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表現形式の理解を主軸とした鑑賞教育方法 ピカソ「泣く女」とセザンヌ「果物籠のある静物」を教材例として

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1大学美術教育学会「美術教育学研究」第 52 号(2020):129–136

表現形式の理解を主軸とした鑑賞教育方法

ピカソ「泣く女」とセザンヌ「果物籠のある静物」を教材例として

An Art Appreciation Lesson Based on Understanding of Expression Styles

As an Example of Teaching Materials by Picasso’s “The Weeping Woman” and Cezanne’s “Still Life with Basket”

鎌田純平

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Jumpei Kamata

1 [要旨]本稿は,表現形式の実感的な理解から鑑賞作品のより深い解釈へつなげようとする,教育方法の有効性について探る ことを目的としている。そこでは,新たな表現形式を確立しようとする作家が,過去に存在した作品・作家からどのように影 響を受けたのかについて,子供自身の考察から把握させようとした。具体的には,ピカソ「泣く女」を主たる鑑賞作品,セザ ンヌ「果物籠のある静物」を比較作品としてキュビスムの手法の理解を主軸に据え,約 140 名の中学 3 年生を対象に教師と生 徒の対話を中心とする授業を展開し,教育的可能性を実証した。そこではピカソの表現方法に対する疑問を喚起させ,そこか らセザンヌの作品について不自然に感じる箇所を探すという観点に絞った授業を構築することで,生徒はキュビスムの表現形 式の特徴について自ら理解を示し,更にピカソの作品のよさを深く感じ取ることができた。

AAstractt] The purpose of this paper is to explore the effectiveness of an art appreciation lesson that intended to link from actual understanding of expression style to a deeper interpretation of the works of appreciation. There, I tried to figure them out from junior high school student’s own considerations how artists trying to establish new expression styles that were influenced by works and artists who existed in the past. Specifically, I set Picasso’s “The weeping woman” as a mainly appreciating work, and Cezanne’s “Still life with basket” as a comparative work. I focused on understanding the expression style of Cubism, and developed classes focusing on dialogue between a teacher and about 140 third year students of junior high school. As a result, the art appreciation lesson demonstrated that they have educational potential. There, by raising questions about Picasso’s way of expression, and make a class focused on finding an unnatural part of Cezanne’s “Still life with basket”, the junior high school students showed their own understandings of the expression style of Cubism. They were also able to feel the goodness of Picasso’s “The weeping woman” more deeply.

[キーキー旨 鑑賞教育,対話,表現形式,キュビスム,ピカソ,セザンヌ

[Key  word旨 Art appreciation lesson, Dialogue, Expression styles, Cubism, Picasso, Cezanne

[] 旨 1青森市立沖館中学校(Okidate Junior High School in Aomori City),弘前大学大学院教育学研究科(Hirosaki University Graduate School of Education Master’s Program)

[受理旨 2019 年 12 月 22 日 1 本稿の目的 鑑賞教育において,ある表現形式を理解することがで きれば,美術作品のよさや美しさをより深く味わうこと が可能になる。また,同様の手法によって制作された作 品への興味が湧きやすくなるだろうし,鑑賞する際の一 助となるだろう。表現形式の理解は個別の作品にとどま らない,鑑賞の広がりを助長させる可能性をもつ。 筆者は知識の一方的な伝授にならないよう留意し,学 習者の主体性を尊重すべきであると考える。そのため対 話を中心とした教育方法を支持する立場であるが,指導 者は前もって鑑賞授業の目標や理解すべき造形的な視点 を設定する必要があると考える。 よって本稿で扱う鑑賞教育方法論では,生徒の見方や 感じ方を大切にした対話を中心とした方法をとる。特に 本実践では生徒と教師の対話がメインとなっている。そ して生徒自らが表現形式の特徴を感知できるよう授業 を構築し,実感的に知識として習得させることに焦点を 置く。対話型鑑賞ではあるが,生徒を美術史に位置づけ られた価値へつなげていこうとしているのである。それ は,新学習指導要領でいう「造形的な見方・考え方」を 与えるということであり,「深い学び」へと結びつくの ではないかと考える1 鑑賞作品にはピカソの作品を選んだ。20 世紀を代表 する芸術家であり,美術鑑賞の授業を一度も受けたこと がないという中学 1 年生に聞いても,ピカソの名前は皆 知っている。しかし,彼の作品のどういった面がそれほ ど評価される所以であるのかは知らない生徒が多い。

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一般的にピカソの作品としてのイメージが強いのは, 「ゲルニカ」や「泣く女」といった作品であろう。それ らの作品はキュビスムの手法が使われているため,キュ ビスムの方法論の理解なくして作品を深く味わうことは できない。そしてキュビスム誕生の起因の一つとされる セザンヌの作品を鑑賞することで,キュビスムという表 現形式の理解を深めることができるのではないかと考え た。すなわち本稿では,新たな表現形式を確立しようと する作家が,過去に存在した作品・作家からどのように 影響を受けたのかを,対話を中心とした方法をとりなが ら把握できるようにすることで,その手法の理解が一層 促進されるとともに,鑑賞作品のよさをより深く感じ取 ることができるようになる,という仮説を実証しようと しているのである。 具体的にはピカソの「泣く女」を主たる鑑賞作品,比 較作品としてセザンヌの「果物籠のある静物」を設定し た。そしてキュビスムの方法論の理解を中心に据えて, 「泣く女」のより深い解釈を目指した中学生を対象とす る鑑賞教材化を試みる。そこではまず先行研究を考察 し,教材解釈を行う。その後に授業の展開構造を検討し, 教材化の有効性を授業実践から検証する。 2 先行研究 新古典主義やロココといった「歴史様式」とは本質的 に違うものの,キュビスムも広い意味での「様式」とし て捉えることはできる。様式は美術史において一般的な 概念であり,鑑賞教育においてもよく用いられる。それ ゆえ様式に触れた鑑賞実践は多くあるが,ここでは有田 洋子氏,高地秀明氏,金子一夫氏の研究について取り上 げたい。 有田氏は鑑賞教育の内容と方法の明確化を試み,その 一環として美術作品の様式の言語化による鑑賞教育を提 案している。様式は言葉による詳細な説明では児童生徒 が理解しにくくなるとして,キャッチフレーズの利用を 考案・実践した。日本美術を対象としており,仏像様式 や日本絵画の様式のキャッチフレーズ化による方法を示 している2。様式をわかりやすい言葉で捉え直すという 教育方法は,幅広い年代の子供に適用可能な教育方法と して,参考になるものであった。なお,本論考の構成に ついては,有田氏の論文を参考としている部分がある3 高地氏は作品の背景を理解させ,その様式や手法を用 いて制作を行わせることで,一層の文化理解へ繋げよう とする鑑賞教育方法の有効性を確認している。西洋・日 本問わず,特徴的な文化事象から 5 つのテーマを設定し ているが,その中の一つにおいてキュビスムを扱ってい る。その授業は,主に講義による鑑賞の後にルネッサン スのパースペクティブと比較させ,最後にキュビスムの 概念を学んで,その手法で制作させるという構成になっ ている4。筆者の実践は制作を伴わないが,作品の比較 や対話を通して生徒自らに表現形式の特徴を発見させ, それの実感的な理解へ到達することを目指しており,そ の点において高地氏の実践とは異なるものである。 金子氏は数多くの鑑賞教育方法に関する論文を著して いるが,その中にセザンヌとピカソの作品を扱った事例 がある。そこでは大学生を対象とした講義の中で,ピカ ソの方法論をセザンヌの方法論の発展として言及してい る5。筆者は大学生ではなく,中学生という異なる実践 対象にも効果があるのか,授業を通して実証したいと考 える。 3 教材解釈 3-1][ュビスム キュビスムとは,20 世紀初頭にパリで主にピカソと ブラックによって確立された様式であり,対象を幾何学 的なかたちに分解し,再構成する技法にその特徴がある。 現実を単一焦点の遠近法によって錯覚的に再現するの ではなく,複数視点から見たものを同時的に合成したも のとして表現しようとする。 キュビスムの最初の作品は,ピカソの「アヴィニョン の娘たち(1907,243.9 × 233.7 cm,ニューヨーク近代美 術館)」であるとされる。ピカソは二次元のカンヴァス にいかに三次元の世界を明暗法などによらずに表現する かを考え,正面から見た顔に斜めから見た鼻を描いたり, 手前に突き出ている鼻を強引に横に押し潰してしまっ たりする手段によって解決しようとした。このような大 胆な対象の扱い方は,やがて対象を自由自在に〈解剖〉 して,その最も適切な面を画面に描き出すというキュビ スム本来の手法を早くも予見させるものであった6 だが,セザンヌはピカソよりも前に物体の三次元性と 絵画の二次元性の問題に取り組んでおり,彼の「自然を 円錐と,円筒と,球体によって扱うこと」とする形態の 把握は,キュビスムの出発点となるものであった7 キュビスムは一般的に以下の 3 段階によって分類され る8。立方体の集合として自然の外観から離れ,概念的 な構成となった 1908 年∼ 1909 年夏の「セザンヌ的キュ ビスム」,対象を無数の線と単色の明暗によって分析・ 細分化した 1909 年夏∼ 1912 年春の「分析的キュビスム」, 豊かな色彩が復活し,紙を貼るパピエ・コレや紙以外の

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物を貼るコラージュなど,失われかけた現実との結びつ きを回復しようとした 1912 年∼ 1916 年の「総合的キュ ビスム」である。 3-2]「泣く女」 ピカソの「泣く女(1937 年,59.7 × 48.9 cm,テート・ モダン)」(図 1)は,写真家でピカソの愛人であった ドラ・マールがモデルとされ,「ゲルニカ(1937 年, 349.3 × 776.6 cm,ソフィア王妃国立美術センター)」と 同年に制作された。ドラ・マールを描いた作品は油彩に 限らず他にもあるが,最も著名なのはこの作品だろう。 一連の「泣く女」は「ゲルニカ」の習作過程で生まれた テーマであり,この作品によってこのシリーズは完結と なる9 青い花を添えた赤い帽子,現実的でない黄と緑の顔や 手,黒い髪に白いハンカチといった派手な原色の鮮やか なコントラストと激しいデフォルメが目を惹く。女性の 眉はハの字に寄せられ,大きな瞳からは涙が流れてい る。口をゆがめてハンカチを噛み,感情をあらわにした 女性の表情が鋭角的な強い線によって表現されている。 そして正面や横の視点から見た表情が同時に描かれてい る。また,ハンカチを持つ手と,口元を覆う手が重ねて 描写されており,キュビスムの手法が用いられてインパ クトのある画面がつくりあげられている。 3-3]「果物籠のある静物」 「果物籠のある静物(1888–1890,64 × 80 cm,オルセー 美術館)」(図 2)は,しばしば「近代絵画の父」と言わ れるセザンヌの作品である。セザンヌが行った複数の視 点から物を見て描く方法は,その後のキュビスム誕生の きっかけとなったとされる10 画面手前には,白布が敷かれた長方形のテーブルの上 に梨や林檎,中央には蓋のついた白陶器の水差し,左側 には砂糖壺が置かれている。テーブルの右隅にはたくさ んの果物と白布が入った大きな籠,その隣にはやや大き な壺がある。この作品は見ればみるほどに奇妙な点に気 づく。テーブルとその上の静物は,全体的にやや左側に 傾いている。テーブル自体も左右で高さが違う。果物籠 は横からの視点に対して,その隣にある壺は上から覗き 込んだように描かれている。対象を複数の角度から観察 しており,巧みな画面構成によりバランスを保っている。 4 授業実践 4-1]授業構想 本授業では既述のように,キュビスムの表現形式の理 解に主眼を置いている。ただし,中学生を対象にキュビ スムを全て理解させることは難しいと思う。よって本実 践で扱うキュビスムの方法論とは,「複数の視点から見 たものを一つの作品として表現すること」という点に 絞っている。 本実践では主に対話を用いた方法をとるが,生徒と教 師の対話が中心となる。まず生徒の発言を受けながら「泣 く女」について全体で分析し,ピカソがなぜこのような 表現方法をとったのかという疑問へと繋げようとする。 そしてセザンヌの「果物籠のある静物」の鑑賞を通して 表現形式の特徴に気づくよう仕向ける。そこから「泣 く女」との共通点を発見することで,キュビスムの表現 形式を実感的に理解できるように授業を構築する。ここ でいう表現形式の実感的な理解とは,生徒がその特徴 に自ら気づくことでなされるものであると捉えている。 授業展開についてまとめると,1.作家の基本情報の 確認,2.作品の造形要素の分析及び発表,3.比較作品 の特定要素の発見及び発表,4.表現形式の確認と一般 化11,となる。 今回ピカソの作品として「泣く女」を選んだ理由は, キュビスムの手法が用いられているとわかりやすいうえ に,教科書等にもよく掲載されている目につきやすい作 品であると捉えたからである。 比較対象として挙げるセザンヌの作品には,複数の視 点で捉えたものを画面上で再構成していることを察知し やすい作品であることが必要である。「果物籠のある静 物」はセザンヌの代表作の一点である。そして人物画よ りもモチーフ数が多いために,じっくり見てみることで 中学生でもその不自然な点に気づくことが可能であろう と考え,設定した。 なお,本実践における対象は中学 3 年生であるが,こ の生徒たちはこれまでに,西洋美術では以下に挙げる作 品を主要鑑賞対象として授業では取り扱った。1.ダ・ 図1:パブロ・ピカソ]1937年 「泣く女」(テキト・モダン) ©2019-SuccKddiwn Pablw Picaddw-BCF(JAPAN) 図 2:ポキル・セザンヌ]1888–1890 年 「果物籠のある静物」(オルセキ美術館)

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ヴィンチ「モナ・リザ」を中心として,ゴシック様式の 聖母子像との比較鑑賞,2.ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」, 3.フェルメール「真珠の耳飾りの少女」とレンブラント 「夜警」との比較鑑賞,4.モネ「日傘を差す女」と「積 みわら」のシリーズとの比較鑑賞,5.ゴッホ「夜のカフェ テラス」と「星月夜」との比較鑑賞,である。1 のダ・ヴィ ンチはルネッサンスの様式,4 のモネについては印象派, 5 のゴッホは後期印象派について,それぞれ言及してい る。なお全て,50 分の授業 1 時間分として鑑賞している。 4-2]授業の実際 2017 年 6 月に第 3 学年生徒 4 学級を対象に実践した。 本稿筆者の勤務する公立中学校において,50 分の授業 1 時間分として行った。 (1)作家の基本情報の確認 ピカソはその知名度の高さもさることながら,作品数 の多さ,そして生涯を通して変化する作風という点にも 大きな特徴がある。「ゲルニカ」や「泣く女」を制作し ていた時期の作品が最も有名とは言えるだろうが,それ はピカソの一時期の作風に過ぎない。その点を確認しな ければ,ピカソは永続的にキュビスム的作品を制作した という誤解を生徒がしかねない。よって作品の鑑賞へと 入る前に,ピカソの作風の変化を確認することにした。 まずピカソの作品数と,作風の多さについて説明する。 そして青の時代の作品として「盲人の食事(1903 年, 95.3 × 94.6 cm,メトロポリタン美術館所蔵)」,バラ色 の 時 代 の 作 品 と し て「 パ イ プ を も つ 少 年(1905 年, 100 × 81.3 cm,個人所蔵)」を提示した。 (2)作品の造形[素の分析及び発表 1 人 1 枚ずつ「泣く女」をカラーコピーした図版とワー クシートを配付した。ワークシートは鑑賞の授業の際に は毎回ほぼ同じものを使用しており,基本的に 3 つの記 述欄から成り立っている。1 つ目は主要な鑑賞作品につ いて気づいたことや感じたことを記入する欄,2 つ目は 教師の示した観点や,比較作品等について記述する欄, 3 つ目は授業全体について自由に感想を書く欄である。 まずワークシートに「泣く女」を見て気づいたことや感 じたことを記入するよう指示した。この時間は少なくと も 10 分間は設定する。その後ワークシートに記入した ことをもとにして,学級全体で挙手発表する時間を設け た。以下はある学級における教師と生徒のやりとりを要 約したものである。T は教師を表し,S は生徒を表すが, S1,S2…と番号を振ることでそれぞれ違う生徒であるこ とを示している。 S1:人なのに形が角張っています。 T:角張っているところが多いですね。 S2: ハンカチみたいなものを噛んでいるように見える ので,悔しそうな表情をしていると思います。 T: きっとハンカチを噛んでいるんでしょうね。悔し そうな感情をもっていそうですね。 S3: 今の意見と似ていて,黄色や緑のところで表され ている女の人の表情とは裏腹に,白や青で表され ているところは女性の内面的な悔しさとかを表し ているんじゃないかと思います。 T: 顔の色とハンカチのある部分の色の違いで感情を 表そうとしているんじゃないかと。なるほど。 S4: あまり光や陰の表現がされていないのですが,目 のキラキラ感というか,瞳が反射している感じは 表されていると思います。 T:目が潤っている感じは出ていますね。 S5:自分の顔を壊しているように見えます。 T: 面白い表現をしますね。普通の顔ではないという 雰囲気をよくつかんでいます。 S6: 全体的に色はバラバラなのに,バランスはいいな と思いました。 T:うまく統一感をもたせていますね。 S7: 顔を半分にしてみると,向かって右側が緑色でカ クカクしていて,左側が丸みがあるので,左右非 対称になっています。 T: 右側が角張っていて左側の方がやや自然な感じに 見えるかな。 S8: 顔が黄色や緑で色がしっかりしているのですが, 帽子も赤や青で目立って見えます。 T: 適当に見えて色彩も考えられているのでしょうね。 S9: 右手で目元を押さえていると思うんですけど,そ の指が見えているのだったら本当は口元は見えな いはずなのに隠れていないので,本当は見えてい ないはずのところまで表現しようとしたのではな いかと思いました。 T: 見えてないはずのところが見えているという不思 議なところがあるということですね。 S10: 見えないはずのものが見えているという意見があっ たのですが,2 つの角度から見た時のものを 1 つ にまとめたような感じがします。 T: 色々な方向から見たものが 1 枚の絵になっている んじゃないかという意見ですね。なるほど。 中学 3 年生とはいえ,ピカソを鑑賞するのはかなり難 しいのではないかとも当初は思っていたが,予想以上に 挙手発表する生徒が多かった。鋭角的な形,原色を多用 しつつも調和のとれた色彩,悔しそうな表情といった,

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この作品の造形的なポイントはよくおさえられていた。 女性の顔が不自然であることには当然誰もが気がつくわ けだが,S5 の生徒のように顔を壊しているようだと解 釈したり,S7 の生徒のように顔を左右で分けて捉えて みたりと,その不自然さがどのように引き起こされるの かを思考している様子が見受けられた。なぜ泣いている 女性がこのように描かれているのか,という表現方法に 関する疑問を生徒に喚起することが,ピカソの作品を鑑 賞する段階における重要なポイントと考えていたが,生 徒の言葉からそれは達成されたと判断した。 中には S10 の生徒の「2 つの角度から見た時のものを 1 つにまとめた」という発言にあるように,角度や視点 というところに気づいた生徒もいたが,そこまで察知で きた生徒はこの段階では数人である。 (3)比較作品の特定[素の発見及び発表 「泣く女」についての発言が出尽くした後,「ピカソが なぜこのように女性を表現したのか,もう少し考えてみ よう」と話す。そして「ピカソはセザンヌという画家か ら影響を受けていると言われているため,その人の作品 を見ることで,ピカソの表現方法についてもっとわかる ことがあるかもしれない」と伝え,「果物籠のある静物」 のカラーコピーした図版を一人一枚ずつ配付した。そし て一見普通の静物画のように見えるが,よく見ると不自 然なところがあるはずなので,その点で気づいたことを ワークシートに記入するよう指示を出した。 授業構想当初は「見ている視線がおかしい箇所を探そ う」という発問にすることも考えたが,そうするとキュ ビスムの特徴的なところを教師側が教えてしまうことに なると思われた。そこで不自然な箇所を探すという間接 的な表現にし,多視点で捉えているということ自体を生 徒に自力で気づかせたいと考えた。 以下(2)と同様に教師と生徒のやりとりを要約した ものを示す。 T:どういうところに不自然さを感じるでしょうか。 S11: 机の大きさから考えると果物籠が落ちそうな感じ がします。 T: 確かに果物籠とテーブルの大きさから考えるとそ んな感じがしますね。 S7: 正面から見たり,斜めから見たり,物によって見 てるところが違う気がします。 T:色々な方向から見ているのではないかと。 S8: 机の向きとか,全体的に歪んでいるように見えま す。 T:確かにそういう感じがしますよね。 S9: 部屋の形そのものも,線を引いて見てみると,な んかおかしいなという感じがします。 T: そうすると見え方のおかしいところにも気づきや すいのかもしれません。 S2: 手前にある台は右側の方は厚さがしっかりあるん ですが,左の方はあやふやな感じになっています。 T: テーブルも右と左で違うんじゃないかと。それを 布で隠しているのかもしれませんね。 この時点でまだ挙手する生徒はいたのだが,時間の都 合上この生徒の発言で打ち切ることとなった。不自然な 箇所を探すよう指示したことで,生徒はその視点に絞っ て思考し,発言していた。壺の向きなど,まだ引き出し たい発言はあったものの,左右で違うテーブルの高さや, 台所の構造の歪み,そしてモチーフによって視点が違う という重要な点に気づけていた。 (4)表現形式の確認と一般化 セザンヌの作品は多視点から見たものを一つの作品と して表現しているということを,生徒の発言を踏まえて まとめた。そしてセザンヌの影響を受けたピカソが,な ぜこのような表現方法をとったのかわかってきたかと問 うと,多くの生徒が頷いた。モチーフを単純な形態へ解 体し,それを多視点によって一つの作品へと合成する表 現形式をキュビスムといい,「泣く女」にもその方法が 用いられていることを話した。また,ピカソ以外にもそ のように表現した画家たちがいたということを説明し た。更にキュビスムにはセザンヌ的キュビスム,分析的 キュビスム,総合的キュビスムがあることを伝え,分析 的キュビスムの作品として「ダニエル=ヘンリー・カー ンワイラーの肖像(1910 年,100.6 × 72.8 cm,シカゴ美 術研究所所蔵)」を掲示した。人間を表現していること を伝えても,生徒はどの部分が人間のかたちをしている のか,よくわからないといった反応だった。最後に授業 全体について感想を記入させたが,特にキュビスムの方 法論を踏まえたうえで,改めてピカソの作品を鑑賞し, その特徴について記入するよう指示した。 4-3]授業全体の考察 本実践のねらいは,授業を通して生徒がキュビスムの 表現形式を理解し,そのことによってピカソ「泣く女」 のよさや美しさを深く感じとれるようになることにあ る。まずは授業全体についての生徒の感想から,その点 を考察していきたい。 授業展開(4)「表現形式の確認と一般化」の最後に行っ た,自由記述による授業の感想をワークシートには, キュビスムの多視点に関する記述がやはり多かった。 ここではキュビスムの方法論を理解したうえで,ピカソ

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の作品のもつよさや美しさについて考えを巡らせていた ものの中から,生徒の特徴がよく出ている 2 つの事例を 紹介する。 ・物体を解体して単純化することで,より印象が強くな り,メッセージ性が増すような気がしました。 ・ピカソの絵は,いろんな方向から見て描いているのに, あまり違和感がなくまとまっていて,それに加えて単 純かつ極端な描写と,色づかいの工夫によって,描か れている人物の感情がまっすぐに伝わってくるような 絵だと思いました。 以上の感想からは,「泣く女」についてキュビスムの 方法論を知ったうえで改めて見てみると,表現形式の理 解をする前と比べて,泣いている女の感情やメッセージ 性を一層強く感じ取れていたことがわかる。 また,その他にも多様な感想が記述された。以下に項 目ごとに引用する。 1.ピカソに対するイメージの変化 ・私はピカソの絵をたまにテレビで見ていて,よさが全 くわからずなぜこの絵が評価されているのか疑問に 思っていた。だが「1 つの方向から見るのではなく色 んな視点から見たものを同時にかく」というのが他の 時代にはない良さなのだということが分かった。一見 美しくもない絵かもしれないが,そういう視点で見る と芸術的で良い作品だと思えるようになった。 2.ピカソのセンス ・立体感がなく,色もハデな色のため,まとまりがない ようにも見えるけどピカソのセンスでほどよくまと まっているんだなと思いました。 3.ピカソの作風の変化 ・ピカソの作品は一つ一つが同じかき方ではなく,とて も変わっていて,「本当にすべてピカソがかいたの か?」と不思議に思うほどでした。 4.ピカソの作品をもっと見たい ・他のピカソの絵を見て,どのようにパーツを組み直し ているか見たいと思いました。 5.セザンヌの不思議さ ・セザンヌの絵はぱっとみるとふつうの絵に見えるんで すけどよくよく見たら角度が違って,見れば見るほど 不思議に感じました。 6.じっくり鑑賞すること ・近代の絵になっていくと,本当に意味がわからないな と思っていましたが,じっくりと鑑賞していくと様々 なことに気づくことができました。 7.他者からの学習 ・この人はこういう性格だとかここはこのようなことを 表しているという他の人の感想も共感できるようにな り,鑑賞の新たな視点を見いだすことができた。 8.キュビスムの鑑賞方法 ・今回鑑賞した絵は,前まで見ていた絵のように,一つ の方向からものを見て描いているのではなく,様々な 視点から見て描いているため,一見,どこがどうなっ ているかがわかりづらいけど,逆に「これはどの視点 から描かれているのか」と想像して絵を見てみるのも 面白いのではないかと思った。 9.技法の変遷 ・今までいろんな絵を見てきて,絵にも技法の変遷があ ることがわかりました。昔の技法,画家があってこそ さまざまな絵が存在しているのだと感じました。 生徒の発言の内容や感想から,生徒はピカソを中心と する鑑賞作品のよさや美しさを深く感じ取ることができ ていたことがわかる。また鑑賞行為そのものに対する興 味関心を広げ,深めていたことも読み取れた。既述のよ うに生徒の感想からは,技法やキュビスムに関するもの も多く出され,方法論の理解が作品感受を一層促したと 考えられる内容もあった。だが,生徒がキュビスムの表 現形式の特徴を理解できていたのかどうかについては, ここに挙げた感想からだけでは推し量ることが難しいと 思う。よって,その点について更に考察を深めていく。 4-4]セザンヌの作品と比較したことに対する考察 本実践は,キュビスム誕生の基因の一つとされるセザ ンヌの作品を鑑賞することで,キュビスムの手法の理解 を深めることができるのではないかという仮説を中心と して展開したものである。「泣く女」を見ただけで,角度 が違うものを一つにまとめたということに言及した発言 もあったが,それは指導者側も予期していなかった,非 常に際立った意見であった。よって,セザンヌの作品と 比較させた効果があったのかを更に追及する必要がある。 そこではまず,生徒はセザンヌの作品から複数の視点 から見たものを合成していることに気づけたかどうかに ついて,授業中に使用したワークシートの記述内容から 分析する。また,本授業の次時にとった生徒の感想を分 析する。 (1)授業中に使用したーキクシキトの記述内容からの分析 4-2 授業の実際の(3)比較作品の特定要素の発見及 び発表の段階において,生徒にセザンヌの作品を見て不 自然に感じる点をワークシートに記述させた。 不自然に感じる点を探すという間接的な表現の発問を することで,対象を複数の視点から見たものとして合成 しているということに生徒自身で察知できるようにした

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つもりである。そこで実際に生徒はセザンヌの作品か ら,そのことに気づくことができたのかを生徒の記述 内容から「気づけた」,「やや気づけた」,「気づけなかっ た」に分類して,その割合を示す。 気づかせたい内容は対象を複数の視点から見たものを 合成していることであるが,「視点が違う」ことに気づ けていれば,ほぼ指導者のねらいは達成できていると判 断した。また,生徒の記述に「遠近感が違う」,「奥行き がおかしい」といった複数ある遠近法に関連したもの, 「物の角度が違う」といった角度や方向に言及したもの があれば,それらも「気づけた」とした。 中には何らかの違いには気づいているものの,曖昧な 感覚からは抜け出せない記述をした生徒も多かった。 「形がおかしい」,「形がくずれている」,「ゆがんでいる」, 「見え方がおかしい」といった記述内容は「やや気づけ た」とした。「実際だと果物は落ちているはず」といった, それぞれのモチーフの大きさが不釣り合いであることに 気づいた記述も「やや気づけた」へ分類した。 だが「全体的に暗い」,「静かな印象」,「部屋が汚い」 といった記述は,生徒の気づきとしては貴重なもので あるが,本論考では指導者の意図したものではないので 「気づけなかった」とした。 また当然ながら大半の生徒は複数の項目を記述してい たが,そのうち一つでも当てはまる記述があれば「気づ けた」や「やや気づけた」として分類した。 135 名の生徒のワークシートから分類した割合は以下 の通りである(図 3)。 1.気づけた 54 人(40.00%) 2.やや気づけた 41 人(30.37%) 3.気づけなかった 40 人(29.63%) 約 7 割の生徒はセザンヌの作品から不自然な点とし て,複数の視点から見たものを合成しているということ に,はっきりとは言えないまでも察知できた。残り 3 割 の生徒やおぼろ気ながらも気づけた生徒達は,他の生徒 の発言や指導者の解説によって気づいたり,曖昧だった ものが明瞭になっていったりしたと推察される。その 中で「気づけた」生徒の中から,彼らがどのように気づ いたのか,その具体的な言葉を見てみたいと思う。 (2)生徒の感想 キュビスムの表現形式を理解するうえで,セザンヌの 作品を鑑賞することにどのような意味があったのかにつ いて,生徒の感じ方を考察していきたい。そうすると主 な生徒の気づきは,2 つの作品の共通点,セザンヌの見 やすさ,事前に教師がセザンヌの作品を提示する理由を 明確にしていたことについて指摘していた点に表れてい た。その代表的なものを以下に取り上げる。 ・2 つの絵には,見える角度がちがうという共通点が あったので考えやすかった。 ・セザンヌのほうが見やすい絵だったので,セザンヌが あることでピカソの表現したいことに気づけました。 ・なぜセザンヌの絵を出すのかを,ピカソに影響を与え たと理由を明確に示していたので,そのような視点で 見ることができてよかった。 ・私は,セザンヌの絵を見たことで,ピカソの多方面か ら描く描き方やそのよさ,効果などをより深く理解す ることができました。 ・今回のピカソの絵ではいろんな方向から見たものを 1 つに合わせてかく,というやり方が使われていたと思 います。また,頭で組み変えて描いていたと思います。 私は最初,ピカソの絵はそういう風に構成されている, というのが分かりませんでしたがセザンヌの色んな方 向から見て 1 つにするという絵を見ることで,分かる ようになりました。 以上の生徒の感想からもわかるように,生徒にとって セザンヌの方が見やすかったためにわかりやすく,難解 に感じられるピカソの作品の特徴を理解しやすくした様 子がうかがえる。つまりセザンヌの作品は,「複数の視 点から見たものを一つの作品として表現」していること を察知しやすい作品であったと判断できる。 また,ピカソがセザンヌの影響を受けていることを事 前に伝えたことで,共通点を探し出そうとする方向へ作 用していたことがわかる。そして「泣く女」にキュビス ムの手法が使われていることは明瞭であるため,ピカソ がなぜこのような表現をしたのかという疑問を解決する に至ったと考えられる。 気づけた 40% やや気づ けた 30% 気づけな かった 30% 「果物籠のある静物」が複数の視点か ら見たものを合成しているということ 生徒は気づくことができたか。 図 3:多視点から見たものの再構成であることに気づけたか

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5 総括と課題 本稿では中学 3 年生を対象として,キュビスムの表現 形式の理解を主軸に据え,教師と生徒の対話を取り入れ た鑑賞教育方法を実践した。 主たる鑑賞作品としたピカソにおいては,「泣く女」と いう生徒の興味・関心を強くひきつけながらも,キュビ スムの表現方法が用いられていることがわかりやすい作 品を設定した。また,比較したセザンヌの作品では,複 数の視点から見たものを合成していることが察知しやす いと思われた作品を鑑賞させた。このように,影響を与 えたことがわかりやすい,関係性の強い作品を提示した。 教師と生徒の対話を中心とする方法をとったが,まず 「泣く女」の鑑賞の際には,生徒から自発的に出てきた 言葉を受けて表現方法の特徴にフォーカスしていくよう に展開した。ここで生徒たちは「泣く女」の顔を左右で 分けて捉えたり,顔を壊しているようだと解釈したりと 表現の不自然さへ着目していった。ピカソはなぜこのよ うに表現したのかという疑問を喚起させ,それがセザン ヌの影響があるということを生徒たちに伝えたうえで, セザンヌの作品へと円滑に入っていくことができるよう にした。 次に「果物籠のある静物」について見る際,セザンヌ の作品の中にピカソの表現方法に対する疑問を解決する 糸口があることを示し,不自然な箇所を探すという観点 に絞って鑑賞させた。そこでは約 7 割の生徒が,対象を 見ている「視点が違う」ことについて認識できた。 そして生徒はセザンヌとピカソの作品の共通点を見つ け出し,キュビスムの表現形式の理解を実感することが できた。その結果,改めて「泣く女」のよさや美しさを より深く感じ取ることができたのである。それは生徒の 感想の中にあった,「より印象が強くなり,メッセージ 性が増す」「描かれている人物の感情がまっすぐ伝わっ てくる」といった言葉からも裏づけられた。 この実践では生徒と教師の対話を通して,ピカソの表 現方法に対する疑問を誘発させながら,そこからピカソ が影響を受けたセザンヌの作品にも見られる,不自然さ を感じる箇所を探すという観点に絞って鑑賞させるよう 授業を構築したことで,生徒は表現形式の特徴について 自ら理解を示したのである。そしてより深くピカソの作 品のよさや美しさを感じ取った。 以上から,ピカソ「泣く女」とセザンヌ「果物籠のあ る静物」を対象とした,表現形式の理解を主軸とする鑑 賞教育方法は教育的有効性があると結論づけられる。 新たな表現形式を確立しようとした作家に影響を与え た作品や作家の例は他にもあり,対比的考察から表現方 法の理解を推し進めて作品のよさや美しさを感じ取らせ ようとする教材は,更に考えられると思う。また対話に ついて,今回の実践では例えばセザンヌの作品を鑑賞さ せる際に小グループで話し合わせた方が,「視点が違う」 ことにより多くの生徒が気づけたかもしれない。そのよ うな点も考慮しながら,更に授業を改善していきたいと 思う。 註旨 1 文部科学省,2018,『中学校学習指導要領解説 美術編』,pp. 10–11 2 有田洋子,2013,「日本美術の諸様式を言語化して理解させる教育 方法―キャッチフレーズによる仏像様式の鑑賞―」,『美術教育学』, 34 号,pp. 33–47,同,2014,「日本美術の諸様式を言語化して理解 させる鑑賞教育方法(2)―SD 法による仏像様式感情の全学年調査 結果とその考察―」,同誌 35 号,pp. 45–59,同,2016,「日本美術 の諸様式を言語化して理解させる鑑賞教育方法(3)―小学生の仏 像様式の感受の変容―」,同誌 37 号,pp. 39–47,同,2017,「日本 美術の諸様式を言語化して理解させる鑑賞教育方法(4)―キャッ チフレーズによる日本絵画様式の鑑賞―」,同誌 38 号,pp. 13–26 3 有田洋子,2012,「襖絵のある空間・場の解釈を軸とする鑑賞教材 化―応挙の金刀比羅宮表書院襖絵を対象として―」,『美術教育学』, 33 号,pp. 51–66 4 高地秀明,2004,「表現体験をとおして文化理解を深める鑑賞教育 の教材開発〈第 2 部教科研究〉」,『中等教育研究紀要 / 広島大学附 属福山中・高等学校』,44 号,pp. 157–162 5 金子一夫,1995,「美術の方法論の理解を目的とする鑑賞教育(1)」, 『茨城大学教育学部紀要(人文・社会科学,芸術)』,44 号,pp. 59–76 6 高階秀爾,1964,『近代世界美術全集 7 ピカソと抽象絵画』,社会 思想社,pp. 21–23 7 高階秀爾,1975,「近代絵画史 18 キュビスムの画家たち」,井上靖・ 高階秀爾(編),『カンヴァス世界の名画 18 ブラックとキュビスム』, 中央公論社,p. 95 8 この分類については,末永照和(監修),2000,『カラー版 20 世紀 の美術』,美術出版社,p. 24 を参考にした。 9 朝日新聞社(編),1995,『朝日美術館 西洋編 1 ピカソ』,朝日 新聞出版,p. 93 10 中学校美術には,キュビスムを紹介するページにセザンヌの作品が 掲載され,複数の視点で描かれていることを解説しているものがあ る。浜島書店編集部(編著),2009,『感じる 美術』,浜島書店,p. 141 参照 11 この「一般化」という言葉については,金子一夫氏による鑑賞の授 業過程を参考にしている。それは 1.事物的水準の認識,2.説話 的水準の認識,3.本質的内容の認識,4.認識の一般化,という構 造になっており,段階的に認識を上昇させようとする(金子一夫, 2001,「美術の方法論の理解を目的とする鑑賞教育(6)」,『茨城大 学教育学部紀要(人文・社会科学,芸術)』,50 号,pp. 31–46)。 図版出典旨 図 1 京都市立芸術大学美術教育研究会(編),発行年不明,『美術資料』 秀学社,p. 124 図 2 ウィキメディア・コモンズ https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cf/La_Table_de_ cuisine%2C_par_Paul_Cézanne%2C_musée_d%27Orsay%2C_Yorck.jpg

参照

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