膣﹁卜﹂コモーナスしの臨床的桶譜図
東京女子讐墨專.レ學綾産婦人科教室︵主任 堤.教授︶ 東京女子馨學專門學校寄生最學教室︵主任 田宮教綬︶阿吉
部岡
誓薫
目.第
第第第
竺羅、筆箋箏箔.筆篁筆華垂.葦節厩繭鱗節騨膣検.緒
頻酷蘂榮蓮檜構…沓形.E蒋….度i裂露養ty殖造さ 窪1芝論
成 物び
績 學検
緒 論 検査材料及び検査方法 膣嗣.﹁ト﹂の生物學的性質 択. 第二胱即 季笛剛と陽性率との關係 第三節年齢と陽性率 第四飾 生活程度と頻度 第五節.膝﹁ト﹂と妊娠 箪六節未産掃及び経産婦と陽性牽乏の欄係. 第七節帯下主訴と陽性率 第ぺ郷 陽性者と箒下主訴 .第九節臨床診断と膣﹁ト﹂との關係 第煮章・病原性に關して 第六章 治療法に薗脚して 第七章結 論第嗣章 緒
論 41 吉岡晦部11縢﹁トリコモーナス﹂の臨床的糊察 第六巻 三六三42 士口岡●阿部口出﹁トリコ聖ーナス﹂の臨床的畑観祭 第六巻 三六四 産婦人科臨床に継て,吾人の治療上の目標の一つとして、帯下は忘却する事の直覚ない大なる役割を演ず。此の帯下の原 因は多々有るも就中淋菌は古悟了も重要なる原因とされるが、これと共に帯下を起す原因として膣﹁ト﹂が最近盛に論ぜられ る様になれり。 抑々﹁トリコモーナス﹂は原轟動物たる鞭毛轟の一種にして、人類のみならす、牛、馬其他の脊椎動物より昆巌類に至るま で、實に動物界に於て甚だ廣敏なる星園に生棲し、此等の動物に謝し、或は無害に、或は有害に作用するものなり。而して 人間に於ては口腔、腸内殊に大腸、盲腸,稀には小腸、膀胱及び膣内にも屡々來るものなり。これ帥ち膣﹁トリコモーナス﹂ なり。 膣﹁ト﹂に黒しては一八三七年に始めてUo毒Φが其存在を焚表したり。其後一九一六年に国。ぴ窪⑦が其の病原性、帥ち 膣﹁ト﹂は其存在によりて油糧の膣炎、所謂﹁トリコモーナス﹂膣炎券惹起するものなりと提唱せり。此轟轟以來俄然膣﹁ト﹂ に關する研究盛となりたるも、然も爾之が病原性に僻する問題は夫解決のま玉にて今日に及べり。 最近本邦に於ても膣コトしに締する研究盛となり大賀、青地、輻島、三宅,松田、橋爪、打越、岡本、山原,黒川其他によ り或は生物墨的方面より或は臨床的に各々詳細なる獲表有りたり。よって等等も之が臨床的意義を知らん臨本調査を試み余 等の實験例につき些か述べんとする次第なり。
第二章検査材料及び検査方法
検査材料は昭和十年㎝月より十月十日に至る東京女子欝難壁門藩校病院産婦人科外來を訪れたる新患者を帯下を訴ふる者 も訴へざる者も帥ち選揮する事なく三分.泌物を銭取し、計一〇五六名を得たり。 膣分泌物探取方法は、新患者の内診前或は後、クスコー氏子宮鏡を膣内深く挿入し、此時なるべく水分が子宮鏡に付着せ ざる様にする、かくして子宮警部を露出し、洗源に先立ちて、滅菌せる小びしやく型の採取器を以て、後覚隆織部附近の帯 下を、幾分粘膜をかすり取る様な氣持にて出來る丈多量探思したり。4:〉, 探取せる帯下は、若し少量なる際には研究室まで蓮ぶ中に乾燥する恐れ有り。乾燥を防ぐ爲には種々繁雑を癒す故余等は 外來に於て直ちに時を移さす之が槍索を行へり。 槍査方法としザ、は,先づ聴取せる帯下を肉眼的に観察し、爾﹁ラクムス﹂紙により酸性なりや否やを下したる後、検査材料
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∫ 蘇 第 一 圖 膣「トリコモーナス,」新鮮標本輪選
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吉岡・阿部巨膣﹁トリコモーナス﹂の臨床的魏祭 培養を行へり。 新鮮標本は、滅菌白金耳。或は﹁マッチ﹂の 棒の一端に帯下の少量を取りて稀⋮樺する事な くそのま﹂之を磯物﹁グラス﹂に滴下し、これ に被蓋﹁グラス﹂を載せて直ちに鏡見せり。筒 若し帯下濃厚なれば同量乃至三倍の生理的食 碧水を陰膳﹁グラス﹂に前以て滴下し、之と帯 下を混和して被覆﹁グラス﹂を載せ直ちに鏡桧 し,三三せざる標本と稀繹後のそれと彼我相 封照したり。文獄に徴するに新鮮標本検索の 際には懸滴標本によるが最も多門を占むるも 降等は上述の如き簡軍なる方法により鏡槍 し、何等不便を感ぜざりき。且これによる陽 性率も染色標本による陽性率も大差なき黙よ り考ふれば必ずしも懸滴標本を必要とせす, されど勿論か﹂る﹁トリコモーナス﹂槍出法 牌山山ハ巷 三山ハ︸九44 士口岡。阿祁口膣﹁トリコモーナス﹂の臨⋮床的狸察 第六巷 三六六 は懸滴標本に比し贔膿の個有翼々親察には幾分劣る黒有る故多少の熟練を必要とするなり。、かくして鏡検し得たる膣﹁ト﹂陽 性の帯下所見の一例を上ぐれば第一圖に示す如し。 染色標本は﹁ハイデンハイム﹂の鐵﹁ヘマトキシリン﹂染色法による。之を詳記すれば下の如し。︵−︶被楡査材料を被蓋﹁グ ラス﹂に薄く早等に塗る。此際帯下鯨りに濃厚なれば生理的食鞭水により適度に玉澤し,塗抹の際は力を入れないでそうつ と行ふ,轟艦破壊の恐れ有る故なり。︵2︶ぬるま湯位に温めたるシヤウデイン氏固定液に材料を塗抹せる被蓋﹁グラス﹂を塗 抹面を水面に向けて速かに浮す。固定時間十分。白くなれば大膿固定されたるものなる故、被蓋﹁グラス﹂を表面に返す。 ︵3︶固定されたら水洗、︵4︶七〇%﹁アルコール﹂に誓事色となる程度に沃度丁幾数滴々下せる難中に固定されたる被蓋﹁グ ラス﹂を入れる。五−一〇分間入れ置く。これは昇配水の結晶を除去する爲なり。︵5︶水洗、︵6︶七〇%﹁アルコール﹂に一〇 ・食間。︵7︶五C%﹁アルコール﹂に一〇一二〇分間、︵8︶水洗を行ふ。﹁アルコール﹂を除く爲なり。︵9︶二・五%鐵明馨液に 六−一二時間入れ置く。︵10︶﹁ヘマトキシリン﹂液に六−一二時間入れる。此際最初には鐵の黒色沈澱が出路る故、]度液を 取り攣へる事。︵ーユ︶一%鐵明巣液にて管槍しつN、白血球の核の構造のよく分る程度まで脱色す。︵12︶直ちに水洗、︵13︶五 〇、七〇、七五、八○、八五。九五、無水﹁アルコール﹂を通過せしめ、省炭酸﹁キシロール﹂及﹁キシロール﹂を通過させ3バ ルサム﹂固定を行ふ。この方法により染色したる﹁トリコモーナス﹂の所見は第二圖に示す如し。 染色法に毒しても、種々論有り。多種多宝なり、而して其等の41﹁グラム﹂染色を用ひる方法等は、余等の経験よりしては 最も信用を置き難く思はる。 培養検査方法に際し、余計の用ひたるは、慶鷹三宅の推奨されし田邊千葉培養窪川第二なり。此の培養基の製法は下記の 如し。即ち最初壁厚七・○瓦、風構酸﹁ナトリウム﹂一〇瓦、蒸鯛水一〇〇〇・○瓦の割合に混合せる食夢判構酸﹁ナトリウム﹂液 に一%の割合に︾σq9冨σq母を加へ煮沸治毒したる後、消毒綿により濾過し、一%の﹁アスパラギン﹂を加へ、試験管に分注し、一 時附蒸氣滅菌をなして室温に放置し固形斜面となす。爾志面上には、馬血清を遊動性となし﹁ベルケフエルド﹂濾過器で濾過し たる液と上述の絢構築﹁ナトリウム﹂液とを一業八の割合に混じたる液を注加し、其底部に米粉を乳鉢にて成るべく細かくす
4島 第 二 圖 膣「トリコモーナス」固定染色標本
診
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へ凝 垂、
譲蟻 、︻幽炉態
、、魯.毒懸
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りつぶし.たるものを使用葡に百慶にて 三十分間乾燥滅菌したるニー三米粉白 金耳旦里を底部に加ふ。爾培養基は一日 間艀卵器内に置き,無菌なりや否やを 確めたる後使用するを常とす。 かくして前慮置せる培養基に被検材 料の一部を特別に細く作りたる滅菌 ﹁ピペット﹂にて吸入してこれを斜面底 部に沈下せる米粉の上に注加し、培養 基は一日或は二日間艀卵器に入れたる 後培養成績の陽性なりや陰性なりやを 検し,陽,陰に馳せす培養液の一部を 更に新たなる培養基に移し、爾一一二 日後培養液を楡し,これに於ける成績 及び第一同の培養成績の何れかに陽性 なれば陽性とし、何れにも陰性なれば 培養成績陰性なりと決し、陽性のもの は順次公培常食を重ね、培魚食﹁トリコモー ナスしに就きて観察したり。 上述の如く被検査材料は其各々の例にっき新鮮標本、染色標本、培養試験を行ひ、此等の何れにか陽性なるを陽性とし 士口岡.阿部口膣﹁トリコモーナス﹂の臨床的観汰狐 第六谷 三六七士斑岡・阿部H引目﹁トリコモーナス﹂の臨床的㈱概・察 48@て、眞の陽性率との誤差を出來るだけ小なら七めんとしたり。 第竃章 膣﹁ト﹂の生物學的性質 第︷ハ巻 ⋮二山ハ八 調査成績の磯表に先立ち本鞭毛轟の生物學的性質に就き其概略を叙べん心
第一節形
形は多くは第三圖に示せる模形に於て見らる玉如き梨子状,紡錘形、楕圓走時によりては圓形を呈し,︼非常にm攣化し易 し。通常自己に不適當なる環境に於ては、膿表面積を縮小し圓形且小となる。か要る現象は培養基内匠寒冷に遭遇せる場合 及び藥剤に遭遇せしめる際に於て認め得らる玉腱なり。第二節大いさ
大いさは大なるは多核白血球の数倍有り、重なるは白血球よりも小なり。大いさは長径に於て一〇!三〇μの聞に存し、 三宅によれば一八・六μ雫均なりと云ふ。 膣﹁ト﹂は人により其大いさを異にし、同一人に於ても寄生する膣﹁ト﹂の大いさの甚しく異る事有り。此の鮎に濾しては種 々の論有り。余薫は同一人に於ける膣﹁ト﹂の大いさの差は、あたかも人類に着て同一環境、に育つも其等が同,一の大きさにな らす、.各々其有する素因により或は大となり或は小となるが如きものにして同一人に寄生する膣コトしと、錐も其素因の異るに より、場合によりては甚だしく異る事も有るべしと思惟す。擬人により大いさの異るは芝葺ユ筈の假読によるが如ズ種類 め異る爲とも考へられす,三宅の読ふる如く最早下條件の差によると考へる。 爾余等の経験せる所に依れば、大いさは季節に關忙し.冬季に見るは小さく、夏季に於けるは一般に大なり。 第三節 構 造 構造は第三圖に示す如し。前鞭毛は轟愕の前端より親し、通常四本とされ、基礎穎粒より適してみるが、此数に關しては 學者によりては異論を唱ふる人も有り、此鞭毛は非常に破壌され易ぐ,且染色が困難なる爲なり。四本の鞭毛は殆んど長さ第・ 三 圖 「トリュモナス」構造模形圖 w.G一一一.”””.. .一..一.”.一…一... 〈u.M.一一.一.…L”Slt:.一. ’” Rん_. ・. 融・
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Rf. 基礎頼粒 原形質内の可染性穎粒 空.胞 軸索後端の染色帯核 「リッオプラスト」 前鞭毛 後鞭毛. 波鋤膜 基條脈(波動膜の) 邊縁綜條(波動膜の) 1500(nach Kofoid und Swezy) (naeh Franz Dofiein, Lehr− buch der Protozoenl〈unde. 5. AufL 1928) 47 は相等しいが異る事も有り。 鞭毛の起始部に有る穎粒を上述の如く基礎黒歯と稻し、此の数も癖者によ.り⋮定せす、余等は此黙に關し明言する能はざ るも網島の例に於ては二個のもの多かりき。本邦に於ける研究に於ては,三宅は五個ならんと云ひ,松田は一個なるも二個 の事も有りと云ぴ,幅島は余等と同様に二個なりと唱ふるも制帽たる読なし。 基.礎書意の直ぐ近くに核有り。核は染色標本に於て通常紡錘形として見られる。核には叉核小瘡を認むる事有り。 核と基礎穎粒を蓮結する所謂男寓塁豆匿鴇の存否につきてもこれ亦明かならす。 基礎顯粒より締し艦錦を後端に向って走る一種の膜有り、之を波動膜と潔し,特有のものなり。波動膜の轡曲数は通常三− 士ロ岡●阿部二巴コトリコモーナス・しの臨床的襯察 第山ハ巻 三山ハ九4g 由園岡・阿暴郡H腔﹁トリコ毛iナス﹂の臨床的幽糊容P 飽工ハ巷 三七σ 四なり龍部の中心を核の方から後端まで貫いてみるのを軸索と心す。軸索は基礎穎粒より出で、核の側部を密接しで走り, 更に其塵より白く光って後端に到る。若し轟艦大なれば軸索は静内で経る竜轟二曹なる際には、後鞭毛となりて突出する。 軸索は硝子様物質により形成されてみるらしい。 原形質には大小の穎粒有り。時に小胞有り、松田によれば多数の細菌を捕食すと云ふ。里親もか悟る例に灌遇せP。此の 例に於ては細菌が録艦内に於て著明なる蓮動をせる奇観を呈し.轟艦内に運動せる細菌と同様なる細菌を轟艦影に於て認め 得ざる貼より確實に靴墨内に或種の細菌の侵入を認めたりと信ず。爾原形質.には特有の光輝を新鮮標本に於て認め得。 第四節 増 殖 分裂は襲艦分裂にして先づ基礎顯粒二分し、次で核、原形質の順に行はれるのが通常らしい。 毒貯ぴ2唇b⇔Φ昌伽oHは膣﹁ト﹂を生活型により二型に分つ即ち非常によぐ蓮動ずる︽Φσq①9瓜くΦ岡霞百と個有蓮動を螢まない 園暮魯号閏自Bとに分ち。後者ぱ晋屡々O審8︵嚢子︶と云はれしものなり。而して前者は増殖可能なるも、後者は増殖不 可能なりと唱へてるる。余烈も亦氏の所謂静止型に相製する例を経験せり。余等の實験例より推論すれば氏の所謂静止型と は膣﹁ト﹂が膣幣下條件の何等かの攣化により其驚動性の麻痺せる状態の如し。建って其の賢将の攣化の除去されざる際には 増殖作用にも亦攣化來るべしと想像せり。 今日に於て膣﹁ト﹂が嚢子形成をなさ貸る事は確定的なる事なり。 第五節 蓮 動 感動は主として鞭毛、波動膜、軸素、後鞭毛を以て特有の撃高を螢む。此の満開露なる事が吾人の膣﹁ト﹂診断上の重要因 子となる。 然し其蓮漁歌態は膣﹁トしが鏡検上活花に動ける際には観察出來す、次第に蓮動の弱まりたる欣態が硯察に適す。 其結果に依れば、鞭毛を其起始難を中心として圓錘形に廻轄蓮動せしめる事により前進し、これと共に波動膜により進路 の方向を定め、波動膜は舟に於ける舵の役をなし、補助機關として後鞭毛を動かしめるが如く観察せられたO。筒後鞭毛ぱ余
49 等の例に於て屡々物に付着せるが如き所見を呈せり。三宅はか呵る事なしと云ふ。 省前述の静止型に属する例につきては、これが診断は相當の注意を必要と考へる。余はか玉る型に撫すと見ゆるは必ず懸 滴標本による再槍査の後決定したり。 其他膣,トLは偽足を形成する。過者によりては之に異論を唱へ形成せすと云ふ。 第六節 榮 養 榮養は多く溶解性の養分を撰上するらしく,O遂δヨ︵細胞口︶は認められす。然し時には有形成分も玉取するらしく、前 述、の如く盛に動く細菌を認め得、三宅は爾白血球を喰せるを硯たりと云ふ。 第七節 感 染 維 .路 膣﹁ト﹂が如何なる経路を取りて人類慶雲に為るやは爾不明なる問題にしてう多くは直接感染なりとされ、帥ち沐浴による 感染、浴場に於ての感染、及び性交による庭の感染を認むる學者有り。最近閑巴ざミは膣コトL保有者との性交により惹起 せられし男子尿道炎症例に就ぎ報告し当落は膣﹁ト﹂の特殊療法によ記臆治せしめ得たかと云ふ。 其他蝿が﹁トリコモーナス﹂を有する人糞に接しそ0ま玉食物に止りて之を汚染せるを人知らすして食し途には浩化器より 性器にまでも到るものならんと云ふ人有り。或は﹁ト﹂を保有する水を人が飲用する事によると考へる馴者庵有り。 余等は亦或一部に恩へらる﹂如く腸﹁トリコモーナス﹂が静内に二次的に感染せるに乱すやと思考せり。余等は外來に於て 膣﹁ト﹂を保有する患者に排便後如何にして肛門を清拭するやを尋問せし腱,多くの婦人に於て後方より前方にみたかも糞便 を肛門より早牛に誘導するが如くして行へるを知れり、かくして漸次会内に腸﹁ト﹂が移行したるに非すやとも考へたれど如 何せんこれが實.験的研究を映くを以て、唯想像の範園に止るのみなり。
第四章 統計的調査成績
第一節頻 度
士口岡・阿部11膣﹁トリコモーナス﹂の、臨床的狸察⋮ 鯵六巻 二七一urO 士口岡。阿蔀U膣﹁トリコモーナス﹂の臨床的観察
第一表陽’性
率調査事項瞬釧陽薄陽齢
12.6 正5.5 14,4郵鵬鵬
373 683 1056普蓮患者
學用患者
合 計
第六谷 三七二 頻度は第一表に於て示すが如く,被調査総数一〇五六名中陽性なるは一五三名即ち一四・四 %なり。 頻度に就き内外の成績と比較するに第二表に見らる玉如し。表に示すが如く頻度、は種々雑多 にして、或は七〇%内外も有り。低きは一〇%内外にして最高傘及び最低率聞には相當なる差 異を認め得る。 然しながら通覧するに,↓般に調査年代の古き程概して陽性率高く,之に反して最近調査さ れたる成績によれば飴りに高率なるものなく、多くほ一跡ー二五%の聞に存す。 此の鮎より観るに、調査年代の古き調査成績に甚しく高率なるを見るは調査方法の不完全な る爲ならすやと考へたり、例へば材料を墨黒的、に取扱ひ、或は不確信なる染色法を使用し、或 は亦調査数の過少等々の原因によりか籠る現象を惹起せるやも知れす、從って余等は最近の報 告が比較的信用に債するものと看倣したり。 頻度は地理的關係によりて差有りと唱ふる人有り、三宅、山原、黒川等は之を否定し、検査方法の不備によるものにして 一般には頻度は内外共に一致すべしと云ふ。余等も亦同様の意見にして、引当が余等の検査方法に於て、薪鮮,染色,培養 の三方面より陽性射定を行ぴたる所以も亦此庭に在り。余等の例に於て新鮮標本にて陰性と思はれたるが染色標本にて陽性 に出で、染色標本に於て陰性の例が培養に於て陽性となりし等の維験有り。 其他人種的差異を唱ふる人有り、遠音黒人と白入間には大差有り、黒人に甚だ多しと云ふ。松田は日鮮満婦人に於て差を 認めすと報告せり。 第二節 季節と陽性率との關係 季節と陽性率との關係は第三表に示す如ぐ、最高率を示すは八月のこ〇・四%にして、最低率は三月の六%なれども,一般 に季節による虞の確たる差は認め得す。打越は夏、季に断て最も高く、冬期に於ては低きもの玉如しと去ふ。余響に於ては夏5t 吉岡・阿部−一膣﹁トリコモーナス﹂の臨床的醐観察 ’第二表 欧米各國に於ける陽性率との比較
調査者
Hoehne 1 TraUgott Wille 一 Seitz ’ Re“uling Lelz Schmid &. Kamロ言ke1 Andrews Wenrich三 宅 氏
大賀,青地氏 ・谷 口 氏福 島 氏
打 越 氏
山原,黒川氏 第六巻 三さ岡 本 氏
[.橋爪 氏
當 教 室
年 1916 1918 V1 1919 1921 192.o, 1926 1929 1930 工933 1一 1934 1一 ク 1935 ク 1一 !7調査地1儲別調蜘陽瞳
Kiel(濁) Giessu’n (W]) 正leiderberg (}蜀) Greifewald (ieq) Wien L填) London (英) Pennsilvania(米) 東 京東
京 熊 本名 古 屋.
東. 束 京 京非妊婦
妊
婦門守灘
一下を主訴 とする者菲妊婦
妊 二
黒
人 前 人計
非妊婦
妊
非妊 妊 計 婦婦婦 婦婦 妊 非妊 婦婦妊計
非妊F非妊婦
妊 婦
計
非妊婦
妊 婦
計
非妊婦.
妊 婦
計
4200
11
ρ0ρ023
1 183 250 40r) 153 ・ 100 20r7 243 500 ﹁07﹁ 貯♂7 1 425 575 1000 0﹁00282
647 171 97 ,26s i42 68 210 134 70 204 150 407 649 1056 QUpり23
7ρ021
74 46 79 20 86 .g2 1182841
,55 69 t24 闇0ゆ qU2 104 4.g ,13 56291
3 4 ’り72 2 りり 24 67 86 正53 陽性率 28.0 .O,5.0 21.6 50.0 40.0 25.0 20.0 18.4 ’ 19.5 69.9 ’ 20.0 ワρ22 339ゆ312
璽.0 23.4 12.9 一 12.0 12.4 12.0 12.9 16.1 2 7) .1 13.4 20.9 22..5 13.2 19.5 907 ㎜70FO 一11工 1.6.0 16.4 13.2 14.452 書岡●阿曲都器陥脛コトリコモーナス﹂の臨床的魍伊察 第三表 季節と陽tl生率
難事副謎撒雛釧雛
蝋囎伐ゆ肪一躍贈躍伽膿
14 P1R920614343111
72 V7 T9甯閧U289鵬鵬m
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
第四表 年齢と陽性率 調査事項1調査数1陽涯数「陽性 工7.4 14.1 13.4 21.3 13.6 4 90 43 13 3%粥、躍飢羽
20歳以下 20−i30 30・v40 40・一vso 50以上 年齢に押して、三宅は一〇歳代に最も多く、五〇歳以上には全然見すと云ぴ、谷口は二〇1三五歳に多く、 ○歳代に高率にして一〇歳代に最低率なりと報告す。其他松田は︸○歳代は不明なるも二〇⊥二〇代に於て最高率を示し。 五〇歳以上に於ては極めて少なく結局本原轟は成熟婦人に多く曲るもの乏僻してみる。上記の如く三宅と打越は其頻度に於 て全然反謝の成績を示し、爾打越は三女にも認め得たりと云庵 余等の調査の結果は第四表に於けるが如くにして、最高傘は四〇一五〇和島の二一三二%最低率は二〇一三〇代の一四二 %なり。且五〇歳以上の者に於ても三例の陽性者を認め得たり。玉薬は遺憾ながら完全の腱女らしき患者に於て腕﹁ト﹂陽性 者を見る事を得ざりき。 要するに余齢の調査によれば各年齢の間に著明なる差を認め得す、何れの年齢に於ても蓬遇し、年齢とは特別の關係なき が如し。 第四節 生活程度と頻度 之に就きても種々論ぜられ、一般に生活程度低き者に於ては、生活程度高き者に比して頻度高しと云はる。 第六巻 三七四n 月一も高率を示すも冬季も亦比 較的高率なるを認む。 第三節 年齢と陽性率 之に關する成績も報告者によ り異なり。冨。昌山Φ﹃大賀、青地、 三島、橋爪、山原、黒川等は年 齢即と膣﹁ト﹂の頻度との闇には特 別の關係なしと述べて居る。 然して最高率、最低率を示す 打越によれば五53 余等に隔ては第一表に於けるが如く學用患者と普通患者に分ちて見たるに、學用患者一五.五%普通患者一二・六%にして 大なる差を認め得す。 第五節膣コトしと妊娠 妊婦及び非妊婦に於ける膣﹁トしの頻度に關して本邦に於ては島島は妊婦に多しと云ひ、大賀、青地、三宅は同率にして關 係なしと唱へ、岡本、打越、橋爪等は非妊婦に於て高率なりとせり。 第五奉 妊婦及び多β重壬女帯と陽1性率 調査事項{調査敷i陽性数1陽性率 13.2 16.4 86@67 649 407 妊 婦
非妊婦
第六表 妊娠月数と陽性三 二査事項1調査敷1陽性数}陽性率 ILI 16.0 10.7 10.6 16.0 7.8 17.1 13.1 18.5 21.8171081561310107
9 68@93 75 96 76 69 76 54 32 1ケ月 2 !1 3 1! 4 1! 5 1− 6 1− 7 1− 8 119ク
10 1! 余等の結果は第五表に示すが如く、妊婦一三・ 二%非妊嬬一六・四%即ち非妊婦が妊婦に比し 梢高率なり。帥ち余等の成績は岡本、打越、橋 爪に一致したるも,余意は此数を以て非妊婦に 多しとは断言し得す。むしろ妊婦、非妊婦の差 なしと云ふ三宅の論に賛意を表するものなり。 省妊娠月数との關係は第六表に示すが如くに して妊娠六ケ月の七・八%が最低傘、十ケ月の 二一・八%が最高率なるも,概して妊娠末期に 近づくに從ひ増加の傾向を示すも、さりとて初期に率低きにも非す、要するに多少の關係は認められる礒なり。 第六節 未産婦及び経産嬬と陽性率との關係 余等は.亦妊婦を未産婦及び維産婦とに分ちて陽性率を比較して見たるに第七表に示す如く、未産婦一五。四%維産婦一一。 六%帥ち未産婦に於て陽性率高費を見たり。余等の成績は幅島、谷口に一致したり。 然しω筈巳費墨画卑厳づ障2は経産婦に多しと云ひ,山原、黒川、松田は此等に反し未産婦、経産婦による差を認めす。 第七節 帯下主訴と陽性率 士口岡・阿 H膣価﹁瀞リコモーナスしの脇床﹂的襯察 生山ハ巻 三七五54 士園岡●阿口都口膣肋﹁トリコモーナス﹂の臨・床的襯察 第七表 未産女帯及び輕産婦と陽性葎§ 調査事項1調査数膓性数1陽性率 15.4 11.6 42@44 272 377
未産嬬
経産.『婦 第八表帯下主訴と陽性率調付言蛆虫陽騰膓齢
2g.9 11.9 46 107 159 897 帯下を主訴 とする者 箒下を主訴 とせざる者 第山ハ巻 三七山ハ 余等は外註に於て帯下を主訴とする者と帯下を主訴とせざる者とに分ち 槍したるに、第八表に示すが如く帯下を主訴とする者は全患者の約七分の 一柳ち一五九名にして此の申四六名即ち二八・九%の陽性率を口示し、帯下 を主訴とせざる者に於ては一一・九%に断て陽性忙して換言すれば帯下を 主訴とする者は然らざるに比し膣﹁ト﹂陽性旧約三倍なり。 か閉る調査に予て、三宅は全患者の四〇%が帯下主訴の患者にして此の 中の四三%に於て膣﹁ト﹂陽性なつと云ぴ、打越は帯下主訴の患者の三五% に於て膣﹁ト﹂を讃明し得たりと。山原、黒川は三六例の帯下主訴者中陽性 は六例なりρ故に帯下主訴との間の關係はないと云つ、てるる。 余等に於ては帯下キ訴患者は然らざる者より膣﹁ト﹂陽性度高きを認めたり。 第八節 陽性者と帯下主訴 次に据膳﹁ト﹂保有者が如何なる程度に帯下を訴ふるかを調査したる虞,第九表の如き成績を得たり帥ち陽性者一五三名中 帯下を訴ふるは四六轟轟ち三〇%に於て認められたり。換言すれば膣﹁ト﹂保有者の七〇%は幣下を主訴とする程の帯下に關 する病朗障碍なしと云ふを得べし。三宅は膣﹁ト﹂を保有する多くの者に於て帯下を訴ふると云ふも此等に顧ては然らざり き。 第九節 臨床診断と膣﹁ト﹂との關係 從來臨床診断と膣﹁ト﹂との野鶴に就いては、報告者によb/多少の差異有り。本邦に於て早島は子宮獲育不全と妊娠に多 く,之は膣﹁ト﹂が軽軽機能に關係有る爲なりとなし、谷口は膣炎に最多、次は子宮畿育不全、妊娠に多い故三宅と同意見に ・して、・其他橋爪も同様の成績を上げ、山原黒川も卵巣機能不全及び子宮獲育不全に多しと、松田も亦子宮磯育不全及び炎症 性疾患に多・しと叙べて居る。55 % 第九表陽性者の幣下
欄例釧瓢薯1
30.0 46 153 第十表 臨床診噺と膣「ト」 名1調査敷}陽性数i陽性 病舘器蛤邸粥髄帆肪器 鋤M幡 o爲
333221正11111
1 ∬ 25 11 16 3 11 2 冒ゐ 86@4 8 0 7
30 6 16@43 65 17 72 16 8 649 36 76 4 60 炎 膣 子宮筋腫 子宮周園 炎膀胱炎
子宮附馬 器炎 流 産 子宮頸管 カタル陰唇炎
卵藁嚢腫 妊 娠 子宮螢育 不登 子宮後屈子宮癌
其 他 余等の弁才の調査は第十表の 如き成績を示したり。帥ち膣炎 の患者三〇例の中十一例陽性が 最高率にして三六・七%、次位は 子宮筋腫六例中の二例の三三% なるも之は例数飴りに少なけれ ば論ずるに足らす、子宮周園炎、 膀胱炎、子宮附石器炎、流産、 子宮頸管加答見、陰唇炎、卵巣 嚢腫,妊娠、子宮磯育不全、子宮後屈、子宮癌の順なり。 膣炎と膣﹁ト﹂との上士は口9Φ口①が﹁トリコモーナス﹂膣炎なる特殊性膣炎の存在を創唱してより常に論争の中心となり 第十一表 老人性膣炎と陵性調査敷1陽性敷」陽性摩
33.3 6 .18 虫口岡●阿部昌膣﹁予リコモーナス﹂の臨⋮床的観察 たるものなり。余等の結果は上記の如く膣炎患者に於て最高率を示したり。余等は此の膣炎の中より更 年期以後に來る所謂老人性膣炎につきて其陽性率を見たるに第+一表に於て示すが如く六例陽性三三% なるを知れり。 省全膣﹁ト﹂保有者の一五三例と膣炎を惹起せる者一一例に就いて比較したるに、僅々全保有者の一割 にも足らざるを知れり。 閑Φ巳窪は三歳の小見の膣炎に於て膣﹁ト﹂を誰明せりと云ふも余等は一例もか玉る症例に遭遇せざり き。 =9Φコ⑦及び其の一派は膣コトLは其存在により定型的の﹁トリコモーナス﹂膣炎を惹起するとしたる も、数等の結果は上述の如く全く之に相反する成績を得膣炎を惹起するは保有者の極一部に過ぎざる事 第六巷 三七七齢 士ロ岡●阿部口腱﹁トリコモ噌ナス﹂の臨⋮床的襯察⋮ 第六巷 三七八 .判 セせり。 子宮磯鶏不全と膣コ下しとの關係に就きても一般には亡者聞に因果關係有りと認められたる歌占に有るも余等は三六例の子 宮獲育不全患者中四例即ち=%の陽性率をしか得す、之によって見るに虚者の聞に關係有りとは思はれす、むしろ他の炎 症牲疾患に於て陽性者多きを見たり。 打越は子宮癌患者五例中三例に於て膣﹁ト﹂保有せるを見たりと云ふも、余等は四例の子宮癌患者に於て一例もか玉る陽性 なる例を得ざりき。 妊娠と膣﹁ト﹂に蝕しては、或は關係有り特に妊婦に多しと無し、或は少なしと云ふも、面上は前述の如く特別に多しとも 亦少なしとも考へられす。 要するに特別に何れの疾患に多しとは衝言する事を得す。
第五章 病原性に關して
﹁トリコモーナス﹂の病原性は、之が寄生する塵の動物により其程度量なり、或種の動物に於ては杢く無害なるも他の動物 殊に牛に重ては著明の病原性有るが如く,往々地方的に見らる撫牛の流産等は專ら﹁ト﹂によると云はれ、最近玉木,鯛瀬は この牛の﹁ト﹂の純培養に成功し.之が感染試験に於ても確實に病原性有るを磯表せウ。 膣﹁ト﹂は国。冨器により始めて其病原性が稽へられたり。彼が病原性を提唱せるは、下の如き墨蹟による。帥ち從來淋 菌とは關係なくして不明の膣炎を認めたりしが斯る者に於ては膣コトLを常に保有するものにして、膣コトしの療法を行へば治 癒し、膣炎の再畿の際には膣コトしが現れ、此の露塵内細菌状態は膣炎及膣﹁ト﹂に無關係にして、膣コトL少激の際も紐帯下中 の白血球は多しと云ひ、この定型的の膣炎の際には帯下は泡沫性,膣壁は特有の畿赤、慶燗を呈するものとし、故に膣﹁ト﹂ は病原性有りと稽したり。此磯表以來多数の賛同者を見たり。 されど他方に於ては非病原性論を構ふる有り帥ちω。芹oa臼ロ・Hb①。。2を始めとして、之に直する派は曰く,膣﹁ト﹂は一57 般には膣清輝度悪き者に於て陽性率高きも、必ずしも之によりて膣炎を惹起せす、膣炎の馬鞭により膣内細菌の良好なる歌 態に攣化する鮎より、膣﹁ト﹂は膣炎の原因に齢すして他の紬菌によりて膣炎起り其際に膣﹁ト﹂の繁殖を促すに過ぎすと。 本邦に而て病原性を肯定するは大賀、青地、三宅等にして幅島、山原、黒川等は病原性を認めざるが如し。 余等が余等の検査の結果よ.り病原性に幽し考察を加ふるに、先づ膣炎との關係は、前世の如く陽性者にして膣炎を認めた るは手具.性の一割にも足らす。膣炎の診断を下したる患者の中、膣﹁ト﹂保有者は三六%にして、著明の關係有りとは考へら れ歩。されど帯下を主訴とする者は然らざる者に於けるよ葡約三倍に於て膣﹁ト﹂を保有する事多望鮎より見れば﹂帯下と膣 ﹁ト﹂とは一定の因.果關係有る事は確實なるべし。 省余等の實験例に於ては膣炎の診断を下、・ご野りし陽性者に於ては、所謂﹁トリコモーナス﹂瞳炎の症候は殆んど認められざ りき。然るに膣炎の患者にして膣﹁ト﹂を保有する者に於ては其多くの例に於て定型的﹁トリコモーナス﹂膣炎の症欣を呈し、 一見して膣﹁牛﹂の存在を決定し得る程度なりき。然も斯る際には膣﹁ト﹂の除去により膣炎は速かに全治するを見たり。 以上の成績より綜合するに、膣﹁ト﹂は人類婦女子の膣内に病的状態に非すして寄生する事有り、然して被管生者はか玉る 際何等の病的障碍を受けす。然るに若し瞠内に鞭て膣清浮度低下し、加ふるに膣コトL繁殖に好都合の状態となり、此の際膣内 の抵抗の減弱せる場合には、一見病的と思はれる膣炎の痙欣を呈するも余等は之を以て病原性なりと一概に論ずる能はす。 且其抵抗力減弱は、膿質異常、卵巣機能不杢或は高鷲酸度の低下せる場合等と云はる玉も、余等は其等の何れとも考へら れす。 膣﹁ト﹂の尿路系に於ける病原性も亦一部學者の認むる所にして、本邦に於ては三宅之を是認せるが如し。余等の例に於て は第十表に示すが如く、膀胱炎の診断を下されたる患者四三例中一一馳例言ち二五・六%に於て膣内に﹁ト.リコモーナス﹂を保 有せるを見たり。此の一一例に就き其導尿々により零したるも之等の総てに於て﹁ト﹂を認め得す諸﹁トリコモーナス﹂を認め 得たるは三例なりき。然して此の三例中の二例は通常の膀胱炎の療法を行ぴたるも快方に向はざりしが、膣﹁ト﹂の療法によ り直ちに患者の自署症の治癒せるものなり。か玉る貼より考ふれば,膣内に多数の﹁ト﹂の存在する場合には、男性に比し甚 由倒岡.阿部、U噛陶歯コトリコモーナスしの臨床的翻側察 第山ハ雀 三七九
58 吉岡・阿部H膣﹁トリコモーナス﹂の臨床的襯察 第六巷 三八○ しく短かき女性尿道を維ての膣﹁ト﹂の上昇性感染は當然有り得べき事なるもこれが直ちに病原性とはならす、此の際も膣炎 と同様にコトしが病原性を呈するは尿路系の抵抗の減弱なる事亦必要なる條件なりと信ず。 膣﹁ト﹂は叉産褥に關係有りと稻ふる人有るも薬量は膣﹁ト﹂保有患者の分娩及び産褥に於て膣﹁ト﹂が病原性を爽寵せりと考 へらる玉一例を広見ざりき。省弁韓の患者につき膣分泌物を分娩後.一ケ月にして識したる蔑むしろ分娩後には膣﹁ト﹂の浩失 を見たり。 三宅は亦バルトリン氏腺炎の患者の膿汁中に多数の﹁ト﹂を認めたりと云ふも余呉はか護る例に遭遇せざりき。 流産患者一七例中三例に於て膣﹁ト七陽性なりしも亙れが膣﹁ト﹂により惹起されたり老は思惟する能はす。 bd①巳2は病原性は膣﹁ト﹂の大なる程強しと云ふもか玉る事解も維験せざりき。
第六章 治療法に關して
最初口。胃9δは膣﹁ト﹂の療法として,〇二%昇乗による膣洗世一〇%の禰脚砂或は曹達﹁グリセリン﹂を塗布する法を磯表 したり。其後、種々なる療法褒表せられ枚基に逗なし。 余等は膣コトL保有者にして治療を必要と認めたる四五例に就て下の如き種類の療法を試行したり。 ︵一︶﹁デベガン﹂錠、﹁デベガン﹂錠は最近﹁バイエル﹂画工より磯費せられたるものにして、膣﹁ト﹂には特効的に奏効するの みならす、匡Φ貯NU器嵩は絡ての帯下に用ひて良効を得たりと云ひ、本邦に去ても橋爪、山原、黒川、谷口其他により膣 ﹁ト﹂に謝し著明の効果を認められて居る。 移植も亦第十二表に示すが如く一六例に於て使用したる所其総てに於て全治し、早きは三日後遅くも十日後には膣帯下中 に膣﹁ト﹂を見出し得ざりき。 余等の行ひたる方法は、膣内を綿球にて可及的清拭し、其直後に一一三錠の﹁デベガン﹂を町内深く挿入し、これを﹁タン ポン﹂にて押へ、殊に膣怪き者に於ては挿入後+二時間位﹁タンポン﹂を抜去せざる標申し置きたり。官等は患者自身には決・59
第+二表
湯釜羅暴欝聴即1
Bofsi urePoM
0.5%雌1 chsaure− 16sug アーキv クローム Deveg3n. 5i 46 2 1 6q
33@13 4 1 2 0 1 0 2 4晶 1 0 13@6 7
唄、、
16實瞼
例敷
16@0
治 治 全 不 吉岡・阿郡n膣﹁トリコモーナスしの臨床的襯.祭 して藥剤を渡さfりき。かくして毎日同様の事を繰返したり。 縛ての例に於て次第に膣分泌物の清浮度同復し、膣炎の症歌も無くなり、好結果を得たり。 ︵一一︶﹁マーキュロクローム﹂を使田川せる月例 此の方法を行ひたるは二例のみにして、二例中一例は全治一例は不治な狂き。 方法は軍に全膣壁に﹁マーキュロクローム﹂を塗布するのみなり。 この.方法により良結果を得たりと云ふ人有るも余等は饒り感心せす。 ︵三︶0・五%乳酸液で膣洗のみを行ひたる例 これを行ひたる一三例中六例は全治、七例は不治にして,効果を上げ得す。 ︵四︶コポムLを使用せる例 之匠﹁マーキュロターム﹂と同様に土壁に塗布したり。但し之を行へるは僅々一例なれば論ず るに足らす。然しながら﹁ボム﹂によれば輕度の刺戟症歌有るが如し。 ︵五︶結晶性棚酸を使用したる例 之を行びたる六例中二例全治,四例不治にして効果左認めす。 ︵上ハ︶﹁エーテル﹂乳酸法 之は頴oo窪誌により創められたる方法にして、﹁エーテルし及乳酸の混合液を膣壁に塗布す る法なり。 此の法を使用せるは一例なれど刺戟性にして好ましからす。此の一例に於ては唯一同の治療 により全治せり。然れども此の際刺戟作用として膣粘膜を腐蝕する事甚しく且使用時の苦痛も 相當に俘ふので慮用に不適當と思ふコ ︵七︶滅菌浮鯛水を以て膣洗のみ行ひたる例 第工認識 三八一60 吉岡・阿部11膿﹁トリコモーナス﹂の臨床的擬察 第六巻 三八二 之は他の療法に封ずる締鯖の意味を以て施行したρ。製剤を用ぴす軍に浮鯛水を以ての膣洗のみにより治癒するものに非 すやとの見地より試みたるものなるも、施行せる二例は頻同の樋洗彼膣﹁ト﹂陰性となりたれど、之のみにて治癒せしめる事 は長時日を要するのみならす、膣清浄度仲々良好とならす。 ︵八︶﹁プロタル.コール﹂を使用したる例 之は輩に﹁プロタルゴール﹂の﹁タンポン﹂を行びし例にして、施行例五例中全治せるは四例、残り一例は不治なりき。 以上の中﹁デベガン﹂以外の藥剃により膣﹁ト﹂の沿失せざる便宜上不治としたる例も﹁ヂベガン﹂を用ひたる麗始めより﹁デ ベガン﹂を使用せると同様に著効を得たるものなり。 要するに余煙の膣﹁ト﹂治療實験の結果は、﹁デベガン﹂のみ民事例数も多く且成績も良好にて信ずるに足り、使用法も簡軍 使用時の副作用もなければ、吾人の最も賞用するものなり。
第七章 結
酪商囲 余等は外來患者一〇五六名に於て膣﹁ト﹂の陽性率を調査し、之が生物學的、臨床的,統計的観察の結果左の如き成績を得 たり。 ︵−︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ 膣﹁ト﹂は冬季に於けるより夏季に於けるが比較的大なり。 活淡に蓮動ずる蓮動型の他に少数の静止型を認めたり。 伸頻度は一〇五六例中一五=⋮例邸ち一四・閲H%な恥リ。 季節と陽性率は密接な關係はないが、概して夏季に多し。 年齢と膣﹃トしとの關係は特別に認められす。 生活程度とは關係なし。 膣﹁ト﹂の妊婦,非妊婦に凱.する關係は、非妊婦が妊婦より陽性率梢高きも、特別の差は認めら、れす。︵8︶ ︵9︶ ︵0ユ︶ ︵11︶ ︵21︶ ︵31︶ ︵14︶ 膣﹁ト﹂は妊娠月数と關係なし。 未産婦及び経産婦を比較するに、未産婦に於て陽性率梢高し。 帯下を野駈とする者と然らざ暗者に於ては,前者に煮て膣﹁ト﹂陽性傘後者より三倍高率なるを知れり。 陽性者の三分の一に於て帯下を訴へたb・。 臨床診断上特別に子宮獲育二七等との關係なく、何れの疾患に特に多しとは云ぴ得す。 余等は膣﹁ト﹂保有者の極少数例のみに於て病的症歌を呈せるを見たる巷、病原性有りと断言出來す。 治療法.としては﹁デベガン﹂錠を最上と考へる。 欄筆に臨み恩師堤教授の鞍擦御懇篤なる御要燵、御校閲、並びに寄生最學教室田宮教授の御調心なる御指導、尚材料をお 與へ下さいました讐局員諸姉,細菌學教室諸姉に厚く∼、感謝の意を表す。
聾曲 掃鞭⋮
61 目︶蟻騒肛目鳩﹁プ鴫口串i斗メ﹂丹後戦勢ぴ瀬霧雪㊦一さ日鶏認摯燭馴四・目㊤c。G。盆︸.圏薩b9薄・ b9 オ織無徳”弼︼蟄蕎團一︸早8げ。筥。gu・げ。三ψσq①巳£騨㊦蝉画面漁場臨π准謙二才㌣ハ。ぐ・^り宣告晦櫻溝誹︸違b。O銀鼠目配・ .こ。︶莇ロ喘壇一﹁ゲ鴫口串i馬,N﹂瞬濠島﹃︵海誌面確︸、∩O︵’^一ロ易畿﹀摯耀助雲離ゴ梱こ。O薩Ψ州庁譲・ 膳︶讃﹀一梱︸﹁7喝]串i斗メ﹂誘濠㊦懸弟’鰍摯関数﹀豪気じ。勤評O瀞知繋刈薄● 駆︶劃舘蠣“勢望講﹀㊦睡﹁﹃㊦蛮闘”繍糖蜜戴盛典﹁マ﹂㊦嬉蹴謹言諜強滞灘㊦茎落第﹁7﹂π翼蒐叫遡磯”辺嚇誼﹀摯潔麟潔誹”醤旨醗鴇 醤㎝薄● e圏旨”醤。。麗婁珊︸誘﹁ど伸爾蛎[鷺﹁項管譲﹀摯懐砂潔聲醤㈹り喰︸醤①器笥 .ご図レ醤蒔回難輿諜態鐘鋳曙n零q窪輯7﹂哉諮過労強踪丹耕飼雛㊦蒸醜璽愚轍聾皿赫誼﹀摯樫砂翼軍陣遷壷醤。。騨 ◎。 j図r﹃趣㎝画戴購”蟷懸醒、マL㊦誹ご罫里国口。玉川幽①旨轟﹁∩齢^︸田妥議﹀白歯吟桑灘℃慕b。り磯闇趣。。薄. o.︶コr[ご繋α禦彊聾誘﹁プ﹂伴賑ゆ藁弾㊦凶6礫﹁へ斗5購無陣㊦踊躍索罫溶謎湖静㊦細寮瀞鉢斯悔ロ婆識﹀勃︸樫吟揉罫零b。¢醗醤。。翻” ε︶鼓田i鰍ジ窪§。冨u・<鮮α。喜翫u。呂①㊦霧海蟄撃[瑚激壽墾違b。璃鉾震。。韓 士口岡・阿部巨資コト夏コモーナスしの臨⋮床的襯察 第山ハ巻 一二︷八↓二◎『艨D. 射ロ匿喧犠=鑓「ム昏醐一駅KjQ鹸蟹濫羅憲 翻く舶 .11iぐ.匡 11)三宅薫二郎,我國婦人に於ける Tr・vagi喚alisの襯察,..慶礁馨學,第14審,・.7號.. 12 三宅薫.二郎1Tr三cho皿onas vaginalisの病毒性並に治療に就て,慶磨馨學,第14巻,7號. 劫三宅薫二郎,.山田菊雄,男子尿rl・1(於ける. T・i・h・m・n・s aec索,慶曙學,第卑蜷,1’1號.. 14).・山原秀.,黒川不二男.,膣「.トリコモーナスに關する臨床的襯祭補遺1..名古屋讐學會雑誌,第43巻}3號・ 15) ・A. Hochlaff. rieue Wege’ @in’ der一・Trichomonasth’erapie, .Zetitrallb’latt f’. Gynak. 1929. 34i 16) Balkow, Zur Bedeutung der Trichomonas vaginalis als Erreger einer Kolpitis purulenta und der “unspecifischen” Urethritis beim・ Manne, mttnchener med’zinische Wochenechrift, 1935) Nr 9.’ 17)Doflein F. &1. Reichenow E. Lehrbuch d. Profpzoenl{upde, 1928i 5’ a’ufl. II Tei1 18)G・(G・Ilh・m, Di・B.・handl’ung:d・・T・i・11・皿・・a・va/gini.ti.s ・・it.Spi…id, Z・・t・・lbl. f・. Gy・ak.1929,43, 19)Hcinz. Dienz, Beitrag.加r Fluortherapie. mi・t Devegab, Z. B. G.1935, Nr..9一[’ 20) Heinz Wittfogel, Die’ Zuchtung von Trichomonas Vaginalis b6minis’und i.hre ttbertragung auf. kleine Versuchstlere一 Arch’iv f. Gynlik, 159 Band, 5 Heft 21) Matya’s Ma’tya’s,’ Cholevaltnbletten in d. Behandiung d. Trichomonas Kolpitis bei Gravidit5t, Z. B. G. 1935, Nr 16, 22) Wilchelm Bende一. Biologie d, Trichomnas bominis, Archin f. G, 159 Band, 2・ Heft, 23) VL’erbatus inpd Kritschewsky, Die Behandlung der trichoinonalen Vulrovaginitiden mit amrnoniaksilbersalz−16sung Archiv f. Giynak, 160 Band, 1 Heft,
Bd. VI. Ht. 4.
UEBER DIE KLINISCHE
BEDEUTUNG
DER TRICHOMONAS VAGINALIS
Von
FRL. DR. KAORU YOSIOKA
Und
FRL. DR. CHIKAI ABE.
Aus der Gynaekologischen Klinik (Vorstand: Prof. Dr. T. Tsutsumi) &
dem Parasitologischen Institut (Vorstand: Prof. Dr. S. Tamiya)
der Tokyoer Medizinischen Hochschule fuer Frauen.
Bei ] 056 Frauen, die von Januar bis Oktober 1935 unsere Klinik besucht hatten, wurde die klinische Bedeutung der Trichomonas vaginalis untersucht, die Resultate davon sind wie folgt;
1) Trichomomts vaginalis war in 1404.% gefunden und zwar im Sommer etwa~
haeufiger als im Winter.
2) Die Haeufigkeit des Nachweises der Trichomonas vaginalis ist unabhaengig vom Alter und der Standeskla5se der Patientinnen.
3) Bei den Schwangeren waren Trichomonas vaginalis, wie auch bei den Nichtschwangeren, fast gleichaeufig vorgefunden. Die Haeutigkeit war nicht verae-ndert in den einzelnen Schwangershaftsmonaten. Bei Nullipara etwas haeufige(als bei Multipara.
4) Bei den Patientinnen, welche neber den Fluor klagten, waren Trichomonas vaginalis ungefaehr dreifach haeufiger als bei sonstigen. Ein Drittel der Patienti-nnen, welche Trichomonas vaginalis trugen haben ueber den Flnor geklagt.
5) Wenn auch die Trichomonas vaginalis am haeufigsten bei der Kolpitis nachgewiesen waren, war es doch schwer zu entscheiden, ob die Entzuendung durch die primaere Invasion der Parasiten bedingt oder die dabei nachgewiesene
Bd. VI. H t. 4.
monas vaginalis von sekundaerer Natur waren.
Was die Pathogenitaet der Trichomonas vaginalis anbetrifft, koennen wir noch nichts entscheidentes sagen.
6) Durch Deveganapplikation verschwinden die Trichomonas vaginalis in kurzer Zeit fast voellig.