Title
沖縄における乳牛の繁殖状況調査1
Author(s)
渡嘉敷, 綏宝
Citation
琉球大学農家政工学部学術報告 = The science bulletin of
the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering,
University of the Ryukyus(6): 99-108
Issue Date
1959-08
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/25014
沖縄 における乳牛の繁殖状況調査
Ⅰ
渡
嘉
敷
露
宝
SuihoT o-くASHIKI:Statisticonthereproduction ofdairycowsin Okinawa. I.
Ⅰ.緒 言 沖縄の乳牛飼育頭数は
3
0
0
余頭 で, 日本の府 県に此軟 すると,その1
0
分の 1に も 足 りない誠に貧弱な状態にある。その飼育者 も都市周辺の専業搾乳業者が多 く,酪農 的な形態にはほ ど違いが,最近 ミル クプラ ン トの設立 と共に1部の肉牛飼育農家が乳 牛に切替 えて酪農 を営む よ うにな ったのは農業形態の前進 と して注 目され る。 乳製 品の輸入は小学校等の学校給食の関係 もあ って相 当の額に達 し, また栄養的 な 面か ら一般市民 も牛乳の消費が増加 しつ つある状況にある。 そのため乳牛の飼育頗数 も年 と共に増加の傾 向をた どってい る。 一方人工授精の実施 も順調に伸 び,現在種付牝牛数 に対 し約9
0%
の普及率 を示 し てい る。 この普及状況 と相 まって最近 の繁殖成績 を調査報告する。Ⅰ
Ⅰ
.
調 査 方 法 本調査は1
9
5
9
年2
月1
7
日よ り同年3
月2
6
日までの間に 沖縄本 島に 飼育 されてい る全成雌牛 (月令1
8
カ月以上) を対象 と して行 な った。 調査方法は主 として農林省の行 った1道 7県を対象 とした乳牛繁殖障害防除事業開 始前の調査方法1
'(
1
9
5
5)
に よった。 調査頭数は2
5
0
頭で内Ho
r
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e
i
n2
3
9
頭,I
l
l
awar
r
aSho
r
t
ho
r
nl
l東であ る。 この調査 には琉球政府な らびに琉球大学繋養牛 も含 めた。 妊娠鑑定にあた ってほ種付後4
0-5
0
日程度 の ものは子宮頚管粘液に よる綿毛状の 出現 をもって妊娠 と判定 した。*
琉球大学農家政工学部畜産学科100 1. 雌乳牛飼育頭数別飼育 戸数 r T- -渡 寂 敷 鞍 宝
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
.
調 査 成 績 第1図 ホルス タ イン種牝牛 第2図 ホル ス タ イン種牡牛 沖 純 に おけ る酪農規模 は 第1
,2
表 に示す通 りで,7
6
戸の 調査 戸数 中3
頭飼育 が2
7
.
6%
で碇 も多 く,次いで1
頭飼育の2
2
.
5
%,4
頭,5
頭飼育が おの お の1
4
.
5
% の順 とな り,1
戸 当 りの平均飼育頭数 は3
.
3
頭 と な ってい る。 戯林 省調査 に よる1
道7
県の 平均飼育頭数 は1.
6
頭 で,調査 農家 の6
1%
は乳牛 を1
頭飼育 してい るに過 ぎない。 これか ら 見 ると日本 の平均 よ りも沖 純は 2倍 の頭数 を飼育 してい ること にな るが,前述 した通 りこれは 都市周辺 の専業 搾乳業者が数頭 程度 飼育 してい るためであ り, また総頭数 においては 日本 の府 県 と此牧 にな らないほ どの少数 であ るため, これ をも って酪怨 が進 んでい る とい うこ とにはな らない. 第 1衰 雌乳牛飼育頭数別飼育戸数岨
∴
㌣ 1頭 2頭 3頭 4頭 5頭 6頭 7頭 8頭 9頭 計 那 醐 1 2 5 5 3 30
I 1 21 南 部 15 1 8 2 4 0 10 0
31 中 部 1 2 8 3 4 1 1 00
20 北 部0
3 0 1 0 00
00
4 計 17 8 21 ll ll 4 2 1 1 76沖純 にお け る乳牛 の繁殖状 況 胸査 節 2去 1戸当りの平均飼育頭数 区 分 飼育戸数 飼育東数 1戸当り平均頭数 邪
抑
21 90 4,3 南 部 31 76 2.5 中 部 20 74 3.7 北 部 4 10 2.5 計 76 250 3.3 第3図 イラワ ラシ ョー トホー ン槌牝 牛 ん 第4図 イラワ ラシ ョー トホー ン柾牡 牛 lot2.
飼育雌 牛の年令 別頭数 調査地域 に飼 育 され てい る雌 牛 の年令 (捕)構成 は第3
表 の 通 りであ る。木表 に示 す通 り3
-6
歳 の牛が最 も多 く,全体 の 60% を占め てい る。 この よ う に高能 力期 にあ る ものが多い こ とは都市周辺酪農 の特徴 といえ そ うであ る。事 実那樹は勿論 の こ と南都地 区の大半 の牛 乳の販 路 は那覇 市であ り, 中部地 区は コザ市 を主体 と してい る。1
0
歳 以上 の 高令牛 も相 当数 飼育 され てい るが, ほ とん どが 能 力低 下 した ものであ り,資 本 の蓄積 と共 に逐 次切替 え られ るもの と恩 われ る。 また3歳 以 T の若年 (主 と して未経度牛) が少 いのは搾乳業 者以外 の一般 農家 に飼育 され てい るため とみ られ る。 この よ うに一般 農家は k l 仔 牛 を搾乳業者 か ら買い と り, 妊娠 せ しめた上再 び搾 乳業者 に 第3表 飼育雌牛の年令別頭数年
令
地区別
1
8
-2才ケ月 2-3才 3′-4才
4
′
-
5
才
5
′
-
6
才巨也
∼
9
才
1
9
-
1
9
1
0
才
′
- 計 那醐
5 31
7
1
0
l
l
141
2
83
7 90 南部
3 91
9
1
2
7
8 5 45
4 76 中部
6 2 16
1
0
1
2
8 7 53
5 74 北部
00
12
1
3
21
0
0 lOヨ
十
%
141
4
533
4
3
1 33 26
1
8
l
l
1
6
2
5
0
102 渡 嘉 敷 絵 -i; 売却 す る方法 をとってい る。 これ らの農家は酪農 を営ん でい るわけではないので,今 回の調査 か らは除外 した。
3
.
飼育雌 牛の純,雑種 別頭数 飼 育雌牛 の純,雑種別 の割合 を示 したのが第4表 である。本案 に よる と純粋種38.4 % ,雑種 61.6%で,過 半数 は雑種牛 であ る。 これ を地 区別 にみ る と都市に近接 した 第 4表 飼育雌牛の純,雑種別敢数 程純粋種 が多 く飼 われ てい る。 即 ち都斬 44%, 中部地 区 43%で,いずれ も40%以上純粋種 を飼 育 してい る。 この こ とは泌 乳能力の高い こ とが経 営上有利 な こ とを 物語 って い るとい え よ う。 南部地区は純粋種 21% であ り,80% 近 く が雑種 を 飼 育 してい る。 この地域 は 農村地潤
で,純然 た る 酪農経営 と称 するこ とが で きる が,A-面 まだ乳牛飼育の経験 に乏 しく, ために 雑種 の比率が高い もの とみ られ る。 北部地区は 70%純粋種 を飼 育 してい るが, これはほ とん どが種畜場 並 びに農林高校 の繋養牛 で 占め られてい るため であ る。4
.
年 内生産仔 数 1958年 におけ る 成雌牛 の生産状況 は 第5表 の通 りで,飼育成雌牛 の僅 か 47・3% が仔牛 を生産 してい るに過 ぎない。 その うち那覇 お よび北部地 区は先 ず よい と して南 部 お よび 中部地 区に至 ってはおのおの 40%であ り, その生産効率は最悪 の状態 にあ る。 第5表 JilJ一内生産仔数 (1958年) 生 産 仔 数含
I♀
′0 0 9 0 7 5 AT 3 ′LU . 4沖純 にお け る乳牛 の繁殖 状 況 調査 103 /i:_産仔牛
1
0
4
頭の性比は雄4
0
.
4%
に対 して雌5
9
.
6%
で, この標本に よると雄の 仔牛の生れ る % は統計表に よ り3
4-5
4%
にあるとされ,雌雄同数生れ る とい うこ とは否定 できない。 なお,生産仔牛中に双生仔はなか った。 5. 妊 膏 の 状 況 成雌牛の調査時におけ る妊否の状況は第6
,7
表 の通 りである。本表 に よると妊娠 頭数は成雌牛の4
5
.
2%
で,農林省調査の5
1
.
5%
に比べて6
・
3%
低 く,かつ また 妊否不 明頭数は沖縄7
.
6%
に対 して農林省調査 は1
9
・
0%
であ るので,仮 にその半 数 を妊娠 とみた場合は両者の開 きは倍加 され ることになる。 生理的空胎は1
6
.
4%
で農林省調査 の1
4
.
0%
に比べて僅 かに高い。 この ことは冬 期分娩が多か ったこ とを示す ものである。 空胎牛は3
0
.
8%
で,農林省調査 の1
5
.
5%
に此べて2
倍の高率 を示 してい る。 こ れか らみて沖縄におけ る酪農経営がいかに不合理であ るかを如実に物語 ってい る。 空胎の うち病的空胎は8
.
0%
で農林省調査 の8
.
2%
とほぼ等 しい数値 を示 してい る。沖縄においても常包技官の技術指導以来繁殖障害の治療は行 なわれてい るので, 第 6表 妊 否 の 状 況 忘漂 JI-mi塊数 ≡ ≡ L 9:0: 北部
計
%
:: J : loo
1 45・2I ;:I
:. 】 9 63
00
19 7・61
空 胎i
1
f
6.
-
.
4
「
1
頂
8
.
.
.
0 7
Tl
写
.
6
第 7表 妊 否 の 状 況 比 較104 渡 嘉 敷 緩 宝 この数値は数年前に比べて低率にあ ると推測 され る。 その他の空胎は
7
.
6%
で,農林省調査の3
.
1%
に此
′'(て高率 を示 してい るので, それだけ不受胎牛の多い ことを現わ してい る。 これ らの不受胎牛 を 詳細 に 検索すれば
, この中か ら若干の病的空胎牛が検出できるもの と思われ る。 末種付 は1
5
.
2%
で,農林省調査の4
.
2%
,石川県2)の1
.
5%
に比べて 数倍∼10 倍 の高率 を示 してい る。 これは前述の冬期分娩 (生理的空胎の項) と一見矛盾 するよ うに見え るけれ ども,その実は未種付 のほ とん どが 「夏乳」 を目当ての繁殖方法を と ってい るがためである。結局その よ うな経営方法は必然的に受胎率の低下 を招 き,計 画を狂 わ して酪農経営 を不振に陥 ら しめ る誘因にな ると考 える。やは りその点か らも 乳の販路に不安のない方策 と して ミル クプラ ン トの充実が必要 とな る。6.
病的杢 胎病類別頭数 病的空胎 を病類別 に 分類 したのが 第8
表であ る。 本表に よると卵巣のみの疾患は1
1頭 で病的空胎牛の5
5
.
0%
,卵巣 と子宮の疾患は5
頭 で2
5%
,子宮のみの疾恩は4
頭 で2
0%
とな ってい る。 また卵巣疾患が関係 してい る病的空胎は1
6
頭 で病的空 胎 の実に8
0%
を占め,子宮疾居が関係 してい るものは9
頭で4
5%
とな ってい る。 この よ うに卵巣疾恩は病的空胎の主要 な疾患 とな ってい る。 卵巣疾患の うち最 も多いのは卵巣機能減退で, これが関係 してい るものは9
頭で卵 巣疾患の5
6
.
2%
を示 し,次い で卵巣嚢腫が関係 してい るものは5
頭 で3
1
.
3%
とな ってい る。 これは深田 ら3),4)の調査成績 とほぼ同様 な傾 向 を示 してい る。 なお 腫疾患 と して 粁粒性腺炎に躍思 した もの若干 と二重子宮 口の崎形1
頭 が あ る那
, これ らは病的空胎の原因にはな ってないので除外 した。 第8表 病的空胎病類別頭数沖縄における乳牛の繁殖状況調企 105
7
.
栄養状態 と妊否の関係 栄養 と繁殖 との間には冴接 な る関係があ り,栄養不 良にな ると発情周期は不規則 と な り,受胎率が低下す ることは よ く知 られてい ることである。 栄養 と妊否 の関係 について第9
表 をみ るに栄養状態が優 良並 びに良の ものは明かに 妊娠率が高 く 65.9 お よび 45.7% を示 し,病的空胎は 2.3 お よび 7.5% に過 ぎな いが,栄養不 良の ものは妊娠率 18.5% の低率にあ り,病的空胎は 14.8% の高率 を 示 してい る。 また栄養不良牛の 29.7% が生理的空胎 であるところか ら分娩後の飼養管理の失宜 が栄養の低下 とな って現われたのではないか と して注 目され る。 過肥の もの隼ついては頭数 も僅 かではあ るが,妊娠 した ものはな く,全部が空胎 で ある。 牛の栄養状態 と病的空1
1
fllとの関係 について 星 (冬)5)は空胎牛の調査 カー ドを分類 した結果,子宮疾患,腫疾患は栄養状態 に よる偏 りは認め難 か ったが,卵巣疾感につ 第 9表 栄養状態と妊否の関係 -一
過肥
優 良 不 良 計 ∴ 第 10表 卵巣機能障害牛と栄養区分 6 100 ぷ ⋮ 173 100 27 竺 250 1106 渡 妄吉 敷 線 Jiz いては栄養状態に よって病類に著 る しい差異が認め られた と報 じてい るO即ち卵巣嚢 腫 は栄養の良好な もの程,一般 の卵巣機能減退は これ とは逆 に栄養の悪い もの程高率 に発す る傾 向が認め られ ると。 沖縄 におけ る卵巣機能障害牛は僅 かに
1
6
頭 で,信頼度 に乏 しいが一応 まとめてみ るこ とに した (第1
0
表)0 8. 妊娠成立までに要 した種付回数 妊娠成立 までに要 した種付 回数 は第1
1表の通 りで,平均1
.
9
4
回 (種付回数不 明 の ものを除 く) であ り,農林省調査 の平均2
.
1
回 よ りやや高い結果 を示 してい る。 妊娠牛1
1
3
意 中1
回 目の種付 で4
3
頭(
3
8.
1
% )が 受胎 し, 2
匝旧 は1
回 目の約6
割 の2
5
頭(
2
2.
1%)
が受胎 した。ただ しこの集計は種付 回数不明の ものを加えた もので,その分 を差引 くと1
匝旧 の種付 で5
0% (
86
頭 中4
3
頭)が 受胎 したことに な り,農林省調査 の51.
6%
にやや近い数値 にな る。 種付 回数不明の牛が2
7
頭(
2
3.
9%)
の多数 を占めてい るのは主 と して今年1
月以 降 日本 か ら妊娠牛 を導入 した ことに よる。第
11表 妊娠成
立までに
要し
た
種
付回数 種 付回
数計
飾
7(
)0
2
/0
3
0
3 3 3 1 0 1 1 1 2 日 日 日 1 3 8 . ・ 4 3 3 51
3冒
.
昌.
5
不 肌 !平 均 3 弓1.194 16 i1.77 L1 5 1.96 9. 死充産発生回数 調査時飼育 してい る成雌牛が,過去1年余に惹起 した死流産発生回数を調べたのが 第 12表 であ る。本表 によると死流産率は3.
6%
で農林省調査(
2
が f三) の死流座率4.
9%
に比べて1.
3%
低い結果 にな ってい る。 第 12表 死流産発生回数 (1958年1月-59年3月) 受 胎回
数 1E産回数 133 死流産回数 5 タヒ流産率沖縄 にお け る乳隼 の繁殖 状 況 調 査 107
1
0
.
後産停滞発生 回数 後産停滞発生 回数 は第1
3
表 の通 りで,その発生率は3
.
0%
で,農林省調査 の発生 率6
.
9
% に比 べて3
.
9%
も低率 にな ってい る。 この調査 では分娩 後半 日程度 の後塵 停滞は不 明の ものが あ るので,全例 とも1日以上停滞 の ものであ る。従 って農林省調 査 の半 日以上の停滞 との此軟 は困難 であ るが,実際 には両者 の差異は接近 す るもの と 思われ る。 第 13表 後産停滞発生回数 (58年1月-59年3月)Ⅰ
Ⅴ.
総 括 1. 調査時 におけ る成雌牛 の飼 育頭数 は僅 かに2
5
0
東 であ るが,1
戸 当 りの平均飼 育頭数は3
.
3
頭 で,農林省調査 に よる1
道7
県の平均1
.
6
頭 に比 べ て2
倍 の乳牛 を 飼 育 してい るこ とにな る。 しか しこれは専業 搾乳業者 (飼育者 自体 で搾乳,処 理,販 売 を業 と してい る) が数頭宛 飼育 してい る影響 に よるもので,農業経営 の 中に乳牛 を 取入れた ところの所 謂酪農 は極 く1部 に見 られ るのみ であ る。 最近琉球 乳業株式会社 の設立 と共 に農村 の1部 に酪農振興 の兆 しがみ られ るのは注 目され る。 これ ら2
5
0
頭 の乳牛 中約半数 は 日本 お よび濠州か らの輸入牛 な るため,沖縄 自体 で の乳牛 の急速な る増殖策 と して黒毛和種 とホル ス タ イ ン種 との交雑 に よる新 乳牛 の問 題 も一応考 え られ るが,日本 におけ る経過 か らみ ると国 内経済 が安定化 す るにつれて, 単 に乳牛不足 を補 う手段 と しての新 乳牛 の増殖 は意義 が薄れ た といわれ る。 しか して 渡辺 (脂 )6)に よる と新 乳牛 の産 乳能 力はその Flの初産 の平均 乳量 は ホル ス タ イ ン 種 の約1
/
2
,乳脂塁は3
/
4
であ る といわれ る。 現在沖縄 におけ る乳価 は 日本 の2倍 の高値 を示 してい るため,今後牛乳 の生産 コス ト減 を図 り,かつ酪農経営 を安定 させ るためにはむ しろ高度 の泌 乳能 力 を もつ純粋種 の増殖 こそ急務 ではなかろ うか。2
. 1
9
5
8
年 におけ る生産 仔数 は成雌牛 に対 して4
7
.
3%
, また調査 時 におけ る妊娠 頭数は成雌牛 の4
5
.
2%
で,いずれ も農林省調査 の5
7
.
4
お よび5
1
.
5%
に比 べて1
0
% 乃至数 % の低 率 を示 してい る。 この よ うに妊娠 率低下 の直接 の原 因は 空胎牛が異108 渡 嘉 敷 嬢 士 常 なほ ど高率(30.8%)な ためであ る。 空胎牛 の うち 病的空胎 は 成 雌牛 に 対 して 8.0%,その他の空胎 7.6%,末種付 15.2% とな ってお り,特 に未種付牛 は農林 省調査 の 4.2%に比べ て数 倍の高 率 を示 してい るこ とは驚 くべ きこ とで, これが 「夏乳」 を 目当ての経営方法 だ とい うにいた っては, ここ沖 縄 には酪農 の素地 さえ もで きてない といわねばな らない。結局今後 の 繁殖増強策 の 目標 は広 範囲 な繁殖障 害の防除事業 よ りも未種付牛解 消問題が優先 され るべ きだ と考え る。 日本 におけ る繁殖障 害防除事業 は 佐藤7'の調査 で も明 かな ご と く,1954年3月の 空胎率 15.7% が1年後の 1955年3月には 7.7% とな り,8%の減少 を 示 してお り,相 当の効果 を収 めてい るが,沖 縄 においては この種事業 は少数 の乳牛 のみ を対象 に しては効果が薄 く,和牛 を主体 に してお し進 め らるべ きもの と思 う。