コミュニケーション能力を育む授業づくり:―assertion理論の応用と実践―
2
0
0
全文
(2) あった。この2極化したスタイルの中では問題解. サーションの基盤が「自己理解」「他者理解」、「他. 決に至るどころか軋櫟を生むだけであった。そうい. 者尊重」であることそして、それらを形成するた. った時代背景の中、攻撃的でもなく、非主張的でも. めにr傾聴すること」が不可欠であるということ. ない、自らも相手も大切にする両者の中間に位置す. が明確になった。さらに、選手Aの「みんなの輪. るアサーションの考え方やそれを用いたrアサーテ. に入ることで身近に感じ、リラックスできた」と. ィブ・トレーニング」が人種差別撤廃運動の非暴力. いうコメントのように円滑なコミュニケーション. 活動家やフェミニストのカウンセラーたちに注目. のために話し手も聞き手も「自己開示」や「リラ. されるようになっていった。その後、国連婿入牢. ックス」できる環境を作ることも大切であるとい. (1975)をきっかけに、フェミニストセラピーの. うことも明らかとなった。. 中に取り入れられるようになった。. この実践で得られた結果は、学級づくりでも十. 日本へは、平木典子氏が1981年に紹介したのが. 分に生かすことのできるものであり、アサ』ショ. 最初である。. ンを学校や学級に導入することの有用性を実証す るものであると考えられる。さらには、部活動指. 3つのコミュニケーションタイプ. 導の場面においてもアサーションが存分にその効. アサーション理論の中では、コミュニケーショ. 力を発揮し、チームづくりや選手の成長に良い影. ンのタイプをアグレッシブ(攻撃的)、ノンアサー. 響を与えるといえることも分かった。. ティブ(非主張的)、アサーティブの3つに大別し ている。以下にそれぞれを簡単に説明する。. アサーションを用いた実践プランの提案. アグレッシブな方法とは、自分のことを中心に. アサーション授業の中でどのように計画し、実. 考え相手のことは全く考えない態度や言動のこと. 施していけばよいのかについて、「子どものため. であり、ノンアサーティブな方法とは、自分の感情. のアサーション(自己表現)グループワーク」(園. を押し殺して、相手に合わせる態度や言動のことで. 田・中釜2010)を参考に小学校高学年を対象とし. ある。. た、12時間の年間指導計画と、指導案を提案して. アサーティブな方法とは、自分の気持ちや考えを. いく。. 相手に伝えるが、相手の気持ちや考えに伝も聞き、. それぞれの学習の導入時期の目安としては、4. 配慮する態度や言動をいい、自分も相手も大切にし. 月から6月のできるだけ早い時期に、継続的に導. たコミュニケーションの方法であるといえる。. 入するのが効果的ではないだろうか。4月から6 月は学級づくりにとって大切な時期であり、子ど. 部活動指導におけるアサーションの応用. もたちの人問関係構築されていく大切な時期で. 筆者は、H教育大学において約2年間、コーチ. もある。子どもたちが1年間を通して充実した学. として女子フットボール部の指導にあたってきた。. 校生活を送るために、この時期に導入するのが最. 選手は現在14名、マネージャーが3名で活動して. も効果的であると考えられる。. いる。アサーションを指導に用いた場合に選手に 与える影響や効果について検証するため、アンケ. 4 今後の課題. ート調査を行った。. ・教師のアサーション理論を学ぶ場所や時間の確保。. アンケート調査によって、アサーティブな話し. ・学校のカリキュラムの中にどのように組み込んで. 方になるために必要とされている「傾聴」「他者理. いくのか。. 解」r他者尊重」が大切であるということが実証さ. ・授業の方法や教材のさらなる開発と実践事例の広. れる結果となった。筆者白身は選手として指導者. い普及を行うこと。. として「自己理解ができていた」と考えられ、ア. 修学指導教員 鈴木正敏. 一143一.
(3)
関連したドキュメント
C :はい。榎本先生、てるちゃんって実践神学を教えていたんだけど、授
民有地のみどり保全地を拡大していきます。地域力を育むまちづくり推進事業では、まちづ くり活動支援機能を強化するため、これまで