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重症心身障害児とのコミュニケーションに関する研究 : 表出の理解と促進について

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Academic year: 2021

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(1)重症心身障害児とのコミュニケーションに関する研究.     一表出の理解と促進について一               特別支援教育学専攻.               心身障害コース.                  M10087C                  贋田  圭. 1同風と日的. 2.予備研究2.  重症心身障害児(以下、重症児とする)は、自発.  微細な表出からはとらえきれない対象児の定. 的な動きが乏しかったり、反応が微弱であったりす. 位反応を判断する指標として、心湘変動が有効で. る(松田1992)ため、かかわり手はコミュニケーシ. あるかを検討した。定位反応と思われる尤湘の減. ョンの手がかりを得ることが困難である。そのため、. 少と表出との関連が見られたため、補完的データ. 重症児の微弱な表出から意思や感情を読み取ったり、. として研究に位置付けた。. 表出を引き出したりする能力が、かかわり手に求め. l11㎜究1. られている(前田・小林2000、他)。. ㍉.目的.  そこで本研究では、「重症児の表出を理解するこ.   「重症児の表出カテゴリー表」を用いて、授業. と」と「重症児の表出を促進すること」の2点に. の内容や場面による表出の量を分析する。また、. ついて検討することを目的とする。また重症児の. そこから対象児の意思・感情を推察する。さらに. 定位反応を示す生理指標として心荊変動が用いられ. 表出を促しやすい授業内容について検討する。. ている(水団2000、他)ことから、本研究でも尤萌. 2.方法. 変動による定位反応の検討を行う。. !)対象:X特別支援学校に在籍する重症児2名. 11子m究. 2)期間:201!年6月∼9月. 1.予備研究1. 3)手続き.  表出をとらえるための指標として、先行研究を.  記録方法:VTR記録、心湘計測、記述記録. もとに「重症児の表出カテゴリー表」(表1)を.  対象授業:集団授業や個別授業等、全11授業. 作成した。カテゴリー表は重症児の表出をとらえ る視点を与えうることが示唆された。       表1 重症児の表出カテゴリー表. 4)結果の分析方法.   VTR上に見られた表出を筆者1名でカウント  し、カテゴリー分類をした。カウントは全慶業を. ’一 一 一 . 一    一 . ’   ’   ,   ’. カテゴリー. 分類基準(抜粋). ◆目の動き 溢児. 画面内に写っている対象を見る. 遭視. 画面内の対象を遣っ目の動き. 視線の変化. 別対象への視線の移り変わり. 鰯. 瞬きでなハ刺激に対しての開閉. 微笑. 微笑や笑顔. 表情(微笑以外). 無表情ではないもの 声カ出ている. ◆手の活動 リイング・ポインティング. 対象に向かって手習申ばす. 接触・操作. 対象を触る・握る・振る・叩くなど. ◆姿薯・運動 接近・接触. 榊. 糊胚能・そσ胞.  出が見られた場合には1とカウントする。10秒間に繰り返された.  表出は1とカウントする。また旦0秒以上続いた表出はm秒区切. 3.結果と考察  A児の指吸い(「判別不能・その他」)からは退屈. ◆発声. 郭の一醐動き.  せて心湘変動の分析を打つだ。(*1O秒間に1回でも表.  りで1カウントとする。). ◆表情等. 発声.  10秒ごとの*1−Oサンプリング法で行った。合わ. 手以外の部分を対象に接近させる 「◆手0)活動」を除く、各部位σ実動き. 判別不能なもの、自傷・他傷を含む. な状態が、r微笑」からは快の状態が推察された。ま. た、B児のr視線の変化」r瞼開閉」からは絵本など 外界への興味が、r発声」r表情(微笑以外)」からは. 不快な状態が推察された。A児・B死ともに授業の 内容や場面に応じて意思・感情を表出しているこ とが示唆された。. 166一.

(2)  心湘変動については、刺激や表出との関連を検討. 動性の表れ」として理解することが重要であると. したが、明らかな関連は見られなかった。. 考えられる。.  表出を促進するために有効だと思われる授業. 2.表出の促進. 内容としては、①身体への直接的な刺激を含む複.  重症児の表出を促す取り組みの視点として、先. 数感覚への刺激、②手足を活発に使える内容、③. 行研究の知見を踏まえながらr①適切(安楽)な. 注視・追視を誘うかかわり方や教材・教具、④じ. 姿勢の保持・変換」「②様々な感覚の活用」「③は. っくり時間をかけて遊ぶことなどが示唆された。. たらきかけの手がかりを得るために試行錯誤す. 1V側究2. ること」「④表出を待つこと」「⑤じっくり遊びこ. 1.目的. むこと」の5つに整理した。.  表出の質的側面をとらえるために、かかわり手.  本稿では「表出の促進」と表現したが、はたら. と対象児とのやりとりを分析することで、対象児. きかけが主体ではなく、重症児の表出を主体とす. の意思や感情を推察する。また、表出を促しやす. る実践が必要だと言える(郷間・伊丹2005)。ま. いはたらきかけについて検討する。. た、5つの視点以前に、重症児の健康状態を維. 2.方法. 持・向上する取り組みを基盤とすることが望まれ.  VTR記録から「明らかに対人的」「明らかに応答. る(猪狩2011)。. 的」、あるいはr明らかに自発的」と見られる表出を. 抽出し、その前後に見られるかかわり手のはたらき. 3.課題  本研究は、対象とした重症児は2名であったた. かけとの関連について分析した。. め、その結果が重症児一般に当てはまるものでは. 3.結果と考察. ない。これは、「重症児の表出カテゴリー表」に.  A児・B児それぞれについて、表出から「快」「不. ついても同様である。作成にあたっては、先行研. 快」「変化への戸惑い・驚き」「探索」「要求」「期待」. 究の知見から客観性・一般性を担保しようとした. 「興味」などの意思・感情が推察された。. が、その検証は行えなかった。今後、事例を増や.  また、①分かりやすい提示の仕方(視線方向に. すことが課題である。. 提示すること、身体への直接的な刺激、複数の感.  また、次の2点についてカテゴリー表の改訂も. 覚にはたらきかけることなど)、②待つこと(重. 視野に入れたい。一つは、VTRではとらえられ. 症児を見つめて表出を待つこと、はたらきかけに. ないが、実際のかかわり手はとらえている重症児. 間をとること)、③刺激やはたらきかけに変化を. の「呼吸」「顔色」「筋緊張」などの情報をカテゴ. 加えること、④一つの活動にじっくりと時間をか. リー表に活かすことである。もう一つは、細渕. け興味や理解を促すことの4点が表出の促進に. (2003)が視覚やリーチングの発達と定位・探索. 有効だと考えられる。. 行動との関連を整理したように、カテゴリー表に. V 全体考奏. 発達的視点を盛り込むことである。. 1.表出の理解.  本研究では、表出を促進するためのはたらきか.  重症児の意思・感情の推察において、先行研究. け方を検討する上で、rはたらきかけに対する表. の知見を踏まえながらr①定位・探索の過程」r②. 出」を取り上げてきた。しかし、対象児の表出に. 興味・注意集中」r③常同行動」r④要求・不快」. 対しかかわり手が応答的にはたらきかける場面. 「⑤快・微笑」の5つの観点に整理した。. も見られたことから、重症児の自発的な表出に対.  対象児の表出にr戸惑い・驚き→探索→興味→. するかかわり手のはたらきかけについても検討. 微笑」の過程が見られたように、自己刺激性を外. する余地があると言える。. 界への能動性へ転化させる(細渕2003)ために、.           主任指導教員 石倉 健二. 「視線の変化」など探索的な表出を「外界への能.           指導教員石倉健二. 167一.

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