福井県内のいくつかの地域の地質 : その11:南条山
地北西部の整然相・混在岩相
著者
服部 勇
雑誌名
福井大学地域環境研究教育センター研究紀要 「日
本海地域の自然と環境」
巻
26
ページ
1-16
発行年
2020-03-01
URL
http://hdl.handle.net/10098/10881
福JI:大学地域環境研究教育センター研究紀要 日本海地j戎の自然と正常境」 No.26. 1 -16, 2019
福井県内のいくつかの地域の地質
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南条山地北西部の整然相・混在岩相-Geology of A Few Areas in Fukui PrefectureXI:Formation ofCoherent and Incoherent Sedimentary Rocks in the Nor出westemPart of血eNanjo Massif
服部
勇*
(株式会社サンワコン) 1 .はじめに み;論文では,現地調査に基づいて,福井県北西部(第 1図)に分布する南条111地の一部(第 1図の 緑色部)地質の形成過程解析に役立つと思われるいくつかの野外の事実を提示する.この地域の地質 については, 1969年までの調査成果を福井県地質図(福)1".!日 1969)に,その後2010年までの知見 を2010年版福井県地質凶(福井県.2010)によってまとめられている.南条11I地の北端に近い柏1I1・ 連光坊山地域の調査は2010年以降も押し進められ,狭い地域(柏山地域)の地質阿が,服部(2011, 2014)によって提山され,一方.2013~には地質調査総合センターによる 5 万分の l 地質国幅「今j士 及び竹波J
(以後,今!主凶幅)とその地質記載(中江ほか, 2013)が 公 刊 さ れ た 本 論 丈 に 先 立 つ 地 質 論文についてはこれらの論丈・報医書に引用されているので.そちらも参照されたい. ところで.服部.r与村(1979)は,南条山地の地層群を層相に基づき,グループA,グループB,グルー プCと区分し,ヲjき続色服部-吉村(1982)は,それらに放散虫化七年代を加l床し,春円野相,今ft.相, 高倉相とよんだ.春日野相は緑色岩・石j火岩の岩塊を含む混在岩柑(あるいは混在相)であり,他の 二つは砂岩・頁岩・チャートからなる層相であり, ともに厚層チャートを挟んで、いるが,今庄相には 頁岩が咽高倉相には砂岩が多い 砂岩と頁岩の畳比の違いは本質的ではないとみなし服部らの現今 の報己ーでは,今庄村を高倉柑に含めている(服部, 2014).一般的には,春日野柑は混在岩柑.高倉相・ 今!士十日は整然相と考えてよいF 狩野(2002b)は,南条山地西部における断層解析において句混在岩相 と整然、中目の用語を用いて地質分布を説明しているが,それは服部(2014)の地質凶や今回提示する地質 問とは一致する部分もあれば.多少異なっている部分もある. 一方,I今庄図幅J
(中江ほか, 2013)では,層序,年代,構造的解釈の観点から南条山地の地質l豆 分を定義し直L
,春H
野相を湯尾コンプレックス,今円相を今!主コンプレックスとし高倉相に当た る部分は徳山コンプレックスとした.層柑に某づく区分を用いるか,コンプレックスの区分を用いる かは野外調査での層相分類や構造発達史の視点からの解釈を伴う 著者円身は現時点でも相区分が 適切であると思っているが,混乱を防ぐために, 2014年の論文では.コンプレックス区分を用いた しかし,今凶,混在岩柑堆積物,整然柑堆積物の用語を用いる. よって.この論文では.前者を湯尾 コンプレックスあるいは春は野中日 後者を今!士‘コンプレックスあるいは今庄相と読み替えてもよい なお,この論丈では,?昆存岩相を混在岩相堆積物および阿堆積物分布地域,整然中目を整然、相堆積物お よび阿堆積物分布地の意味に用いる.巾江ほか(2013)は厚いチヤ←卜を含む整然相は緑色岩を含む混 在日相の下位に付加した海洋性堆積物であると解釈した 一方,これらの論文・報丈を参考にしなが らも,服部(2014)は南条111地の北部‘では繋然、相堆積物が上位で、あり,下位の混在岩椙堆積物の上に載っ ていると解釈した.本論文の基本的な考えh
は服部(2014)のモデルの延長線卜にある. この論文では,主に野外観察に基づき 南条山地北阿部における整然相堆積物と混在計相堆積物の (キーワード-南条111地,混ぜt岩相,整然相,付加過程,地質構造,地域地質,福井県) 福井大学地域環境研究教育センタ← 学 外 協 力 メ ン バ -918-8525制井市花主北1丁目7呑25号 - 1-.
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,その北側には超丹波帯相当層といわれるベルム紀東供層, ;農飛流紋岩に対比されるH
野111流紋岩類,白E
紀末の花i
前岩類.それに中新世の火111岩類などが発達 する(第1図). I-H条LlI地北西部における整然柑堆積物とj昆在岩相堆積物の分布については服部(2014) が議論し,柚山から連光坊山に発達する厚い層状チャートは連続するものではなくーいくつかの岩塊 に分かれたチャー卜が北西一南東方向に分布しそれらは混在岩相堆積物の上位に載っていると解釈 し た こ の 論 文 で は,前報にヲ│き続き,E
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奈の密度と地域を増し.チャート岩塊の分布をより疋確に 定め,さらに卜位に存在する混在岩相の分布も定めたその上で,整然相堆積物と混在岩相堆積物の 特徴から両者の形成過程を考察したその結果.南条111地北西部においては,海洋!真堆積物は)11員次付 加作用の特徴である底判・け付加だけでなく,打、I
け付加や陸側斜面の崩壊によるオリストストロ「ム の堆積が深く関与していると考えた 2-2. 混在岩相堆積物 南条山地北西部の最新の地質図を第2図に不し推定断両図を第3図に示す 混在岩相分布地では, オリストリスと思われる大小の緑色岩ブロッ クが無数に分布するーブロックの大きいものではサイズ が数100mを超えると思われ,地質調査によりその分布を描くことができる(服部・吉村,1979:福井県, 2-福井県内のいくつかの地域の地質 その 11 雨条111地北西部の整然相・混在円相
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ー しかし一枚の(一連の)緑色岩主いってもすべてが連続的に露出しているわけではなく,い わゆる同定・対比という人為作業を行った結巣である.小さな緑色岩塊では対比を行っていないので (行えないので),それらが連続するかどうかは不明である そこで,第2
図では緑色岩塊の分布地点 のみを緑色の丸点で示した 取り山された緑色岩はサイズが数10cm
以上のよi.に溶岩起源のものであ り,ラミナー;げよの凝灰岩薄層の分街地点は除外されている.混在宕相に含まれるもう一つの特徴ある 岩種は石灰岩である 第2図では石灰岩塊の露頭や転石を濃青で示している 産状からみて,緑色岩 塊主石灰岩塊はオリスト IJスであると判断され,第2
図 の 太 い 点 線 は こ れ ら の オ リ ス ト リ ス を 含 有するオリストストロームの分布範開(薄緑に着色)である, 混在岩相堆積物の基質は主に出色頁岩であり,オリストリスとしての砂岩やチャートの大・ 111・小 角牒を含む(図版1・A, B)ーラミナー状の層理両・葉理商が発注することがあるが,それらは激しく 乱れていることが多い,薄層砂岩と可層し層理面が明瞭である場合もある,構成粒子のサイズは綱 粒から111粒であり,石英が多い 出色頁岩は風化により脱色し杓色になっている場合もある また, 場所によっては(束供届に近いところ)では千枚岩質になっている所もある(図版 1・C,0) 本中日中 の砂岩も黒色から黒褐色で、あることが多く,いわゆるグレイワッケ質である,場所によっては緑色を 帯びる場合もある.砂岩層の一部については単色頁岩層と同時堆積物なのか あるいは大きなオリス トリスであるかは判断できない 混在岩相堆積物中にはオリストリスとみなされる大小様々なチャート喋あるいはチャート層が含ま れる所によっては厚2-数mの層状チャートが挟まれることがあるチャートはやや凝灰岩質であり, iß~ い赤色を早したり縁色を呈したりする(図版 1 ・ E, F)ーこれらの厚いチャートがオリストリスであ るのか,あるいは基質の頁岩中の推積物であるのかを判断できない場台もある.緑色岩は溶岩質のも のが多いが i疑以岩質のものも存在する.溶岩質のものは枕状溶岩であることが多い(図版 2-A) 凝 灰岩質のものは,溶岩質の破片を含む小磯凝灰岩や凝灰角牒岩であったりすることもあるー緑色岩は 文字通り緑色を示すことが多いが,赤色である場合もある.凝灰宕は風化して山色になっていること もある 緑色岩塊と基質の泥岩との境界は密着していることが多く(図版 2-8,C),泥質某質のオリ ストストローム中のオリストリスであることカ可在日t
でき,テクトニックメランジェではない 混在岩相堆積物の中にはいくつかの場所で石灰岩塊が含まれる.石灰岩塊は比較的小さく,第2図 の地質問の範囲内で最大のものは地質問の北西端に露附する赤色凝)火岩質チャー卜と互層する砕同 性石灰岩塊であり長住が15m程度であり (Hattori,1984),それ以外のものは1m以ドのものが多く, それらは塊状石灰宕である.サイズが数lOcm
以上の大きい石灰岩傑はたl
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色岩と伴うこと(図版 2-D) が多く,その場合境界は不規則に,'
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入りする.サイズの小さい石版岩喋は緑色岩を伴わないこともあ る(図版2
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分断により緑色岩から分離したのであろう 石灰岩には紡錘虫化石が含まれているこ とが確認できる場合もあるが(図版2-F). 再結品が進んで,紡錘虫化石などの存在が確認できない場 合も多い.石灰岩塊はいわゆる石!火質砂岩(calcarenite)や石)火質喋岩(calcirudite)であることが多い. 希ではあるが,混在岩相堆積物分布地域内に礁岩の転石が見つかる(図版 3・A. B).礁岩を構成す る蝶(クラスト)は円傑あったり,角傑であったりする.慨は砂岩が多いがチャートや緑色岩や石灰 岩も存在する 基質では砂質であったり泥質であったりする.砂質の場合,黄褐色であり,泥質の場 合は黒色である 対象地域内の混在岩相堆積物では,緑色岩塊は西側に多く,東側に少なくなり,サイズも東にl白lかつ て小さくなる 一方石j火岩塊は 問現頻度は少ないが東側に多く出に向かつてその問現数が減少す るーこの事実は,混在岩相の供給地には緑色岩も石灰岩も存在したが,相対的に西側に緑色岩が,東 側に石灰岩が多く分布しており,両側から繰り返しオワストストロームが流入したのであろう,2-3.
整然相堆積物 南条山地北西部における整然相推積物は砂岩・頁岩烹層と!平層チャートからなる()服部・吉村, 1979, 1982).ホノケ山北西では分断された(? )層状チャートの小岩体が整然柑砂岩・頁岩巾に散点 - :)-直江吋 明 溜4 後封地域外の岩石類(安山宕.流紋岩.花筒岩など} 東俣11砂岩・頁岩(一昔日千枚岩賓) 層相境界
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チャート 砂岩・頁岩 緑色岩(塊)の露頭 頁岩質混在岩 石灰岩塊の露頭口口日日ロ
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福井県南条山地北西部の地質図.A
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図の断面図の位置ー枠囲み外の断層は描いていない背景の地形図は地理院地図を用いた. 第2図.福井県内のいくつかの地域の地質 その 11 雨条111地北西部の整然相・混在円相 的に見つかる 整然中日は緑色岩や石灰岩の岩塊(オリストリス)を合むことはない 砂岩層は多くの 場合頁岩と
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, 夕一ピダイトとしての特徴を有しているが, :t枠非 ことが因要離住になつている 1場曇合も多い目大部分の砂岩は薄褐色カかミら向褐色であり,1)1粒の石英や長石か らなる 単層の砂岩層の厚さは数cmから数lOcmであり,扶まれる頁岩層の厚さも同様であり,こ れらがしミろいろな組み合わせでT王層をなしている.砂岩優勢層では!手層塊状砂岩が顕著で、ある.整然 相堆積物111で砂岩と互層する頁岩は.泥質というよりシルト質であるが 偽礁とか小離を合まない. この地域では頁岩のみが厚く発達する地点はなく 多かれ少なかれ砂岩層を伴っている 頁岩が多く を占めるところでは,砂岩も頁岩も暗褐色である.濃緑色の珪質頁岩も存在する(図版 3-C). これ らの特徴は服部・吉村(1979,1982)の今庄相砂岩の特般に一致する. 非常に希ではあるが,南越前町渇尾の日野川の右岸側河床にはサイズが30cmを超える黒色頁岩の 偽傑(np→upclast)やチャー卜礁を含む粗粒砂岩が発達する(図版 3-0, E, F).蝶としては他に火山 岩などが合まれるが詳細については未調資である.数cm以下のサイズの頁岩偽離を多く合む粗粒砂 岩は柏山南東側の斜両にも狭小に分布するーこれらは従来の高合相砂岩(服部・阪本, 1989 阪本・ 服部, 1999)に類似している.高倉相堆積物は今庄相の南方と東方に多く分布しているが,両者の問 に明瞭な境界を引くことができないので,今庄相と高倉相との関係は漸移関係で、あると思われ(阪本・ 服部, 1999),前述したように珂者を合わせて高合相としている 整然、相堆積物の最大の特徴はJ手層層状チヤ←卜を含む点である(図版 4-A).混在岩相中のチャー卜 とは異なり,肉色から薄い青緑,場所によっては出色を呈する(図版 4-8). チャートはいわゆる砥石 型珪質頁岩を伴う場合が多い,珪質頁岩は白色から薄緑であるが,新鮮な部分は黒色であり,黒色部 が風化して白色になっていると思われる(図版 4司C,0).チャートほど堅固で、はなく,風化により小 片状になっていることも多い.この種の珪質頁岩はチャートと也:接に伴っていたり,チャート単層と 互層する場合もある しかし珪質頁岩のみが発達する露頭ではチャートt
の関係が不明なこ主ゃ いわゆる頁岩や砂岩とも近接するので,野外調査では頁岩に含めてある. よって,地質図において整 然相巾のチャートの近傍の頁岩には珪質頁岩も含まれている.厚層チャートは地層面がほぼ垂直で、あ るので,見掛けの厚さも厚い主ころ(連光坊山や柚山あるいはホノケ山)では数100m以上に達する ように見えるが,詳細に調査すると,地形の表層部では地層の傾斜がほぼ垂直であるにもかかわらず 全体としては地形に沿って分布している場合が多く.堆積日寺の厚さは見かけの厚さより柑当薄いであ ろう 3.ホノケ山周辺の整然相 第2
図の南部で比較的広く整然相が分布するホノケ山地区広域林道が敷設され,その工事期間中に は良好な露頭が出現した.現在では安全通行のためのモルタル吹き付けが行われ,大部分の露頭は失 われた.それで、も林道は地質調査のためのアクセス道路の役割を果たしている目また,ホノケ山(737m) はこの地域の最高峰の一つであり 初心者向きの登山道が整備されている かつては,ホノケ山主背 特峠(すげんたん峠)を通る北北西方IftJの尾根の西側の菅存(すげ、のたに)集落と東側の奥野々や湯 尾集落とを結ぶ山道がいくつもあった現在では菅谷集落は年住・極集落となり,これらの山道は草 木 に 罷 わ れ 場 所 に よ っ て は 陥 没 土 砂 崩 壊 に よ る 埋 没 し わずかな痕跡が残るのみである,これら の林道・常山道・廃山道および沢殺り口j能な谷筋を調査した.この地医は他の地同に比べて急傾斜で あり,連続露頭ではないが多くの好露間が見つかった.それにより.狩野(2002b)や巾江ほか (20l3) による従前の地質図などより精度が高い地質図(第4
図)を作成することができたー この地灰の整然相はチャート 頁岩優勢層 砂岩・頁岩層 砂岩優勢層からなる.地域の中央には 流紋岩質岩石や花両閃緑岩質半深成岩が買入しており,その周辺の地層は著しく熱変成を受けており, 硬化している 一部のチャートや珪質頁岩は硬質化・白色化しており 届理両なととが失われている, 明瞭な熱変成が認められるのは比較的狭い範阿に限られている, この地区のチャートは走向)j向に見かけの厚さが大きく変化する目チャー卜の堆積時にはチャート D服部 勇
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F 第3図.福井県南条山地北部の地質断面の概念図.断面位置と凡例は第2図に記入.整然相内部にお ける小規模チャー卜および火成岩の分布は描かれていない. 層としての走山I
方向の匡さの変化は少ないと考えられる, しかし,第4
図のホノケ山辺りではチャー トの見掛け+卜の厚き(地質図+卜での11届)は 10∞
m近いと計算きれる‘ この厚きは異常である‘その 理山の一つは.チャートの姿勢と地形との関係(地形而に沿ってチャートが分布するの)で町チャー トが幅広く露出しているのである,第二の理白は,チャート層内部に内部摺由や衝上断層が存在し, チャート層が繰り返すようになっていることである 図版4-Eはホノケ山内イ則の林道に露げIする チャートである 露頭の中央に波打ったほぼ水半な断層があり,断層に沿って安山岩がシート状に貫 入している.この低角断層により下のチャート層の上に上位のチャート層が積み重なった状況になり, 厚いチャート層が向現した.また 層内摺闘によるチャートの厚化は普通に見られる.より規棋の大 きいチャート層そのものの摺甜も型山のーっと考えられるがそれを把握するには4
4
らなかったーなお, 伊 藤(1979)はこの地域のチャートは少数のチャー卜がアンチフオ←ムとシンフオ←ムにより繰り返し 露W
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しているという地質国を提示している. チャート中の断層には破砕帯を持たないが,半滑な断層鏡肌をもつものも数多く認められるー断層 面はほぼ垂直で,水平方│白Jの条諌が残されている(図版4-F).鏡肌は,層状チャートの中に発達す るにもかかわらず非常に平滑である 地表浅いところでできたなら,チャートと扶みの頁岩の物性の 差を反映し,そんなには滑らかにはならないので,半滑な鏡肌はそれらが地卜深いところ(封芹ーの大 きい所)で形成されたことを示すのであろう.一方,図版5・Aは先ほどの低角断層近くに見られる チャート層'11のやや幅の広い(広いところでl幅5m)
破砕荷である.出色のマトリックスのI)rに小喋 サイズのチャート角離が数多く合まれている この積の,すなわち黒色破砕帯を残す断層がいくつか 存在する, しかしながら黒色破砕帯を持つ断層と顕著な破砕帯を持たす、に平滑な鏡肌を作りだした断 層の成肉卜の違いは不明である.出色破砕帝には熱水が通った痕跡があるので,この地区の半深成岩 の貫入と関係があり,半滑な鏡肌を持つ断層はより古期の付加時に形成されたものと考えている こ のように厚いチャー卜が存在する一方で,第4
図の北西部などに見られる断片的なチャートも多数存 在する.これらのチャートの同 6-t
Ui)I 県内のいくつかの地域の地質 その11 市条 111 地 ~t山部の整黙相・混在円相 、 、口 頁 岩 値 鯛
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第4図.ホノケ山周辺の地質図.層状チャー卜は側方に連続するものと,散点的・断続的・レンズ状 に分布するものとが.あり 後者は母岩の種類に関係なく存在し 付加晴に分断されたことを 示す 連続性のよい厚層砂岩も内部にいくつも断層(一部は低角断層)があり,それらにより 繰り返されていることを意味する.南側と北東側の地層は分布が斜交している.傾斜方向線 が短いと地層が急傾斜である.この地域の西側には柳ヶ瀬断層や甲楽械断層などが.通過する と推定されており,それらによる変形も付加時変形に積み重なっており,層序の乱れや地質 構造の複雑さが増している.背景の地形図として地理院地図を用いた. かは確定的なことはいえない.チャートは遠洋で、ほほ水平に堆積するといわれるの,地質問のような 産状はチャートと砕屑岩が接合する時期に一部のチャートが分断され 砕屑岩と混交するようになっ た可能性が高い すなわち,条件により按合時にチャートは厚化したり,分断したりするのであろう. 分断相という名称が使えるかもしれない.狩野 (2002b)の地質岡では混在岩柑中の層状チャー卜岩塊 として扱われている - 7-服部 勇 図版1目混在岩相堆積物に存在するいくつかの堆積岩田A.チャート離を含む頁岩.金粕東の林道. B. 堆積性メヲンジヱ(オリストストローム). ブロックは砂岩.宇土谷の田倉川の河床.C. 千枚 岩質貢岩.観喜寺. D.千枚岩質砂岩・貢岩互層ー上牧谷の林道.E.凝灰質チャー卜.大 きな異地性のもの(オリストリス)か現地性のもの(地層)かは判断できない.観喜寺田 F.やや 凝灰質のチャー卜.上野谷東の林道.混在岩相中の層状チャー卜はこの種のものが多い. お
-tUi)I 県内のいくつかの地域の地質 その11 市条 Il iJlll~t山部の整然j、R . i見存一円相 図版2. 混在岩相堆積物中の緑色岩や石灰岩.A.枕状溶岩.金粕東の林道.B.頁岩(左下)と密着す る緑色岩巨喋(右上).オリストストローム性の堆積物で あ る こ と を 示 す 金粕東の林道.C. 頁岩質オリストストローム中の丸い緑色岩喋.古木橋.D.田倉川│の河床に露出する石灰岩. オリスト
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トローム中の喋.下半分は緑色岩.杜奇目E
.
石灰岩小離を含む頁岩.上牧奇の 採石場の西側の奇. F.オリストストローム中の石灰岩で,紡錘虫化石を含む(鉛筆の先端 1.5cmの戸庁).石灰岩も礁質である,田倉川│の河床.社奇.服部 勇 図版3目整然相堆積物中のいくつかの種類の堆積岩.A.整然相i
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積物分布域に転石として存在する 喋岩.奥野々国道南側の沢 B.整然相堆積物分布域に転石として存在する喋岩.奥野々国 道南側の沢.c.
緑色珪質貢岩ーホノケ山第2登山道駐車場. D. 30cmを超える貢岩偽喋を 含む粗粒砂岩田八乙女西の日野川河床目E
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砂岩・頁岩の互層(
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のブロック を含む粗粒砂岩.八乙女西の日野川河床.F.粗粒砂岩中のチャート喋.八乙女西の日野川 河床 - 10-tUi)I 県内のいくつかの地域の地質 その 11 市条 Il iJlll~t山部の整然j、R . i昆存一円相 図版4. A. 整然相
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積物の厚層チャー卜.ホノケ山西の林道目 B. 整然相堆 積物 の厚 層チャー卜. 連光坊山一奥の院の間.C.珪質頁岩.黒世部カ昔、風化により白恒化仕掛けている.里、沢の池東. D. 成層した黒色貢岩.白色化した部分もある 風化により小片状に落剥し,落下する ホ ノケ山南側の林道沿い目E
チャー卜層内に見られる低角の断層.この断層により下側のやや 黒恒チャー卜と上側の白恒チャー卜が積み重なり チャー卜層力f厚化している. 断層に沿っ て雇さ50cmほどの安山岩が貰入しているーホノケ山西の林道. F.断層鏡肌ー鏡肌は平滑 であり,ほぽ水平な条線が明瞭で‘ある.この断層は顕著な破砕帯を伴わない.菅奇東の谷. 11-服部 勇 図版5目A.厚層チャー卜中の破砕帯.破砕物は比較的粗粒な角礁となっている.ホノケ山西の林道.B. 砂 岩優 勢な互層に発達する比較的ゆったりとした槽曲.菅在南の林道.C.砂 岩頁岩互層に発 達する閉じた摺曲ー砂岩が完全に折れ曲が、りz 頂部が見えないと2枚の砂岩層にみえる 河 内東の林道.D.含チャー卜離砂岩(研磨面iチャー卜礁の大きいもの(右下)は10cmを超える. 河内南の林道.
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.
菅谷(廃集落)北側の河野川河床に見られたチャー 卜角喋岩.F
.
菅谷北の 沢に落ちているチャー卜角喋岩ーこの地域には5m
を超えるチャー卜角喋岩も落ちている - l~-福井県内のいくつかの地域の地質 その11 雨条111地北西部の整然相・混在円相 接合によりチャートが変形するならば,当然、接合の相手である砕屑岩も変形するはずである 大き な露頭が存在しないという露出の
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さにより変形が認められる場合は少ない,また,層埋面が発達し ない塊状砂岩では変形が確認できない.このような条件下でもいくつかの露頭では砂岩・頁岩の摺摘 が認められる 図版 5・Bは砂岩・頁岩がつくる比較的聞いた摺曲である 図版 5・Cは摺血軸商がほ ぼ直、止の閉じた摺出である.おそらく露頭の出いところでも同様な摺出,さらには断層が多く存在し ているであろう テ守ユープレックス (duplex)栴造も存在する.チャートにおいても砂岩・頁岩などの 砕屑岩においても層内摺曲などが多数存在すると忠われるー定向方向は比較的安定しているが傾斜方 向は不安定で、あり,第4図の走l白J'傾斜が示すように結巣的には地層の上下は不確定となる. しかし ながら地層全体の分布と傾斜均向の優勢度から,狩野(2002a,b)が示したように,この地域は北内力 向に凸のアンチフォームをなしていると判断される この地l
ヌムの砂岩は中粒から半日粒で 図版5
・D
に示すようなチャートの綱傑や中牒を含むことがあ る(梅田.1989. 1990).このサイズのチャート礁を含む砂岩は南条山地でもこの地区だけである 頁 岩は黒色で弱い葉型が発達し, しばしば層状の細粒砂岩やI主質岩の薄届が挟まれるが全体的に均質 である.総色岩や凝灰岩は含まれない.なお,地質図に示された砂岩優勢層,砂岩頁~'1f.層,それに 頁岩優勢層の区分は厳格なものではない. この地区の砕屑岩相は全体に北西方向に凸のアンチフォームをなしている アンチフォームを形成 する際に地層が曲がることにより圧縮を受ける部分が発件.する.地質図(第4
図)の中央でチャー卜 の南阿端に描かれた“く"の字弐1Iに居内した断層はそのような圧縮による衝k
断層であろう.なお, 北西一南東方向の直線的断層は抑ヶ瀬断層や山中断層の方向とおおよそ一致し新生代の断層活動が 影響を与えているのであろう.狩野(2002a)はこの地域における基盤関連断層であると記述している. この地区にはチャート角礁岩の転石がしばしば存在する(図版5-E, -F) 大きい蝶岩転石は長径が 1 mを超えるーそれらは図版 3・A,・Bに示す牒岩とは異なる積損である 現在の調査では,チャー ト角牒岩の転石はホノケ山を通る北北西一南南東方向の尾根の西側に限られている.含まれる礁の サイズは大きくても巾喋サイズであり.小蝶サイズのものが多い 一つの喋岩で礁の占める割合は 50%を超えることが多い チャート以外の礁の岩積は頁岩や砂岩,それに流紋岩などである,基質は 砂質であったり流紋岩質凝灰岩であったりする,中には火砕流性の牒岩と思われるものもある,これ らの特徴はホノケ山から 6~7kmIH)Jの鉢伏山の山 l頁に僅かに存在する元比国礁岩(木戸, 2001・ 水戸・福岡.1985, 1988)に類似する この地収に分布する火成岩類には扮岩(ヒンガン)や花|品W~紙岩が多く , その他に流紋岩質岩石が 存在する 特に,前者は鉢伏山花岡岩(杉津花嗣閃緑岩,r
t
r
江ほか.2013)に類似する点がある さ らに第 4図の地質図には捕かれていないが,背谷の北で河野川j仔いには,大きいものでは20mに達 する安山岩・流紋岩(火砕流岩石が多い)・花i
品J
I
抑止宕などの巨大岩塊の転石が多数存在する,おそ らくこの地区のがJ野川左岸の斜面から山周にはこれらの火成岩が分布していると思われる(小鍛治. 1985) チャートなどの一部の岩石は熱変成を受けており,これらの火成岩の影響が考えられる 第4図の北西部のホノケ山トンネル西出口に近い沢には最大長径 1mに達する石灰岩塊がいくつ も落ちているJ
剖聞の地層も擾乱を受けた砂岩,頁岩互層であったり,泥頁混在岩であったりする. 石灰岩の露頭そのものは見つからなかったが,このような状況から,この地点には第2図の地質図に 広く描かれている混在岩相が整然相の内座層として露出していると考えた.すなわち整然相は混在岩 相の卜に分布する.この判断は第2図,第3図,及び服部(2014)の考え )iと一致する 第4図の地質図の南西端には柳ヶ瀬断層.市楽城断層,山中断層,孫谷断層などが通過しており, 肯い時代の変形にこれらの活断層などによる変形も加わっており複雑な地質構造となっている,これ らの変形については狩野(2002a,b)が解析している.この地域の全体構造は狩野が示した構造と類似 している 13-服部 勇 4. まとめ(南条山地北縁部における混在岩相と整然相との関係) ここまでの記載と説明からこの地域の混在岩相と整然相の堆積・積重関係は次のようであったと考 えられる目まずこの地域内の両者の年代であるが,混在岩相(春日野相)はペルム紀と三畳紀の放散 虫化石(服部・古村,
1
9
8
2
,1
9
8
3
:
I能川ーほか,1
9
8
3
)
や石炭紀や二骨紀の紡錘虫化石を合むが(服部・ 吉村,1
9
8
2
:
出賀,1
9
9
7
)
,砕屑岩に含まれる最も若い放散虫化石の年代はジュラ紀前期である()服部・ 田賀.1
9
9
6
ほか). -}j整然相(今庄相)は三畳紀やジュラ紀前期lの放散虫化石を合むチャート(吉村 ほか,1
9
8
2
梅岡・同賀,1
9
9
7
)
も存在するが,珪質頁岩やマンガンジュールが示す最も若い化石年 代はジ、ユラ紀中期である(出賀ほか,1
9
9
9
:
服部,1
9
8
7
,1
9
8
8
,1
9
8
9
:
服部・阪本1
9
8
9
:栴I:l:/.出賀,2
0
0
0
,2
0
0
3
,2
0
0
5
ほか).混在岩相はオリストストロームであり,供給地はこの地域の阿側あるいは 北側にあった 整然、相はチャートを含む海洋底層序の一部である 海洋氏層序は南あるいは束から付 加したと考えられている()服部,1
9
8
8
,1
9
8
9
)
.
これらのことを加味すると,この地域ではジュラ紀前 期l
に北両側からオリストストロームが流れ込み,それと同時期あるいはやや遅れて南東側から整然相 である海洋氏堆積物が底付けではなくよ付けしたのであろう(第5
図 ) 地質図や断面図に示されるように 整然相砂岩・頁岩・チャートは混在岩相の土佐にナッベ;犬に分 布している. しかし,野外調官で観察できるのは表層部のみであり,地111に同紙なチャート等が分布 しているかどうかは不明で、ある(おそらくある程度の深さまで分布している) 服部(
2
0
1
4
)
はこれら のチャー卜岩塊は整然相堆積物である今庄相中のチャートであり,ある時期に今庄相が混在岩相の上 に乗りl-.
l
f
'
たと考えた.地質図で判断する限り,チャート岩塊のサイズは南東側から北阿側に向かつ て小さくなっているように見える.このことも南東からの乗り上げに関係しているかもしれない 日 野川河床に存在する頁岩破片や火成岩搬を含む相粒砂岩や,西方の管谷に存在する大きな(サイズが10cm
に達するものあり)チャート喋(図版5-D)を含む砂岩(梅田,1
9
8
9
,1
9
9
0
)
に示されるように, その際に整然相内部にも層序の乱れや小規模な構造的変形に起凶する再堆積が起きたていたことが推 定されるが,現地調査ではいくつかの層内断層(図版 4-F, 5 -A)の存在は認められるが,大規模な 構造的変形(断層とか摺曲)は確認できなかった この地域では混在計相と整然析の桔み五ね閣係がジュラ紀以降の変IJラや削剥により上位の整然相堆l
オリストストロ-.t.1
大陸プレート
第5
図.南条山地の混在岩相と整然相との形成友び積重過程を示す概念図.オリストストロームは混 在岩相に相当し,海洋底堆積物にはチャート・頁岩・砂岩などが.含まれる.この図では整然 相中の砂岩や頁岩及びその瓦層は海洋底堆積物に含まれる.なお 付加した海洋底堆積物中 の断層や破断面は省略されている. - 14-福井県内のいくつかの地域の地質 その11 雨条111地北西部の整然相・混在円相 積物の大部分が失われ,現在の地層分布を作ったーこの関係は中新世までに完成していたー というの は両者を被覆して中新世安山岩が分布し,中新世岩脈(伊藤, 2(川6: Hoshi and Takagawa, 2009)が 両者を員いていることから確実で、ある.この地域の情報だけでは この先どの時代まで遡れるかは議 論できない(他地域の地質状況から,おそらく白
E
紀末,すなわち足羽届の堆積時や濃飛流紋岩噴出 時までは遡ることができる). 文 献 地質調査所, 1992: 1 : 2C臥u(川地質図 1111支阜J
.
藤井純子・服部 勇・ 111島E
ι
,1983:中生代初期jの赤色層状チャートにおける放散虫生層序と古地 磁気層序の副│究ー大阪微化石研究会誌 特別号9,71-89. 福井県, 1969:福井県地質図幅(15万分の 1)および同説明書(塚野善蔵編).栴井県 117p. 福井県, 2010:福井県地質図および阿説明書(2010年版).福井県建設技術公社 183p. 服部 勇, 1987:福)[:県南条山地におけるジュラ紀放散虫について 福井市立郷土門然科学博物館側 究報告, 34号, 29-101. 服部 勇, 1988:福井県南条山地多留美川トー流のマンガンノジュールからの放散虫と美濃帯北阿部の 構造的位買づけー福井市立郷土門然科学博物館同│究報告, 35号, 55-101 服部 勇, 1989:福井県南条山地西部の3地点におけるマンガンノジュールからのジ、ユラ紀放散出に ついて(資料).福井大学教育学部紀要, II, 39号, 47-134, 服 部 勇, 2011回福J
I
'
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J
J
$
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1
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-服部 勇 水戸