立体認識におをチる構造模型の有効性
‑編み上ぼ多面体と多面体の観みをデル‑
平成且爵年度
野 改 廃 施
立体認識における構造模型の有効性
‑編み上げ多面体と多面体の組みモデル‑
教科教育専攻数学教育専修 野波慶矩
2007年2月13日
目次
1 序章
1.1本研究について ‥‥‥.‥‥.‥‥
1.2 本論文の構成 ‥‥‥.‥‥‥‥‥
2 台紙
2.1編み上げ多面体と多面体の組みモデルの台紙
2.2 台紙の制作 ‥‥‥‥‥.
2.2.1 四角形に分割する.‥‥‥‥‥
2.2.2 四角形をつなげる.‥‥.‥.‥
2.2.3 帯をつくる ‥‥‥‥‥‥‥
2.3 台紙を作る上での組みモデルタイプの優位性
3 具体的な台紙の例
3.1正多面体‥.‥‥‥‥.‥‥‥‥
3.1.1 正四面体‥‥‥‥‥.‥.‥
3.1.2 立方体‥‥‥‥‥‥‥‥.
3.1.3 正八面体.‥.‥‥‥‥‥‥
3.1.4 正十二面体 ‥‥‥‥‥‥‥
3.1.5 正二十面体.
3.2 準正多面体 ‥.‥‥‥‥‥‥‥.
3.2.1切頂四面体 ‥‥‥‥‥‥‥
3.2.2 切頂六面体 ‥‥‥‥‥‥‥
3.2.3 切頂八面体 ‥‥‥.‥.‥‥
3.2.4 切頂十二面体 ‥‥‥‥‥‥.
3.2.5 切頂二十面体 ‥‥.‥.‥‥.
3.2.6 立方八面体 ‥‥.‥‥‥‥.
3.2.7 十二・二十面体.‥.‥‥‥‥
3.2.8 斜方立方八面体‥‥‥‥‥‥
3.2.9 斜方十二・二十面体 ‥.‥‥‥
3.2.10 斜方切頂立方八面体 ‥ ‥ ‥ ‥.
3.2.11斜方切頂十二・二十面体‥ ‥ ‥.
3.2.12 振れ立方体 ‥..‥‥‥‥‥
3.2.13 振れ十二面体 ‥‥‥.‥‥‥
3.3 準正多面体の双対多面体. ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
3.3.1 三方四面体 ‥‥‥‥‥.‥.
3.3.2 三方八面体..‥‥‥‥.‥.
3.3.3 四方六面体 ‥‥‥.‖‥‥.
5 5 6
7 7 8 8 9 10 ll
13 13 13 15 21 24 25 26 27 27 27 28 28 29 30 30 31 31 32 32 33 33 34 34 34
3.3.4 三方二十面体.‥‥.‥‥
3.3.5 五万十二面体 ‥‥‥‥‥
3.3.6 菱形十二面体 ‥‥‥.‥.
3.3.7 菱形三十面体.‥..‥‥.
3.3.8 凧形二十四面体‥‥‥.‥
3.3.9 凧形六十面体 ‥‥‥‥‥
3.3.10 六方八面体 ‥‥‥‥‥.
3.3.11六方二十面体 ‥‥‥‥..
3.3.12 五角二十四面体‥ ‥ ‥ ‥.
3.3.13 五角六十面体 ‥‥‥.‥.
3.4 正多角柱‥‥‥‥‥ .‥‥‥
3.4.1正三角柱‥...‥....
3.4.2 正六角柱.‥‥.‥.‥‥
3.5 ジョンソンの立体‥‥‥‥‥..
3.5.1正四角錐‥‥‥.‥.‥.
3.5.2 正五角錐‥‥‥‥‥‥.
3.5.3 正三角台塔.
3.5.4 正四角台塔 ‥‥‥.‥‥
3.5.5 正五角台塔.
3.5.6 正五角丸塔 ‥‥..‥‥.
3.5.7 正三角錐柱 ‥‥‥‥ ‥.
3.5.8 正四角錐柱.
3.5.9 正五角錐柱 ‥‥‥.‥..
3.5.10正四角錐反柱 ‥‥.‥‥.
3.5.11正五角錐反柱.‥.‥‥‥
3.5.12 双三角錐(デルタ六面体) ‥.
3.5.13双五角錐(デルタ十面体) ‥.
3.5.14双三角錐柱 ‥‥.‥‥‥
3.5.15 双四角錐柱..
3.5.16双五角錐柱.‥‥.‥.‥
3.5.17双四角錐反柱(デルタ十六面体) 3.5.18正三角台塔柱 ‥‥‥‥..
3.5.19正四角台塔柱. ‥‥‥ ‥.
3.5.20正五角台塔柱.. ‥‥‥‥
3.5.21正五角丸塔柱 ‥.‥.‥‥
3.5.22 正三角台塔反柱‥. ‥ ‥ ‥
3.5.23正四角台塔反柱‥. ‥ ‥ ‥ 3.5.24正五角台塔反柱‥ ‥. ‥ ‥
35 35 35 36 36 36 37 37 38 38 39 39 40 41 42 42 42 43 43 44 44 45 45 46 46 46 47 47 48 48 49 49 50 50 51 51 52 52
3.5.25 正五角丸塔反柱...‥...‥‥
3.5.26 異相双三角柱 ‥‥‥.‥‥.‥.
3.5.27 同相双三角台塔‥ ‥ ‥. ‥.
3.5.28 同相双四角台塔‥.‥‥.‥‥.
3.5.29 異相双四角台塔‥‥‥.‥‥.‥
3.5.30 同相双五角台塔‥‥.‥‥.‥.
3.5.31異相双五角台塔‥. ‥‥ ‥‥ ‥
3.5.32 同相双五角丸塔‥‥‥ ‥‥ ‥.
3.5.33 同相双三角台塔柱‥ ‥ ‥ ‥. ‥.
3.5.34異相双三角台塔柱‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
3.5.35 異相双四角台塔柱(ミラーの立体)
3.5.36 同相双五角台塔柱‥ ‥. ‥ ‥ ‥.
3.5.37異相双五角台塔柱‥ ‥. ‥ ‥. ‥
3.5.38 同相双五角丸塔柱‥ ‥. ‥ ‥ ‥.
3.5.39 双三角台塔反柱‥.‥.‥‥ .‥
3.5.40 双四角台塔反柱.‥.‥‥‥‥.
3.5.41双五角台塔反柱‥‥‥ ‥‥. ‥
3.5.42 双五角丸塔反柱‥‥‥..‥‥.
3.5.43 側錐三角柱 ‥‥‥‥‥.‥‥
3.5.44 二側錐三角柱 ‥.
3.5.45 三側錐三角柱(デルタ十四面体)
3.6 星型正多面体 ‥‥‥‥.‥ .‥‥ ‥
3.6.1 星型小十二面体‥‥‥‥‥‥.
3.6.2 星型大十二面体.‥‥‥‥. ‥.
3.6.3 大十二面体 ‥‥‥.‥‥‥‥
3.6.4 大二十面体 ‥‥‥‥‥‥ ‥.
3.7 星型準正多面体 ‥‥.‥‥‥‥‥ ‥ 3.7.1八面半八面体 ‥. ‥‥
3.7.2 四面半六面体 ‥‥‥.‥‥.‥
3.7.3 小立方立方八面体‥‥‥‥.‥.
3.7.4 立方半八面体 ‥‥‥‥‥‥‥
3.7.5 小斜方六面体 ‥‥‥‥‥‥‥
3.7.6 /トニ重三角二十・十二面体‥. ‥ ‥
3.7.7 十二・十二面体‥‥‥‥‥ . ‥
3.7.8 小十二面半十二面体 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
3.8 ダ・ヴインチの塁‥‥.‥‥.‥‥ ‥ 3.8.1正四面体から作られるダ・ヴインチの星
3.8.2 立方体から作られるダ・ヴインチの星
52 53 53 54 54 55 55 55 56 57 57 58 58 58 59 60 60 60 61 62 62 63 63 63 64 64 65 65 65 66 66 67 67 68 68 69 69 69
3.8.3 正八面体から作られるダ・ヴインチの星
3.8.4 正十二面体から作られるダ・ヴインチの星
3.8.5 正二十面体から作られるダ・ヴインチの星
3.9 複合多面体 ‥.‥.‥‥‥.‥.‥‥
3.9.1正四面体2つの複合多面体. ‥ ‥ ‥.
3.9.2 立方体と正八面体の複合多面体. ‥ ‥
3.9.3 正十二面体と正二十面体の複合多面体.
3.9.4 正十二面体2つの複合多面体 ‥. ‥.
3.9.5 正二十面体2つの複合多面体 ‥ ‥ ‥
3.9.6 正八面体と正十二面体の複合多面体‥.
3.9.7 正十二面体と大十二面体の複合多面体.
3.10立方体を切断した立体.‥‥‥‥‥‥.
3.10.1切り口が辺の中点を通る正三角形. ‥
3.10.2 切り口が3つの頂点を通る正三角形‥.
3.10.3切り口が辺の中点を通る正六角形‥ ‥ 3.11種数>oの曲面‥. ‥
3.ll.1トーラス(種数1)
3.ll.2 種数2の曲面 ‥
3.ll.3 種数3の曲面 ‥
3.12その他.‥‥‥ ‥.‥ ‥‥.
3.12.1平行六面体 ‥‥‥‥‥
3.12.2 立方体から作られる正十二面体
3.12.3 四角錐台. ‥ ‥ ‥
3.12.4 カライドサイクル. ‥
4 実践例
4.1小学校での実践‥‥‥‥
4.2 高等学校での実践‥ ‥. ‥
4.3 日本数学協会年次大会での講演
4.4 組み上げ方の例‥‥‥‥
5 本論文のまとめと課題 5.1本論文のまとめ ‥‥.‥
5.2 今後の課題 ‥‥‥‥‥
参考文献 謝辞
70 70 70 71 71 72 72 73 73 74 74 75 75 76 78 79 80 80 81 82 82 83 84 85
86 86 87 88 88
90 90 90
91
92
1 序章
1.1 本研究について
多面体の模型を作る方法はいくつかあるが、多面体の展開図を描き、対 になっている稜の片方を選んで糊代をつけたものを台紙とし、糊代に糊 を塗り、対応する稜を張り合わせて閉じる、というものが最も一般的であ る。この方法は、作った後、糊のせいでその部分が変形したり、再び解体 しながら構造を調べたりするということができない。また、各面が紙1枚 分の厚さしかないため、壊れにくくてしっかりとした模型を作ることが難
しい。このような点を解消し、台紙とはさみだけを用いて作ることができ るのが、 「編み上げ多面体」と「多面体の組みモデル」というものである。
前者は19世紀末に、イギリスの結晶学者ジョン・ゴーラムが考案し、そ れを数学の目的に即して改良・発展させた、 1959年のA.P.パージェタ‑
の論文『pLAITED POI〃HEDRA (編み上げ多面体)』(参考文献[1])に 基づいている。後者については、ヴァルサー著(蟹江幸博訳) 『黄金分割』
(参考文献[2])の中で編み上げ多面体をの改良版と言うべき模型が7種類 紹介されている。編み上げ多面体に対するこの模型の優位性に着目して、
蟹江先生はこのタイプの模型を多面体の組みモデルと呼ぶことにされた。
本研究はパージェタ‑ [1]のモデルの確認・検証と、対応する組みモデル の中で、 「良い」モデルをどう作るのかという点について調べてみた。で きる限り一般的に行いたいと思ったが、多面体の世界の豊かさのため、一 般的には「良い」組みモデルの構成法は得られていないが、延べ111種類 の多面体に対して具体的に構成した。その中で、一般的に述べることはで きていないが、幾つかが浮かんできている。
私が始めてこの方法に出会ったのは、大学4年生のときであった。現在 の指導教官である蟹江先生の研究室のゼミ生になり、そのゼミの中でヴァ
ルサー【2]を基に制作された立方体や菱形十二面体の台紙を組み上げる機 会があった時だった。その後、同じゼミ生らと共にヴァルサー【2]に書か れていた台紙をgifファイルで制作していった。その後大学院に進学し、
蟹江先生からパージェタ‑の論文を紹介していただいた。この論文から、
この方法によってヴァルサー【2]に書かれている多面体以外にも、様々な 多面体が制作できることを知り、他のさまざまな多面体で制作できるもの がないかと考え、この研究を始めることになった。
本研究の流れは、まずパージェタ‑ [1]やヴァルサー【2]を基にそれらの 中で紹介されている多面体をいくつか実際に制作した。その後、それを基
に、それらの文献で紹介されていないような多面体をこの方法を用いて制 作してゆく事にした。その際、 ‑松信著『多面体を解く』 (参考文献【3]) やダウト・サットン著(青木薫訳) 『プラトンとアルキメデスの立体‑
三次元に浮かびあがる美の世界』 (参考文献[4])、川村みゆき著『多面体 の折り紙一正多面体・準正多面体およびその双対‑』 (参考文献[5])など の本で最も基礎的な多面体の種類や性質などを調べていった。さらに、そ れらの本にのっていないような物はないかインターネットで調べ、 『The
polyhedra world』 (参考文献[6])というホームページにてさらに多くの
多面体の存在を知り、それらの台紙についても制作してゆくことにした。
また、 G.トス著(蟹江幸博訳) 『数学名所案内上・下』 (参考文献[7],[8】) で多面体の変換群について調べ、制作した台紙と多面体の変換群などの性
質との関連性も見ていくことにした。さらに、蟹江先生は小学校から高校 までの出前授業などで、これらの台紙を教材として用いる実践を行ってお り、その授業の様子などをもとに、制作したものの教材としての活用のに ついても考察してみた。
1.2 本論文の構成
本論文では、まず第2章で実際に台紙を制作していくときの手順につい て説明されている。この手順について一般的に完全である事を述べること ばできていないが、これまでに制作した台紙は全てこの手順で制作されて いる。ここで制作されていない多面体の台紙についてもほぼ同様の手順で 制作できると予想される。次に、第3章では実際に制作した台紙を紹介し ている。ここでは、いくつかの多面体については、台紙とその多面体の変 換群との関係を述べている。そして、第4章ではこれらの教材としての活 用方法の例を紹介している。ここでは、実際にその為に作成した組み立て るためのマニュアルの例も紹介する。
2 台紙
2.1編み上げ多面体と多面体の組みモデルの台紙
ここでは,編み上げ多面体と多面体の組みモデルの台紙はどのようなも のなのか、立方体の台紙の例を挙げて紹介する。
前章の最初に述べたような,最も一般的な模型の作り方で用いる台紙 は、園2.1のようなものになる。この台紙の正方形部分につけられた7つ の糊代に糊を塗り,対応する稜を蛋り合わせて組み立てる。これに対し て、図2.2の左側が編み上げ多面体と呼ばれる模型の台紙である。この台 鰍ま、連結な平面領域であり、三角形や四角形に分割され、全体としては 枝分かれした細片が集まった形をしている。この台紙を立体の稜になる辺 に沿って折り曲げ、細片を紐のように見立てて編み上げてゆく。そして、
図2.2の右側が多面体組みモデルと呼ばれる模型の台紙であるo この台紘 は、三角形や四角形が連なった帯のようなものになっており、この帯を立 体の稜になる辺に沿って折り曲げ、何枚かの帯を同時に紐のように見立て て編み上げてゆく。これら図2.2の台紙は、 「編む」という作業によって, 各面を2‑4重に重ね合わせることと、細片の端を他の面の下の隙間に差
し込むことによって、紙同士の摩擦で糊の代わりを果たす。そのため、糊 のせいで糊代部分が変形することがなく,作った後でも解体して組み立て 直したりすることができる。また、各面が2‑4重になるので、普通紙で
もしっかりとした模型を作ることができる。
図2.1:一般的な立方体の模型の台紙
図2.2:立方体の台紙(左:編み上げタイプ、右:組みモデルタイプ)
2.2 台紙の制作
ここでは、与えられた多面体をもとに組みモデルタイプの台紙を制作し た際の簡単な流れを紹介する。この方法は、パージェタ‑ [1]に紹介され ていた方法を基にしている。
2.2.1 四角形に分割する
2つの帯が交差するとき、その共通部分は四角形になる。ゆえに、まず与 えられた多面体の表面を四角形に分割する。
角形が1つの対角線で折れていても、つまり、
稜の部分になっていても構わない。
ほぼ全ての多面体でできるであろう最も一 般的な分割の仕方は、まず与えられた多面体 の各面で、その面の内部の点(正多角形の場 合その中心を取るのが普通)と全ての頂点と を結ぶ。そして、その多面体の稜をはさんで
2つの三角形ができ、その2つの三角形を分 割された四角形とすれば、その多面体の表面 は、稜を1つの対角線とするような四角形で 分割される。 (図2.3は立方体での例)しか
このとき、その分割された四 1つの対角線がその多面体の
図2.3:立方体の例 し、この方法を用いて分割すると、とても多
くの四角形に分割されてしまい、帯の形や組み上げ方が複雑になってしま うことが多い。これを解消するため以下のような方法を用いて、分割され た四角形を減らすことができる。ただし、与えられた多面体の表面全てを 四角形に分割しなければならないため、以下の操作をして四角形でない部 分が残ってしまわないように注意する必要がある。
(1)その多面体がすでに四角形の面のみで構成されている(立方体、菱形 十二面体、凧形二十四面体など)場合、その面をそのまま分割された 四角形と考える
(2)2n角形の面の場合、その内部の点と1つおきに頂点を結ぶとn個の 四角形に分けることができ、これらを分割された四角形と考える(図 2.4は正六角形の面の例)
(3)隣り合った2つの三角形の面があった場合、その2つの三角形を組み 合わせて分割された四角形と考える(図2.5は正八面体での例)
(4)三角形の面と三角形ではない面が隣り合っている場合、三角形でない 面をいくつかの三角形に面に分け、もとの三角形の面とその隣り合っ
た三角形を組み合わせて分割された四角形と考える(図2.6は五角形 の面と三角形の面が隣り合っていた場合の例)
(5)多角形の面をいくつかの四角形と三角形に分け、稜で隣り合った三角 形同士を組み合わせて分割された四角形と考える(図2.7は2つの五
角形の面が隣り合っていた場合の例)
図2.4: (2)の例
図2.6: (4)の例
図2.5: (3)の例
図2.7: (5)の例
以上のようにして分割された四角形は、帯に色付けを施したとき色別の 四角形として出てくることになる。
2.2.2 四角形をつなげる
与えられた多面体の表面を四角形に分割し終わったら、それらの四角形 をつなげていく。その方法は、まず連続した2つの四角形を取り出す。そ の2つの四角形の共通の辺と、向かい合った辺でつながっている四角形を さらに取り出す。そしてさらにその辺と向かい合った辺でつながった四角 形を取り出す。 (図2.8)この作業を続けていくと、もとの2つの四角形の 共通の辺と向かい合ったもう1つの辺に戻ってくることになる。このよう にしてできた四角形の列の輪が、分割された全ての四角形の上で交差する ようになるまで、この作業を繰り返す。
図2.8:向かい合った辺でつながれた四角形の列
2.2.3 帯をつくる
四角形の列の輪をもとに帯を制作する。まず、組み上げるとき最後にし まい込む四角形部分が一番端にくるようにして、四角形の列の輪を切り 離し四角形の列をとりだす。その後、しまい込む四角形とその隣の四角形
と計2つ分の合同な四角形を、反対側につなげ糊代部分(実際は糊は塗ら ないが)にする。組み上げると、この糊代部分と反対側の2つ分の四角形 が重なり合うことになる。このとき、四角形1つ分を糊代部分としても組 み上げることはできるが、四角形2つ分ののときほどしっかりとした模型 にならないことが多い。この作業を全ての四角形の列の輪で行うのだが、
その際に、しまい込む部分の四角形をどの位置にするか注意する必要が ある。すでにこの作業を終えた四角形の列の輪は、それらの四角形が交差 する帯の上を通るか下を通るかが決まっていることになる。これに注意し
て、同じ四角形上で交差する碍が、どちらも上を通ることになったり、ど ちらも下を通ることになったりしないようにする必要がある。しかし、こ の方法で帯を制作すると、組み上げにくい場合がある。その際は以下のよ
うな操作をする。
(1)しまい込む部分の四角形の対角線が多面体の稜になっている場合。こ のとき、その四角形は多面体の2つの面に跨っていることになるが、
その2つの面の二面角が鋭角もしくは180度以上(凹になっている) 場合最後にしまい込むのが難しい。そこで、その四角形を多面体の稜 になっている対角線で切り、反対側の端に付け加える。 (図2.9)
図2.9:基本立方体(2)での例
(2)組み上げる時に、帯の糊代部分が2つ以上の面に跨っており、その部 分を組み上げることが困難な場合がある。このとき、その糊代部分杏
カットして短くする。 (八面半八面体、四面半六面体など)この場合 に当てはまるかどうかば、実際に組み上げてみなければ分かりづらい が、その糊代部分が跨っている面の2面角が鋭角になっているとこの 場合に当てはまることが多い。
(3)四角形の列がその列自身と交差しているとき、ある程度帯を形作って からそれらの帯の間を交互に通す作業が必要になることがあり、組み 上げるのが困難になる。こういった場合、その帯を両方の四角形の数 が偶数になるように注意して適当な位置で切り離し、糊代部分がない 方に糊代を付け加えて、新たに2本の帯として組み上げると、この問 題が解消することがある。 (振れ十二面体、双三角錐など)
以上のような操作をしてできたいくつかの帯が、その多面体を組み上げ る台紙となる。
2.3 台紙を作る上での組みモデルタイプの優位性
立体の表面の四角形への分割の仕方によっては、ここまでで述べた方法 で四角形の列を取り出すことができても、その取り出した四角形の列やそ れらと糊代部分とが同一平面上に表せないために、台紙が作れない場合が
ある。単純な例であっても、立方体の表面を図2.10のように四角形に分 割した場合には、図の太い破線部から出発した四角形の列は、同じ破線部 に戻ってくることになる。すると、同一平面状ではさらに糊代部分を付け 足すことができない。 (図2.ll)このようなとき、組みモデルタイプでは その四角形の列をさらに2つに分けることで、平面上に糊代部分を付けた 台紙を作ることができる。 (図2.12)
図2.10:分割の例 図2.ll:取り出した四角形の列
図2.12:分割した帯の例
3 具体的な台紙の例
ここでは、実際に制作した台紙を、その立体の特徴などを交えて紹介す る。正多面体の組みモデルタイプと複合多面体以外は白黒になっている が、実際の台紙はそれらと同じような色付けがされている。図中の帯の右
もしくは右下にある「×Ⅳ」という表記は、その帯をⅣ本使用するとい う意味である。また、特に断りがない場合、制作された台紙は組みモデル タイプの台紙である。帯の中での、実線は山折り、破線は谷折りを示す。
灰色の細い破線は立体の表面を四角形に分割した時の線を示すもので、そ の破線で交差する帯の境界が通ることになる。
3.1正多面体
正多面体とは、有限個の面で構成された凸多面体で、全ての面が合同な 正多角形で構成されており、全ての頂点が合同な正多角錐で構成される多 面体のことをいう。全部で5種類あり、 5種類全ての台紙を制作した。正 多面体は対称性が非常に高いため、 1つの立体で何種類もの台紙ができて いるものが多く、組みモデルタイプでは、合同な帯だけで構成されるよう な立体がそれぞれできている。それらの台紙は、それぞれの帯がそれらの 多面体の変換群の生成元に対応している。そのため、互いに双対関係にあ る立体同士の帯を比べてみると、帯の本数や組まれ方などが互いに同じ構 造をしている。
3.1.1 正四面体
正四面体は、合同な4つの正三角形で構成されており、各頂点には3つ の面が集まっている。また、変換群は正四面体群で。この立体は、表面の 四角形への分割仕方によって、 3種類の台紙がある。
(1)正四面体の向かい合った2つの稜で、それぞれ隣り合った2つの面を 合わせたものを分割された四角形として帯を制作したもの。この台紘 は編み上げタイプで、パージェタ‑ [1]で紹介されているものである。
図3.1:正四面体(1)の台紙
(2)正四面体のある1つの面で中心から全ての頂点に向かって線を引き、
その面の辺で隣り合った分けられた二等辺三角形と正四面体の面と杏 合わせたものを分割された四角形として帯を制作したもの。この台紙 は編み上げタイプで、パージェタ‑ [1]で紹介されているものである。
図3.2:正四面体(2)の台紙
(3)正四面体の各面で、中心から全ての頂点に向かって線を引き、立体の 稜で隣り合った2つの二等辺三角形を合わせたものを分割された四角 形として帯を制作したもの。このタイプは編み上げタイプ(図3.3)と 組みモデルタイプ(図3・4)の両方があり、前者はパージェタ‑[1]で 紹介されている。組みモデルタイプは、合同な3本の帯で構成され、
立体の向かい合った2つの辺の中点同士を結んだ直線を軸とした回転 に対応したものになっている。
図3.3:正四面体(3)の台紙(編み上げタイプ)
図3.4:正四面体(3)の台紙(組みモデルタイプ)
3.1.2 立方体
立方体は、合同な6つの正方形で構成されており、各頂点には3つの 面が集まっている。また、変換群は正八面体群で、正八面体とは互いに双 対関係になっている。この立体は、表面の四角形への分割のしかたによっ
て、 6種類の台紙を制作した。
(1)立方体の各面を分割された四角形として帯を制作したもの。このタイ プは編み上げタイプ(図3.5)と組みモデルタイプ(囲3.6)の両方が
あり,前者はパージェタ‑ 【1]で、後者はヴァルサー[2]で紹介されて いる。組みモデルタイプは、合同な3本の帯で構成され、向かい合っ
た面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応したものになっている。
このタイプの立方体は、最も簡単に作ることができ、教材としても級 みモデルを制作する際の導入に使用されることが多いため、基本立方 体(1)と呼んでいる。
図3.5:立方体(1)の台紙(編み上げタイプ)
図3.6:立方体(1)の台紙(組みモデルタイプ)
(2)立方体の各面で、中心から全ての頂点に向かって線を引き、立体の稜 で隣り合った2つの直角二等辺三角形を合わせたものを分割された四 角形として帯を制作したもの。このタイプも編み上げタイプ(囲3.7)
と組みモデルタイプ(図3.8)の両方があり、前者はパージェタ‑ [1]
で、後者はヴァルサー上2】で紹介されている。組みモデルタイプは, 合同な4本の帯で構成され、立体の中心で点対称になっている頂点同 士を結んだ直線を軸とした回転に対応したものになっている。このタ イプの立方体も比較的簡単に作ることができ、基本立方体( 1)の次
の教材として使用されることが多いため、基本立方休(2)と呼んで いる。
図3.7:立方体(2)の台紙(編み上げタイプ)
図3.8:立方体(2)の台糸氏
(3)立方体の向かい合った2つの面をそのまま分割された四角形とし,他 の4つの面は,それぞれ1本の同じ方向の対角線で分け,立体の稜で
隣り合った2つの直角二等辺三角形を合わせたものを分割された四角 形として帯を制作したもの.このタイプも編み上げタイプ(図3.9) と組みモデルタイプ(図3.10)の両方がある。このタイプは、立方体 (りの向かい合った2つの面を90oねじったような形になっている。
図3.9:立方体(3)の台紙(編み上げタイプ)
図3.10:立方体(3)の台紙
(4)基本立方体(2)では、立方体の各面の中心から全ての頂点に向かっ て線を引いたが、これを、面の内部の適当な点から全ての頂点に向 かって線を引いた場合のものがこのタイプである。このタイプも編み 上げタイプ(図3.ll)と組みモデルタイプ(図3.12)の両方があり,
どちらも立方体(2)の帯を変形したものになっているo
図3.ll:立方体(4)の台紙(編み上げタイプ)
囲3.12:立方体(4)の台紙
(5)立方体の各面を1本の対角線で分け,立体の稜で隣り合った2つの直 角二等辺三角形を、分けられた直角二等辺三角形が1つだけ残ること がないよう、うまく合わせたものを分割された四角形として帝を制作
したもの。
図3.13:立方体(5)の台紙
(6)立方体の各面を合同な4つの正方形に分け、それらを分割された四角 形として帯を制作したものQ基本立方体(1)の帯を2本に分けたよ
うな形をしており,合同な6本の帯で構成され、帯2本がそれぞれ組 になって、向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応
したものになっている。このタイプの帯の範まれ方は、これ以降で紹 介する立体で,変換群が正八面体群になっている立体でよく出てくる 組まれ方である。
図3.14:立方体(6)の台紙
3.1.3 正八面体
正八面体は、合同な8つの正三角形で構成されており、各頂点には4つ の面が集まっている。また、変換群は正八面体群で、立方体とは互いに双 対関係になっている。この立体は、表面の四角形への分割のしかたによっ
て、 5種類の台紙を制作した。
(1)正八面体のそれぞれ隣り合った2つの面を合わせたものを分割された 四角形として帯を制作したもの。この台紙は編み上げタイプで、パー ジェタ‑ [1】で紹介されているものである。
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図3.15:正八面体(1)の台紙(編み上げタイプ)
(2)正八面体の中心で点対称な位置にある2つの頂点を結ぶ直線を軸とし た回転で対象になるように、それぞれ隣り合った2つの面を合わせた ものを分割された四角形として帯を制作したもの。この台紙は編み上 げタイプで、パージェタ‑ 【1]で紹介されているものである。
図3.16:正八面体(2)の台紙(編み上げタイプ)
(3)正八面体のある向かい合った2つの面の中心から全ての頂点に向かっ て線を引き、それぞれ、その面の辺で隣り合った分けられた二等辺三 角形と正八面体の面とを合わせたものを分割された四角形として帯を 制作したものoこのタイプは編み上げタイプ(囲3.17)と組みモデル タイプ(園3.18)の両方がある。組みモデルタイプは,合同な3本の 帯で構成される。
図3.17:正八面体(3)の台紙(編み上げタイプ)
図3.18:正八面体(3)の台紙(組みモデルタイプ)
(4)正八面体の各面で、中心から全ての頂点に向かって線を引き,立体の 稜で隣り合った2つの二等辺三角形を合わせたものを分割された四角 形として帯を制作したもの。このタイプは編み上げタイプ(図3.19)
と組みモデルタイプ(囲3.20)の両方があり、前者はパージェタ‑ [1]
で紹介されている。組みモデルタイプは、合同な4本の帯で構成され、
立体の向かい合った2つの面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対 応したものになっている。
国3.19:正八面体(4)の台紙(編み上げタイプ)
図3.20:正八面体(4)の台紙(組みモデルタイプ)
(5)正八面体の各面で、中心から全ての辺の中点に向かって線を引き、そ れぞれの面で分けられた3つの凧形四角形を分割された四角形として 帯を制作したものo合同な6本の帯で構成され,帯2本がそれぞれ組 になって,向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応
したものになっており,立方体(6)と同じ組まれ方である。
図3.21:正八面体(5)の台紙
3.1.4 正十=面体
正十二面体は、合同な12個の正五角形で構成されており、各頂点には 3つの面が集まっている。また、変換群は正二十面体群で、正二十面体と は互いに双対関係になっている。
この立体の帯は、各面で中心から全ての頂点に向かって線を引き、立体の 稜で隣り合った2つの二等辺三角形を合わせたものを分割された四角形と
して帯を制作した。合同な6本の帯で構成され、向かい合った面の中心を 結んだ直線を軸とした回転に対応したものになっている。
図3.22:正十二面体の台紙
3.1.5 正二十面体
正二十面体は、合同な20個の正三角形で構成されており、各頂点には 5つの面が集まっている。また、変換群は正二十面体群で、正十二体とは 互いに双対関係になっている。この立体は、表面の四角形への分割のしか たによって、 2種類の台紙を制作した。
(1)正二十面体の中心で点対称な位置にある2つの頂点を結ぶ直線を軸と した回転で対象になるように、それぞれ隣り合った2つの面を合わせ たものを分割された四角形として帯を制作したもの。この台紙は編み 上げタイプで、パージェタ‑ [1]で紹介されているものである。
図3.23:正二十面体(1)の台紙
(2)正二十面体の各面で,中心から全ての頂点に向かって線を引き,立体 の稜で隣り合った2つの二等辺三角形を合わせたものを分割された四 角形として帯を制作したもの。このタイプは編み上げタイプ(図3.24)
と組みモデルタイプ(図3.25)の両方があり、前者はパージェタ‑ [1]
で紹介されている。組みモデルタイプは、合同な6本の帯で構成され、
立体の中心で点対称な位置にある2つの頂点を結んだ直線を軸とした 回転に対応したものになっている。
∴ I;ゝ・二.ゝ
‑:̲̲:‑:‡ ■享
図3.24:正二十面体(2)の台紙(編み上げタイプ)
図3.25:正二十面体(2)の台紙(組みモデルタイプ)
3.2 準正多面体
準正多面体とは、有限個の面で構成された凸多面体で、全ての面が(2 種類以上の)正多角形で構成されており,全ての頂点が合同な正多角錐で 構成される多面体のことをいう。全部で13種類あるとされており、 13種 類全ての台紙を制作した。アルキメデスの正多角柱やアルキメデスの正多 角反柱もこの条件を満たすが、種類が無限にあることや、それらの変換群 が二面体群に属すため、準正多面体からは除かれる。また、ミラーの立体
と呼ばれる多面体もこの条件を満たすが、その変換群が正多面体群になら ないため,除かれることが多い。
3.2.1 切頂四面体
切頂四面体は、正四面体の各頂点をもとの面が正三角形になるように 削った形をした立体で、正六角形4個と正三角形4個の面で構成される。
変換群は正四面体群である。この立体は合同な3本の帯で構成される0
̲‑1T‑i‑I‑̲I図3.26:切頂四面体の台紙 ̲:
3.2.2 切頂六面体
切頂六面体は、立方体の各頂点をもとの面が正八角形になるように削っ た形をした立体で、正八角形6個と正三角形8個の面で構成される。変換 群は正八面体群である。この立体はそれぞれ合同な6本の帯と3本の帯で 構成され、このうち前者2本と後者1本の計3本がそれぞれ組になって、
もとの立方体の向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応 したものになっている。
L‑‑=/
警題毘謹韮鞍重盗凝磯■■
図3.27:切頂六面体の台紙
3.2.3 切頂八面体
切頂八面体は、正八面体の各頂点をもとの面が正六角形になるように 削った形をした立体で、正六角形8個と正方形6個の面で構成される。変 換群は正八面体群である。この立体は合同な6本の帯で構成され、もとの 正八面体の中心で点対称な位置にある2つの向かい合った辺の中心を結ん だ直線を軸とした回転に対応したものになっている。
図3.28:切頂八面体の台紙
3.2.4 切頂十二面体
切頂十二面体は、正十二面体の各頂点をもとの面が正十角形になるよう に削った形をした立体で、正十角形12個と正三角形20個の面で構成さ れる。変換群は正二十面体群である。この立体は合同な6本の帯で構成さ れ、もとの正十二面体の向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回 転に対応したものになっている。
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・■ I‑ ■、、. 、‑.
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図3.29:切頂十二面体の台紙
3.2.5 切頂二十面体
切頂二十面体は、正二十面体の各頂点をもとの面が正六角形になるよう に削った形をした立体で、正六角形20個と正五角形12個の面で構成され る。変換群は正二十面体群である。この立体は合同な10本の帯で構成さ れ、もとの正二十面体の向かい合った面の中JLlを結んだ直線を軸とした回 転に対応したものになっている。
く奴>
xlO
図3.30:切頂二十面体の台紙
3.2.6 立方八面体
立方八面体は、立方体の各頂点を各辺の中点まで削った形をした立体 で、正方形6個と正三角形8個の面で構成される。正八面体で同様の作業 を行っても得ることができ、立方体と正八面体のちょうど中間の立体を言 われている。変換群は正八面体群である。この立体は、表面の四角形への 分割のしかたによって、 2種類の台紙を制作した。
(1)ある向かい合った2つの正方形の面以外の4つの正方形の面を2つに 分け、その隣り合った正三角形と組み合わせてそれぞれを分割された 四角形として帯を制作したもの。この台紙は編み上げタイプで、パー ジェタ‑ [1]で紹介されているものである。
図3.31:立方八面体の台紙
(2)立体の各面で、中心から全ての頂点に向かって線を引き、それぞれの 面で分けられた二等辺三角形を分割された四角形として帯を制作した
もの。合同な6本の帯で構成され、帯2本がそれぞれ組になって、向 かい合った正方形の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応したもの
になっており、立方体(6)と同じ組まれ方である。
図3.32:立方八面体の台紙
3.2.7 十二・ニ十面体
十二・二十面体は、正十二面体の各頂点を各辺の中点まで削った形をし た立体で、正五角形12個と正三角形20個の面で構成される。正二十面体 で同様の作業を行っても得ることができ、正十二面体と正二十面体のちょ うど中間の立体を言われている。変換群は正二十面体群である。この立体 は、合同な12本の帯で構成され、帯2本がそれぞれ組になって、もとの 正十二面体の向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回転に対応し たものになっている。
図3.33:十二・二十面体の台紙
3.2.8 斜方立方八面体
斜方立方八面体は、立方体の各面を中心を固定して辺の長さをJ豆‑1 倍に縮小し、もとの立方体の同じ頂点に集まっていた3つの頂点を結んで
できた面を境界とするような立体で、正方形18個と正三角形8個の面で
構成される。正八面体の面を同じ操作で辺の長さを妄倍に縮小しても得
ることができる。変換群は正八面体群である。
図3.34:斜方立方八面体の台紙
3.2.9 斜方十二・二十面体
斜方十二・二十面体は、正十二面体の各面を中'lL、を固定して辺の長さを
告倍に縮小し、もとの正十二面体の同じ頂点に集まっていた3つの頂
点を結んでできた面を境界とするような立体で、正五角形12個と正方形 30個、正三角形20個の面で構成される。変換群は正二十面体群である。
この立体は合同な12本の帯で構成され、帯2本がそれぞれ組になって、
もとの正十二面体の向かい合った面の中心を結んだ直線を軸とした回転に 対応したものになっている。
図3.35:斜方十二・二十面体の台紙
3.2.10 斜方切頂立方八面体
斜方切頂立方八面体は、切頂六面体の各面を中心を固定して辺の長さを
旦=手近倍に縮小し、もとの切頂六面体の同じ頂点に集まっていた2つの正
八角形の頂点を結んでできた面を境界とするような立体で、正八角形6個 と正六角形8個、正方形12個の面で構成される。切頂八面体の面を同じ
操作で辺の長さを主星享避倍に縮小しても得ることができる。変換群は正
八面体群である。この立体はそれぞれ合同な6本の帯と3本の帯で構成さ れ、このうち前者2本と後者1本の計3本がそれぞれ組になって、もとの 切頂六面体の向かい合った正八角形の面の中心を結んだ直線を軸とした回 転に対応したものになっている。
図3.36:斜方切頂立方八面体の台紙
3.2.11斜方切頂十二・二十面体
斜方切頂十二・二十面体は、切頂十二面体の各面を中J己、を固定して辺の
長さを亘‡辞倍に縮小し、もとの切頂十二面体の同じ頂点に集まっていた
2つの正十角形の頂点を結んでできた面を境界とするような立体で、正十 角形12個と正六角形20個、正方形30個の面で構成される。変換群は正 二十面体群である。この立体は合同な12本の帯で構成され、帯2本がそ れぞれ組になって、もとの切頂十二面体の向かい合った正十角形の面の中 心を結んだ直線を軸とした回転に対応したものになっている。
図3.37:斜方切頂十二・二十面体の台紙
3.2.12 振れ立方体
振れ立方体は、立方体の各面を中心を固定して辺の長さを約o.4376倍 に縮小して約16.28度振り、それぞれの頂点をうまく結んでできた面を境 界とするような立体で、正方形6個と正三角形32個の面で構成される。
変換群は正八面体群である。この立体は合同な6本の帯で構成され、もと
の立方体の中心で点対称な位置にある2つの向かい合った辺の中心を結ん だ直線を軸とした回転に対応したものになっている。
丁:‑̲
̲‑ ニーー 一二:+‑
T4l
図3.38:振れ立方体の台紙
3.2.13 振れ十二面体
振れ十二面体は、正十二面体の各面を中心を固定して辺の長さを約o.5621 倍に縮小して約13.06庭坂り、それぞれの頂点をうまく結んでできた面を 境界とするような立体で、正五角形12個と正三角形80個の面で構成され
る。変換群は正二十面体群である。この立体はそれぞれ合同な6本の帯2 組で構成され、このうち前者と後者1本ずつが組になって、もとの正十二 面体の向かい合った面の中JIL、を結んだ直線を軸とした回転に対応したもの
になっている。
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‑‑ ≡:I‑‑::‑‑‑‑‑:
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L∴‑̲i‑̲i̲ii̲iii5
T4Tjig=:̲̲
‑二‑ :‑‑‑‑‑ I‑TJl ‑.‑‑i‑‑‑遜図3.39:振れ十二面体の台紙
3.3 準正多面体の双対多面体
ある立体の頂点と面の数を入れ替えたような立体のことを、元の立体の 双対多面体という。準正多面体の双対多面体は、その立体の面の内心を結 ぶと準正多面体になる。それぞれの立体が、全ての面が合同で、かつ全て
の二面角が等しくなっている。全部で13種類あるとされており、 13種類 全ての台紙を制作した。これらの多面体は、全ての面が合同で対称性が高
いことから、それぞれ合同な帯だけで構成されるものが多い。
3.3.1 三方四面体
三方四面体は切頂四面体の双対多面体で、合同な12個の二等辺三角形 で構成される。変換群は正四面体群である。この立体は、正四面体の各面 の中/L、を少し持ち上げたような形をしているため、正四面体(3)の帯を 少し変形したような形になっており、合同な3本の帯で構成される。
̲
/̲::://̲I̲I::I‑I̲/J二:I:I‑:
̲I̲:I
I:
‑]=/∵
図3.40:三方四面体の台紙
3.3.2 三方八面体
三方八面体は切頂六面体の双対多面体で、合同な24個の二等辺三角形 で構成される。変換群は正八面体群である。この立体は、正八面体の各面 の中心を少し持ち上げたような形をしているため、正八面体(4)の帯を 少し変形したような形になっており、合同な4本の帯で構成される。
̲̲二二 ̲ 二ニー‑̲一二:̲二T
‑=二
図3.41:三方八面体の台紙
3.3.3 四方六面体
四方六面体は切頂八面体の双対多面体で、合同な24個の二等辺三角形 で構成される。変換群は正八面体群である。この立体は、立方体の各面の 中心を少し持ち上げたような形をしているため、基本立方体(2)の帯を 少し変形したような形になっており、合同な4本の帯で構成される。
/ 室… ! ×4
図3.42:四方六面体の台紙
3.3.4 三方二十面体
三方二十面体は切頂十二面体の双対多面体で、合同な60個の二等辺三 角形で構成される。変換群は正二十面体群である。この立体は、正二十面 体の各面の中心を少し持ち上げたような形をしているため、正二十面体 (2)の帯を少し変形したような形になっており、合同な6本の帯で構成 される。
■ ■
一 ■・‑L
・.
図3.43:三方二十面体の台紙
3.3.5 五方十二面体
五万十二面体は切頂二十面体の双対多面体で、合同な60個の二等辺三 角形で構成される。変換群は正二十面体群である。この立体は、正十二面 体の各面の中心を少し持ち上げたような形をしているため、正十二面体の 帯を少し変形したような形になっており、合同な6本の帯で構成される。
/二̲ …く…
/
図3.44:五万十二面体の台紙
3.3.6 菱形十=面体
菱形十二面体は立方八面体の双対多面体で、合同な12個の菱形で構成 される。変換群は正八面体群である。この立体の帯はヴァルサー[2]で紹 介されているものであり、合同な4本の帯で構成される。
■■■■■■.
図3.45:菱形十二面体の台紙
3.3.7 菱形三十面体
菱形十二面体は十二・二十面体の双対多面体で、合同な30個の菱形で
構成されるo変換群は正二十面体群である。この立体の帯はヴァルサー【2]
で紹介されているものであり、合同な6本の帯で構成される。
図3.46:菱形三十面体の台紙
3.3.8 凧形二十四面体
凧形二十四面体は斜方立方八面体の双対多面体で、合同な24個の凧形 四角形で構成される。変換群は正八面体群である。この立体は、合同な6 本の帯で構成される。
図3.47:凧形二十四面体の台紙
3.3.9 凧形六十面体
凧形六十面体は斜方十二・二十面体の双対多面体で、合同な60個の凧 形四角形で構成される。変換群は正二十面体群である。この立体は、合同
な十二本の帯で構成される。
図3.48:凧形六十面体の台紙
3.3.10 六方八面体
六方八面体は斜方切頂立方八面体の双対多面体で、合同な48個の三角 形で構成される。変換群は正八面体群である。この立体は、合同な6本の 帯で構成される。
図3.49:六方八面体の台紙
3.3.11 六方二十面体
六方二十面体は斜方切頂十二・二十面体の双対多面体で、合同な120個 の三角形で構成される。変換群は正二十面体群である。この立体は、合同 な12本の帯で構成される。
図3.50:六方二十面体の台紙
3.3.12 五角二十四面体
五角二十四面体は振れ立方体の双対多面体で、合同な24個の五角形で 構成される。変換群は正八面体群である。この立体は、合同な6本の帯で 構成される。
図3.51:五角二十四面体の台紙
3.3.13 五角六十面体
五角六十面体は振れ十二面体の双対多面体で、合同な60個の五角形で 構成される。変換群は正二十面体群である。この立体は、それぞれ合同な 6本の帯と4本の帯で構成される。