不適切な矯正治療で引き起こされた歯根吸収歯に生じた根尖病巣に対する治療
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(2) 日歯内療誌. 23(1):57∼60 2002. 図. 図. 図. 初診時のエックス線写真像. 初診時のエックス線写真像. 図. 回目根管治療後のエックス線写真. 図. 回目根管治療後のエックス線写真. 初診時根管治療後のエックス線写真. エックス線写真を図 3に示した 2回目(平成 11年 5月 24日);特に症状はなく 根 管治療を行ったが根尖の石灰化は認められなかった 根管には水酸化カルシウム製剤(Calcipex )を貼薬 した 治療後のエックス線写真を図 4に示した 3回目(平成 11年 6月 22日);2回目と同様 特に 症状はなかった また 根管治療を行ったが根尖の石 灰化も認められなかった 根管には Calcipex を再. 貼薬した 治療後のエックス線写真を図 5に示した 4回目(平成 11年 7月 6日);特に症状はなく 根尖 部の石灰化もみられなかった アピカルストップは# 110の K ファイルで付与した 根管には Calcipex.
(3) 不適切な矯正治療で引き起こされた歯根吸収歯に生じた根尖病巣に対する治療. 図. 回目根管治療後のエックス線写真. 図. 回目根管治療後のエックス線写真. 図. 根管充塡後のエックス線写真. を再貼薬した 図 6に治療後のエックス線写真を示し た 5回目(平成 11年 8月 3日);特に症状はなかった. 図. 図. 根管充塡後約 カ月のエックス線写真. 根管充塡後. 年 カ月のエックス線写真. 根管には Calcipex を再貼薬した 6回目(平成 11年 8月 19日);根尖部の石灰化が手 用ファイルでつついて出血がないこと い抵抗感の あることから確認された 万全を期するために次回根 管充塡をすることにした 図 7に治療後のエックス線 写真を示した 7回目(平成 11年 9月 7日);症状もなく 根尖部の 石灰化も手用ファイルでつついて出血がないこと い抵抗感のあることから再確認された Obtura Ⅱ を 用いて 垂直加圧充塡法を行った なお 根管充塡用 シーラーはキャナルス を用いた 根管充塡後のエッ クス線写真を図 8に示した 予後観察:根管充塡後約 3カ月(平成 11年 12月 13 日);特に症状はなく 患者の希望により コンポジッ トレジン修復処置を行った エックス線写真を図 9に 示した 根尖部の透過像が縮小しているのが認められ た 根管充塡後 2年 2カ月 (平成 12年 11月 6日);特に.
(4) 日歯内療誌. 23(1):57∼60 2002. 症状はない エックス線写真を図 10に示した 根尖部 の透過像が ほぼ消失しているのが認められた. 察 歯根の吸収は外傷 根尖性歯周組織炎 再植 矯正 治療などによって引き起こされる 感染根管における 外部吸収に対して 過去においては外科的歯内療法を 一緒に施すことによって治癒させる方法をとってき た しかし 近年においては通常の根管治療によって 外部吸収の進行を抑制し 病変を消失させることがわ かってきたので 外科的歯内療法を行う前に根管治療 を行っている 本症例では 患者が小学生から高 生までの間に矯 正治療を受けている そのために根尖が未完成のまま 歯に矯正力がかかり 歯が移動してしまったことで歯 根膜に過剰の圧がかかり 根尖部に炎症が起こり根尖 部の外部吸収を引き起こしてしまったと えられる が 他の部位においては吸収がみられないことから 特に上顎前歯部において強い矯正力がかかったものと えられる さらに歯髄の壊死を引き起こし上顎右側 側切歯に根尖病巣ができてしまったわけである しか し 矯正治療期間のどの時期に歯根吸収が起きたのか については不明である すなわち 上顎側切歯と中切 歯の歯根の長さがアンバランスであり 図 1 2のエッ クス線写真からわかるように 中切歯の方が歯根が短 い このことは 中切歯の方が過去において歯根吸収 が進行したように思われる 一方 上顎右側側切歯の 感染根管治療中に他の歯根吸収歯も観察したが 歯根 吸収は進行していなかった 同様に患歯の感染根管治. 療中に歯根吸収が進行することはなかったし 根尖病 巣が消失している期間においても歯根吸収は進行して いなかった これらのことから すでに歯根の吸収は ストップしていると えられる 患者の両親は歯科医 師であり 患者本人も歯科医師であるが そのため歯 根吸収が起こったのは矯正治療によるものであり 矯 正治療後に起こったものでないことはわかっている いつ 吸収がとまったのかについての情報はないが 歯根吸収を起こしている歯に根尖病巣ができても 必 ずしも歯根吸収が惹起されるものではないことが こ の症例からもわかる 矯正治療によって引き起こされた歯根吸収歯の根管 治療を行った先人 の報告でも 適切な根管治療を行 うことで吸収は進行しなくなるようである われわれ 歯科医師は 歯根吸収を引き起こした患者が来院した 場合 その原因を問診等から精密に診査し むやみに 外科的療法を行わず 適切な根管治療によって患歯を 回復させ保存できるようにすべきであると える 文. 献. 1) Gunraj, M .N.:Dental root resorption. Oral Surg. Oral Med. Oral Pathol. Oral Radiol. Endod., 88:647∼653, 1999. 2) 丸橋 賢 青木博之 辻本仁志 亀井琢正:不適 切な矯正力による歯根吸収歯の保存方法 日歯内 療法誌 21:107∼110 2000 著者連絡先:辻本恭久 日本大学 戸歯学部歯内療法学講座 〒 271-8587 戸市栄町西 2-870-1.
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