青森県鶴田町におけるヒートアイランド現象
鈴 木 忍
1 .はじめに
都市気候の中で最も顕著にみられる現象は、都市部が郊外よりも高温になる現象である。この 現象はとートアイランド現象と呼ばれ、大・中規模の多くの郵貯で確認されてきた。我が閣にお けると…トアイランド現象に関する研究は大・中規模の泰子有を対象としているものが多く、小規 模都市を扱ったものは Hosokawa(1974) 、榊原(1 99 到などを除けば誌とんど見当たちない。
榊原(1 9 9 8 ) は長野県小布施町においてヒートアイランド強慶と郊外の土地被覆とお関係を調 べた結果、ヒートアイランド現象は認められるが、果樹闘域にみられる広葉樹の器薬や積曹とい う土地被覆の季節変化は七…トアイランド強援の年変化に与える明瞭な影響は認められないと述 べている。
津軽平野は水陣地帯の中に小規模な市窮地が点在する典型的な農村景観の広がる地域である。
このような平野では榊原 ( 1 9 9 9 ) が対象とした果樹冨地域の中の小慈市よりも土地被覆の季節的 変化が明瞭に現れることから、ヒートアイうンド現象の年変化が認められる可能性が高い地域で あると思われる。
以上のことから本研究では報告事例の少ない地方小規模町村の一つであり、水田地帯の中に栓 麓する小規模市街地である青森県北津軽郡鶴田町を対象地域とし、展開と夜間ではヒ…トアイラ ンド現象がどの種変発現しているのか、またそれは夏季と冬事
ような経典がみられるのかそ中心に考察していく。
l 研究方法 1 . 繍資対緑地区
と非積雪時)とではどの
調査を行った鶴自町は青議県禅軽平野のほぼ中央に枇潰し、総蓄積 4 6 . 3 9 k n k 総人口 15 , 805 人
(2002 年 1 1 月来現在)の町である。今回の霧査は鶴田町の中心部で行った。この地域の人司数
は約 6300 入で総人口の約 40% である。第 l 顕は調査対象地域と土地利用状混を示し、昭文社発行
の都市地関(1 999 年〉、および間土地理院発行の 2 . 5 万分の l 地形図より作成した。後に示す臨も
この基本闘を利用して作図を行った。
2 . 観測方法
観測は最高気温が出現する 14 時前後と日没直 後において、自動車により測定する移動観測で行っ た。なお観測地点は 2 生地煮を設定し、全てアスブア ルトの舗装道路上の地点とした。
この鶴測方法は移動中に気象条件が変化しな いことが前提とされているが、実際は時々刻々 と変化しているので岩木川河川敷と郊外に臨時 定点観測所を設け、そこでの時間変化が砲の観 測地点と同じであると仮定して時刻補正を行った。
なお、風向・風速はアメダス五所川原地域気 象観測所で観測された績を用いた。
i l l . 観測結果
1.夏季の気通分寄
夏季における昼間の観謝は 2002 年 8 丹 27 自の 14 時四分から行った。天気は執晴で向日 14 時に おける風向・風速は北東の風、 3m/s で事った。
市街地・住宅地を申心に高温域が生じ、それを 取り巻くように 29.T ' C から 2 9 . 1
0Cの等混線が認 められる(第 2 関)。
次に夏季における夜間の鎮静!は開日 1 9 時 5 分か ら持った。 1 9 特における風向・風速は北の風、 1m/s であった。地点 10 と地点 22 を中心に 2 つの高誼域 がみられる。これちを取り巻くように南北に 22 . 4
℃および 2 2 . 1 "cの等混線が号!かれている〈第 3 図)。
第 2 国 襲撃昼陪における観灘結果 2002 年 8 月 27 自 14:18‑14:54 最高裁誕 No.12 , l 4 3 0 . 1 " c 最低気謀 NO.20 2 7 . 8 " C ヒートアイランド強震 2 . 3 " C
都市,.
水田域 果樹間
9 0 ; 5 . 1 柏
2 . 積壊時における冬撃の気混分布
積雪時における冬挙の援問の観測は 2002 年 12 月 初 日の 14 時 28 分から行った。間日 14 時における態向・
風速は語北関の熱、 4m/s で時折小震が舞っていた。
高温域は地点 2L 22 を中心とした住宅地に存在し、
そこかち南方に等混線が広がっている(第 4 関)。
次に穣零時における冬季夜間の寵謝は問自 16 時 43 分から行った。 17 時における瓶向・麗速は講西の展
3m/s だった。高温域は地点 10 、 13 、 14 を屈む町の 南部にある商岩街・住宅地に認められる(第 5 図)。
3 . 非積雪時における冬季昼間の気温分脊
非積雪時における冬季接聞の模擬は 2002 年 12 月 3 自の 14 時から行った。関吉、問時期における嵐向・現 速は東北東の風、 1m/s で謂査を行った時間帯は晴れ ていた。注目すべ君事象は悼の観測事事jと異なり高温 域が広く、低温域が小さく形成されていることである
( 第 8 関)。
I V . 考 察
観測結果む示されるよう誌、宵森県鶴田町では人口 約 6000 入という小規模な市街地であるにも関わちずヒー トアイランド現象は明瞭に出現していた。ヒートアイ ランド強震の年変化については夏季昼間の観測におい て最も顕著に出現し、非積雪時における冬季昼間の観 挺においてはあまり明瞭に現れなかった。このことか ら水田に水が引かれている期間には、日中水田の多い 郊外では太揚エネルギーの多くが潜熱フラックスに消 費されるのに対し、中心部では大部分が大気を暖める のに使われていたことによるものであると考えられる。
また、夏季の夜間にヒートアイランド強度が小さくな るのは、水の比熱がコンクリートやアスフアルトより も大きいことや、水が液体であるおで夜間水表面が冷
o 0 . 5 k
冊第 3 冨 夏季復簡における額 i l J 結 果 2002 年 8 月 27 日 19:05‑19:45 最高気撞 N o . 2 2 . 2 4 23 必℃
最低紫誼 No.15 2 1 . 8 " C ヒートアイランド強襲 1 . 2 " C
? 0 ; 5 ゆ 第 4 盟 積雪時における冬季昼請の観調結裏
2002 年 12 月 20 日 14:28‑14:57
畿高気議 NO.22 1 . 3 " C
最娃駕温 NO.15
・0 . 1 " c
ヒートアイランド強農 1 . 4" C
えでも混合により表面が冷えにくいことなどによる影 響が考えられる。このことからヒートアイランド強度 試土地被覆の状況によって影響を受け、年変化してい ることがわかる。
また、積雪地域では冬季においてヒートアイランド 強度が小さくなる傾向が島るといわれているが〈水越・
山下, 1985) 、積雪地域である本調査地域では、積 雪時と非積雪特において己ートアイランド強度に違い がみられ積雪時の1. 4 'Cに対し、非積雪時に:sいては O . 7 'Cとなり、わずかだが積雪時の方が大きいという 結果となった。今国の観測では積雪時の最高気温が 1 .3
0C 、非積雪時の最高気識が8.4'Cと約 7'Cも気温差 があった。横雪のあった呂に気誼が低く、積震の有無 という土地被覆の影響ではなく、気温の低下により暖 房の使用最が増大したため暖房熱の強度に差が現れ、
暖房を使っていたと思われるため非積雪時記比べ積雪 時においてヒートアイランド強度が大きくなったので はないかと考える。これは寒冷地域の冬の暖房熱、す なわち都市域の燃焼熱がヒートアイランド形成に及ぼ す影響の大きさを裏付けるものである。
夏季・冬季の稜雪時に共通して認められることには、
昼間においてヒートアイランド強度が大きくなり、夜 間において強震は小さくなるというととである。夏季 の事例についての見解は上に述べたが、冬季昼間にお いては人間活動の活発な都市竣・公共機関周辺に高温 域が出現しているため、人間活動による人工熱の影響 によるものと考えられる。
V. おわりに
青森県鶴田町立おける観測結果に基づき、ヒートア イランド強度の関銘を検討した結果、次のことが明ら かになった。
O 0 . 5 1 1 0 1
第 5 菌 積書時における各警護簡の観測結集 2002 年 12 月 208 16:43‑17: 15 最高気謀 N O . 1 3 . 1 4 ‑ 1 . 0 " C 最抵気逼 NO.15 土 8 "C ヒートアイランド強度 0 . 8 " C
1曹