• 検索結果がありません。

タンパク質の翻訳後修飾を応用した骨再生療法の開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "タンパク質の翻訳後修飾を応用した骨再生療法の開発"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

タンパク質の翻訳後修飾を応用した骨再生療法の開

著者

星川 聖良

52

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

歯博第892号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130046

(2)

- 44 -

論 文 内 容 要 旨

間葉系幹細胞は脱落乳歯等からの非侵襲的採取が可能であることから,口腔歯科組織再生医療にお ける細胞供給源として注目されている。しかし,臨床応用の際には,採取細胞間の分化能の差異といっ た不均一性が問題となる。本研究では,歯科領域で多くの疾患症状が生じる骨の再生に着目し,骨分 化および歯の発生に重要な役割を果たしているOsterix(Osx/Sp7)を対象に,均一で効率的な骨芽細 胞分化誘導法の確立を目的とし,Osxタンパク質活性制御分子メカニズムの解析を行うこととした。 近年,多発性骨髄腫の分子標的薬として奏功するプロテアソーム阻害剤が骨病変部の骨量改善作用を 示すこと,臨床試験やin vitro 解析系でプロテアソーム阻害剤依存的な骨芽細胞分化シグナルを増幅さ せることが報告されている。これらのことから,ユビキチンプロテアソーム系(Ubiquitin-proteasome system:UPS)を介したOsxタンパク質分解に着目し,Osxタンパク質安定性調節機構の詳細と骨芽細 胞分化への関与について解折した。本研究で得られた知見を以下に示した。(1)低濃度BMP(Bone morphogenetic protein)およびプロテアソーム阻害剤同時処理による骨芽細胞分化誘導実験から,効 率的な骨芽細胞分化亢進のためのBMP/プロテアソーム阻害剤最小濃度を同定したほか,骨芽細胞分 化亢進の際の翻訳後修飾依存的なOsxタンパク質の相乗的な安定化を確認した。(2)Osxタンパク質分 解分子基盤解明を目的とした生化学的解析の結果,基質受容体サブユニットFbw7(F-box/WD repeat containing protein 7)を含むSCF(Skp1/Cullin1/F-box protein)E3リガーゼ複合体SCFFbw7がOsxの

E3リガーゼであることを同定した。(3)Fbw7はリン酸化依存的に基質を認識して結合することから, その役割を担うリン酸化酵素の同定を試みた結果,p38がFbw7依存的Osxポリユビキチン化と分解を 誘導することを明らかとした。(4)p38選択的阻害剤を用いた薬理学的解析から,阻害剤処理により骨 芽細胞分化誘導後の間葉系幹細胞でOsxタンパク質量の増大と,それに伴う細胞分化亢進が認められ た。(5)Fbw7ノックダウン間葉系幹細胞ならびにFbw7ノックアウトマウス由来骨芽前駆細胞において, 氏 名(本籍)   : 星ほし 川かわ 聖せい 良ら(山形県) 学 位 の 種 類  : 博 士  ( 歯 学 ) 学 位 記 番 号  : 歯 博 第 8 9 2 号 学位授与年月日  : 令和 2 年 3 月 25 日 学位授与の要件  : 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 ・ 専 攻  : 東北大学大学院歯学研究科(博士課程)歯科学専攻 学 位 論 文 題 目  : タンパク質の翻訳後修飾を応用した骨再生療法の開発 論 文 審 査 委 員  : (主査)教授 齋 藤 正 寛 教授 福 本   敏   教授 江 草   宏

(3)

- 45 - Osxタンパク質の蓄積と骨芽細胞分化の亢進が確認された。(6)Osx ノックアウト骨芽細胞様細胞に p38リン酸化部位をアラニン置換したOsx変異体を発現させ骨芽細胞分化に及ぼす影響を解析したとこ ろ,Osx野生型と比較して,変異体導入細胞株において,有意な骨芽細胞分化誘導の亢進が観察された。 以上の結果から,Fbw7/p38経路を介したOsx の分解が,骨芽細胞分化抑制を介して骨代謝調節機構 の一部として機能していることが示された。これらの知見は,Osxタンパク質の遺伝学的・薬理学的 な安定化制御の試みが,効率的な骨芽細胞分化誘導法開発のための有力なアプローチの一つとなる可 能性を示唆している。

審 査 結 果 要 旨

本研究では,歯科領域において需要の多い骨再生に着目し,間葉系幹細胞から骨芽細胞分化に重要 な役割を果たしているOsterix(Osx/Sp7)を対象に,均一で効率的な骨芽細胞分化誘導法の技術開発 を行う目的にOsx タンパク質活性制御分子メカニズムの解析を行っている。 近年,骨病変部の骨量改善作用示すプロテアソーム阻害剤が骨芽細胞分化シグナルを増幅させ ることが報告されている。このことから,ユビキチンプロテアソーム系(Ubiquitin-proteasome system:UPS)を介したOsx タンパク質分解の抑制が骨芽細胞分化に及ぼす影響を解折した。

本研究により低濃度Bone morphogenetic protein(Bmp-2)刺激およびプロテアソーム阻害剤同時処 理による骨芽細胞分化が促進し,また効率的に骨芽細胞分化を促進するBMP/プロテアソーム阻害剤 最小濃度を同定した。またOsx タンパク質分解分子基盤は基質受容体サブユニットFbw7(F-box/WD repeat containing protein 7)を含むSCF(Skp1/Cullin1/F-box protein)E3 リガーゼ複合体SCFFbw7 がOsx の分解に必要なE3 リガーゼであることを同定した。さらにFbw7 はp38 によるリン酸化でOsx ポリユビキチン化と分解を誘導することを明らかとした。p38 選択的阻害剤を用いるとOsx タンパク 質量の増大に伴い間葉系幹細胞の骨芽細胞分化が促進することが判明した。そこでp38 リン酸化部位 をアラニン置換したOsx 変異体を発現させたところ,有意な骨芽細胞分化誘導の亢進が観察された。 以上の結果から,Fbw7/p38 経路を介したOsx 分解の抑制が,骨芽細胞分化促進を誘導することが示 された。これらの知見は,Osx タンパク質の遺伝学的・薬理学的な安定化制御の試みが,効率的な骨 芽細胞分化誘導法開発のための有力なアプローチの一つとなる可能性を示唆している。 本研究は小児発達学分野において有用な情報を得ていることから,本審査申請に相応しい論文であ ると思われる。本研究の成果は,顎骨の発達および再生に繋がる可能性を示唆しており,学術的意義 も大きいと考えられる。本研究の成果は新たな小児歯科の治療技術の発展に寄与するものであり,歯 科全般の臨床領域に学術的貢献をし得ることから 博士(歯学)の学位論文として相応しいと判断する。

参照

関連したドキュメント

本研究成果は、9 月 14 日付の「 Journal of the American Chemical Society 」にオンライ ン掲載され、Supplementary Cover に選出された。.

災害発生当日、被災者は、定時の午後 5 時から 2 時間程度の残業を命じられ、定時までの作業と同

過去に発生した災害および被害の実情,河床上昇等を加味した水位予想に,

1.水害対策 (1)水力発電設備

防災 “災害を未然に防⽌し、災害が発⽣した場合における 被害の拡⼤を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをい う”

昨年度同様、嘔吐物処理の研修、インフルエンザ対応の研修を全職員が受講できるよう複

○ また、 障害者総合支援法の改正により、 平成 30 年度から、 障害のある人の 重度化・高齢化に対応できる共同生活援助

(2) タイライン「入」運用で運転中のタイラインでの故障を考慮した場合,6 号及び 7 号炉の GTG 給電を同時に阻害する。 (図 1.3 参照)..