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<資料>A病院看護師の看護ケアに対する認識と実施状況の相違 利用統計を見る

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A 病院看護師の看護ケアに対する認識と実施状況の相違

Differences between Recognition and Implementation of Nursing Care in A Hospital's

Nurses.

竹田 知

1)

,武田 真弓

1)

,中村美知子

2) TAKEDA Tomo, TAKEDA Mayumi, NAKAMURA Michiko

要 旨

300 床以下の中規模 A 病院の看護師 126 名を対象に,看護ケアに対する認識と実施状況を調査した。看護 ケア 45 項目を抽出し,認識と実施状況について5段階リッカート尺度を用いた。看護ケアの認識より実施が 有意に低値の項目は,45 項目中 31 項目であった。その内特に実施が低かったのは,マッサージ・機能訓練, 娯楽・行事の企画・実施,栄養指導,看護研究,介護指導,学習会の企画・実施であった。認識より実施が 有意に高値の項目は,患者の移送・移動,電話対応,(医師へ)処方や点滴・注射オーダーの依頼,電子カル テからの情報収集であった。看護ケアの認識は高いが実施が有意に低い看護ケアは,実践力を改善するため に学習会や具体策を検討する必要がある。また電話対応や,(医師へ)処方や点滴・注射オーダーの依頼,患 者の移動・移送については,患者の安全を考慮しながら他職種との業務分担を検討することが課題となった。 キーワード 看護ケア,認識,実施状況

keyword Nursing Care, Recognition, Implementation

受理日:2015 年 8 月 5 日

1) 山梨勤労者医療協会 甲府共立病院:The Yamanashi Wage Earner Medical Care Society, Kofu Kyoritsu Hospital 2) 山 梨 大 学 大 学 院 総 合 研 究 部( 基 礎・ 臨 床 看 護 学 講 座 ):

U n i v e r s i t y o f Y a m a n a s h i , G r a d u a t e S c h o o l o f Interdisciplinary Research(Fundamental and Clinical Nursing) 本質的に捉えようとするときに用いられ,看護の専門的 サービスのエッセンス,あるいは看護業務や看護実践の 中核部分を表すと定義されている1) 。看護師が認識する 看護ケアについては,看護を提供する場や患者の状態, 個々の看護師の看護観や価値観による違いがある。A 病院に勤務する看護師は,看護ケアをどう捉えているの か,認識に相違があるのか疑問を感じた。日常の看護業 務の中で看護ケアと認識している内容と程度を知ること で,A 病院看護師の看護ケアの認識の特徴が明確にな るのではないかと考えた。また,看護師は現状のケアに 不足を感じているが,その内容が本来行うべき看護ケア の時間が足りないと感じているのか,どのような看護ケ アに時間を費やしているかの実態を明らかにする必要が あると考え,看護師の看護ケアに対する認識と実施状況 の調査をすることにした。

Ⅱ.目的

A 病院看護師の看護ケアに対する認識と実施状況につ いて調査し,看護ケアを実践化するための課題を明らか にすることとした。

Ⅲ.用語の操作的定義

看護ケア : F. Nightingale の看護覚え書2),V. Henderson

Ⅰ.はじめに

2007 年 12 月に仕事と生活の調和(ワークライフバラ ンス)憲章が制定され,日本看護協会は 2010 年度から「看 護職のワークライフバランス推進ワークショップ」事業 を開始した。A 病院は 2013 年度からこのワークショッ プに参加している。A 病院の 2014 年度のワークライフ バランスインデックス調査では,「あなたの部署では看 護ケアに費やす時間を十分にとることができる」の問い にそう思う,ややそう思うと答えた看護師は,全看護職 (n=206)の 42.7% であった。他の項目と比較し,看護ケ アに費やす時間が十分取れていないという特徴がみら れ,看護師の看護ケアに対する認識にばらつきや相違が あると判断した。そこで,看護ケアの認識を調査しイン デックス調査結果を改めて分析することで,看護ケアに 費やす時間の確保やケアの充実に対する改善策を見出せ るのではないかと考えた。看護ケアは,看護職の行為を

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Advanced を用いた。 5.倫理的配慮 本研究は,所属施設の倫理審査委員会の承認を得た後 に実施した。対象者には,研究への参加は対象者の任意 であること,研究の主旨,手順,拒否と中断の権利,研 究協力の有無に関わらず対象者に不利益が生じないこと, プライバシーの保護,データは記号化した状態で管理さ れ個人が特定されないよう配慮すること,調査用紙は研 究以外の目的では使用しないこと,研究成果は雑誌への 投稿や学会等へ発表する場合があることを文章で説明し た。また,調査用紙への回答にて研究協力の同意を得た。

Ⅴ.結果

調査用紙を 231 名に配付し 151 名から回収した。回収 率は 65.4% であった。欠損値を除いた 126 名を分析対象 とした。有効回答率は 83.4% であった。 1. 対象者の属性(表 1) 性別は男性が 10 名(7.9%),女性が 116 名(92.1%)であっ た。年齢は 25 歳から 29 歳が最も多く 27 名(21.4%),次 の看護の基本となるもの3),看護にかかわる主要な用語 の解説−概念的定義・歴史的変遷・社会的文脈−1)で示 す看護ケア 45 項目。 看護ケアに対する認識 : 看護ケア 45 項目に対して, それを「看護ケアである」と認識している程度。

Ⅳ.方法

1. 調査対象 300 床以下の中規模 A 病院の看護師 126 名。 2. 調査期間 2015 年 1 月。 3. 調査内容と手順 1) 対象者の属性 : 性別,年齢,看護師経験年数,既婚の 有無,子供の有無,雇用形態。ワークライフバランス インデックス調査の項目を参考にした。 2) 看護師が患者と関わる場面での看護ケアの認識と実施 状況について調査用紙を作成した。調査内容は F. Nightingale の看護覚え書2),V. Henderson の看護の 基本となるもの3),看護にかかわる主要な用語の解説 −概念的定義・歴史的変遷・社会的文脈−1),A 病院 看護業務基準を参考にした。調査項目は「ベッドサイ ドケア」13 項目,「患者の観察・情報収集・対話」7 項目, 「他職種との連携」5 項目,「患者教育」3 項目,「移動・ 移送」2 項目,「環境整備」2 項目,「検査や治療」2 項目, 「学習会や行事の企画」2 項目,「退院支援」2 項目,「リ ハビリテーション」2 項目,「看護記録」1 項目,「看護 研究」1 項目,「急変時の対応」1 項目,「医療機器の操作」 1 項目,「会議」1 項目の合計 45 項目。評価は 5 段階リッ カート尺度を用いた。看護ケアの認識は,思わない(1 点),あまり思わない(2 点),どちらともいえない(3 点),少し思う(4 点),とても思う(5 点)。実施状況は, 実施していない(1 点),あまり実施していない(2 点), どちらともいえない(3 点),少し実施している(4 点), とても実施している(5 点)。得点が高いほど認識や実 施状況が高いことを示す。 3) 対象となる看護師に調査用紙を配付した。各職場に回 収用封筒を準備し,1 週間の留め置き法とし回収した。 4. 分析方法 1)対象者の属性は基本統計量を算出した。 2) 看 護 ケ ア の 認 識 と 実 施 頻 度 の 差 を 見 る た め に, Wilcoxon の符号付順位検定を行った。 3) 看 護 ケ ア の 認 識 と 実 施 状 況 の 関 係 を 見 る た め に Spearman の順位相関係数を算出した。 4) データの分析には統計ソフト SPSS Statistics 20.0 表 1 対象者の属性 n=126 項目 n(%) 性別 男性 10 ( 7.9 ) 女性 116 ( 92.1 ) 年齢 24 歳以下 15 ( 11.9 ) 25 歳から 29 歳 27 ( 21.4 ) 30 歳から 34 歳 25 ( 19.8 ) 35 歳から 39 歳 17 ( 13.5 ) 40 歳から 44 歳 10 ( 7.9 ) 45 歳から 49 歳 10 ( 7.9 ) 50 歳から 54 歳 11 ( 8.7 ) 55 歳から 59 歳 8 ( 6.3 ) 60 歳以上 3 ( 2.4 ) 看護師経験年数 1 年目 4 ( 3.2 ) 2 年目 10 ( 7.9 ) 3 年目 5 ( 4.0 ) 4 年目から 5 年目 13 ( 10.3 ) 6 年目から 9 年目 22 ( 17.5 ) 10 年目から 19 年目 40 ( 31.7 ) 20 年目から 29 年目 18 ( 14.3 ) 30 年目以上 14 ( 11.1 ) 既婚の有無 独身 52 ( 41.3 ) 既婚 74 ( 58.7 ) 子供の有無 あり 64 ( 50.8 ) なし 62 ( 49.2 ) 雇用形態 正規職員 105 ( 83.3 ) 非正規職員 21 ( 16.7 )

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p=0.00)であった。 認識より実施頻度が有意に高かった項目は 4 項目であ り,「患者の観察・情報収集・対話」の電子カルテからの 情報収集(中央値 5.0,平均値 4.8±0.6,p=0.00),「他職 種との連携」の電話対応(中央値 5.0,平均値 4.5±0.9, p=0.00),「移動・移送」の患者の移送・移動(中央値 5.0, 平均値 4.2±1.2,p=0.00),「他職種との連携」の(医師へ) 処方や点滴・注射オーダーの依頼(中央値 5.0,平均値 4.1 ±1.3,p=0.01)であった。 看護ケアの認識も実施頻度も高値で有意差がなかった 項目は,「ベッドサイドケア」のナースコールの対応,清 拭や陰部洗浄・オムツ交換,更衣・衣類交換,食事介助, 採血・点滴や注射の施行・点滴ラインの管理,「環境整備」 の環境整備・ベッドメイキング,「検査や治療」の医師が 行う検査や処置など診療の介助,「看護記録」の看護記録・ 看護計画の評価・看護要約の記載,「医療機器の操作」の 医療機器の操作の 9 項目であった。「会議」の会議は,認 識も実施も低く有意差もなかった。 3. 看護師の看護ケアに対する認識と実施状況の関係 (表 3) 看護ケアに対する認識と実施頻度の関係では,「ベッ ドサイドケア」の症状に対するケア(r=0.26,p<0.01),「患 者の観察・情報収集・対話」の悩み・相談への対応(r=0.27, p<0.01),「他職種との連携」のカンファレンス(r=0.24, p<0.01),「患者教育」の栄養指導(r=0.35,p=0.00),「退 院支援」の介護指導(r=0.21,p<0.05),退院支援・調整・ 地域との連携(r=0.18,p<0.05),「リハビリテーション」 のマッサージ・機能訓練(r=0.25,p<0.01)の 7 項目で有 意の正相関が見られた。

Ⅵ . 考察

1. 看護ケアの認識は高いが実施状況が少なかったケ アの課題 A 病院看護師の認識と比較して有意に実施状況が低 かった項目は 45 項目中 31 項目であった。しかし,実施 状況の中央値は 4.0 以上の項目が多く,認識も実施状況 も高値であった。認識と実施状況で有意の相関があった 項目(7 項目)はすべて正相関であった。これは,A 病院 看護師が,看護ケアと認識しながら実践もしていること を示していた。しかし,看護ケアについて認識はしてい るが,実施が少なかったのは次のケアであり,今後改善 が必要である。 ベッドサイドケアでは,洗面や整髪介助(髭剃り・爪 切り等),口腔ケア,手浴・足浴,入浴介助の実施が少 なかった。洗面や整髪介助(髭剃り・爪切り等),口腔ケ アは,モーニングケアとして 1 日の始まりに行う基本的 いで 30 歳から 34 歳が 25 名(19.8%)であった。看護師経 験年数は,1 年目が 4 名(3.2%),2 年目が 10 名(7.9%), 3 年目が 5 名(4.0%)と全体の 15.1% であった。4 年目か ら 5 年 目 が 13 名(10.3%),6 年 目 か ら 9 年 目 が 22 名 (17.5%),10 年目から 19 年目が最も多く 40 名(31.7%) であった。4 年目から 19 年目までの看護師が全体の 59.5% であった。独身者と既婚者の割合は,独身者が 52 名(41.3%),既婚者が 74 名(58.7%)であった。子供の有 無は,子供ありが 64 名(50.8%),子供なしが 62 名(49.2%) であった。雇用形態は正規職員が 105 名(83.3%),非正 規職員が 21 名(16.7%)であった。これらの構成は A 病 院の看護師の構成とほぼ類似していた。 2. 看護師の看護ケアに対する認識と実施状況の比較 (表 2) 看護ケアに対する認識と実施状況を比較した結果,有 意差が見られた項目は全 45 項目中 35 項目であった。認 識より実施が有意に低値だったのは 31 項目だった。31 項目のうち,特に低値(中央値 2.0 から 3.0,平均値 2.0 から 2.9)であったのは以下の 6 項目であった。「リハビ リテーション」のマッサージ・機能訓練(中央値 2.0,平 均値 2.3±1.2,p=0.00),「学習会や行事の企画」の娯楽・ 行 事 の 企 画・ 実 施( 中 央 値 2.0, 平 均 値 2.4±1.3, p=0.00),「患者教育」の栄養指導(中央値 2.0,平均値 2.5 ± 1.3,p=0.00),「看護研究」の看護研究(中央値 3.0,平 均値 2.6±1.2,p=0.00),「退院支援」の介護指導(中央値 3.0,平均値 2.7±1.4,p=0.00),「学習会や行事の企画」 の学習会の企画・実施(患者会を含む)(中央値 3.0,平 均値 2.9±1.3,p=0.00)であった。次に,実施頻度の中 央値 4.0 から 5.0,平均値 3.0 から 3.9 であった項目は,「リ ハビリテーション」の歩行介助・散歩(中央値 4.0,平均 値 3.2±1.3,p=0.00),「ベッドサイドケア」の入浴介助(中 央値 4.0,平均値 3.3±1.6,p=0.00),「患者の観察・情報 収集・対話」の病状説明への参加(中央値 4.0,平均値 3.3 ± 1.3,p=0.00),「患者教育」の服薬指導(中央値 4.0,平 均値 3.4±1.4,p=0.00),「ベッドサイドケア」の手浴・ 足浴(中央値 4.0,平均値 3.6±1.5,p=0.00),「他職種と の連携」の病状説明やカンファレンスの設定(中央値 4.0, 平均値 3.6±1.5,p=0.00),「患者教育」の患者教育・生 活指導(中央値 4.0,平均値 3.7±1.2,p=0.00),「退院支援」 の退院調整・地域との連携(中央値 4.0,平均値 3.7±1.4, p=0.00),「患者の観察・情報収集・対話」の悩み・相談 への対応(中央値 4.0,平均値 3.8±1.2,p=0.00),「ベッ ドサイドケア」の洗面・整髪介助(髭剃り・爪切り等)(中 央値 4.0,平均値 3.8±1.5,p=0.00),口腔ケア(中央値 5.0, 平均値 3.9±1.5,p=0.00),「他職種との連携」のカンファ レンス(中央値 4.0,平均値 3.9±1.3,p=0.00),「急変時 の対応」の急変時の対応(中央値 4.0,平均値 3.9±1.3,

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表 2 看護ケアに対する認識と実施状況の比較 項目 認識(n=126) 実施状況(n=126)有意差 Me Mean± SD Me Mean± SD ベッドサイドケア ナースコールの対応 5 4.7 ± 0.6 5 4.5 ± 1.1 清拭や陰部洗浄・オムツ交換 5 4.6 ± 0.7 5 4.5 ± 1.1 洗面・整髪介助(髭剃り・爪切り等) 5 4.5 ± 0.8 4 3.8 ± 1.5 ** 更衣・衣類交換 5 4.4 ± 0.8 5 4.3 ± 1.2 入浴介助 5 4.4 ± 0.9 4 3.3 ± 1.6 ** 手浴・足浴 5 4.5 ± 0.8 4 3.6 ± 1.5 ** 口腔ケア 5 4.5 ± 0.7 5 3.9 ± 1.5 ** 排泄ケア(膀胱留置カテーテル挿入,導尿,摘便,浣腸等) 5 4.8 ± 0.6 5 4.3 ± 1.2 ** 吸引や吸入の介助 5 4.7 ± 0.6 5 4.2 ± 1.3 ** 内服薬のチェック・与薬 5 4.5 ± 0.8 5 4.2 ± 1.3 ** 食事介助 5 4.3 ± 0.9 5 4.0 ± 1.4 症状に対するケア 5 4.9 ± 0.4 5 4.4 ± 1.0 ** 採血・点滴や注射の施行・点滴ラインの管理 5 4.7 ± 0.7 5 4.7 ± 0.9 患者の観察・情報収集・ 対話 患者や家族との会話・入院前の様子・家族背景や生活歴の聴取 5 4.7 ± 0.5 5 4.2 ± 1.0 ** 電子カルテからの情報収集 5 4.5 ± 0.7 5 4.8 ± 0.6 ** 患者の観察やバイタルサイン測定 5 4.9 ± 0.3 5 4.7 ± 0.9 * 決まった時間に行うバイタルサイン測定や観察・各勤務の検温やラウンド 5 4.7 ± 0.6 5 4.2 ± 1.4 ** 苦痛を緩和するケア 5 4.9 ± 0.4 4 4.0 ± 1.3 ** 病状説明への参加 4 4.4 ± 0.8 4 3.3 ± 1.3 ** 悩み・相談への対応 5 4.3 ± 0.8 4 3.8 ± 1.2 ** 他職種との連携 院内の多職種との連携 5 4.6 ± 0.6 4 4.3 ± 0.8 ** カンファレンス 5 4.7 ± 0.6 4 3.9 ± 1.3 ** 電話対応 4 3.8 ± 0.9 5 4.5 ± 0.9 ** (医師へ)処方や点滴・注射オーダーの依頼 4 3.7 ± 1.2 5 4.1 ± 1.3 * 病状説明やカンファレンスの設定 4 4.2 ± 0.9 4 3.6 ± 1.5 ** 患者教育 患者教育・生活指導 5 4.8 ± 0.5 4 3.7 ± 1.2 ** 服薬指導 4 4.1 ± 0.9 4 3.4 ± 1.4 ** 栄養指導 4 3.7 ± 1.0 2 2.5 ± 1.3 ** 移動・移送 患者の移送・移動 4 3.7 ± 1.1 5 4.2 ± 1.2 ** 体位変換 5 4.6 ± 0.7 5 4.3 ± 1.3 * 環境整備 環境整備・ベッドメイキング 5 4.3 ± 1.0 4 4.1 ± 1.1 転倒転落を予防する対策 5 4.6 ± 0.6 5 4.2 ± 1.2 * 検査や治療 医師が行う検査や処置などの診療の介助 5 4.4 ± 0.9 5 4.2 ± 1.2 検査や手術前の準備(物品の確認や剃毛等) 5 4.6 ± 0.7 5 4.2 ± 1.2 * 学習会や行事の企画 学習会の企画・実施(患者会を含む) 4 3.8 ± 1.0 3 2.9 ± 1.3 ** 娯楽・行事の企画・実施 4 3.8 ± 0.9 2 2.4 ± 1.3 ** 退院支援 退院調整・地域との連携 5 4.6 ± 0.7 4 3.7 ± 1.4 ** 介護指導 4 4.3 ± 0.8 3 2.7 ± 1.4 ** リハビリテーション マッサージ・機能訓練 4 3.5 ± 1.1 2 2.3 ± 1.2 ** 歩行介助・散歩 4 4.2 ± 0.9 4 3.2 ± 1.3 ** 看護記録 看護記録・看護計画の評価・看護要約の記載 5 4.6 ± 0.7 5 4.5 ± 1.1 看護研究 看護研究 4 3.9 ± 1.0 3 2.6 ± 1.2 ** 急変時の対応 急変時の対応 5 4.8 ± 0.6 4 3.9 ± 1.3 ** 医療機器の操作 医療機器の操作 4 4.1 ± 0.9 4 4.1 ± 1.1 会議 会議 4 3.6 ± 1.0 4 3.9 ± 1.2 ※Wilcoxon 符号付順位検定 *p < 0.05 **p < 0.01 ※ 看護ケアの認識は,思わない(1点),あまり思わない(2 点),どちらともいえない(3 点),少し思う(4 点),とても思う(5点)の5段階評定。実施状 況は,実施していない(1点),あまり実施していない(2 点),どちらともいえない(3 点),少し実施している(4 点),とても実施している(5点)の5 段階評定。得点が高いほど認識や実施が高いことを示す。

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表 3 看護ケアに対する認識と実施状況の関係 n=126 項目 相関係数(r) 有意差 ベッドサイドケア ナースコールの対応 0.02 清拭や陰部洗浄・オムツ交換 -0.13 洗面・整髪介助(髭剃り・爪きり等) 0.15 更衣・衣類交換 0.02 入浴介助 0.16 手浴・足浴 0.12 口腔ケア 0.02 排泄ケア(膀胱留置カテーテル挿入,導尿,摘便,浣腸等) -0.01 吸引や吸入の介助 0.08 内服薬のチェック・与薬 0.10 食事介助 0.03 症状に対するケア 0.26 ** 採血・点滴や注射の施行・点滴ラインの管理 0.10 患者の観察・情報収集・対話 患者や家族との会話・入院前の様子・家族背景や生活歴の聴取 0.05 電子カルテからの情報収集 0.14 患者の観察やバイタルサイン測定 -0.01 決まった時間に行うバイタルサイン測定や観察・各勤務の検温やラウンド 0.02 苦痛を緩和するケア 0.05 病状説明への参加 0.09 悩み・相談への対応 0.27 ** 他職種との連携 院内の他職種との連携 0.16 カンファレンス 0.24 ** 電話対応 0.08 (医師へ)処方や点滴・注射オーダーの依頼 0.06 病状説明やカンファレンスの設定 -0.01 患者教育 患者教育・生活指導 0.20 服薬指導 0.12 栄養指導 0.35 ** 移動・移送 患者の移送・移動 0.10 体位変換 -0.03 環境整備 環境整備・ベッドメイキング 0.19 転倒転落を予防する対策 0.17 検査や治療 医師が行う検査や処置などの診療の介助 0.10 検査や手術前の準備(物品の確認や剃毛等) 0.17 学習会や行事の企画 学習会の企画・実施(患者会を含む) 0.04 娯楽・行事の企画・実施 0.16 退院支援 退院調整・地域との連携 0.18 * 介護指導 0.21 * リハビリテーション マッサージ・機能訓練 0.25 ** 歩行介助・散歩 0.17 看護記録 看護記録・看護計画の評価・看護要約の記載 0.14 看護研究 看護研究 -0.07 急変時の対応 急変時の対応 0.13 医療機器の操作 医療機器の操作 0.15 会議 会議 0.03 ※Spearman 順位相関係数 ※*p < 0.05 **p < 0.01

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常業務や患者ケアに直接的に関係するものに学習ニーズ を持つ傾向があり,緊急時の対処は学習の優先項目とし て上位にあがっていると報告されている5)。急変時の対 応の看護ケアの認識は高いため,その時に対応できるよ う蘇生トレーニングやシュミレーショントレーニングの 学習会を定期的に開催することが必要であると考える。 また,看護研究の困難な要因としては,病棟内の輸番制 や特定の年数や条件に達した人が行うことが多く,義務的 に看護研究が実施されている現状が報告されている6) 。研 究支援体制は師長や主任,先輩看護師が指導にあたるな ど,病院内での資源に求める傾向があり,院外の専門家 や大学のような外部資源と連携する必要性が指摘されて いる5)。A 病院においても,組織内の発表会があるもの の参加率は低い傾向にあり,看護研究は個人にまかされ ていることが多い。組織的に取り組めないことや看護研 究を指導する人材不足が課題である。臨床は Research  Question(研究課題)の宝庫といわれている5)。多くの 看護師が看護研究に取り組み,看護ケアについて振り返 りや実践の成果や効果を検証することが看護ケアの充実 につながると考える。個人での取り組みが困難であれば, 看護研究チームなどを組織し,テーマに沿った看護研究 を分担して行うなどの方法を工夫する必要があると考え る。現状の看護ケアを見直すこと,ケアの向上のため調 査や検討を繰りかえすことが必要である。 今回の調査結果を元に,今後,看護部全体で看護ケア に費やす時間を確保しケアの質を向上するために,自分 の職場では何ができて何ができていないのか,看護ケア について看護師が話し合う機会を持てるように企画する 必要があると考えた。 2. 看護ケアの認識は低いが実施状況は高かったケア の課題 患者の移送・移動業務は,機能的側面から主たる担い 手は看護師であるが,連絡調整に医療クラーク,ME 機 器や輸液の留置・装着を伴わない患者の移送に看護補助 者が関与しており,「患者を探す」,「看護師を探す」など が業務の達成を阻害するリスクがあるといわれている7) 検査や治療によっては,移送予定時間が流動的であるも のも多く,看護師は遂行中の業務を中断し,予定以外に 時間がかかる現状もある。手術・検査件数,患者移送へ の対応時間は,ヒヤリハットと関連があり,患者移送への 対応に時間が割かれることにより,他の入院患者の安全モ ニタリングが不十分となる可能性が指摘されている8)。こ のように移送・移動については,単なる業務改善や役割 分担だけではなく,医療安全の視点からも十分に検討す る必要がある。患者の状態によっては,事務職員や看護 補助者に移送を委ねることも可能であるが,その際にも, 看護師は患者の状態に変化はないか等,急変する可能性 な看護ケアであり,ケアの刺激による気持ちの安定や意 欲を取り戻す効果が報告されている。しかしそれらのケ アは,夜勤看護師が行うことが多く,検査や処置が優先 されケアの簡略化が進む傾向にある4)。これらの清潔に 関わるケアが,時間帯による実施の差がないか,朝の時 間帯の実施状況を調査することで,効果的な方法を検討 できるのではないか,夜勤看護師と日勤看護師との役割 分担の見直し等を行うことでモーニングケアの時間の確 保やケアの充実につなげることができると考える。また, 手浴・足浴,入浴介助については,陰部洗浄や清拭と比 較して実施が少ない原因やケアに費やす時間に差がある かどうか,さらに調査する必要があると考えた。 次に,リハビリテーションのマッサージ・機能訓練, 歩行介助・散歩が低値であったことは,A 病院では当 該病棟に 2〜3 名,理学療法士または作業療法士が配置 されているため,入院中に看護師がリハビリテーション を行う機会が少ないことが影響していると考える。 また,栄養指導は看護師よりも管理栄養士が行うこと が多く,日常会話の中で食事の留意点を伝えることはある が,看護師が単独で栄養指導をすることはほとんどない。 食事は治療上も大きな意味を持つため,管理栄養士の栄 養指導に看護師が同席し,患者や家族から食生活の実態 を聞くことは,退院後の生活における留意点を共に確認 できるよい機会になると考える。現状の時間のない中では, 看護師が同席する有意性についての理解を深め,介入が 最も必要な事例を検討することや栄養指導の役割分担を 行えるよう看護師間で検討する必要があると考える。 病状説明への参加,悩み・相談への対応,患者教育に おいても実施状況が低かったのは,看護師と患者との対 話の時間が少ないことが推測できる。看護師が患者や家 族と対話する時間をどう確保していくかという問題とと もに,看護師の実践力の改善や患者との対話の時間を確 保するための意識の向上も課題であると考える。 退院支援については入院期間短縮化に向けて病院と地 域との連携を強化し,患者を地域や在宅に早期に戻すよ う検討されている。退院支援を目的としたカンファレン スは開催しているが,関連病院や地域の医療者や介護職 者との関わりが希薄である現状の影響が考えられる。 症状に対するケア,悩み・相談への対応,栄養指導, 退院調整・地域との連携,介護指導,マッサージ・機能 訓練,カンファレンスの項目で,認識と実施状況に有意 な正相関がみられていた。認識が低い看護師は実施が低 いことが推測される結果であった。これらの項目は看護 ケアとして多くの時間を費やす重要なケアであるため, 今後学習会などを設けて指導能力,認識・実践力の改善, 向上が課題である。 急変時の対応は,所属する職場により頻度の差がある ことが推測される。1 年目から 6 年目までの看護師は日

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10) 社団法人日本看護協会(2008)「医師及び医療関係職と事務職員 等との間等での役割分担の推進について」平成 19 年 12 月 28 日 医政発第 1228001 号 通知に関する日本看護協会の基本的な考 え方.https://www.nurse.or.jp/home/opinion/newsrelease/ 2008pdf/20080324.pdf 予測と急変時の対応に関する準備ができる判断能力と責 任が求められる9)。看護補助者と看護師の情報共有を増 やすことで,患者の移動が安全に行えるのではないかと 考える。 「他職種との連携」の電話対応,(医師へ)処方や点滴・ 注射オーダーの依頼の 2 項目は,他職種との連携が煩雑 であり,対応している時間が多いことが推測できる。A 病院内での電話対応の多くは,食事の中止,検査の連絡, 患者の送迎の連絡等である。各部署の他職種と相談しな がら,まず,電話対応にかかる時間を短縮することを目 標に具体策を検討していく必要がある。患者に直接接す ることのない業務は,看護師の専門性を発揮できない業 務が多く,看護師の仕事ストレスに影響を及ぼし,職務 継続意思低下につながる可能性があるといわれている9) 日本看護協会では 2007 年 12 月の厚生労働省医政局通知 「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分 担の推進について」を受け,安全で安心な医療の提供を 最優先し,役割分担を検討するにあたっては,看護師等 の医療関係職,事務職員等の専門性を保ちつつ,最も適 切な役割分担を構築する必要性を提起している10)。他 職種の職員とそれぞれの専門性を発揮した役割分担を検 討し,これらのケアに費やす時間を短縮するために何が できるのか,看護師間での討議や他職種や病院全体で対 策を協議していくことが課題となった。 文献 1) 社団法人日本看護協会(2013)看護にかかわる主要な用語の解説 −概念的定義・歴史的変遷・社会的文脈−.https://www. nurse.or.jp/home/publication/pdf/2007/yougokaisetu.pdf 2) Florence Nightingale(2011)看護覚え書−看護であること看護 でないこと−(湯槇ます訳).現代社,東京. 3) Virginia. A. Henderson(2006)看護の基本となるもの(湯槇ま す,小玉香津子訳).日本看護協会出版会,東京. 4) 山本多香子(2006)高齢者の日常生活に及ぼす集中的なモーニン グケアの効果.日本看護研究学会雑誌,29(1):107-117. 5) 本田多美枝(2000)「看護専門能力」の視点からみた院内教育ニー ズの分析− N 系病院における看護婦の調査から−.日本看護 科学学会誌,20(2):29-38. 6) 坂下玲子,北島洋子,他(2013)中・大規模病院における看護研 究に関する全国調査.日本看護科学学会誌,33(1):91-97. 7) 清水佐知子,大野ゆう子,他(2010)タイムスタディによる看護 業務プロセスの可視化.生体医工学,48(6):536-541. 8) 金子さゆり,濃沼信夫,他(2011)急性期病棟におけるヒヤリハッ ト発生と看護業務量および投入マンパワー量との関係.日本医 療・病院管理学会誌,48(1):7-15. 9) 難波浩子,小池敦,若林たけ子(2012)7 対 1 看護配置が看護師 の仕事ストレッサー,疲労蓄積度および職務継続意思に及ぼす 影響.日本看護研究学会雑誌,35(4):65-74.

表 2 看護ケアに対する認識と実施状況の比較 項目 認識(n=126) 実施状況(n=126)有意差 Me Mean± SD Me Mean± SD ベッドサイドケア ナースコールの対応 5 4.7 ± 0.6  5 4.5 ± 1.1  清拭や陰部洗浄・オムツ交換 5 4.6 ± 0.7  5 4.5 ± 1.1  洗面・整髪介助 (髭剃り・爪切り等) 5 4.5 ± 0.8  4 3.8 ± 1.5  ** 更衣・衣類交換 5 4.4 ± 0.8  5 4.3 ± 1.2  入浴介助 5 4.4 ± 0
表 3 看護ケアに対する認識と実施状況の関係 n=126 項目 相関係数(r) 有意差 ベッドサイドケア ナースコールの対応 0.02  清拭や陰部洗浄・オムツ交換 -0.13  洗面・整髪介助(髭剃り・爪きり等) 0.15  更衣・衣類交換 0.02  入浴介助 0.16  手浴・足浴 0.12  口腔ケア 0.02  排泄ケア(膀胱留置カテーテル挿入,導尿,摘便,浣腸等) -0.01  吸引や吸入の介助 0.08  内服薬のチェック・与薬 0.10  食事介助 0.03  症状に対するケア 0.26

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