重症心身障害児とのコミュニケーションに関する研究 : 表出の理解と促進について
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(2) 心湘変動については、刺激や表出との関連を検討. 動性の表れ」として理解することが重要であると. したが、明らかな関連は見られなかった。. 考えられる。. 表出を促進するために有効だと思われる授業. 2.表出の促進. 内容としては、①身体への直接的な刺激を含む複. 重症児の表出を促す取り組みの視点として、先. 数感覚への刺激、②手足を活発に使える内容、③. 行研究の知見を踏まえながらr①適切(安楽)な. 注視・追視を誘うかかわり方や教材・教具、④じ. 姿勢の保持・変換」「②様々な感覚の活用」「③は. っくり時間をかけて遊ぶことなどが示唆された。. たらきかけの手がかりを得るために試行錯誤す. 1V側究2. ること」「④表出を待つこと」「⑤じっくり遊びこ. 1.目的. むこと」の5つに整理した。. 表出の質的側面をとらえるために、かかわり手. 本稿では「表出の促進」と表現したが、はたら. と対象児とのやりとりを分析することで、対象児. きかけが主体ではなく、重症児の表出を主体とす. の意思や感情を推察する。また、表出を促しやす. る実践が必要だと言える(郷間・伊丹2005)。ま. いはたらきかけについて検討する。. た、5つの視点以前に、重症児の健康状態を維. 2.方法. 持・向上する取り組みを基盤とすることが望まれ. VTR記録から「明らかに対人的」「明らかに応答. る(猪狩2011)。. 的」、あるいはr明らかに自発的」と見られる表出を. 抽出し、その前後に見られるかかわり手のはたらき. 3.課題 本研究は、対象とした重症児は2名であったた. かけとの関連について分析した。. め、その結果が重症児一般に当てはまるものでは. 3.結果と考察. ない。これは、「重症児の表出カテゴリー表」に. A児・B児それぞれについて、表出から「快」「不. ついても同様である。作成にあたっては、先行研. 快」「変化への戸惑い・驚き」「探索」「要求」「期待」. 究の知見から客観性・一般性を担保しようとした. 「興味」などの意思・感情が推察された。. が、その検証は行えなかった。今後、事例を増や. また、①分かりやすい提示の仕方(視線方向に. すことが課題である。. 提示すること、身体への直接的な刺激、複数の感. また、次の2点についてカテゴリー表の改訂も. 覚にはたらきかけることなど)、②待つこと(重. 視野に入れたい。一つは、VTRではとらえられ. 症児を見つめて表出を待つこと、はたらきかけに. ないが、実際のかかわり手はとらえている重症児. 間をとること)、③刺激やはたらきかけに変化を. の「呼吸」「顔色」「筋緊張」などの情報をカテゴ. 加えること、④一つの活動にじっくりと時間をか. リー表に活かすことである。もう一つは、細渕. け興味や理解を促すことの4点が表出の促進に. (2003)が視覚やリーチングの発達と定位・探索. 有効だと考えられる。. 行動との関連を整理したように、カテゴリー表に. V 全体考奏. 発達的視点を盛り込むことである。. 1.表出の理解. 本研究では、表出を促進するためのはたらきか. 重症児の意思・感情の推察において、先行研究. け方を検討する上で、rはたらきかけに対する表. の知見を踏まえながらr①定位・探索の過程」r②. 出」を取り上げてきた。しかし、対象児の表出に. 興味・注意集中」r③常同行動」r④要求・不快」. 対しかかわり手が応答的にはたらきかける場面. 「⑤快・微笑」の5つの観点に整理した。. も見られたことから、重症児の自発的な表出に対. 対象児の表出にr戸惑い・驚き→探索→興味→. するかかわり手のはたらきかけについても検討. 微笑」の過程が見られたように、自己刺激性を外. する余地があると言える。. 界への能動性へ転化させる(細渕2003)ために、. 主任指導教員 石倉 健二. 「視線の変化」など探索的な表出を「外界への能. 指導教員石倉健二. 167一.
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