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算数科における活用型授業に関する実践的研究 : 算数作文を用いて

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Academic year: 2021

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(1)算数科における活用型授業に関する実践的研究 一算数作文を用いて一. 教育実践高度化専攻 小学校教員養成特別コース. P 0 9 0 6 0 J 伊 輿 田   統 章 I.研究報告■の構成. しかし、児童の活用型学力を育成するという面. 第1章 本研究の背景. では課題が残っているため、教職員は、日々の. 第2章 活用型授業の方法論. 算数科授業実践を通して育成していくことが求. 第3章 本研究の活用型授業の設計. められる。連携協力校における調査から判明し. 第4章 活用型授業の結果分析と考察. た課題から、「活用型学力を育てるための授業を 『活用型授業4』と捉え、組み立てる」「実践の. 第5章 授業実践の反省 第6章 本研究のまとめと今後の課題. 省察、改善を行う」ことを柱として、児童の活. 引用・参考文献一覧. 用型学力を育成するための授業作りの視点を明. 皿.研究の優宴. らかにしていくことを本研究の目的とする。. 1.問題の所在と研究の目的. 2、研究の方法と対象. 近年、活用型学力を児童に身につけさせること. (1)研究の対象. が学校教育に必要であるという考え方が出現し.  連携協力校である、公立小学校第5学年25名. ている。特に算数科を見ても、近年実施されて. を対象とした。. いる全国学力調査の算数B間題を、5割程度の児. (2)実施期間. 童しか処理することができていないという現状. 2011年7月19日、2011年10月6目. がある1。ここで言う算数科における活用型学力. (3)教科・単元 算数科「植木算」 皿.研究の方法. については、木原は、「基礎的・基本的な知識・. 技能を確実に習得させること、これらを活用し. (1)授業実践. て課題を解決する」2ことと記している。これは、.  1時間目は、既習事項(木の本数:木と木の間. 「事実や手順や法則を示した後、それらを利用. の数十1、円上に並ぶ木の本数:木と木の間の数). して応用問題を解く」・ということである。. の確認に加えて教科書の基本間題に取り組む。.  算数B間題の正答率が低い理由としては、あ. そして、2時間目は、教科書の基本問題の続きの. る応用問題が提示されても、既習事項を十分活. 後に、発展的な問題(①「問題の場面を読み取. 用できていない状況が考えられる。つまり、従. るカ」②「何を求めるのかを把握するカ」③「必. 来の授業実践では活用型学力を十分に育成し切. 要な情報を取り出すカ」④r問題に正対する力」. れていないのではないかと考えられる。. ⑤慨習事項を活用する力」⑥「解答までに、.  2011年7月19目に、実習先の連携協力校であ. 複数の処理ステップを踏むカ」が必要な問題)5. る公立小学校の5年生学級でB間題を実施した. に取り組ませ、既習事項の活用を取り扱った。. ところ、3間の内金間正解した児童は24人中3. この授業の流れが活用型学力を育てることとな. 名で全体の10%であった。普段の授業観察によ. る理由としては、この授業の流れがr活用型授. り、その学級の児童は、基礎基本的な学習内容. 業の応用的形態」というモデノレに即しているか. については、十分習得できていると考えられる。. らである。この授業形態は、「習得した知識をよ. 一104一.

(2) り複雑な状況に適用する場合を意味する」6とい. ができた。そして、植木算の授業内容を終えた. うことである。その際、「既習事項(植木算の法. 後に、活用する力が必要な問題を児童に解かせ. 則)の確実な振り返り」r問題解決をする際に、. てみた。結果として、正解者(クラスの17%)・. 児童がその過程を明確に認識できるワークシー. 準正解者(クラスの33%)の合計50%が望まし. トの作成」「それら踏まえた上で新しい問題場面. い数的処理を行うことができていた。2011年7. に児童を出会わせ数的処理を行わせる」という. 月19目時点において、活用型学力を有する児童. 観点を骨格にした授業づくりを検討した。. は約10%であったが、筆者の授業実践後では約. (2)活用型授業の方法論. 50%に数値が上昇していた。.  授業を組み立てる際には、「児童が、自分が今. V.研究の成果. 何を問われていて、何を処理して、何を導き出.  算数科において活用型授業づくりを行うには、. すのか」という一連の数的処理の流れを的確に. 呪童が、習得した知識をどのように活用して. 再現することができるように留意した。そこで、. 問題解決を図ったのかという点を客観視する機. 指導上の手立てのキ]ワードとなるのは、「メタ. 会を、授業内に設定する」という視点が必要で. 認知」とr算数作文」である。算数作文とは、r授. あるということが明らかとなった。この視点を. 業の最後5分程度で授業の感想、思ったこと、. 授業に導入することで、児童は新しい問題解決. これから学習したいことを書く作文」7のことで. 場面に直面しても、的確な数的処理の流れを踏. ある。この手法は、児童の内面という目には見. んでいくことができる。. えないものを評価する際に有効な手法であると. ㎜.今後の課題. 考えられている8。また、メタ認知とは、一般に.  筆者の授業実践力を高めることが挙げられる。. 認知を認知することを指す。人間が自分自身を. r人の数=間の数十1」r円上に並ぶ人の数:間. 認識する場合において、自分の思考や行動その. の数」という決まりを児童に伝えることに筆者. ものを対象として客観的に把握し認識すること. の意識が集中し過ぎてしまい、r直線上に人が並. である。今回の算数科授業にこの「算数作文」. ぶという概念」を重視していなかったことが明. と「メタ認知」をどう当てはめ児童の学習を支. らかとなった。改善点として、「作業的・体験的. 援するのか。それは、数的処理の過程を児童自. な活動など身体を使ったり、具体物を用いたり. 身が把握できるようにしていくということであ. する活動」を取り入れることで一方的な伝達型. る。具体的には、. 授業にならない工夫が必要である。. ①問題場面に児童は出会う.          修学指導教員 別惣 淳二. ②既習事項を振り返らせながら答えを児童は考. 【註】.  える 1国立教育政策研究所教育課程研究センター『全国学. ③どうしてそのように考えたのかと問いかけ、.  カ・学習状況調査』.  自分の思ったことを書く.  という算数作文を用いながら児童は数的処理 を行う。.  π.研究の結果分析と考察.  研究授業を2011年10月6日に行った。教科 書の問題に取り組んだ児童の足跡を見るために 回収した算数作文のワークシートにおいては、 ぽぽ全ての児童が教科書の問題を処理すること. 2木原俊行『活用型学力を育てる授業作り』(2011)ミ  ネルヴァ書房 5頁。. 3同上35頁。 4木原、前掲書、5頁。 5岩井友紀『学テ算数A&B問題出題意図をつかむ解答  カのっけ方』(2010)明治図書4∼5頁。 6木原、前掲書、8頁。 7高井吾朗『算数作文から見るメタ認知の変容について  の研究』第39回数学教育論文発表会論文集(2008)  739頁。. 8同上。. 一105一.

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