• 検索結果がありません。

CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体のHIV-1感染抑制効果の検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体のHIV-1感染抑制効果の検討"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

原  著 〔東女医大誌 第63巻 第11号頁1361∼1366平成5年11月〕

CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体の

HIV−1感染抑制効果の検討

聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター(指導:西岡久寿樹教授)       ハス   ヌマ    トモ   コ

      蓮 沼  智 子

      (受付 平成5年7月13日) Role of CD4 V3/V4 Region for HIV・11nfection

         Tomoko HASUNUMA

Institute of Medical Science, St. Marianna University School of Medicine   Cell surface・expressed CD4 binds to the envelope glycoprotein of HIV−1 and mediates syncytia formation through interacting with membrane−expressed HIV−1 gp120. Further possible roles of the CD4 molecule in the proρess of cell infection by HIV−1 remain poorly understood. In our study, we describe two monoclonal antibody(mAb)that recognize the V3/V4 domain of the CD4 molecule. Although these mAb do not inhibit gp120−CD4 binding or HIV−1 induced syncytia formation, they inhibit HIV−1 infection of human peripheral blood lymphocytes. These findings suggest that discrete, definable domains of the CD4 molecule may be involved in interactions following HIV−1 envelope binding that lead to virus entry into the cell.          緒「 雷  Human immunode負ciency virus type−1(HIV−

1)は後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイ

ルスである.このHIV−1は細胞の表面に発現して

いるCD4分子と結合し細胞内に侵入することが

知られている1)∼5).ウイルス側.の結合部位はエン ベロープのgp120であり6)心10), CD4分子側の主な 結合部位はV1領域に存在するこ・とが明らかにさ れているが11)12),CD4分子のその他の領域がHIV・

1感染において何等かの役割を担っているかは未

だ不明である.本研究においては,CD4分子の細胞 外領域のうちV3/V4領域の, HIV−1感染における 役割について検討するため,この領域を認識する

モノクローナル抗体を作製し,これらの抗体の

HIV−1感染におけるin vitroでの影響を調べた.

さらにこれらの抗体のCD4−gp120結合および感

染によるシンシチウム巨細胞形成に及ぼす影響に ついても検討を加えた.          方  法  1.抗ヒトrsCD4モノクローナル抗体の作製.

 ヒトリコンビナソト可溶性CD4(以下rsCD4)

として細胞外ドメインのV1からV4までの領域

を含む375アミノ酸rsCD4(Biogen, Inc., Cam− bridge, MA, USA)13)と, V1/V2領域のみの180 アミノ酸rsCD4(Biogen, Inc.)13)を使用した. BALB/Cマウス(Charles River Breeding.Col− onies, Wilmington, MA)に毎週50μgの375アミ

ノ酸rsCD4を完全フロインドアジュパンド

(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO, USA)

のエマルジョンとして4∼5週にわたり免疫し

た.これらのマウスより脾臓を摘出し脾細胞を分 離し,スタンダードな方法14)でNS・1細胞と融合し

た.得られたハイブリドーマ細胞が産生した

rsCD4に対する抗体をELISA法にて,375アミノ

酸rsCD4で反応するが,180アミノ酸rsCD4とは

反応しないものを選んだ.これにより6つのモノ

クローナル抗体が得られ,それぞれ5D4,7C2,1

(2)

B2,1D5,7A4,そして7C3と命名した.

 2.使用した他のモノクローナル抗体

 今回使用したモノクローナル抗体のうち,

OKT3(抗CD3)とOKT4(抗CD4)はAmerican

Type Culture Collectionより購入したハイブリ ドーマ細胞から採取,A缶Gel Protein Aカラム (Bio Rad, Rockville Centre, NY)で精製した.

17Thy5D7(抗CD4)と7PT3F9(抗CD8)はDr.

S.Schlossman(Dana−Farber Cancer Institute, Boston, MA, USA)より頂いた. Leu3a(抗CD4) (Becton Dickinson, Oxnard, CA, USA),12T4 D11(抗CD4)(Coulter Corp., Hialeah, FL, USA)

はCD4のV1領域を認識する抗体として, MOPC−

21(Cappel, Organon−Teknika Corp., Westches− ter, PA, USA),8F2(Dana−Farber Cancer Institute, BostonのDr. C. Morimotoより頂い

た)はT細胞において特異的な認識部位を持たな

い抗体として使用した.また,OKT4はCD4の

V3/V4領域を認識する抗体として使用した15).

 3.ヒト正常リンパ球へのHIV IIIB株感染抑

制試験  ヒト正常リンパ球をFicoll−diatrizoate比重遠 心法にて分離し5μg/ml Con A(Sigma)を含む 10%FCS(Flow Laboratories, Mclean, VA, USA)一RPMI1640培地(GIBCO, Grand Island, NY, USA),含L−glutamine(2mM), penicillin (50U/ml), streptomycin(50μg/m1)にて37℃,

5%CO2存在下で3日間培養した.細胞を1×PBS

にて洗浄後,PBSで100倍希釈した腹水を各抗体

として添加し30分間37℃にて反応させた.1回細

胞を洗った後,32infectious dose(1 infectious doseがヒト末梢リンパ球を感染させる最小量)の

HIV IIIB株で2時間培養した.3回洗浄後,前述

のそれぞれのモノクローナル抗体を400倍希釈で

調整し37℃,5%CO2存在下で培養した.3,7,

10そして14日後にそれぞれの培養上清を採取し, HIV p24抗原量をAntigen Capture Kit(Coulter Corp.)で測定した.

 4.AIDS患者の培養リンパ球における感染抑

制試験

 AIDS患者より得られた末梢血を上記と同様の

方法でリンパ球を分離した.得られた細胞を3日

間Con−Aで刺激後,抗CD8抗体(7PT3F9)で反

応させたのち,マウスIg−Dynabeads(Dyna1, Inc., Great Neck, NY, USA)(細胞106個に対し100μ1)

を結合させ,抗CD8陽性リンパ球を除去した.こ

の操作は,CD8陽性細胞がHIV−1感染において抑

制効果を示す16)ことが知られているため,その効 果を除去するために行った.残ったりンパ球を前

述の今回得られた抗V3/V4 CD4モノクローナル

抗体で同様に反応させた1抗体添加後,3,6,

9日に培養上清を採取し前述のキットでHIV

p24抗原量を測定した.

 5.抗V3/V4rsCD4モノクローナル抗体による

gp120とrsCI)4との結合阻害性の検討

 1)Cellular EHSAによる検討

 96穴プレートに4.5×104個/wellの糸田胞濃度で

CD4陽性CHO cellをまき,それぞれの精製した

モノクローナル抗体を1.25,2,5,5,10μg/mlの 濃:度で加え4℃で1時間反応させた.0.15μg/ml

のrgp120を加え1時間4℃で反応させた.さらに

1,000倍に希釈されたウサギ抗gp120血清50μ1で 1時間4℃で反応させた後,5,000倍希釈のアルカ リフォスファターゼ結合ヤギ抗ウサギ免疫グロブ リン(Jackson ImmunoResearch, West Grove, PA, USA)で1時間4℃で反応させた.10μg/mI

PNPP(Boehringer Mannheim, Germany)で発

色させ,前述のELISA readerで測定した.

 2)gp120発現細胞におけるrsCD4と抗CD4

V3/V4抗体との競合試験

 HIV−1111b envを発現したB細胞line(KT1−

1)(Viagene, Inc., San Diego, CA, USA)に 375アミノ酸rsCD4を結合させた後,抗CD4, V3/

V4抗体を加えその結合能をみた.106個のKT1−1

細胞を10丁目ヒトAB血清加PBSで前処理(室

温30分)した後,100μgのrsCD4を10%ヒトAB

血清一PBSで1時間室温でインキュベートした.

その後,2%一FCS−PBSで2回洗浄した後, FITC

で標識したそれぞれのモノクローナル抗体で

4℃,30分反応させた.細胞はPBSで洗浄した

後,1%ホルマリンで固定させ,フローサイトメ

トリー(EPICS−C;Coulter Corp.)で測定した.

(3)

表1 180及び375アミノ酸CD4に対する反応性

C。ntr。1 mAb.

Newly generated mAb CD4 construct

OKT3

19Thy5D7

OKT4

5D4 7C2 1B2 1D5 6B4 7C4 7C3

180(V1−2) R75(V1−4) 一一 十十  十 }十 皿十 一十  十 一十 『十  十

 6.シンシチウム巨細胞形成の阻害試験

 1)CEMX174 cell liheを10MOI(multiplicity of infection)のりコンビナントHIV−1 env− vaccinia(VAbT271−2−1;Applied Bio Technol− ogy, Cambridge, MA, USA)またはコントロー ルのvaccinia constructを室温で2時間感染させ た.1×105個/m1の細胞に,1または10μg/mlのそ れぞれの精製したモノクローナル抗体100μ1を添 加し96穴プレートで17時間から20時間培養した. グリッド付きの培養皿に移しシンシチウム細胞を 鏡視下でカウントした.

 2)他の方法として100μ1のHIV−1111b感染

H9細胞(4×105個/ml)と50μ1のCEMX174細胞

(4×105個/ml)を混合培養し,各抗体を1または 0.1μg/ml添加後,96穴プレートで24時間培養し た.1)と同様の方法でシンシチウム細胞をカウン トした.          結  果  1.rsCD4 V3/V4に対するモノクローナル抗体 の作製

 上記の方法にて得られたrsCD4に対する抗体

をsolid ELIsAにて375アミノ酸に反応するが

180アミノ._には反応しない抗体を選択した.コン トロールの抗体として,CD4のV1領域を認識する 抗体である19Thy5D7, CD4 V3/V4領域を認識す

る抗体としてOKT4を使用した.この方法により

6つの抗体が得られ,5D4,7C2,1B2,1D5,7A4, 7C3と命名した(表1).

 2.作製した抗rsCD4抗体によるヒト末梢リン

パ球のHIV・1感染の抑制

 今回得られた6つの抗体によるヒト末梢血リン

パ球のHIV−1感染の抑制効果を検討した. HIV−1 111b株に感染した1{9細胞の培養上清を, Con−A

刺激後IL・2で培養した正常ヒトリンパ球に添加

した.同時に6つの抗体をマウス腹水の状態で添

表2 ヒトPBLにおける抗CD4抗体5D4と7C2の

 HIV・1増殖抑制効果 P24抗原

mAb

d3 d7 d10 d14 無添加 一 +/一 升 十 19Thy5D7

OKT4

『 一 +β 十 5D4 一 一 +/一 +/一 7C2 lB2 +/一 升 升 1D5 } 十 升 十 7A4    . +/一 十 ザ 7C3 +/一 十 十 升 畑中の記載は,培養上清中のp24抗原価によりそれぞ れ,一:<0,1ng/m1,十/一:0.1∼5,0,十:5.0∼15.0, 升:>15.0とした.

干し2週間培養した.3,7,10および14日後,

培養上清を採取しHIV・1p24抗原価を測定した結

果,表2に示すように,HIV−1 envとCD4の結合

を阻害する19Thy5D7は完全にウイルスの増殖が

抑えられた.一方,CD4 V3/V4を認識する抗体で

あるOKT4は全くウイルスの増殖を抑えなかっ

た.しかしながら今回新たに作製された抗体のう

ち,5D4と7C2はCD4のV3/V4を認識するにも拘

らず明らかなウイルスの増殖抑制効果が認められ た.

 さらに前述のHIV−1感染抑制が認められた2

つの抗体について,AIDS患者より得られたリン

パ球でのウイルスの増殖抑制効果を検:白した.そ

の結果,表3に示すように抗体を全く加えなかっ

たリンパ球では培養上清中のp24抗原価は著しく

増加しているにも拘らず,5D4と7C2は明らかな抑 制効果が認められた.

 3.5D4と7C2のHIV−1 envとCD4分子の結合

阻害能の検討

 上記の実験で抑制効果を示す2つの抗体がウイ

ルスgp120とCD4との結合を阻害しないか以下

(4)

表3 AIDS患老末梢リンパ球における抗CD4抗体5  D4と7C2のHIV−1増殖抑制効果 抗 体 iμ9/m1)濃 度 p24 Ag d3 d6、 d9 無添加 P9Thy5D7 TD4 VC2  1. D10 @1 P0 @1 P0 +/一 @一 @一 @一 @一 {/一 @} 表中の記載は,培養上清中のp24抗原価によりそれぞ れ,一:〈0.1ng/ml,十/一:0,1∼5.0,十:5.0∼15.0, 十ト:>15.0とした。

表4 抗CD4抗体によるrgp120とCD4+CHO細胞

 との結合阻害能 抗体濃度(ug/n1D 抗 体 10 5 2.5 1.25

MOPC

keu3a

nKT4

TD4 VC2 表中の±はEHSAメーターの0.D.で,0.15未満を一,0.15 以上を+とした. の2つの方法で検討した.

 1)cellular ELISAによるgp120とCD4分子の

結合阻害実験

 CD4陽性CHO cellをそれぞれの抗体で前処理

した後のリコンビナントgp120との結合をウサギ

抗gp120抗体で検出した結果を表4に示す.その

結果,CD4 V1領域を認識するLeu3aはほぼ完全

にrgp120の.結合を抑えたが,5D4,7C2は

MOPC21やOKT4等と同様に結合阻害は認めら

れなかった.

 2)5D4,7C2のgp120発現細胞とrsCD4分子の

結合抑制能  gp120を発現している細胞KT1−1(B cell line)

とrsCD4をあらかじめ結合させ,その後FITCで

ラベルされたモノクローナル抗体を反応させた.

図に示すように5D4,7C2はKT1−1細胞に結合し

たCD4分子に結合していることがわかる.このこ

図 gp120発現細胞に結合したrsCD4への5D4,7C2の  結合性  縦軸に相対的細胞数,横軸に蛍光輝度を示す.V1領  域に結合する抗体,19Thy5D7,12T4DllはrsCD4に  結合していないが,5D4,7C2はV3/V4領域を認識す  るOKT4と同様, rsCD4への結合が認められる. 表5 ワクシニア/HIV envで感染させたCEMX174  細胞でのシンシチウム巨細胞形成阻害試験 シンシチウム細胞数(%抑制率) 抗 体 10μ9/mI 1μ9/mI 無添加 549.6±10,0

OKT3

615.0±6.5( 0) 475.7±21.8(13.4) 19Thy5D7 11.0±3.6*(98.0) 8.3±1.5*(98.4)

OKT4

657.6±12.6( 0) 661.3±14.9( 0) 5D4 515.3±122( 6.2) 442.0±23.3(19.5) 7C2 445.0±6.9(19.0) 558,3±8.3( 0) 数値はmean±SDを示す,()内は抑制率を示す. 有意差*p<0.005

とからこれらの抗体はgp120とCD4との結合部

位でないところを認識していることがわかった.  4.シンシチウム細胞形成抑制試験  HIV−1の細胞内侵入において, CD4との結合後 シンシチウム細胞が形成されることが知られてい る17)18).今回検討しているモノクローナル抗体5

D4,7C2は上記の実験よりワイルスgp120との結

合はブロックしないことが明らかになった.そこ で,シンシチウム形成に及ぼす影響について前述 の2つの方法で検討した.

 まずHIV−l envワクシニアウイルスで感染さ

せたCEMX174細胞はシソシチウムを形成するこ

とが知られているが,この形成の抑制効果を見る

(5)

表6 抗CD4抗体のHIV・1感染H9細胞とCEMX174  細胞の混合培養でのシンシチウム細胞形成阻害試験 シンシチウム細胞数(%抑制率) 抗 体 1μ9/ml 0.1μ9/ml 無添加 P9Thy5D7

OKT4

OKT3

TD4 VC2 97.3±4,0 @0.0±0.0*(100.0) W5.3±4.1(12,4) X0,3±3.0(7.2) P03.0±6.2( 0) W9.0±3.4(8.5) 31.6±3.2*(67.5) P10.0±12.4( V63±7.2(21.5) P15.3±3.5( P29.0±10,1( 0) O) O) 数値はmean±SDを示す.()内は抑制率を示す. 有意差*p〈0,005

と,表5に示したとおり,CD4とgp120との結合を

ブロックするモノクローナル抗体19Thy5D7はほ

ぼ完全にシンシチウム細胞の形成が抑制された.

それに対し,5D4,7C2はOKT4,0KT3と同様10

μg/mlでも殆ど抑制効果がみられなかった.ま

た,同様にHIV−1(IIIb株)で感染させたCD4陽

性細胞株H9とCEMX174細胞の混合感染による

シソシチウム形成でも表6に示すように,19Thy5

D7では1μg/m1では完全に,0.1μg/mlでも67% の抑制率が認められた.しかしながら,5D4,7C2 では他の抗体と同様抑制効果はみられなかった.          考  察

 AIDSの原因ウイルスであるHIV・1はCD4陽

性細胞に対し強い親和性を示す.このウイルスの

感染においてはまずHIV−1のgp120とCD4分子

のV1領域のある部位が結合することが明らかに

されている.しかしながらその後のウイルスの細 胞内侵入のイベントについてはまだ明らかにされ ていない部分が多い.

 今回の実験では,CD4のV3/V4領域を認識する

モノクローナル抗体を作製し,これらの抗体の

HIV−1感染抑制効果を検討した.その結果,得られ

た6つのモノクローナル抗体のうち,5D4,7C2の

2つにおいて明らかな感染抑制効果が認められ

た.この効果は,CD4のV1領域を認識するモノク

ローナル抗体よりもやや劣るが,その抑制メカニ

ズムは既知のgp120−CD4結合を全く介さないこ

とが今回の検討で明らかにされた.そしてシンシ チウム細胞形成抑制についても明らかな抑制が認 められなかった.

 CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗体

のHIV−1感染抑制効果については,他の報告があ り,HIV−1感染においてV1領域以外にも関与して いることが強く示唆されている19)20).

 一方,臨床的にはCD4分子に対する自己抗体が

患者の10∼20%で認められる.ことが知られてい る21)22).このCD4分子に対する自己抗体は, V3/ V4領域を認識していることがわかっており,ウイ

ルスとCD4分子の結合により,CD4のC末端の構

造変化が起こり,新たに露出した部位に対して抗 体産生が起こるのではないかと考えられている.

この抗体産生は,AIDSの病期やCD4陽性細胞

数,塵清IgG値などとは無関係であり,この抗体

が存在することで発病および症状の進行が遅れる かどうかはまだ明らかにされていない.しかしな がら,これに関連した報告として,HIV−1に感染し

たチンパンジーにrsCD4を免疫し抗CD4抗体を

産生させるrsCD4分子の免疫療法の実験が行わ

れているが,これらの自己抗体はやはりCD4の

V3/V4領域を認識していることがわかっており, in vitroの実験においいてウイルスの細胞内への 侵入を妨げる効果があると報告されている23).

 以上のことより,HIV−1がCD4陽性細胞と結合

し細胞内に侵入するとき,CD4のV1領域と結合し

た後のイベントにおいてCD4 V3/V4領域が深く

かかわっていることが示唆された.AIDS患者に

おける抗CD4抗体の役割を含め,さらに検討が必

要であると考えられる.          結  語  1)CD4 V3/V4領域に対するモノクローナル抗 体6つを作製した.

 2)これらの内,2つの抗体5D4と7C2において

in vitroでのHIV−1感染抑制効果が認められた,

 3)これらの抗体はCD4とgp120の結合を阻害

しなかった.

 4)さらに,これらの抗体はHIV−1感染による

シンシチウム形成を抑制しなかった.  稿を終えるにあたり,御指導,御助言を頂きました, 米国マサチューセッツ州ハーバード大学霊長類研究 センター免疫部門のDr. Norman L. Letvin,同大学

(6)

Dana Farber Cancer Institute fkRXK FS cD st7ts(Xft5t

al ts k Ve National Cancer Institute 07fitSes ee il] til

trcuetwetLSt.

sk k, J4geFzao-zzetR"iG=: i Jk"SsteqEIFee4ka

HIV pt}gek 8 J;kRsc'X# (II[ft/thptXij reK) th b lllJ JSe ig9 trt ft '

sZr wt

1) Fauci AS: The human immunedeficiency

virus: Infectivity and mechanisms of genesis. Science 239I617-622, 1988

2) Dalgleish AG, Beverley PCL, Clapham PR et al: The CD4 (T4) antigen is an essential ponent of the receptor for the AIDS retrovirus. Nature 3121763-767, 1984

3) Klatzman D, Champagne E, Chamaret S et al : T-lymphocyte T4 molecule behaves as the receptor for human retrovirus LAV. Nature 312l767-768, 1984

4) McDougal PJ, Kennedy MS, Sligh JM et al : Binding of HTLV-III/LAV to T4+T cells by a complex of 110K viral protein and the T4 molecule. Science 231I382-385, 1986

5) Maddon PJ, Dalgleish AG, McDougal JS et al : The T4 gene encodes the AIDS virus ptor and is expressed in the immune system and the brain. Cell 47[333r348, 1986

6) Landau NR, Warton M, Littman DR: The

envelope glycoprotein of the human

immunodeficiency virus binds to the globulinlike domain of CD4. Nature 334 1 159-162, 1988

7) Peterson A, Seed B: Genetic analysis of monoclonal antibody and HIV binding sites on the human lymphocyte antigen CD4. Cell 54 : 65-72, 1988

8) Arthos J, Deen KC, Chalkin MA et al:

Identification 6f the residues in human CD4 critical for the binding of HIV. Cell 571 469-481, 1989

9) Clayton LK, Hussey RE, Steinbrich R et al : Substjtution of murine for human CD4 residues identifies amino acids critical for HIV-gp 120 binding. Nature 335I363-366, 1988

10) Mizukami T, Fuerst TR, Berger EA et al: Binding region for human immunodeficiency virus (HIV) and epitopes for HIV-blocking monoclonal antibodies of the CD4 mo]ecule' defined by sjte-directed mutagenesis. Proc Natl Acad Sci USA 85 : 9273-9277, l988

11) Stien BS, Gourda SD, Lifson JD et al: pH independent entry into CD4 positive T cells via virus envelope fusion to the plasma membrane. Cell 49:659-668, 1987

12) McClure MO, Marsh M, Weiss RA : Human immunodeficiency virus infection of CD4 ing cells occures by a pH independent nism. EMBO J 7 I 513-518, 1988

13) Fisher RA, Bertonis JM, Meier W et al: HIV infection is blocked in vitro by binant soluble CD4, Nature 331:76-78, 1988

14) Kennett RH: Methods for production and characterization of monoclonal antibodies. In Monoclonal Antibodies : in A New Dimension in Biological Analyses (Kennett RH, Mclearn TJ, Bechtol K eds) p365, Plenum, New York (1980)

15) Sattentau QJ, Arthos J, Deen K et al : tural analysis of the human immunodeficiency virus-bjnding domain of CD4. J Exp Med 170 : 1319-1334, 1989

16) Tsubota H, Lord CI, Watkins DI et al: A cytotoxic T lymphocyte inhibits acquired immunodeficiency syndrome virus replication in peripheral blood lymphocytes. J Exp Med 169 : 1421-1434, 1989

l7) Lifson JD, Feinberg MB, Reyes GR et al: Induction of the CD4-dependent cell fusion by the HTLV-III/LAV envelope glycoprotein, Nature 323I725-726, l986

18) Sodroski J, Goh WC, Rosen C et al : Role of the HTLV-III/LAV envelope in syncytium mation and cytopathicity, Nature 322 : 470-474, 1986

19) Celada E Cambiaggi C, Maccari J et al: Antibody raised against soluble CD4-rgp120 cornplex recognizes the CD4 moiety and blocks membrane fusion without inhibiting CD4-gp120 binding. J Exp Med 172I1143-1150, 1990 20) Healey D, Dianda L, Moore JP et al : Novel anti-CD4 monocional antibodies separate human imunodeficiency virus infection and fusion of CD4+ cells from virus binding. J Exp Med 17211233-1242, 1990

21) Kowalski M, Ardman B, Basiripour L et al : Antibodies to CD4 in individuals infected with human immunodeficiency virus type 1. Proc Natl Acad Sci USA 86 : 3346-3350, 1989 22) Sekigawa I, Groopmen JE, Allan JD et al: Characterization of autoantibodies to the CD4 molecule in human immunodeficiency virus infection. Clin Immunol Immunopathol 58 I 145-153, 1991

23) Watanabe M, Boyce J, Letyin NL et al: Chimpanzees immunized with recombinant uble CD4 develope anti-self CD4 antobody responses with anti-human immunodeficiency virus activity. Proc Natl Acad Sci USA: in press

参照

関連したドキュメント

本要領は、新型インフルエンザ等対策特別措置法第 28 条第1項第1号の登録に関する規程(平成 25 年厚生労働省告示第

一方で、平成 24 年(2014)年 11

本案における複数の放送対象地域における放送番組の

平成 21 年東京都告示第 1234 号別記第8号様式 検証結果報告書 A号様式 検証結果の詳細報告書(モニタリング計画).. B号様式

61 の4-8 輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和 30 年法律 第 37 号)第 16 条第1項又は第2項に該当する貨物についての同条第

(2)工場等廃止時の調査  ア  調査報告期限  イ  調査義務者  ウ  調査対象地  エ  汚染状況調査の方法  オ 

本日、新型コロナウイルス感染症対策本部長が新型インフルエンザ等対策 特別措置法(平成 24 年法律第 31 号)第 32 条第

法務局が交付する後見登記等に関する法律(平成 11 年法律第 152 号)第 10 条第 1