19
Milk 0.51 Coconut <0.19
Wheat <0.19 Hazelnut <0.19
Soba 0.35 Pekan bean 0.22
Peanut <0.19 Chick-pea <0.19
Rice 0.44 Pinto bean <0.19
Sesame <0.19 Tiger bean <0.19
Corn <0.19 Kidney bean <0.19
Barley 0.67 Adzuki bean <0.19
Rye 0.24 Green bean <0.19
Red pepper 0.37 Field bean <0.19
Almond <0.19 Pork 0.28
Macadamia nut 0.36 Chicken 0.29
Pistachio <0.19 Beef <0.19
Pine nut <0.19 Salmon <0.19
Cross-reactivity of the developed ELISA for 100 kinds of foods (legumes; 9, grains; 8, nuts and seeds;13, spices; 5, meats; 5, vegetables; 27, fruits; 6, seafoods; 25, others; 2). The food extracts were prepared using the improved extraction buffer (containing 2% SDS, 2% 2-ME). The results of 30 samples are shown. Mean = average concentration (soybean soluble protein weight/food weight) of soybean soluble proteins.
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Table 2. A single laboratory validation using the developed ELISA and the model processed foods.
A single laboratory validation for the developed ELISA and 5 kinds of model processed foods (rice gruel, sausage, sweet adzuki bean soup, sweet potato cake and tomato sauce). The intra-assay precision was calculated from 8 replicates of extraction from the same model processed food. The inter-assay precision was calculated from triplicate analyses on 8 different days. The model processed foods contain the soybean soluble protein of 10 μg/g. Mean = average concentration (soybean soluble protein weight/food weight) of soybean soluble proteins. Recovery = Mean / 10 (μg/g). SD = Standard deviation. CV = coefficient of variation. R2 = dilution linearity (correlation coefficient).
model processed foods Mean (μg/g) Recovery (%) Intra-assay Inter-assay R2 SD (μg/g) CV (%) SD (μg/g) CV (%) Rice gruel 9.76 97.6 0.56 2.2 1.83 7.5 0.9967 Sausage 8.77 87.7 0.86 4.1 1.50 6.9 0.9997
Sweet adzuki bean soup 9.87 98.7 1.01 4.2 1.79 7.3 0.9995 Sweet potato cake 9.28 92.8 0.82 3.3 1.34 5.8 0.9994
7 第 3 章:試験室間バリデーションによる大豆検出 ELISA 法の精度検証 通知法のガイドラインではアレルゲンの定量検査法については、試験室間バリデーシ ョンを実施して、定められた規格基準を満たさなければ、食品企業のアレルゲン管理に は使用できないとされている。試験室間バリデーションは施設数が 8 施設以上、試料数 が 5 検体以上必要であり、今回国立医薬品食品衛生研究所に協力を仰ぎ、11 施設に試 験を依頼した。11 施設に同一の測定試料(モデル加工食品)と第 2 章で開発した大豆 検出 ELISA 法を送付し、同一条件下で各測定試料を測定した。尚、試験に用いる測定試 料は International conference on harmonization(ICH)の均一性確認試験の方法に従
って無作為に 12 サンプル抜き取って試験したところ、各モデル加工食品の RSDrはいず れも 5%以下を示し、良好な均一性を示すことを確認した(Table 3)。均一性が担保され た各モデル加工食品を用いて試験室間バリデーションを行たところ、5 種類のモデル加 工食品の大豆アレルゲンの回収率は 97%-114%を示し、ガイドラインの規格基準である 50-150%を満たす結果となった(Table 4)。さらに参加試験機関の分析手法に起因するバ ラつきを示す併行精度(RSDr)は全ての参加機関において 4.8%以下を示し、測定環境に 起因するバラつきを示す室間精度(RSDR)は、9.3%-13.4%を示した。併行精度、室間精 度ともにガイドラインの規格基準(25%以下)を満たす結果となった。過去の研究報告 と比較しても優れた結果を示しており、本検出法が非常に優れた性能を有していること が証明された。日本のガイドラインの規格基準を満たした大豆アレルゲンの定量検査法 は今回が初めてであり、世界で唯一ガイドライン基準を満たす定量検査法の開発に成功 した。
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Table 3. Homogeneity test results of the incurred samples
Sample Mean
(μg/g)
RSD, % N F-ratio Fcrit
Rice gruel 10.4 2.2 6 1.0 4.4
Sausage 8.4 4.6 6 0.6 4.4
Sweet adzuki bean soup 10.9 3.6 6 1.3 4.4
Sweet potato cake 9.9 3.3 6 1.1 4.4
Tomato sauce 9.4 3.3 6 0.5 4.4
RSD% calculated from Ss (SD of sampling) and Sa (SD of analysis). Fcrit = Critical F value.
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Table 4. Inter laboratory validation using the developed ELISA and the model processed foods. No. of laboratories Mean, μg/g Sr, μg/g SR, μg/g Racovery, % RSDr, % RSDR, % Rice gruel 11 10.2 0.5 0.9 102 4.8 9.3 Sausage 11 10.0 0.3 1.1 100 3.5 10.8 Swet adzuki bean soup 11 11.4 0.3 1.5 114 2.5 12.9 Sweet potato cake 11 9.9 0.4 1.3 99 3.9 13.4 Tomato sauce 11 9.7 0.5 1.3 97 4.8 13.2 Inter laboratory validation for the developed ELISA and 5 kinds of model processed
foods (rice gruel, sausage, sweet adzuki bean soup, sweet potato cake and tomato sauce). The intra-assay precision was calculated from 2 replicates of extraction from the same model processed food. The inter-assay precision was calculated from triplicate analyses on 11 laboratories. The model processed foods contain the soybean soluble protein of 10 μg/g. Mean = average concentration (soybean soluble protein weight/food weight) of soybean soluble proteins. Recovery = Mean / 10 (μg/g). Sr, SR = Standard deviation. CV = coefficient of variation.
10 第 4 章:加熱抽出法による発酵食品中の大豆アレルゲンの検出 第 2 章、第 3 章で開発した大豆検出 ELISA 法は大豆発酵食品の測定が困難であるとい う課題が残されていた。大豆発酵食品にはアレルギー性が残存していることが知られて おり、大豆発酵食品中の大豆アレルゲンも正確に検出できる能力が求められる。そこで 第 4 章において、大豆発酵食品中の大豆アレルゲンの検出を可能とするために、新たな 抽出法の開発を試みた。発酵食品中に残存するタンパク質分解酵素を失活させる方法と して抽出工程に加熱処理を組合せることにより、発酵食品中の大豆タンパク質が分解さ れることなく抽出可能な新たな抽出方法(加熱抽出法)を開発した(Figure 2)。この加 熱抽出法は従来抽出法と比べて、抽出時間が大幅に短縮されるため、操作時間の短縮も 可能となった。性能においても加熱抽出法は従来抽出法と同等の抽出能力を有しており、 同一検体を従来抽出法と加熱抽出法でそれぞれ抽出し測定した結果をグラフにプロッ トし近似曲線を作成したところ、相関係数 R = 0.9989 と高い相関性を示すことが確認 された (Figure 3)。大豆発酵食品の測定においても、従来抽出法では残存するタンパ ク質分解酵素の働きにより測定が不可能であった検体において、加熱抽出法では大豆ア レルゲンが分解されることなく測定することが可能であった(Table 5)。これにより、 開発した大豆検出 ELISA 法は日本の通知法のガイドラインの規格基準を世界で初めて 満たした検出法であり、発酵食品を含む大豆加工食品中の大豆アレルゲンを正確かつ高 感度に検出可能な定量検査法であることが証明された。従って、本検出法は食品企業の アレルゲン管理において最終製品等のアレルゲン検査に有用なツールであると言える。 尚、第 2 章~第 4 章で開発した大豆検出 ELISA 法は「FASTKIT エライザ Ver.Ⅱ大豆」と いう商品名で商品化され、多くの食品企業で利用されている。
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Figure 2. SDS-PAGE analyses of natto and miso subjected to extraction by using the previous method or to heating at different temperatures (25, 40, 60, 80, or (A) SDS-PAGE of natto; (B) SDS-PAGE of miso. Lanes: 1, molecular weight markers (250, 150, 100, 75, 50, 37, 25, 20, 15, 10 kDa); 2, previous method (non-heating
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Figure 3. Correlation of result of previous extraction method and result o f present extraction method.
X axis = Results of developed ELISA using present extraction method. Y axis = Results of developed ELISA using previous extraction method.
y = 0.9598x R² = 0.9979 0 50 100 150 200 250 300 350 0 100 200 300 400 Prev ious ext ract ion Present extraction
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Table 5. Detection of soybean protein in fermented soybean products
Product Previous extraction method Present extraction method Present method / previous method (%) mean (μg/g) mean (μg/g) Soybean miso 322.2 4,022.4 >1,000.0 Rice miso 2,550.8 6,795.6 266.4 Barley miso 474.5 2,347.6 494.8 Raw miso 743.3 4,223.2 568.2 Soy sauce nd nd – Natto 0.8 1,402.0 >1,000.0 Crushed natto 0.7 835.6 >1,000.0 Tempeh 46,436.0 67,420.0 145.2 Tianmianjiang 2,056.8 1,987.6 96.6 Douchi 2.5 13,079.2 >1,000.0 Tofu-yoh 4.9 11,294.0 >1,000.0
Soybean milk yoghurt 26,184.0 26,856.0 102.6
Detection of soybean protein in 12 kinds of fermented soybean product by using the previous and present extraction methods. Mean = average concentration (soybean protein weight/food weight) of soybean proteins. Recovery = mean/10 (μg/g). nd = not detected (< 0.03 μg/g)
Soybean miso = miso fermented with malted soybean; rice miso = miso fermented with malted rice; barley miso = miso fermented with malted barley; raw miso = unheated miso; crushed natto = natto made from ground soybeans; tianmianjiang = sweet soybean paste; douchi = fermented black soybeans; tofu-yoh = fermented tofu.
14 第 5 章:イムノクロマト法によるアレルゲン検出技術の開発 第 2 章~第 4 章ではアレルゲンの定量検出技術の開発を実施したが、第 5 章では製造 現場で使用できる簡便迅速なアレルゲン検出技術の開発を行った。食品企業の製造現場 で簡便迅速なアレルゲン管理を実現するために、イムノクロマト法を利用したアレルゲ ンの簡易検出イムノクロマト法を開発した(Figure 4)。そこで本検出法の加工食品中の アレルゲン検査への適用性を検証するために、様々な加工条件や食品マトリクスを想定 したモデル加工食品を作製し、性能検証を行った。イムノクロマト法は ELISA 法とは異 なり、測定過程において洗浄操作が入らないため、食品マトリクスの影響を受けやすく、 それらが測定に影響を及ぼす可能性も考えられる。今回 11 種類のモデル加工食品を用 いて、食品マトリクス存在下でのイムノクロマト法の性能評価を行ったところ、食品マ トリクスの影響を受けることなく本来のパフォーマンスを発揮できることを確認した。 また未加熱食品においては、ELISA 法と同等レベルの検出感度を示すことが確認でき、 製造現場において ELISA 法の代わりとしてイムノクロマト法が利用できることが確認 できた(Table 6)。しかし、加熱加工食品に対する反応性が低いことも判明したため、 加熱加工食品からの検出率を改善するためにイムノクロマト用の新たな抽出液の開発 を試みた。加熱変性によって不溶化・難溶化したタンパク質を可溶化するために、還元 剤を抽出液に添加することで、加熱加工食品からの抽出率が大幅に向上し、検出率を向 上させることに成功した(Table 7)。これらの結果から、イムノクロマト法は、食品マ トリクス存在下においても ELISA 法と同レベルの性能を発揮することができ、また新た な抽出液を用いることで加熱加工食品中のアレルゲンも高感度に検出可能であること が明らかとなった。簡便迅速なアレルゲン検査が求められる製造現場において、イムノ クロマト法は非常に有用なツールであることが確認された。第 5 章で開発した新抽出液 を用いたイムノクロマト法は「FASTKIT スリム」という商品名で商品化され、多くの食 品企業で利用されている。
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Figure 4. Judgment of immunochromatographic test kits
Judgment of immunochromatographic test kits (egg, milk, wheat, buckwheat and peanut). It provides two lines, left-side line is control line and right-side line is test line. (a) positive (+ : clearly visible test line. Concentration of standard solution = 200 μ g/g.). (b) weakly positive (+w : faint test line. Concentration of standard solution = 2.5 μg/g). (c) negative (- : no test line. Concentration of standard solution = 0 μg/g). C : control line, T : test line.
(a)
(b)
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Table 6. Consistency between the Results of Immunochromatographic Test Kits and ELISA Kits
Imunochromatographic test kit
ELISA kit Consistent results /total Consistency rate >5μg/g (>1μg/g) <5μg/g (<1μg/g) Egg +~+w 7 (10) 4 (1) 32/36 (35/36) 93.9% (97.2%) - 0 (0) 25 (25) Milk +~+w 9 (12) 3 (0) 33/36 (36/36) 96.7% (100%) - 0 (0) 24 (24) Wheat +~+w 2 (10) 10 (2) 14/24 (22/24) 58.3% (91.7%) - 0 (0) 12 (12) Buckwheat +~+w 5 (12) 7 (0) 29/36 (35/36) 80.5% (97.2%) - 0 (1) 24 (23) Peanut +~+w 8 (12) 4 (0) 32/36 (35/36) 93.9% (97.2%) - 0 (1) 24 (23)
Consistency between the result of immunochromatographic test kit and ELISA kit. The result of ELISA kits was classified 5 μg/g, which is detection limit of ELISA kits. + : positive, +w : weakly positive, - : negative. ( ) : The results of ELISA kits was classified 1 μg/g, which is detection limit of immunochromatographic test kits.
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Table 7. Decetion of commercial processed foods using new extraction buffer
Processed foods Dilution rtio x1 x1/10 x1/100 New extraction method previous extraction method New extraction method previous extraction method New extraction method previous extraction method Bred 1 + +w + - - NT Bred 2 + - + - - NT Doughnut + + + + + - Biscuit + + + - - NT Rice vermicelli + + + - + NT
Dried seasonig powder + + + + + +w
dried noodles (Ramen 1) + - + - - NT
dried noodles (Ramen 2) + - + - + NT
dried noodles (champon) + - + - +w NT
dried noodles (yakisoba) + - + - +w NT
Detection of egg protein in 10 kinds of commercial processed foods uing new extraction buffer. + : positive, +w : weakly positive, - : negative. NT : Not tested.
18 第 6 章:総合考察 食品企業におけるアレルゲン検査には 2 つのニーズが存在する。アレルギー表示制度 ではアレルゲンの濃度基準が設定されているため、最終製品の原材料表示を決める際に は定量検査法によって含まれるアレルゲン量を正確に測定する必要がある。そこで本研 究では第 2 章~第 4 章において、加工食品中に含まれる大豆アレルゲンを高感度かつ正 確に定量可能な大豆検出 ELISA 法の開発を行った。開発した大豆検出 ELISA 法は日本の 定量検査法のガイドラインの規格基準をすべて満たしており、複数機関が参加する試験 室間バリデーションにおいて、感度、特異性、真度、精度の高さが証明された。ガイド ラインの規格基準を満たす大豆アレルゲンの定量検査法は世界初となった。また以前よ り困難とされていた発酵食品中に残存するアレルゲンについても加熱抽出法を組合せ た新たな抽出法を開発することにより、正確に検出可能な方法を開発した。本研究で開 発した大豆検出 ELISA 法は、優れた性能を有し、実用性に優れた定量検査法であり、食 品企業における最終製品の原材料表示の妥当性を確認する有用なツールであると言え る。 食品企業のアレルゲン検査のもう一つのニーズが、製造現場における製造ラインの清 浄度チェックや中間製品の抜き取り検査である。リアルタイムでの検査結果が要求され るため、迅速かつ簡便にアレルゲンを検出可能な技術が強く望まれる。そこで本研究の 第 5 章では、イムノクロマト法の原理を用いた簡易迅速なアレルゲン検出技術の開発を 行った。アレルゲン検出用イムノクロマト法の様々な加工食品への適用性を検証するた めに、モデル加工食品を用いた性能検証を行った結果、本検出法は食品由来のマトリク スの影響を受けることなく良好な性能を発揮することが確認された。また還元剤を用い た新たな抽出方法を開発することで、加熱加工された食品中のアレルゲンも高感度に検 出可能とすることができた。簡易かつ迅速にアレルゲンを検出可能であることから、製 造現場における清浄度チェックや中間製品の抜き取り検査に有用なツールであると言 える。 本研究で開発した 2 つの検出技術は、いずれも食品企業のアレルゲン管理に使用でき る有用な検出技術であり、これらを組み合わせることで、より高いレベルのアレルゲン 管理が実現できると考えられる。