(東京女医大誌 第25巻 第11号頁504−515昭和30年11月)
側腹手術による瞳孔散大に及ぼすホルモン並に
自律神経毒の影響について
(第1篇)
東京女子医科大学薬理学教室 (主任 小山良修教授) 田 タ 1 緒 言 中 ナカ美
ミ 代 ヨ(受付 昭和30年8月22日)
当教室のパラビオーゼについての研究は小山教 授により昭和27年薬理学会関東部会に於てその一 部が報告さitfc(1)。著者はその研究の経過中にラ ットのパラビオーゼを行うとその術側と反対側眼 の瞳孔の散大する事を見出した。そこで単独の正 常ラットの一一側の腹部を切開した場合でもこの現 象が起るか否かを見たところ,同様に反対側眼瞳 孔の散大を認めた。 知覚神経の刺戟された時散瞳の起る事は古くか ら知られて居り,その機序についても飯塚(2),奥 田(3),篠崎(4),沖中(5),Norman(6)等により種A 論議されているが一側の腹部切開により対側眼散 瞳を認める事はまだ云われて居ない。著者はこれ について研究し,ホルモン及び自律神経毒との関 係について聯かその知見を得たのでここに報告す 第1図 研刷 1.4 瞳 孔平i3 径葎 /w 12 1[ Io O,9 t ノ tt 子 コ る。 ∬,実験動物並に輿験方法 実験動物は総てラット(Rattus norvegicus)を用 い,それは本教室に於て繁殖したもの,或は市販のの もでは本教室に隔て3週間以上飼育管理したものにつ いて実験した。叉夏期以外は実験条件を一定にする為 に恒温室(20。∼25。C保持)で飼育し,餌は固形飼料 とし水は充分に与えた。 実験は常に午前中ゴ直:射日光をさけ,採光のもとで 行い瞳孔径の計測方法はラットを固定せず手で軽く腹 位に押え,ノギスを当てて計った。 皿,実験成績 1,正常ラット瞳孔径 正常ラット瞳孔径については籾木の報告(8)があ るが,その性別,体重との関係については適当な 丈献がない。 正常ラット瞳孔径とイ本暦 .一“一一 8−9
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220 270 一SO4一本実験は体重209より2709までの正常ラット を用v・,雄67匹,雌98匹,計165匹330眼につV・ て測定した。 成績を図に示せば第1図の如くでその瞳孔径は 最小O.7mmから最大2.Ommの問にあり,大半は 1.Omm前後にあった。 推計学的には瞳孔径と性別との聞には何ら関係 が見出されなV・が,体重との間は無関係とは云い 切れ,なv・。 例 1 2 3 4 5 6 7 2,側腹手術の瞳孔径に及ぼす影響 本実験は体重70gより200gまでの正常ラット雄11 匹,雌16匹について行った。 実験方法はエーテル麻酔の後,17匹は右四二部を, 10匹ほ左側腹部を切開した。その位置は上肢並に下肢 を結ぶ線上に於て肋骨弓より約三横指下から下方に長 さ3∼4αnに皮膚,筋肉,及び腹膜を切り,直に縫 合し,その後の両側瞳孔径の時間的変動(ついて検索 したQ 8 9
第 1 表
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雌正常ラット側腹切開後の瞳孔径
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一・一一p側眼瞳孔径
時 時 ・ 圃 ㈲ 曾 .一→・暁鳳 四 日9 ;旬実験成績は第1表,第2図,第2表,第3図に
示す様に,雌雄27匹の中,2匹の例外を除v・て手 術と反対側眼の瞳孔が5∼30分の間に散大を開始 し,1時間後には手術前の約3∼4倍に達し,そ の直径は2.0∼3。8mmの間にあった。 約2時間後までその多くが極大値を保ち,それ より次第に縮小し,2∼4時間の後に実験前の瞳 孔径に回復し旋。術側眼は約半数に於て1.4倍か ら2.2倍の散瞳を認め%がそれはすべて対側眼の 四域の散大には及ぼなかった。他の半数は殆ど変 化が認められないかむしろ縮瞳を認めた。』又この 散瞳時には対光反応は認φ難く,ピロカルピン点 眼によっても変化は現われなかったσ術側と対側 眼との瞳孔径の間においては雌雄共1%以下の危 険率に於七有意の差があった。 以後この反応を対側眼散瞳反応と称する事にす る。 3,』対側眼散瞳反応とホルモンとの関係。 この対側眼散瞳反応と下垂体ホルモン,副腎ホ .ルモンとの間に如何なる関係があるかを知る為に 以下述べる様な種々な実験を試みた。』第2表 雄正常ラット側腹部切開後の瞳孔径
例 1 2 3 4瞳・孔倒手術副・鍛・5鍛}・・老醜蔽1聖慮・時曲想間後
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径 / 2・o 15 IO第4図月薗下:垂体捌出の場含
対側服瞳孔径 } ’…−術側目朗彰L径xx
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五+ 瞬 目寺 時 騎 前分分分 「司 ME 「司 「酊 一躰「萄「 O l緬+三 一 ’二 a.脳下垂体別出ラットの場合 五十 購 時三法・)により脳種体蜴回した偽媚観し 前伽回 ne 鳳
圃 一腓 た1匹,5.日経過した2匹,7日,33日経過した各1 匹,.計5匹の工60∼250gの雄ラットについて実験を 行い瞳孔径の変動をしらべた。 一 507 一結果は,第4図に示す様に捌出後7日目に側腹 手術を行った1例を除き,他の4例は総て約5分 の間に散瞳が起り1時間後には術前の2.5∼5倍 の散瞳を認め,その瞳孔径は2.8∼4.lmmとなっ た。次で2時間目頃から次第に縮小が起つた。術 側眼の瞳孔径には全例殆ど変化は認められなかっ た。、推計学的には術側眼,対側眼瞳孔径の間には 1%以下の危険率に於て有意の差があった。 ’尚対側眼散瞳反応を認めなかった1例は捌出に 数回失敗し,且実験時は非常に弱って居た。叉こ れ等5匹のラットの脳は剖見により下垂体は完全 に除去されて居たのを認めた。 本実験により脳下垂体は対側眼散瞳反応に関与 してV・なV・事が判った。 b,副腎全捌出ラットの場合1 背部より両側副腎刎出後3∼12日を経過したラット 20匹について側腹手術を行い瞳孔径の変動をしらべ た。対照として副腎を刎出すると同様に.;背部を切り副 腎部を露出t,再び閉ぢてから3∼12月を経過した7
第5図副腎捌出ラット(7日以内)
d4匹平均) ノれ 3,0 25 瞳 孔 2,0 径 / i., 文寸’狽]1目艮目壷、矛しそ蚤 一・一一一一齣、眼目焦思呈1 匹のラツNc側腹手術を行ってとれを観察した。 結果は露出後3∼7日を経過してから手術を行 ったものの中で,3日後に行った3例の中2例に, 8日後に行った8例では2例のみに,又日後に行 った3例では2例に対側眼散.瞳反応を認めた。 (第5図) 又副腎捌出術後10∼12日を経過してから手術を 行った6匹に於ては10日後に行った1匹が30分後 に対側眼が術側眼の2倍の散瞳を認めた外,他の 5例には対側眼散瞳反応は現われな参った。(第 6図) ゆハ 35 3.0 瞳2・5 孔径20
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i.5 1,0 O.5 o 第6図 副腎易ri出ラ’ソト(IO日以後) (6匹平均/ 一一 ホ側目艮瞳孔径 廟一一 p側、眼目彰〔径 !,o O.5 N 術 + 時 時 日寺 前 分 「前 「酊 「司 一一躊 「潮 。 術 ’o廓 脚 塵 角 一 ● 層 一 一 前t
分 蒔 日寺 旧 邸 圃 面一日寺 慮
推計学的には副腎捌出後1週聞以内のものに於 ても,叉1週聞以後のものに出ても,側腹手術後 1時間後の,術側,対側眼瞳孔径の聞には有意の 差を認めなかった。 7匹の対照ラットに於ては第7,8図に示す様 に対照手術後3∼7日後に行った5例に出ては1 例に30分後に軽度な対側眼散瞳が見られたのみ で,他は三三眼,対側詔旨に散瞳しないか軽度に これを認める程度で両者の間に差は認められなか つた。しかるに10日以後に側腹手術を行った2例 一 508 一ね 3.0
瞳25
;IL 径2.OT
l5 ぺlO 05 o 第ワ図副腎易1拙又lt照ラント(7日P導け t ∼焔聖目艮瞳孔径 ・… p側眼瞳孔径 第8図 i劃腎三筆対照ラ㌧ノト(10日以後) 醗瓜 3,5 3.025
目 窪2。 t i.5 (,o ’ ρ’t− t v O.5 術五+三 二 五十 騰 腓 甫筋介 同 「百1 ・一ゆ時 郡 暁 頃.1 一一ホ側眼瞳3L径
一一一一@一 一・ tytT fill目艮目童3しそ蚤 tEN 、’岬.嚔セ一二二;ンー呼尋ごζご一 ㌔ρ 鞠哨 ’o掴= 一 二 三
五+ 日寿 時 時 あムムム ズぷ 納η刀刀 商 面 面 馳〉時 固 四 1翻 に於ては共に著明な対側眼散瞳を認めた。推計学 的には7日以内に側腹手術を行ったものは,対側 及び術側眼の瞳孔径の間には有意の差を認めなか ったが,10日以後のものには両考の聞に1%以下 の危険率に於て有意の差を認めた。 以⊥の実験により副腎顔出後1週間を経過した 後に手術を行ったものは対側眼散瞳反応が現われ す対照ラットにはこれを認めるのであるから,対 側眼散瞳反応には副腎が関与している事は明かで ある。 C,コーチゾン過剰投与ラットの場合 上述の様に薄側眼散瞳反応には副腎の関与している 事が判ったので,皮質ホルモンたるコーチゾンの影響 を見るべく正常ラット並に副腎捌出ラットにコーチゾ ンを注射した後,薄側眼散瞳反応との関係をしらべた。 実験は120gより270gまでの雄i正:常ラット6匹にメ ノレク製コ7レ1・ン1容液O.5cc (コノレi・ン’0.5 mg含有) を9日闘連続注射した後,側腹手術を行った。 対照としてそれまで同じ環境に飼育されて来た体重 1209N270gまでの雄正常ラット4匹に生理的食塩水 0.5ccを9El間連続注射したものを用いた。 繹 3.5 謄30 巻。, し。 一509一 t.5 1.o O.5 第 9 図 =]ルトン)主周寸 食ま1孟亦.荘射 ’:一//バ
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前 分 鳳 ・一一一 ホf貝偲瞳孔径 一一・…一p唄,1 9P,瞳多Lイ蚤 曳 ヤ ノ ヘン同順輪回
、 !,、、悪爵鯨薫師
一一時緑その成績は第9図に示す様にコルトンを注射し た6匹は総て側腹手術後5∼30分の後に対側眼の 著明な散大を認め,1時欄後には術前の2∼8倍 に散大し,その瞳孔径は3.0∼4。5mmになった。 術語は1例に散瞳が認められたのみで他は殆ど変 化が認められなかつブと。 対照ラットに於ては,第9図に示す様に,前者と 同様対側眼が5∼30分の後に散瞳し,1時間後に は術前の3倍以上の2.7∼4.Ommの散瞳を認めた。 術側は3例に軽度の散瞳,1例に縮瞳を見た。 推計学的にはコ・・チゾン注射せるラットの瞳孔 径と対照ラットのそれとの間には有意の髪は認め られなかった。 即ちコt・一チゾン過剰投与後,側腹手術を行った ラットの対側眼散瞳反応は,正常な対側眼散瞳反 応が起るのみで他に特別な変化は見られなかっ た。 D,副腎漏出ラットにコーチゾン注射。 副腎捌出した1259から1809までの8匹の雌ラ ットについて息出後3日目から前実験と高溶量の コル1・ン0.5mgを11∼17日間連日皮下注射をした 後,側復手術を行った。 その成績は11下問連続皮下注射した後側腹手術 を行った3例は2例が両眼とも同様な軽度の散瞳 を認め1例は1時聞後には対側眼が術側眼の約2 倍の散瞳を認めた。又13日聞連続注射した1例は 両側同様な軽度の散大,ユ5日聞注射した2例は共 に著明な対側眼散瞳を認め,17日聞注射しπ2例 の中,1例は30分後に中等度の散大を認め,他の1 例は両側共軽度の散瞳を認めた。この様に2,3 例外を除き術心眼,対側眼の瞳孔径の間には大差 を認めす,推計学綿にも副腎捌出後コーチゾン注 射ラッ1 Ntc於ては側腹手術後1時間後の両側眼瞳 孔径の大きさの問には有意の差を認めなかった。 (第9図) 即ち副腎捌出ラットにコーチゾンを用V・ても対 側眼散瞳反応は現れなv・。 前項に於ける正常ラットにコP一チゾン過剰投与 の結果と併せて何れの揚合もコーチゾンの作用は 認められなV・。即ち対側眼散瞳反応に対してコー チゾンは無関係である。 e,副腎面出ラットにDOCA.を注射した揚合。 副腎捌出した雌iラット6匹にDOCA.1mg.(武田 製シンコルタ)を捌出後3日目から毎目6・∼・15日闇連 続皮下注射した。その後に側腹手術を行い瞳孔径の変 動をしらべた。 威績は9日聞注射した1例に著明な対側眼散瞳 を見,6日間注射した1例に軽度に対側眼散瞳を 見た外は著変がなく,推計学的に見ても側腹手術 1時聞後の術百眼対側眼の瞳孔径の間には有意の 差を認めなかった。(第10図)・ 鋸 3,0 瞳2.5 翫。 r i,5 1.O 05 第i 副腎輩出後コーチゾン涯射 (8匹平均 ) t 1 ノ ’ t“N O .1.一,k一.!!r1一 ..
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創賢馴出後DOCA注射 (6匹’lt ty) 一一ホ側眼目動乙径 ,,¶一π一@刊斤f且1」目艮美童1しイ≡蒼 It/NX , ,A .一
購舳噛,v/ ”蒔 毒術旱蒔
「吾1 1司 前 分 「削 一“腋 圃 時 三 日弁 rHl 即ち対側眼散瞳反応にDOCALの関与は認めら れなv・。 f,副瞥髄質捌出の場合。 副腎捌出ラヅトには対側眼散瞳反応は起り難く,尚 且皮質ホ7レモンたるコーチゾン,DOCA.の影響も亦 認め難いので髄質ホルモンの対側眼散瞳反応に対する 影響を見る為に皮質掛残し髄質のみを創出したラット について実験を行った。 副腎全別出の場合と同様に,背部より副腎を露出し 皮質に切開を加え軽く押して髄質を取り出して皮質の みを残して縫合した。術後7日経過した3匹,10日1 匹,1.1日3匹,12日.2匹,・・15日21亙,21日1匹,38日 経過した2匹,計20匹の180∼2909のラツ}につい て側腹手術を為し瞳孔径の変動をしらべた。爾その中 6匹は実験後副腎髄質の有無を組織学的にしらべた。 結果は組織学的検索を行はなかった14例の中, 5例は著明な対側眼散瞳を認めたか或はごく僅か な対側眼散瞳があっfao.、 一 510 一推計学的には副腎皮質のみを残し髄質を捌出し たラットでは側腹手術1時間後の術側,対側眼瞳 孔径の間に於ては有意の差が認められた。これ等 は組織的検索を行わなかったので完全なる髄質捌 出とは認め難いので対側眼散瞳反応に撫する髄質 ホルモンの影響を云々する事も難しいので次に実 験後軍見を行って髄質の残存の有無をたしかめ た。 組織学的検索を行った6例の中,完全に髄質の 捌出されて居たものぱ3例でその結果は第11図に 示す様に3例共著明な対側眼散瞳反応は見られな かった。推計学的には副腎髄質の完全に刎出され たラットに於ては側腹手術後乱訴眼,対側眼瞳孔 径の間には有意の差を認めなかった。これに比し 髄質の残りを認めた3例は全部著明な対側眼散瞳 反応を認めた。 mm 4,0 3,5 瞳 孔3.0 径 丁 2.F.s 2.0 1.5 io Or) o 聰 篇自不完全易1出
第11図
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氏 ハ モし へ 、ぐ亀 / \、 窒〃’へ・\\ ノ曜日…一一一二=→・貼貯一一,. 髄賃究全易i”rtl 一一ホ唄;旧艮1歎径 一一一・一p側眼ses SL tilrT璽奉醸 轟 ai術〒爵 蒔 需
fiil 分 圃 嗣 rHl 庫「 升 lli1 ;SI 1旬 → 肺 1’1 1 この実験により対側眼散瞳反応には副腎髄質の 関与している事が明かである。 g,アドレナリン過剰投一与ラット 前項の実験で副腎髄質の対側眼散瞳反応えの関与が 明かとなったので,髄質ホルモンの中で第一にアドレ ナリンとの関係を見るべく次の実験を試みた。 150gと130gの2匹の雌正常ラットに第一製薬千倍 塩酸エピレナミン溶液(ボスミン)を0.3cc皮下注射 し約30分後に側腹手術を行った。 その瞳孔径の変動は,第12図に示す様に2匹共 何れも対側眼の著しい散瞳を認め,二二眼は殆ど 散瞳を認めなかった。しかしアドレナリンを注射 しない正常ラットに側腹手術した場合の瞳孔径に 比し特に差は認められなかった。
第i2図 アドレナリノ注射の場合
けか35
3,0瞳2ら
孔 径2、OT
i,5 1,0 OE o 注 術五十三 一 _ .二. 貝† 裏}五† ee 時 B寺 前 警分分分 la 圃 rm零 →時 帰
h,副腎別出ラヅトにアドレナリンを注射した 場合 副腎再出後,そのストレスの影響をさける為に:7∼ 10目経過した雌6匹,雄2匹計8匹のラットについて 笑験を行った。 アドレナリン0.3ccを皮下注射した8例の申3例が すでに注射のみで4∼5骨後に5∼3コ口両眼散瞳を 認めた。 全例に側腹手術をした結果は6例は著明な対側 眼散瞳を認め,1例は術前に両側散瞳したまま変 化なく,他の1例は逆に術側眼の軽度な散瞳を見 た。(第13図) 一 511 一第13図副腎刷出後アドしナリン注負寸
(8匹平t9, ホハ 3.s 3.0 瞳籍
t 2,0 1,5 1,0 O,5 o 一 文オ{貝ii目艮目童夢し千蚤 冒卿一一,層@イ亦〒丁艮ll目艮目童3L了杢 にまで及ぶ切開を2,3ヵ所加えた後皮下組織の 中に移植した。移植手術後10日を経過したもの, 28日経過したもの各2匹つつで,これ等4例は後 日剖見により完全に移植に成功した事を認めた。第14図副腎移植ラット
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澱tn 3.0 2.5 瞳 穀2・ i ,, 1’,O 対t月il目艮目童『Lf釜 一一一一p側R艮目童孔径 う主 術五十三 二 三簿謡鴨 頴 隠
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凹 「白1 推計学的には副腎捌出ラットにアドレナリン注 射した後,側腹手術を行うと術側眼対側眼,瞳孔 径の間には1%以下の危険率に於て有意の差があ った。即ち対側眼散瞳反応にアドレナリンの関係 してV・る事ば明かである。 i,副腎移植 沖中(26)はアドレナリンの分泌は副腎を支配する内 臓神経が関与していると述べ,更に皮質ホルモン分泌 にまで影響があると説いている(34)。著者は内臓神経 を切断した場合対側眼散瞳反応に如何なる影響を及ぼ すかを試みようとした。しかし副腎の周囲には結締織 が多く内臓神経を見出す事は困難であったので一旦副 腎を捌出し,(この旧作により内臓神経は切断される) その後直に他の所にごれを移植した。 副腎を捌出し,元の場所に再び移した10数匹の ラットは副腎機能が発揮されす全例共7日∼10日 後に死亡した。次に副腎の細片を脾臓皮膜の下に 移植した2匹,及び脊部皮下組織の中に移植した 例について,側腹手術を試みた。伺脊部移植の方 法は一血管の副腎内への侵入を容易にする為に髄質 。.5 術計三 五十 繭二分介 時 時 時 潮 圃 厄】 →臼笄 向 実験の結果は皮下移植した1例に両側の散瞳を 認め,他の3例は全部両側共変化を認めなかっ た。即ち副腎を移植したラッF,換言すれば神径 支配から離れた副腎を有するラットに於ては対側 眼散瞳反応は現われない。 即ち対側眼散瞳反応には副腎を支配する内臓神 経が関一与している。 4,自律神経遮断剤の影響 前項までの実験で対’側眼散瞳反応に副腎の内分 泌を支配する内臓神経の関与が判明したので,つ いで各自律:神経遮断剤に就て次の実験を試みた。 a,T。E. A.B.の影響 テbラ=チルアンモニウム塩(TEA)は交感神経及 び副交感神経節に作用して,その節前繊維の刺激が節 後神経繊維に伝達されるのを阻止する働きがあると云 われ,これ等の瞳孔に対する作用としては荒木(19), 一 512 一木村(17),Drucher, Sadove, Unna(18)等の詳細な報告’ がある。殊にLUCO(20)は猫に本:剤を注射して毛様神 経節に於て電気的刺激が遮断される事を証明してい る。著者は側腹手術による散瞳に:対しTEA.が如何な る作用を為すかを試みた。 前実験としてTEA.としては,そのプロム製剤なる テブ・ンO.4cc(20mg含有)∼1ccを正常ラット6 匹に皮下注射して30分乃至1時間後に0.4cc注射した コ 3匹に1・4・V2・5倍の散瞳が現れ,1cc注射した6匹 に1・0∼3倍の散瞳の出現を認めた。 以上の予備実験の後に本実験の後に本実験を1259 より2609までの雌雄7匹のラツNc行った。即ちテ ブロンコHワ0.4cc∼1cc皮下注射し(O.4cc 3例, O.5cc 1例,1cc 3例)25∼30分の後に側腹手術を施し瞳孔 径の変動をしらべた。 結果は第15,16図に示す様に1例を除き注射後 20∼30分の後に既に瞳孔は両側共2∼3倍に散大 した。側腹手術の後,全例両側共に散瞳はしてい るが,その中5例の対側眼の散瞳は術側眼よりや や強い。しかしこれを推計学的に見ると術対両側 眼瞳孔径の間には有意の差は認められなV・。一応 テブロンが対側眼散瞳反応を阻止したかの様にも 欄 3,r) 3.0 瞳 窪、, i 2,0 !,5 i,o 第15図 テフ^L]ン04cc注射1耽場台 、 \、
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3r) 3,0 瞳 葎2ら T 2.o i,5 IO O.5 o第i6図テ7Dン1cc注射せし場合
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一→目寿 i盲] 口N 時 i自1 見えるが,これはテブロンそのものの作用により 既に散瞳が現われて了っているので対側眼散瞳に 対する作用は充分に現われなかったのであろう。 b),ベンジpmルイミダゾリンの影響 ベンジ戸ルイミダゾリンは交感神経様作用,副交感 神経様作用ヒスタミン様の3作用を:有すると云われ, 殊にSchnetz及びFluch(2)(1940)は抗アドレナリ ン性に注目した。本剤の限作用,特に瞳孔作用に関し てはGless(24),木村(ユ7)1ま家兎瞳孔の轍瞳を認め,Ch− eSs, Yonkmann(23)は入眼に於て副交感神経作用と見 倣される縮瞳を見た。このペンジールイミダゾリンが 対側散瞳反応に如何なる影警を及ぼすかを試験して見 た。 笑験は110gより290gまでの雄7匹,雌5匹のラツ トに山之内製薬イミダリン1cc注射後15∼20分後に側 腹手術を開始し,その後の瞳孔径の変動をしらべた。 その成績はイミダリン注射により10∼15分の後 に殆ど総てのラットが軽度の縮瞳を示した。その 後の側腹手術により3例が著しい対側眼散瞳を示 した外2例がやや散瞳,他は著変がなかった。 (第17図) 一513一れれ 3.5 瞳3.0 孔 径2.5 i 2.o 1.O