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〈著書紹介〉 前川喜久雄 監修/小磯花絵 編 小磯花絵,前川喜久雄,五十嵐陽介,丸山岳彦,伝康晴,籠宮隆之,西川賢哉,菊地浩平 著『話し言葉コーパス-設計と構築-』

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国立国語研究所学術情報リポジトリ

〈著書紹介〉 前川喜久雄 監修/小磯花絵 編 小磯

花絵,前川喜久雄,五十嵐陽介,丸山岳彦,伝康晴,籠

宮隆之,西川賢哉,菊地浩平

著『話し言葉コーパス-設計と構築-』

著者

小磯 花絵

雑誌名

国語研プロジェクトレビュー

6

1

ページ

29-30

発行年

2015-06

URL

http://doi.org/10.15084/00000802

(2)

29

国語研プロジェクトレビュー Vol.6 No.1 2015 NINJAL Project Review Vol.6 No.1 pp.29―30(June 2015)

国語研プロジェクトレビュー  〈著書紹介〉

小磯 花絵

前川喜久雄 監修/小磯花絵 編 小磯花絵,前川喜久雄,五十嵐陽介,丸山岳彦,伝康晴, 籠宮隆之,西川賢哉,菊地浩平 著 『話し言葉コーパス―設計と構築―』 講座 日本語コーパス 3 2015 年 2 月 朝倉書店 A5 判 200 ページ 3,400 円+税 1.この本の目的 国語研究所はこれまで,『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)や『現代日本語書き言葉均衡コー パス』(BCCWJ)など,大規模なコーパスを構築し,日本におけるコーパス研究を牽引して きました。『講座 日本語コーパス』は,2011 年に公開された BCCWJ の構築プロジェクトの 成果を中心に全 8 巻で構成されています。本書はこの講座の第 3 巻に位置付けられますが, 唯一,BCCWJ ではなく CSJ の成果を中心にまとめたものです。しかし,CSJ 構築時の成果 を一つの柱に据えつつも,成果をそのまま伝えることを目指すものではありません。2004 年に公開された CSJ の成果に留まらず,その後の拡張や問題となる点,研究での利用可能性 などを整理した上で,今後の話し言葉コーパス研究に何が求められているかを見つめ直すこ と,それが本書のねらいです。 2.この本の構成  本編は次の六つの章から構成されています。   第 1 章 話し言葉コーパスの設計(小磯花絵・前川喜久雄) 話し言葉コーパスの設計について,対象とする話し言葉の選定,アノテーション, データ構造を中心に解説。代表的な話し言葉コーパスとそれにもとづく研究につい ても概観。   第 2 章 話し言葉の書き起こし(小磯花絵) CSJ を含む幾つかの転記方式を概観し,その特徴や問題などについて議論。   第 3 章 発話の単位(丸山岳彦) CSJ で整備した節単位に加え,対話相互行為の観点から拡張した単位についても解 説。   第 4 章 韻律情報(五十嵐陽介) 韻律情報付与システムとして,日本語版 ToBI(J_ToBI)と,CSJ 構築時に自発音声 用に拡張した X-JToBI,およびその後整備した X-JToBI 簡易版について解説。   第 5 章 対話への情報付与(伝康晴) CSJ の成果から離れ,発話の機能や連鎖構造,聞き手反応など,対話に関するアノ テーションを重点的に解説。

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小磯 花絵

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国語研プロジェクトレビュー Vol.6 No.1 2015   第 6 章 印象評定情報(籠宮隆之) 発話の流暢性や丁寧さなど,話し手の発話音声から聞き手が受ける印象を記録した 印象評定情報について解説。 第 3 章から第 6 章では,各種アノテーションを用いてどのような研究が可能となるかにつ いても具体的に紹介しています。 また二編の付録では,話し言葉のアノテーションによく用いられる無償のソフトウェアと して,Praat1と ELAN2を取り上げています。Praat は音声韻律情報の付与・分析で,ELAN は

非言語情報の付与・分析などでも大いに活躍するソフトウェアです。   付録 A 音声分析ソフトウェア「Praat」(西川賢哉)   付録 B 映像解析ソフトウェア「ELAN」(菊地浩平) CSJ は,独話(モノローグ)を中心とするコーパスであったため,残念ながら CSJ 構築時 には対話のためのアノテーションが十分には検討されませんでした。今後,大規模な対話コー パスの構築が求められる中で,対話独自のアノテーションや各種アノテーションの対話への 拡張可能性を検討することが重要となります。第 5 章は,まさに対話のアノテーションを重 点的に取り上げており,また他の章でも対話を考慮した拡張に言及しています。本書が CSJ から会話コーパスへの橋渡しとなり,会話を含む話し言葉コーパスの構築・研究の発展に貢 献することを期待しています。

小磯 花絵

(こいそ・はなえ) 国立国語研究所理論・構造研究系准教授。博士(理学)(奈良先端科学技術大学院大学)。ATR 知能映像通信研究所研修 研究員,国立国語研究所研究員,同主任研究員を経て,2009 年 10 月より現職。 主な著書・論文:「日本語自発音声における複合境界音調と統語構造との関係」(『音声研究』18(1),2014),「既存の ツールと結合した話し言葉コーパス利用環境」(『自然言語処理』21(2),2014). 社会活動:一橋大学大学院連携教授,社会言語科学会理事,同学会事業委員. 1 アムステルダム大学で開発されたフリーの音声分析ソフト。配布元:http://www.fon.hum.uva.nl/praat/ 2 マックス・プランク心理言語学研究所で開発されたフリーの映像・音声分析ソフト。配布元:http://tla.mpi.nl/tools/ tla-tools/elan/

参照

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