て
その他(別言語等)
のタイトル
Die Schickschuld nach der Reform des
japanischen Zivilgesetzbuch
著者
熊田 裕之
著者別名
Hiroyuki KUMATA
雑誌名
東洋法学
巻
62
号
3
ページ
117-135
発行年
2019-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00010345/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止《 論 説 》
債権法改正後における送付債務概念の有用性に
ついて
熊田 裕之
序―問題の提起 持参債務・取立債務・送付債務の分類(以下、「三分類」という。)は、種類 債務の特定の方法である「債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し」 (401条 2 項)たのはいつかの判断枠組みとして用いられ、その判断の結果は、 現行民法上、危険負担の移転時期に直結している(534条 2 項)。三分類は、わ が国の現行民法に直接的な根拠はないものの、学説上、危険負担の移転時期の 解釈に実益があると考えられ( 1 ) 、古くから通説として認められている。 その危険負担に関し今次の債権法改正において抜本的な変更が加えられるこ とになった。まず債権者主義を定めた534条(及び同条を前提とする535条)が 削除され、双務契約すべてにつき当事者双方の責めに帰すことのできない事由 によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の 履行を拒むことができることになった(改正民法(以下、「改正」と記す。) 536条 1 項)。ただし、売買契約については、売主が買主に目的物を引き渡した 時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰すことのできない事由によって滅 失又は損傷したときは、買主は代金の支払を拒むことができないとされ、対価 危険の移転時期が目的物の引渡時に改められることになった(改正567条 1 項)。 三分類、特に送付債務概念は、後述するようにドイツ民法学に倣ったもので ある。ドイツ民法は、446条 1 文において、我が国の改正567条 1 項と同様、売 買における対価危険の移転時期を引渡時とするが、送付売買については447条 1 項において、売主が買主の要求により目的物を履行地以外の場所に送付する場合は、運送業者に交付した時に対価危険が買主に移転するとの例外を定めて いる。この送付売買における売主の債務が送付債務の典型例とされていて、そ れに倣って我が国においても送付債務概念が形成されたのである。ところが、 わが国の改正民法は、売買における対価危険の移転時期について、ドイツ民法 と同様、引渡時とする規定を新設したものの、ドイツ民法と異なり送付売買に 関する規定は設けなかった。こうした差異があるにもかかわらず、改正民法の もとでも依然として送付債務概念を解釈として維持する有用性がはたしてある のか。 本稿では、以上の問題意識から、従来の送付債務概念を振り返ったうえで、 債権法改正後における送付債務概念の有用性について若干の検討を加えるもの である。 第 1 章 「弁済をすべき場所」「履行の場所」「履行地」概念の異同 Ⅰ.「弁済をすべき場所」「履行の場所」「履行地」概念の異同 従来、三分類の基準となる場所を表す用語として「弁済をすべき場所(又は 弁済の場所)」、「履行の場所」、「履行地」が、明確に定義されず、区別なくあ いまいに用いられてきた。多くの文献において、これらは全く同一の概念であ ることを当然の前提として、三分類の説明文の中で、何の説明もなく各用語が 言い換えて使われている。そこで、送付債務概念を検討する前提として、三つ の用語の意味及び相互関係を以下において明らかにする。 三つの用語のうち現行民法で用いられているのは「弁済をすべき場所(484 条。なお、同条の見出しは「弁済の場所」。)」と「履行地(403条・495条 1 項・507条)」だけであり、「履行の場所」は使われていない( 2 ) 。 しかしながら、現行民法の立法史をひも解いてみると、484条は、当初の法 典調査会原案では「第三編債権第 1 章総則第 2 節債権ノ効力第 1 款」中の405 条として提案され、条文の文言も「債務ヲ履行スヘキ場所」との表記になって いたものが、その後の審議において、履行と弁済を区別して規定する理由がな いとして「弁済」の款に移されたことによって文言も「弁済ヲ為スへキ場所」
に改められたものにすぎない。内容的に変更が加えられてものではない( 3 ) 。 つまり、現行民法の立法者は「履行すべき場所」と「弁済をすべき場所」は 同じ意味のものと考えていたのである。学説においても、弁済は債権消滅原因 から表したもので、履行は債務者がなすべき行為の過程から表したものであ り、視点が違うだけで同じ意味の用語であると解釈されているので( 4 ) 、「弁済 をすべき場所(弁済の場所)」と「履行すべき場所」は同じ意味であるとの理 解においては異論がない。 一方、「履行地」については、民法で使われている意味と、三分類で使われ ている意味との間に齟齬がみられる。民法上の「履行地」とは、履行すべき場 所、すなわち弁済をすべき場所を含む(管轄する)最小の行政区画(例えば市 町村)である( 5 ) 。つまり、民法上の履行地は、履行すべき場所より広い概念で あり、履行すべき場所そのものではない。 しかしながら、従来、通説は、履行すべき場所を履行すべき土「地」である と考え、単純に「履行すべき場所」=「履行地」と読み替え、したがって弁済 をすべき場所=履行すべき場所=履行地と理解し、三者を同一内容の概念とし て使用してきたのである( 6 ) 。 以上のように弁済をすべき場所(又は履行の場所)と履行地は同じ意味では ない。本稿でもその差異を認識したうえで検討を進めるが、過去の学説の検討 においては説明の便宜上、各論稿で使用されている「履行地」を使用すること にする。 Ⅱ.給付行為地と給付結果発生地の区別 送付債務概念を論ずる際に、三分類の基準となっている弁済をすべき場所に おいて、債務者は給付結果を発生させる必要があるのか、それとも給付行為を すれば足りるのかが、ドイツ法理論を参考に特に特定の時期との関係でわが国 でも議論の対象とされている。わが国の現行民法484条に相当するドイツ民法 269条は、給付地(Leistungsort)は、特約又は事情、特に債権関係の性質に よって定まらないときは、債務者の住所であると規定する。一方、送付売買に
関する447条 1 項では履行地(Erfüllungsort)という用語が使われているが、両 者は同じ意味だと解釈されている( 7 ) 。 さらに、給付地=履行地は、給付行為地のことであり、給付結果発生地 (Erfolgsort)とは異なるものとされ、給付行為地と給付結果発生地を区分する ことがドイツ民法学において送付債務概念を生み出すことにつながっている。 すなわち、持参債務の場合、給付行為地と給付結果地はともに債権者の住所で あり、取立債務の場合は債務者の住所であるが、送付債務の場合には、給付行 為地は債務者の住所、給付結果発生地は債権者の住所となり、両者が分離する のである( 8 ) 。 我が国においても、通説は、三分類の基準となっている場所を給付行為地と 解してきた。債務者が給付をするのに必要な行為を完了したした時に特定する のであるから、その場所はおのずと債務者が給付行為をすべき場所、すなわち 給付行為地となる。したがって、弁済をすべき場所(484条)=履行地と解す るなら、弁済をすべき場所=給付行為地となる。 この見解に対して、弁済の場所(484条)は給付結果発生地であるとする見 解( 9 ) が主張されているが、この説も、弁済の場所と特定の場所は法的性格も利 益状態も異なるので両者を区別して考える必要があるとし、送付債務の場合に は、特約がない限り、債務者が第三地又は債権者の住所地に向けて目的物を発 送した時に特定が生ずると解している(10) 。 第 2 章 送付債務概念の検討 ―種類債務の特定及び危険負担との関係 Ⅰ.送付債務概念前史 1 .旧商法 明治23(1890)年に公布された旧商法318条は、「債務者ノ負擔セル送付ノ義 務ハ債権者ノ指定シタル運送場若シ一定セサルトキハ適當ノ運送場二交付スル ヲ以テ之ヲ履行シタルモノトス」と定め、又、同条を受けて320条本文は「別 段ノ契約ナキトキハ債務ノ目的物ノ送付ハ債権者ノ危険二於テ之ヲ為スヲ通例
トス但債務者カ自己又ハ使用人ノ過失二付テ負フ責任ハ此カ為メ二妨ケラルル コト無シ」と定めていた。送付義務を負っている債務者は、債権者が指定した 運送場(例えば汽車で送付する場合は停車場、汽船の場合は波止場等)、指定 がない場合には適当な運送場で目的物を交付すれば、義務を尽くし履行したこ とになり、その後、運送中に目的物が債務者の責めに帰すことができない事由 により滅失損傷した場合、それによる危険は債権者が負担しなければならない とされていた(11) 。 しかし、旧商法のこれらの規定は、明治32年公布の商法には受け継がれな かった。 2 .現行民法法典調査会における梅起草委員の説明―隔地者間発送主義説 現行民法401条 2 項は、第78回法典調査会において起草委員から修正案399条 2 項として追加提案されたものである。梅起草委員は、「当初、特定に関する 規定は格別必要がなく、それがなくても済むであろうと考えていたが、危険負 担等の問題があるので特定に関する規定がないと実際大変困ることになる」旨 を提案理由として述べている。危険負担の問題を念頭に置いて特定に関する規 定が設けられたのである。 そして、梅委員は、隔地者間の取引において債務者が債権者に物を送りだす 場合に、債務者が給付をなすに必要なる行為を完了したといえるのは発送の時 か、到着の時かの問題設定をしたうえで、「発送すれば債務者は既に自分の行 為に属することを総てなし終えて、それから先はうっちゃっておけば当然債権 者に届くべき有様にしておけば、特定したと言って差し支えがないであろう」 と述べている。さらに、債務者がどの程度の行為をすれば特定が生じたといえ るのかとの高木豊三委員からの質問に対して、梅委員は、個人的な見解である と断りながら、「債務者が遠方に荷物を送る場合、荷造りをして店に置くとか 車に乗せただけでは特定せず、運送会社の手に渡してしまったり船に積み込ん だりした時、つまり、発送者の手を離れた時に発送者である債務者は給付をな すに必要な行為を完了したといえる」と答えている(12) 。
梅委員は、著書においても、隔地者間取引においては、債務者が目的物を発 送した時に給付をなすに必要な行為を完了したといえるとして発送主義を採用 したものであると明言している。その理由は、「元来債務の履行なるものは債 務者の行為であり、債権債務は債務者の行為を目的とするものである。隔地者 間の取引においては債務者が直接債権者に引き渡すことができないので、債務 者は運送業者の力を借りて送付する必要がある。この場合、目的物を送る債務 者の行為としては、発送が最後の行為であって、その後には最早債務者の行為 はない。発送の時に特定により不特定物は特定物になる」からである(13) 。 ただし、梅委員は、債務者が自己の雇人を使用して目的物を運搬させた場合 は、発送によって特定しないとする。なぜならば、雇人は畢竟債務者に代わっ て運搬する者であるから、債務者自身が運搬する場合と異ならならないからで ある。雇人をして運搬させた場合には、目的物が債権者に到達してはじめて給 付を為すに必要な行為を完了したとするので(14) 、運送機関により隔地者に送付 した場合に限って、発送により特定すると解したのである。 Ⅱ.送付債務概念登場後 1 .履行地区分説(15) 民法施行後しばらくして、債務者が給付をするのに必要な行為が完了したか どうかは、債務の内容、とりわけ履行地によって異なるとして、債務を持参債 務・取立債務・送付債務に分けて特定の時期を説明する学説が主張され始め た。その嚆矢は横田秀雄博士であり、石坂音四郎博士がそれを確証し、通説を 形成していった(16) 。 履行地区分説は、まず、当然のごとく、履行地の別なく目的物の発送により 特定するとする隔地者間発送主義説を批判した。まず横田説(17) は、持参債務の 場合、債務者は債権者の住所において履行を提供すべき義務があり、鉄道、船 舶その他の運送方法は、その義務を履行するために利用するものに他ならず、 目的物を履行地に運搬して債権者に引き渡すまでの行為は、債務の履行として 債務者のなすべき当然の義務に属すものであり、運送人に託しただけではこの
義務を尽くしたことにはならず、このことは、債務者が自己の使用人をして運 送する場合であれ、運送業者をして送付する場合であれ、異ならないと主張し た。 石坂説(18)も、隔地者間における売主の債務が持参債務である場合、目的物の 到達により特定することは、484条が特約なき限り債権者の住所をもって履行 の場所と定めていることの当然の結果であるとする。 送付債務について横田説(19) は、債務者の住所において履行すべき債務につき 債務者が、債権者の指図に従い運送の方法をもって目的物を債権者の住所に送 付する場合には、債務者は送付のため目的物を運送人に託すると共にその義務 に属する行為を完了したということができるので、目的物は発送によって特定 すると解した。横田説は、送付債務を本来取立債務である場合に、債権者の指 図で債権者の住所の送付する場合に限定している。 石 坂 説(20) は、 送 付 債 務 を 債 権 者 の 希 望 に よ り 履 行 地 以 外 の 目 的 地 (Bestmmungsort)に給付の目的物を送付する場合であると定義づけ、目的地を 債権者の住所に限定していないが、横田説と同じく、この場合は、目的物の発 送、すなわち運送業者に目的物を引き渡した時に、債務者は給付をするのに必 要な行為を完了したといえるから、特定すると解する。 横田説及び石坂説における送付債務概念は、ドイツ民法447条 1 項に倣った ものである。石坂説は、わが国の民法にはドイツ民法に相当する規定はない が、ドイツ民法もわが国の民法も特定の時期についてイエーリングの主張した 交付主義によっているのであるから、我が国の民法にドイツ447条 1 項に相当 する規定がなくても同一に論ずることができる、と根拠づけている(21) 。 2 .履行地区分説―送付債務区分説 さらに大正期以降、送付債務を類型に分けて特定の時期を論ずる見解が現れ た。最初に送付債務を、送付が義務による場合と好意による場合に分けたのは 鳩山説である(22) 。 鳩山説は、送付債務を債権者及び債務者の住所以外の第三地に物を送付すべ
き場合とする。そして、債務者が物を義務として第三地に送付する場合は持参 債務と区別する理由がないので、第三地における現実の提供により特定する が、債権者の希望により債務者が好意で送付する場合には物を発送した時に特 定を生ずると解する。以後、送付が好意か義務によるものかで送付債務の特定 時期を分ける鳩山説が学者の支持を集め通説となった(23) 。 3 .履行地区分否定説 三分類と履行地との関係を否定し、送付債務を履行地とは異なる基準によっ て定義する見解が主張されている。ただし、その基準の相違により見解が分か れている。 ( 1 )送付債務=隔地者間送付説 送付債務概念を肯定しながらも、梅起草委員の見解と同じく送付債務を隔地 者間取引に限定する中島玉吉博士の見解である(24) 。中島説は、債権者の住所以 外の地に向けて送付する場合を送付債務とする説に対して、次のような疑問を 呈している。第 1 に、履行地が債権者の住所か、それ以外の第三地かで持参債 務と送付債務を区別する基準は甚だ機械的で法律上の意義がない。第 2 に、持 参債務の場合でも債務者が運送人を介して目的物を送付することがあるので、 送付の有無で送付債務と持参債務を区別することはできない。第 3 に、給付を なすに必要な行為が完了した時とは、履行の提供をすることであるから、送付 債務の場合でも、目的地で履行の提供を要する場合もあるので、一概に送付債 務の場合は発送により給付をなすに必要な行為を完了したと解するのは誤りで ある。以上の理由により、中島説は、送付債務を、債権者の住所地なると否と を問わず、甲地から乙地へ運送人を介して目的物を送付する、いわゆる隔地取 引であると広く解する。そして、隔地取引においては、債務者が目的物を選定 しこれを運送人に交付し発送した時に特定すると解する。その根拠について は、運送人を介して目的物を送付する債務においては、運送人に託するまでの 行為は債務者がしなければならないのは当然であるが、債務者には交付以上の
権能はなく、運送人を監督する手段を持っていないので、発送の時を限界とし て危険が債務者と債権者に分けられるのである、と説明している。 ( 2 )占有喪失説 送付債務においる特定の時期を、履行地とまったく無関係に、送付による目 的物の占有の移転により判断する説に岩田説(25) がある。この説は、危険負担に おける債権者主義の根拠を目的物の事実上の支配、すなわち占有が債権者に移 転したことと解したうえで、送付債務の場合、債務者が目的物を独立した運送 業者により発送した場合、債務者は目的物の占有を喪失するから、もはや危険 を負担しなくてもよいと考えるのである。送付債務の場合、独立した運送設備 は、債務者の占有代理人でも債権者の占有代理人でもなく、独立した占有者で あるから、債務者は占有を喪失する。したがって、特定の時期は占有の移転に よって決定することができるので、履行地がどこかとは関係がないとする。こ の説は、後述する危険負担における引渡説につながるものである。 ( 3 )契約内容説 債務者が送付義務を負うか、それとも発送義務しか負わないかは、履行地で 決まるのではなく、契約内容によって決まるとする説である。 ①契約内容確定説―持参債務説(26) 通説の義務と好意による区別は不明確であるとして、債務者が送付義務を負 うか、それとも発送義務しか負わないかは、契約内容の確定問題であり、ま た、債権者の希望による場合は、好意ではなく、契約内容を修正する合意、す なわち契約内容の変更と考えるべきであるとの見解が主張されている。 その理由として、「好意」を示した債務者が「好意」を守らない場合、単に 「好意」にすぎないので何らの法的制裁を受けないとなってしまうのは妥当で はないからである。その結果、送付債務から好意による場合を除外し、送付債 務を「債権者の住所または第三地に債務者が目的物を送付すべき場合」、すな わち債務者が送付義務を負う場合として捉えることになる。特定の時期に関し
ては、民法が持参債務(484条)を原則としているので、送付すべき場合で あっても、別段の定めがない限り、持参債務と同じ扱いを受け到達によって特 定すると解する。 ②発送義務説(27) この説は、持参債務と送付債務の区別は、履行地と関係がなく、債務者が運 送義務を負っているか、それとも発送義務しか負っていないかの違いによるも のだとする。すなわち、持参債務とは、債務者が債権者の住所地又はその指定 する場所まで運送する義務を負う場合である(運送費用は債務者負担)。目的 地で現実の提供をした時に特定する。送付債務は、債務者は目的地(債権者の 住所でもよい)まで運送する義務を負わず(運送費用は債権者の負担)運送の 手配をすることのみを義務付けられる債務である。債務者の債務は運送の取次 で終了し、その後の運送は債務者の履行行為ではない。債務者は運送人に目的 物を引き渡せば特定したことになり危険が移転する。たとえ運送人の過失によ り運送中の目的物が滅失毀損したとしても、債務者には運送義務はないので運 送業者は債務者の履行補助者ではないため債務不履行ではないと解する。 4 .危険負担の面から構成する説―引渡説 特定の効果である危険負担の面から逆に特定の要件を確定する見解が主張さ れている。すなわち、目的物の事実上の支配が債権者に移転した時に危険が債 権者に移転するとの考えから、目的物の引渡しはその兆表であると位置づけ、 送付債務の場合にいつの時点で引渡しがあったかを判断する見解である。た だ、債権者主義の本質を所有権者主義と捉えるかどうかで異なった見解が主張 されている。 ( 1 )危険負担の本質を所有権者主義により捉える川村説(28) は、目的物が動産 の場合、引渡しによって所有権が移転するからその時に対価危険も移転すると の基本的立場から、送付債務の場合には発送によって引渡しが行われたことに なり、その時点で特定すると解する。こうした解釈を民法401条 2 項が倣った ドイツ民法243条 2 項の沿革から導き出している。すなわち、ドイツ民法243条
2 項の基となった第一草案214条 1 項前段が特定の時点の原則としていた引渡 主義は、第 2 読会において特定の時期としては修正されたものの、売買におけ る対価危険の移転時期を定めた現行446条 1 文の引渡主義の原則に堅持されて おり、そして、ドイツ民法では取立債務が原則とされているので、446条 1 文 の引渡主義が447条 1 項により送付債務に則して変形され、売主が運送人に引 渡して発送を託した時に特定が生じ対価危険が移転するのであると解してい る。つまり、447条 1 項の発送は引渡しの枠内のものであると考えるのである。 この説に対しては、そもそも所有権は移転していないが引渡しが済んでいる 場合に対価危険が移転するのかどうか明らかでないとのの疑問がだされてい る(29) 。 ( 2 )一方、危険負担を所有権の移転と切り離して構成し、特定の時期を引渡 時とする見解が主張されている。たとえば新田説(30) は、特定の基準を買主の受 取りを含む引渡しであるとし、送付売買の場合、売主が物を運送人に引き渡し た時に特定が生じ買主に危険が移転すると解している。 同じく危険の移転時期につき引渡説に立つ船越説(31) は、送付債務を「対等者 間の取引、例えば、売主がその商品の販売を業としない場合、また売主が商 人・非商人を問わずその売買が買主の営業に属する場合で、その商品が運送を 必要とするとき」に限定し、この場合、売主が運送人に交付した時に、売主は 運送人に交付することによって必要なすべての行為をなしたから危険が移転す るが、同種の商品を販売する商人から一般消費者が購入した場合で、その商品 が運送を必要とするときは、営業として一般消費者に運送を必要とする商品を 販売する以上、明確な特約がない限り、買主の住所に到達するまで売主が危険 を負担するのが正当だから、持参債務と解すべきとする。 特定と対価危険を切り離す見解として小野説(32) がある。特定は給付危険の問 題であるのに対し、対価危険は536条 1 項の給付の牽連関係、すなわち引渡し によって移転すると考え、送付債務では、売主が物を運送人に引き渡した時に 対価危険が移転すると解する。 この見解に対しては、特定と対価危険を切り離すことは、534条 2 項の文言
に反しているとの批判を受けている(33) 。 5 .送付債務概念消極・否定説 実は三分類肯定説が主張された当初から、三分類又は送付債務概念の必要性 を消極的に解したり、否定したりする見解も主張されている。 現行民法の起草委員であった富井政章は、日独民法の差異を直視して送付債 務概念を否定していた(34) 。すなわち、ドイツ民法447条 1 項は、ドイツ民法が 債務者の住所を履行地とし、売買における危険負担は引渡しによって移転する ことを原則としている関係上、債権者の希望により履行地以外の場所に目的物 を送付する場合には、債務者が目的物を運送業者に交付した時にその引渡しが あったものとみなして、危険の移転が生ずるものとする便宜的規定で特例であ るから、法律に明文規定がないにもかかわらず、それを認めることは妥当では ないと主張した。わが国の民法は、原則として債権者の住所を履行地としてい るのであるから、いわゆる送付債務は持参債務の一種として取り扱うべきであ り、債務者が債権者の求めに応じてその住所以外の場所に目的物を発送する特 約は、結局、その場所において受領することを約束したものであるから、債権 者の住所に向けて発送する場合と法理を異にするものではない。したがって、 その場所において現実の提供をしなければ特定が生じたとは言えないとし、送 付債務は持参債務として処理することができるので、あえて送付債務概念を持 ち出す意義はないと断じた。 債権者保護の観点から送付債務における発送主義を否定すべきとするのが磯 谷説である(35) 。すなわち、不特定物給付の場合、発送された品物がどのような ものであるのか具体的に了知する機会を有しない債権者をして、まったく不知 の間に貨物発送後の危険を負担させ、途中天災によってその物が滅失毀損した にもかかわらずなお代金を支払う義務があると解するのは、我が国の実際上の 取引観念に著しく背馳するものであるとの批判を送付債務に投げかけている。 持参債務と取立債務の区別には実益があるが、そこからさらに送付債務を区 別する実益性を否定する見解として鈴木説がある(36) 。同説は、送付債務のう
ち、債務者が目的物を第三地の送付すべき義務を負う場合には、第三地で現実 の提供がなされてはじめて危険が移転するので、履行地が異なるだけでほとん ど持参債務と同一の扱いになり、また、好意で送るにすぎない場合は、履行が 完了するのは第三地ではあるが、債務者が目的物を送付機関に託すれば危険負 担が移転するので一種の取立債務として扱えば十分である。したがって、持参 債務と取立債務は、弁済の提供の程度として、現実の提供が必要か、口頭の提 供で足りるかという差異があるので区別する実益があるが、その他に送付債務 という概念を建てることは、弁済の場所についての便宜的・常識的なもの以上 に大きな実益をともなうものではないと述べ、送付債務概念を設ける実益性を 否定している。 三分類の法技術的意味そのものを否定するものとして平井説がある(37) 。この 説は、危険の移転時期は、持参債務・取立債務・送付債務の分類を用いなくて も、弁済の場所によって当然に定まる問題であるので、持参債務・取立債務・ 送付債務の区別は、民法上とくに法技術的意味を有するものではないと解す る。 6 .送付債務に関する私見 送付債務概念は、持参債務をどう解するかにかかっているといえる。持参債 務は、債権者の住所まで債務者が目的物を持参すべき債務であり、債務者が目 的物を債権者の住所まで送付することは履行の準備の一方法にすぎない。債権 者と債務者の合意により債権者及び債務者の住所以外の第三地で履行すべきこ とが約束された場合は、履行地が第三地に変更になっただけで、債務者が目的 物を第三地に向けて送付することはやはり履行の準備の一方法という点では持 参債務と同じであるから、結局、持参債務は、債務者の住所以外の場所で履行 すべき債務と解すべきであり、送付義務は、当事者間で特に送付するとの合意 がない限り、債務者の義務としては発生しない。持参債務を以上のように解す ると、債務を履行すべき場所として残るのは、債務者の住所だけである。すな わち、取立債務である。持参債務と取立債務の履行地以外の場所はなく、場所
で送付債務を持参債務と取立債務から区別することはできない。したがって、 送付債務を区別しようとするならば、送付に着目するしかない。その際、まず なぜ債務者が送付することになったのか、その根拠が必要となる。それは、契 約に求めなければならない。つぎに、持参債務における送付と区別する必要が あるので、送付債務は、当初、契約により取立債務としたが、その後、債権者 の要求に応じて債務者が送付することを約束した場合、すなわち、契約内容の 変更によって送付債務になったものと解すべきである。ただし、本来取立債務 の債務者は、特定させるために目的物を分離し準備していればよいのであるか ら、債権者からの送付の要求がありそれに応じたからと言って、運送中の危険 を債務者に負わせるべきでなく、債務者は発送することを約しただけであると 解すべきである。 第 3 章 債権法改正後における送付債務概念の有用性 債権法改正後に出版された教科書においてもなお従前通り「給付をするのに 必要な行為の完了」時期に関し、持参債務・取立債務・送付債務に分類し、送 付債務について送付が債務者の好意による場合には発送により特定するとの説 明がされている(38) 。現行401条 2 項は改正されなかったことに鑑みると、改正 後も特定の判断枠組みとして三分類の有用性に何ら変化はないとみることもで きる。しかし、従来、三分類は危険負担の問題を処理するために実益があるも のとされてきたので、今回の債権法改正により対価危険の移転が特定の効果か ら外されたことを鑑みると、今一度送付債務概念の有用性について再検討する 必要があると思われる。その検討にあたっては、改正内容の他、日独民法の差 異、及び債権法改正の理念を総合的に考慮する必要がある。 第一に検討すべきは、改正民法が、売買における対価危険の移転時期を引渡 時とする規定を新設したにもかかわらず、送付売買についてドイツ民法のよう な特則を設けなかったことは、解釈によっても送付売買の例外は認められない との立場を選択したものかどうかである。前述したように現行民法のもとでも 債務者が給付をするのに必要な行為を完了したことによる特定の時期を引渡時
とし、かつ、送付債務について運送機関へ目的物を引き渡した時に特定し買主 に対価危険が移転するとの見解が主張されている。この説によれば、引渡主義 が債権法改正により明文化されたのであるから、もちろん送付債務に関する解 釈は改正後もなお維持することができるとの考えにつながるであろう。しかし ながら、改正567条 1 項は、文言上、種類物が特定した後に引き渡されること を前提にしているので、少なくとも引渡時に特定するとの立場は改正法の下で は成り立ちえない。また、改正567条 1 項の「引渡し」は、改正の審議にあ たった法制審議会民法(債権関係)部会委員の説明によれば、同項による危険 の移転は目的物が買主の支配領域に入ったことを理由とするものであるから、 引渡しの「受領」まで含む概念である(39) 。したがって、送付債務の場合、運送 機関へ交付しても、運送機関が買主の代理人でない限り、買主が受領すること にはならならないので、運送機関への交付により対価危険が買主に移転すると 解することはできない。 また、前述したことであるが、ドイツ民法は取立債務を原則としているた め、447条 1 項は「履行地以外の場所に」送付する危険を売主に負わせるべき ではないとの考慮に基づき446条 1 文の特則として設けられたものであるか ら、持参債務を原則とする我が国の民法のもとでは、ドイツ民法447条 1 項に 倣って送付売買の例外を認める前提が欠けているといえる。 以上の理由からして、改正民法は送付売買における対価危険の移転時期に関 する例外を認めない立場を選択したものと評価すべきであろう。 ただし、この評価が直ちに送付債務概念の無用性に直結するものではない。 特定の効果は、対価危険移転だけではない。その他、保管義務の発生、所有権 の移転等も特定の効果とされてきた。 しかしながら、保管義務については、現行民法のもとでも、送付債務につき 運送機関へ目的物を交付すれば、目的物は債務者の支配から離脱ししたことに なるため、目的物の支配可能性を前提とする保管義務は問題にならないと解さ れてきた(40) 。改正後においてもこの点は変わらないので、発送により特定する 送付債務につき発送後の保管義務を論ずる実益は改正後もない。
特定により所有権の移転が生ずるかについては、改正前から特定しなければ 所有権は移転しないが、特定により直ちに所有権が移転するのではなく、特定 以降、いかなる要件の下で、どの時点で所有権が移転するかが問題とされてい たが(41)、債権法改正後も、特定と所有権の移転時期について新しい債権関係の 規定をも参酌して引き続き考察を重ねることが必要であるとの見解が示されて いる(42) 。 特定により給付危険が移転することに関しては改正の前後で変更はない。し たがって、給付危険が移転したかどうかについては、送付債務は依然として有 用であると考えられる。 注 ( 1 ) 奥田昌道『債権総論〔増補版〕』(悠々社、1992年)515頁。 ( 2 ) 明治23年に公布された旧商法には「履行地」が使われていた(303条・317条・321条) が、条文の内容からして、現行民法とは異なり、債務を履行すべき具体的な場所の意味 で使われていた(現行民法における履行地に意味については本文参照)。現行商法は、 履行地でなく、516条 1 項で「履行すべき場所」という用語を使っている。その意味は、 同条 2 項に「指図債権及び無記名債権の弁済は、債務者の現在の営業所(営業所がない 場合は、その住所)においてしなければならない。」との定めがあることから明らかな ように、民法上の「弁済をすべき場所」と同一である。なお、同条 2 項は、債権法改正 に伴い削除されることになった。 ( 3 ) 前田達明監修『史料債権総則』(成文堂、2010年)68頁・527頁。 ( 4 ) 内田貴『民法Ⅲ』(東京大学出版会、2005年)34頁。 ( 5 ) 奥田昌道・前掲書514頁。 ( 6 ) 例えば、石坂音四郎『日本民法第三編債権総論上巻』(有斐閣、1923年)403頁で履行 の場所と履行地は異なると明記しながら、その直後、明らかに履行の場所の意味で履行 地という用語を使用している(404頁)。 ( 7 ) Münch Komm/ Westermann,7.Aufl.20§447Rn.4;Palandt/Weidenkaff,75.Aufl.2016,§447. Rn.11.;BGH NJW 2003, 3941.;Hüffer,JuS 1988, 123. なお、BGB447条の成立要件に関する我
が国の研究として、半田吉信「送付売買における危険負担」千葉大学法学論集12巻 1 号 65頁以下が詳しい。
( 8 ) Looschelders,SchuldrechtAllgemeinerTeil,14.Aufl.,Rn.230;Medicus/Lorenz,Schuldrecht I Allgemeiner Teil,21.Aufl.Rn.158;Brox/Walker,Allgemeines Schuldrecht,40.Aufl.,Rn.14;Jost, Fitzer,Mohn,BB1997, 1165;BGH NJW 2003, 3341;BGH NJW 2014, 454. ( 9 ) 奥田昌道・前掲書515頁。 (10) 北川善太郎『注釈民法(12)』(有斐閣、1970年)173頁以下、同『債権総論(民法講 要Ⅲ)』(有斐閣、1993年)38・39頁。 (11) 岸本辰雄著述『商法〔明治23年〕正義第三巻』日本立法資料全集別巻49(信山社、 1995年)216頁以下・221頁以下、磯部四郎『商法〔明治23年〕釈義第一編第六章~第七 章』日本立法資料全集別巻12(信山社、1996年)1214丁以下・1220丁以下。 (12) 法務大臣官房司法法制調査部監修『日本近代立法資料叢書 3 法典調査会民法議事速記 録三』(社団法人商事法務研究会、1984年)731・733頁。 (13) 梅謙次郎講述『民法〔明治29年〕債権第 1 章総則完』日本立法資料全集別巻20(信山 社、1996年)79頁以下。同旨岡松参太郎『注釈民法理由下巻債権編』(信山社、1991年) (原本は明治32年発行)24・25頁。 (14) 梅謙次郎『民法原理債権総則完』(信山社、1992年)68頁(明治35年の復刻版)。 (15) 新田孝二『危険負担と危険配分』(信山社、1998年)163頁、は「履行地説」と命名し ている。 (16) 岩田新「種類債務に於ける危険移転の時期(一)」法学新報43巻10号 6 頁注( 6 )参 照。 (17) 横田秀雄『債権総論』(日本大学、1908年)126頁以下。 (18) 石坂音四郎『日本民法第三篇債権第一巻』(有斐閣書房、1911年)142頁以下。 (19) 横田・前掲書126頁以下。 (20) 石坂・前掲書146頁。同旨、川名兼四郎『債権法要論』(東京金刺芳流堂、1918年)70 頁。 (21) 石坂・前掲書145頁(註 6 )。 (22) 鳩山秀夫『日本債権法総論』(岩波書店、1918年)26頁。
(23) 嘉山幹一『債権総論』(啓文堂書店、1925年)35頁、沼義雄『民法要論債権編』(厳松 堂書店、1929年)30頁、三瀦信三『債権法提要総論上冊』(有斐閣、1932年)51頁、小 池隆一『日本債権法総論』(清水書店、1933年)29頁。なお、送付債務 2 分類説の他、 他地渡債務概念を設ける石田文次郎説(「種類債務の特定を論ず(二・完)」法学論叢第 7 巻第 4 号66頁以下)、送付債務を 4 つに分類する勝本説(勝本正晃『債権総論(上 巻)』(厳松堂書店、1934年)133頁以下)がある。 (24) 中島玉吉『民法釋義巻之三債権総論上』(金剌芳流堂、1922年)174頁以下、同『債権 総論』(金剌芳流堂、1928年)47頁。 (25) 岩田新「種類債務における危険移転の時期(一)(ニ)(三・完)」法学新報第43巻10 号1209頁、11号1387頁、12号1505頁。 (26) 金山正信・金山直樹『新版注釈民法(10) 1 』(奥田昌道編、有斐閣、2003年)233頁 以下。潮見佳男『新債権総論Ⅰ』(信山社、2017年)223頁も契約内容確定説の立場から 通説に対して疑問があるとする。 (27) 平野裕之『コア・テキスト民法Ⅳ債権総論』(新世社、2011年)17頁以下、同『債権 総論』(日本評論社、2017年)24頁以下。同旨、前田達明『口述債権総論』(成文堂、 1990年)44頁、高橋眞『入門債権総論』(成文堂、2013年)20頁。 (28) 川村泰啓『商品交換法の体系(上)』(勁草書房、1967年)387頁以下。 (29) 金山正信・金山直樹『新版注釈民法(10)Ⅰ』(奥田昌道編、有斐閣、2003年)261頁。 (30) 新田孝二『危険負担と危険配分』(信山社、1998年)107・110頁。新田説は、民事売 買において送付後の滅失・毀損を私人たる買主に負担させるべきではないから、送付売 買は商人間の売買に限るべきとする。 (31) 船越隆司「買主の危険負担法理の再構成( 3 ・完)」判例時報1053号17頁。 (32) 小野秀誠『反対給付論の展開』(信山社、1996年)89頁以下。 (33) 金山正信・金山直樹・前掲書265頁以下。 (34) 富井政章『民法原論第三巻債権総論上(復刻版)』(有斐閣、1985年(1929年の復刻版)) 96頁以下。 (35) 磯谷幸次郎『債権法論(総論)』(厳松堂書店、1925年)68頁、69頁(註)。なお、磯 谷説は、当初、梅起草委員と同じく発送主義を採用したものと解していた(磯谷幸次郎
『債権法論総論(上巻)』(厳松堂書店、1920年)123頁)が、後に当事者の合意により債 権者又は債務者の住所以外の地に送付すべき義務を債務者が負うときは、持参債務と同 じくその物を約上の地に送付し、債権者又はその指定した者に引渡しの提供をなした時 に債務者は給付をなすに必要な行為を完了し、目的物が特定するとの説に改めた。 (36) 鈴木禄弥『債権法』(創文社、1980年)272頁。 (37) 平井宜雄『債権総論』(弘文堂、1994年)181頁。 (38) 例えば、中舎寛樹『債権法―債権総論・契約』(日本評論社、2018年)21頁。 (39) 潮見佳男『民法(債権関係)改正法案の概要』(金融財政事情研究所、2015年)241頁。 (40) 金山正信『注釈民法(10)』(奥田昌道編、有斐閣、1987年)115頁。 (41) 鈴木禄弥『物権法講義二訂版』(創文社、1979年)115・116頁 (42) 山野目章夫「民法の債権関係の規定の見直しにおける売買契約の新しい規律の構想」 法曹時報68巻 1 号17頁。 ―くまた ひろゆき・東洋大学法学部教授―