191 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(67) モリ ヨシ ユ リ コ森吉百合子(昭和
医学博士 乙第1066号 平成2年1,月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) ラット膵外分泌に対するコレシストキニンとセクレチンの相乗作用の検討 (主査)教授 小幡 裕 一 (副査)教授 羽生富士夫,浜野 恭一論 文 内 容 の 要 旨
目的 セクレチンとコレシストキニン(CCK)は,膵外分 泌刺激作用を有する最も重要な消化管ホルモンである が,現在まで,両ホルモンの膵外分泌に対する相互作 用を生理学的な用量で検討したものは少ない.本研究 の目的は,生理学的な用量のセクレチン,CCKを用い, 膵外分泌刺激作用,とくに両ホルモンの相乗作用につ いて検討し,膵外分泌調節における両ホルモンの生理 作用を明らかにすることである. 方法 Wistar系雄性ラットを麻酔下に開腹し,膵管に挿入 したチューブより採取した純粋膵液について,液量, 重炭酸塩,アミラーゼ,トリプシン分泌量を測定した. CCKは0。03,0.06,0.12μg/kg. hrの3用量で1時間 静脈投与し,さらに各用量のCCKにセクレチン(0.03 CU/kg.hr)を併用投与し,膵外分泌量を比較した.ま た,セクレチンとCCKの併用群で, CCK愛容体拮抗 薬であるproglumide(600mg/kg.hr)を静脈投与し, 膵外分泌の変化を観察した。 成績および考察 生理学的な用量のCCKにより,膵液量,重炭酸塩, アミラーゼ,トリプシン分泌量は有意に用量依存性に 増加した.セクレチン併用により,膵外分泌量はCCK 単純投与に比し有意に増加し,しかも個々のホルモン の単独投与による膵外分泌量の総和よりも高い外分泌 量が示された.またproglumideはCCKとセクレチン 併用による膵外分泌量を,セクレチン単独投与のレベ ルまで有意に抑制した. 生理的な用量のセクレチン,CCKの膵外分泌に対す る相乗作用はヒト,イヌでは証明されているが,ラッ トでの検討は少なく,しかも膵酵素分泌に対する相乗 作用の報告はない.本研究では,セクレチンがCCKの 膵外分泌刺激作用を著明に増強したことから,両ホル モンが膵外分泌に対し相乗作用を有することが証明さ れ,従来不明であった膵酵素分泌に対する相乗作用も 明らかにされた. 結論 CCKとセクレチンは生理的な用量で,相乗的な膵外 分泌刺激作用を有する.すなわち,生体では,内因性 に遊離した微量のホルモンが複数で膵外分泌に作用す ると,より大きな刺激作用をもたらされると考えられ, 膵外分泌に対するホルモンの相乗作用が,食物の消化 過程において重要な合目的作用であることが明らかに された. 793!92
論 文 審 査 の 要 旨
ヤクレチンとコレシストキニンは,いずれも膵外分泌作用を有するホルモンであるが両老の相互作用につい てはなお明らかでない. 本論文はラットに生理的用量を用いて検討し両ホルモンが相乗的作用を有することを明らかにしたもので ある.学術上,価値ある論文と認める. 主論文公表誌 ラット膵外分泌に対するコレシストキニンとセクレ チンの相乗作用の検討 日本消化器病学会雑誌 第86巻 第10号 2425-2433頁(平成元年10月5日発行) 副論文公表誌 1)膵患者におけるFecal Amylaseの検討 膵臓 3(3):428過34,1988 2)Plaunotol:新たなセクレチン遊離物質一ヒト での検討一 消化管ホルモン 8:539-544,1988 3)新しいCho玉ecystokinin拮抗剤CR1409のラッ ト膵外分泌に対する抑制効果 日消誌 86(1):70~76,19894)E鉦ect of plaunotol on release of plasma se- cretin and pancreatic exocrine secretion in humans(プラノトールのヒト血中セクレチ ン遊離作用と膵外分泌に澱する効果) Pancreas 4(3):323-328,1989 5)膵外分泌機能検査法 診断と治療 75(3):458-462,1987 一794一