第13回
責任編集:日本内分泌外科学会専門医制度 試験問題作成小委員会 内分泌外科専門医の筆記試験では,バセドウ病,甲状腺良性疾患,甲状腺悪性腫瘍,副甲状腺,副腎,多発性内分泌腫 瘍症,病理,その他の各分野から問題が出されます。過去に出題された問題とその解説を掲載いたします。1.MENなど 2019年度出題
次の文を読み,1-1,1-2に答えよ。 8歳の女児。頸部腫瘤を主訴に来院した。 既往歴:特記すべきことはない。 家族歴:母が甲状腺癌,母方祖父が大腸癌。 現 症:触診で甲状腺左葉に長径30mmの腫瘤を認める。 検査所見:血液生化学所見:TSH 3.70μU/mL(基準0.5~5.0),FT3 2.7pg/mL(基準2.2~4.3),FT4 1.2ng/mL(基 準0.9~1.7),サイログロブリン12.84ng/mL(基準33.7以下),抗サイログロブリン抗体10IU/mL(基準28以下),抗TPO 抗体12IU/mL(基準16以下)。頸部超音波像を図1に示す。穿刺吸引細胞診では良性の細胞所見であった。 手術では甲状腺左葉切除を行った。術中所見では,周囲組織への浸潤は認められなかった。術後合併症なく退院となった。 切除甲状腺組織の病理組織像を図2に示す。 【図1】 【図2】内分泌外科専門医 過去の出題例と解説
日本内分泌外科学会雑誌 第38巻 第1号 481—1 病理診断はどれか。 a.髄様癌 b.広汎浸潤型濾胞癌 c.濾胞型乳頭癌 d.充実型乳頭癌 e.篩型乳頭癌 1—2 次の臨床検査の中で甲状腺術後に最も勧められるのはどれか。 a.カルシトニン測定 b.下垂体MRI c.大腸内視鏡検査 d.腹部CT e.PET—CT 【解説】 篩型乳頭癌(cribriform variant)は家族性に発生する場合,家族性大腸ポリポーシス(FAP)もしくはGardner症候群 の一部分症としてみられ,若年女性に好発する。FAPの初発症状としてみつかることも多く,診断確定後には大腸内視鏡 検査,APC遺伝学的検査が推奨される。 <正解>1- 1-e,1- 2-c
2.病理 2019年度出題
核内細胞質封入体が認められるものはどれか。2つ選べ。 a.NIFTP b.髄様癌 c.硝子化索状腫瘍 d.胸腺様分化を示す癌 e.好酸性細胞型濾胞性腫瘍 【解説】NIFTP(noninvasive follicular thyroid neoplasm with papillary—like nuclear features)では乳頭癌様核が認められる。 硝子化索状腫瘍も多数の封入体が観察される。
<正解>a,c