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慢性副鼻腔炎に対するマクロライド長期投与の検討 -- 副鼻腔CTを用いた客観的評価 --

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Academic year: 2021

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Title

慢性副鼻腔炎に対するマクロライド長期投与の検討 -- 副鼻

腔CTを用いた客観的評価 --( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

中山, 雅文

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1194号

Issue Date

1999-03-05

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15085

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 中 山 雅 文(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1194 号 平成11年 3 月 5 日 学位規則第4条第2項該当

慢性副鼻腔炎に対するマクロライド長期投与の検討

一副井腔CTを用いた客観的評価-(主査)教授 宮 田 英 雄 (副査)教授 近 藤 直 実 教授 星 博 昭 論 文 内 容 の 旨 びまん性汎細気管支炎に対するエリスロマイシン少量長期療法の有効性が実証されて以来,慢性副鼻腔炎に対 しても,マクロライド系抗生剤の少量長期投与(マクロライド療法)の有用性は多数報告されている。慢性副鼻 腔炎に対するマクロライド療法の治療成績については自覚症状・鼻腔所見などを基準とした報告が多く・副鼻腔 の画像評価としても単純レントゲンを用いたものがはとんどであり・副鼻腔CTを基準としマクロライド療法を 効果判定した報告はない。今回,マクロライド療法を施行した慢性副鼻腔炎症例に対し・副鼻腔CTを主に用い 炎症部位や程度を客観的に評価して治療効果を検討した○ 研究対象と方法 浜松耳鼻咽喉科サージセンターを受診した慢性副鼻腔炎患者383例644側・年齢は4歳から77歳(平均35・7歳) である。鼻副鼻腔手術の既往のある例,過去にマクロライド療法を受けたことがある例は除外した0治療方法は一 成人ではエリスロマイシン(EM)または,クラリスロマイシン(CAM)を200∼400mg/日,小児にはエリス ロマイシン顆粒10mg/kg・日を投与した○投与期間は2∼24カ月(平均6・2カ月)であった。消炎酵素剤・気道 粘膜調整剤を適宜併用し,アレルギー性鼻炎を合併した症例には抗アレルギー剤を投与し,鼻内ポリープを認め る症例ではプロピオン酸ベクロメタゾンの点鼻を併用した0 マクロライド療法前後で副鼻腔CT(水平断)を5mmまたは10mmスライスで撮影した0副鼻腔炎の状態の評 価には,領域別病変分類と副鼻腔病変分類を用いた0副鼻腔を前部筋骨鳳後部筋骨洞・上顎洞・前頭洞・蝶形 骨洞の5つの領域に分け,その各々の領域について病変程度を正常,軽鼠中等度・高度の4段階に評価し点数化 した。左右別々に副鼻腔炎の程度を評価する方法として・領域別病変分類をもとに各領域の病変程度の合計点を 算出し,この合計点をもとに一側副鼻腔の病変占有率を算出し・4段階に分類した。また,鼻内ポリープによる 評凪小児と成人の治療成績,アレルギp性鼻炎の有無による治療成績・EMとCAMの治癒率の比較を行った0 研究結果 (1)副鼻腔CTによる評価:マクロライド療法前の副鼻腔CT所見ではt前部筋骨洞の95%,後部筋骨洞の73%・ 上顎洞の88%,前頭洞の63%,蝶形骨洞の40%に病変を認めた。マクロライド療法で治癒と判定した時期は3∼ 24カ月(平均5.6カ月)であった。3カ月以内に治癒したものは52%・3∼6カ月は26%・6∼12カ月は9%・12カ月 以上は13%であった。領域別治癒率は,前部筋骨洞は36%・後部筋骨洞は48%,上顎洞は37%,前頭洞は52%・ 蝶形骨洞は56%であった。前部筋骨洞と上顎洞の治癒率が有意(p<0・01)に低かった0644側全体の治癒率は42 %で.治療前の副鼻腔病変程度で治癒率を比較すると,軽度群は51%,中等度群は42%・高度群は25%で,高度 群の治癒率が有意(p<0.01)に低かった0治療前の前部筋骨洞の病変程度で同側の副鼻腔の治癒率を比較する と,正常群は53%,軽度群は46%,中等度群は45%,高度群は32%で,高度群は同側の副鼻腔の治癒率が有意に 低かった(p<0.05)0(2)鼻内ポリープの有無による評価‥鼻内ポリープから,PO(ポリープのないもの)351 側,Pl(中鼻道にポリープの限局するもの)196側,P2(ポリープが中鼻道を超え絵鼻道におよぶもの)97側に 分け治癒率の比較を行ったoPO群の治癒率は54%,Pl群は37%,P2群は10%で▼それぞれの群問で有意差(p

(3)

-119-<0.01)を認めた。副鼻腔炎の程度でP2保有率を比較すると軽度群は8%,中等度群は14%,高度群は30%で有 意差(p<0.01)を認めた。鼻内ポリープの消失率はPl群で24%,P2群で1%で有意差(p<0.001)を認めた。 (3)小児と成人の治療成績:12歳以下を小児とし,小児164例と成人480側の比較をすると,小児の井内ポリープ 保有率は10%,成人は58%で有意差(p<0.01)を認めた。小児全体の治癒率は48%,成人全体は40%で有意差 を認めなかった。(4)アレルギー性鼻炎の有無による評価:アレルギー性鼻炎を合併するものは256側で,アレル ギー性鼻炎陽性群の治癒率は38%,陰性群は45%で両群間に有意差は認めなかった。(5)EMとCAMの治癒率の 比較:EMを単独で使用したのは400側,CAMの単独は162側,EMとCAMを併用したのが82側で,EM単独群の 治癒率は42%.CAM単独群は46%.併用群は38%で,それぞれの群間に有意差はなかった。 考 察 慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法の有効性は数多く報告されているが.その評価方法は,自覚症状,鼻 腔所見を中心としたものがほとんどである。副鼻腔病変は井内所見だけでは把握できないため,画像所見による 評価が必要である。従来,副鼻腔の画像評価法としては.副鼻腔単純レントゲンが中心であったが,単純レント ゲンでは前頭洞,筋骨洞,蝶形骨洞の陰影読影には限界がある。一方,鼻副鼻腔領域におけるCでは,骨・軟部 組織の輪郭を明瞭に抽出できるため.単純レントゲンに比較して正確に病変の局在,進展を把握することが可能 である。副鼻腔CT所見をどのような基準で分類するかが重要であるが,いまだ明確な基準がなく,今回,領域 別分類をもとに,副鼻腔の5領域を統合し副鼻腔を評価する目的で副鼻腔病変分類を設け,副鼻腔を一側ずつ評 価できるようにした。 治療前の領域別病変は,前部筋骨洞と上顎洞が他の領域に比較して有意に病変が強く,副鼻腔全体の炎症にお いて前部筋骨洞と上顎洞の影響は大きいと考えられた。マクロライド療法による治癒率は,後部筋骨洞,前頭洞. 蝶形骨洞で高く,前部筋骨洞,上顎洞は低かった。治療前の副鼻腔病変の程度が軽度群,中等度群では効果に差 はないが,高度群では有意に治癒率が低かった。また,治療前の前部筋骨洞病変が高度のものは,同側の副鼻腔 の治癒率が有意に低く,前部筋骨洞の病変が副鼻腔全体の治癒率に大きく関わっていることが示唆された。鼻内 ポリープが総鼻道におよぶ群(P2群)では,副鼻腔治癒率,ポリープの消失率ともに有意に低かった。副鼻腔 炎が高度な例ではP2群が有意に多いため,副鼻腔から鼻腔への交通路であるostiomeatalcomplex(OMC)が 閉塞されマクロライド療法の効果が低下したと考えられた。小児と成人の比較では小児の治癒率力塙い傾向があっ たが,両群間に有意差は認めなかった。成人では小児と比較して鼻内ポリープが有意に多く,小児と成人の副鼻 腔炎の病態の違いのひとつと考えられた。アレルギー性鼻炎の有無,EMとCAMの有効率の比較ではそれぞれ の群間に有意差を認めなかった。 当科では慢性副鼻腔炎には,第一選択としてマクロライド療法を2カ月以上行い,改善しない症例に対して内 視鏡的副鼻腔手術を施行している。今回の検討では前部筋骨洞の高度病変や絵鼻道ポリープがある例では,OM Cが閉塞されマクロライド療法の効果が少なく,まずOMCを手術で開放することにより治療効果が上がること が期待された。慢性副鼻腔炎の治療は,マクロライド療法のみでは限界がありt 症例に応じてアレルギー性鼻炎 の治療,鼻副鼻腔手術を組み合わせることによりさらに治癒率が高められると考えられた。 論文審査の結果の要旨 申請者中山雅文は.慢性副鼻腔炎に対するマクロライド長期投与の効果を副鼻腔CTを主に用い検討した。副 鼻腔病変分類による副鼻腔の領域別と一側ずつ評価できる新しい基準で評価し.前部筋骨洞,上顎洞に病変が多 い傾向があり,副鼻腔の炎症にこれらの領域が強く関与していること,また,鼻内ポリープによるOMCの閉塞 が副鼻腔の治癒率に大きく関与している結果を得た。これらの知見は,鼻科学における慢性副鼻腔炎の画像評価, 治療の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 慢性副鼻腔炎に対するマクロライド長期投与の検討 一副鼻腔CTを用いた客観的評価一 平成11年3月発行予定 岐阜大医紀:47

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