Title
Dehydroepiandrosterone Reduces Preadipocyte Proliferation via
Androgen Receptor( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
藤岡, 圭
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学) 甲第881号
Issue Date
2012-03-25
Type
博士論文
Version
none
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/43048
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 藤 岡 圭(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 881 号 平成 24 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Dehydroepiandrosterone Reduces Preadipocyte Proliferation via Androgen Receptor (主査)教授 湊 口 信 也 (副査)教授 清 島 満 教授 高 見 剛 論 文 内 容 の 要 旨 【目的・緒言】 肥満は最も大きな生活習慣病克服の課題であり,高血圧や糖尿病,冠動脈疾患などの発症リス クとされる。近年,食生活などの環境の変化がホルモン分泌を変化させることで肥満の進行・抑 制に影響していると考えられるようになった。中高年男性における性腺機能低下が肥満や 2 型糖 尿 病 と 関 連 が あ る こ と , ま た , 男 性 ホ ル モ ン で あ る dehydroepiandrosterone(DHEA) や testosterone(T)投与による体重減少作用や糖尿病の発症予防効果のあることがこれまでに報告 されている。しかしながらこれら DHEA や T の作用する正確なメカニズムは未だ解明されていない。 我々は脂肪組織中の細胞増殖に対する DHEA や T が及ぼす影響についてin vivoとin vitroで研 究を行った。
【対象と方法】
雄の遺伝的肥満糖尿病発症ラット(Otsuka long Evans Tokushima Fatty rats:OLETF)とコント ロールラット(LETO)を用いて0.4% DHEAを食餌に加えて52週間与え,これらの脂肪組織から,前脂 肪細胞,血管構成細胞,マクロファージなどの非成熟脂肪細胞分画である stromal vascular fraction (SVF)を取り出し,Senescence-assosiated β-galactosidase (SA-β-Gal)染色を行っ た。また,雄のWistar ratsをメタボリックケージを用いて,0.4% DHEA投与群,0.4%T投与群,コ ントロール群に分け,4週間飼育した。細胞増殖を検討する目的で,屠殺前24時間で
Bromodeoxyuridine (BrdU)を腹腔内投与した後,傍精巣,腸間膜, 傍腎脂肪を採取し,抗BrdU抗 体でSVFの細胞増殖の検討を行った。また,3T3-L1前脂肪細胞増殖に対するDHEA, Tの影響をBrdU の取り込みで検討した。更に, DHEA, Tの前脂肪細胞増殖への影響をみる目的で, 3T3-L1前脂肪細 胞にestrogen receptor(ER)阻害薬または,androgen receptor (AR)阻害薬を前投与し,あるいは small interfering RNA (siRNA)を用いてERまたはARをノックダウンする事によりこれらの受容体 の関与を検討した。一方, 3T3-L1脂肪細胞の遺伝子発現への影響をreal time PCRを用いて検討し た。
【結果】
LETO,OLETF 共に DHEA 投与により非投与群に比べ体重増加の抑制を認めた。SA-β-Gal は老化 した細胞に出現するが,OLETF コントロール群の SVF でのみ陽性を示し,OLETF の DHEA 投与群や
LETO の両群では陰性であることから,DHEA 投与による脂肪組織 SVF の老化抑制効果が示唆された。 また,Wistar rats において,DHEA 投与群,T 投与群では,体重,傍精巣脂肪重量においてコン トロール群に比し同程度の減量効果を示した。一方, 前脂肪細胞を含む SVF での BrdU 取り込みは DHEA,T 投与群で減少を示し,DHEA,T による前脂肪細胞の増殖抑制効果が示唆された。3T3 前脂 肪細胞の増殖は DHEA, T で同程度に抑制された。これらの Androgen による細胞増殖抑制効果は, ER 阻害薬では影響されず,AR 阻害薬を前投与した場合では認められなかった。同様に,siRNA を 用いて,ER をノックダウンさせた場合は DHEA,T による BrdU 取り込みへの影響はなかったが, AR のノックダウンにより DHEA,T による BrdU 取り込みの減少は解除された。DHEA, T は 3T3-L1 脂肪細胞での PPAR ,lipoprotein lipase(LPL)等脂肪細胞特異的遺伝子の発現を同程度に抑制し た。 【考察】 DHEA と T による抗肥満効果は脂肪組織 SVF での増殖抑制の減少と関連があると考えられ,各々 は同程度に BrdU 取り込みを減少させた。これらの増殖抑制効果は,AR 阻害薬の投与群,また AR をノックダウンさせた場合において認められなかったことから,DHEA や T による脂肪細胞の増殖 抑制効果は共に AR を介して行われていると考えられた。成熟脂肪細胞の脂肪細胞特異的遺伝子発 現への影響をみると, DHEA, T は同程度に PPAR , LPL 等の mRNA の発現を抑制した。また性腺に 対して DHEA は T の数%程度の作用しか示さないとされているが,前脂肪細胞、脂肪細胞に対して は同程度に作用していると考えられた。 【結論】 ラット,培養脂肪細胞において,DHEA と T には AR を介した前脂肪細胞の増殖抑制効果がある ことが示唆された。また,DHEA と T の前脂肪細胞増殖, 前脂肪細胞の遺伝子発現への影響は同程 度であった。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 藤岡 圭は遺伝的肥満糖尿病発症ラットの脂肪組織を使って検討し, 長寿, 生活習慣 病の発症に関与する androgen である dehydroepiandrosterone, testosterone の脂肪増殖抑制効 果は androgen 受容体を介して作用している事を見いだした。本研究は肥満,糖尿病に於ける脂肪 増殖に対する androgen の抑制機構を解明したものであり,肥満,糖尿病治療の臨床的応用に少な からず貢献するものと認められる。
[主論文公表誌]
Kei Fujioka, Kazuo Kajita, Zhiliang Wu, Takayuki Hanamoto, Takahide Ikeda, Ichiro Mori, Hideyuki Okada, Masahiro Yamauchi, Yoshihiro Uno, Hiroyuki Morita, Isao Nagano, Yuzo Takahashi, Tatsuo Ishizuka : Dehydroepiandrosterone Reduces Preadipocyte Proliferation via Androgen Receptor